日本史映画・江戸時代前期
歴史映画コーナーのトップに戻る注:「忠臣蔵」ネタはなにしろ厖大な作品群がありますので、現時点で私が何らかの形で見たものに限らせていただきました。
◎原始〜平安時代◎鎌倉〜室町時代◎戦国時代◎安土桃山時代◎江戸前期◎江戸後期◎明治〜現代
○「宮本武蔵」五部作1961年・東映
◇スタッフ
○監督:内田吐夢
◇キャスト
中村(のち萬屋)錦之助(宮本武蔵)、高倉健(佐々木小次郎)、木村功(又八)、入江若葉(お通)、三国連太郎(沢庵)ほか
◇うんちく
余りにも有名な吉川英治の「宮本武蔵」。数多くの映画化の中でも吐夢−錦之助コンビの本作が最も高い評価を受けている。吐夢監督のリアリズム描写が特徴で、巌流島の決闘の後「しょせん剣は武器か」と武蔵がつぶやくラストが印象的。
○「宮本武蔵」三部作東宝
◇スタッフ
○監督:稲垣浩
◇キャスト
三船敏郎(宮本武蔵)、鶴田浩二(佐々木小次郎)ほか
◇うんちく
数多く創られた「宮本武蔵」の三船バージョン。これの第一作は海外公開され、なんとアカデミー賞外国語映画賞を受賞している!確か「サムライ・サガ」とかいうタイトルになっていたような・・・
○「宮本武蔵」昭和59年(1984)NHK時代劇
◇キャスト
役所広司(宮本武蔵)、古手川祐子(お通)、津川雅彦(沢庵)、佐々木小次郎(中康次)ほか
◇うんちく
僕ぐらいの世代だと「武蔵」といえばこれなのだが・・・キャスティングをほとんど忘れてしまった(汗)。NHK大河ドラマが近現代になったので、水曜日の大型時代劇として一年間放送された。何といっても役所広司の武蔵の新鮮な荒々しさと、それをいびりまくるお杉婆さんのトコトンまでの悪女ぶりが印象的な作品。
○「武蔵-MUSASHI-」2003年NHK大河ドラマ
◇キャスト
市川新之助(宮本武蔵)、米倉涼子(お通)、堤真一(本位田又八)、松岡昌宏(佐々木小次郎)、中井貴一(柳生宗矩)ほか
◇うんちく
吉川英治の「宮本武蔵」を原作にしつつ大幅に改造(改悪?)し、「巌流島」以後も加えてどうにか一年間放送。「バガボンド」人気に便乗した勘違い企画としか思えない内容で、大河史上ワースト3位の視聴率に終わった。
○「巌流島」NHK時代劇
◇キャスト
渡辺謙(佐々木小次郎)、滝田栄(宮本武蔵)ほか
◇うんちく
ジェームズ三木脚本による、ちょっと変わり種の「巌流島の決闘」ドラマ。実は武蔵・小次郎の対決の背景には小倉藩の権力闘争があったとする新解釈で、小次郎は武蔵ではなく小倉藩の藩士によって止めを刺される。なんでもそれをほのめかす資料があるとのこと。
○「巌流島GANRYUJIMA」2003年・NOMO
◇スタッフ
○監督:千葉誠治
◇キャスト
本木雅弘(宮本武蔵)、田村淳(助蔵)、西村雅彦(佐々木小次郎)ほか
◇ストーリー
佐々木小次郎の待つ舟島へ決闘に赴く武蔵。武蔵は近くの漁師一家に乱暴を働き、その家の助蔵を脅迫して島へ舟を出させる。あまりにも極悪な武蔵に耐えかねた助蔵は武蔵の隙を突いて…
◇うんちく
日本テレビが製作した1時間20分程度の小品で巌流島決闘の新解釈(?)をリアルタイムに近い時間で見せる。圧巻(悪漢?)なのが極悪非道・傍若無人の武蔵像で本木雅弘自身も自らのイメージに挑戦した形。武蔵が「五輪書」で巌流島決闘について触れていないことに皮肉な「真説」を出したもので、ロンドンブーツの田村淳が実質的主役ともいえる漁師役を好演。映画全体としてはもう一つひねりが欲しかったところ。
○「真田幸村の謀略」1979年・東映京都
◇スタッフ
○監督:中島貞夫
◇キャスト
松方弘樹(真田幸村)、萬屋錦之介(徳川家康)、片岡千恵蔵(真田昌幸)、高峰三枝子(淀君)、梅宮辰夫(真田信幸)、丹波哲郎(加藤清正)、寺田農(霧隠才蔵)、あおい輝彦(猿飛佐助)、真田広之(三好伊三入道)、秋野暢子(三好清海入道=ジュリアおたあ)ほか
◇ストーリー
関ヶ原の戦いに勝利した家康はキリシタン、傾奇者、草の者たちを弾圧するかたわら、豊臣家つぶしの謀略をしかける。九度山に蟄居していた真田幸村は草の者たち「十勇士」を集め、家康の首を狙う。
◇うんちく
「柳生一族の陰謀」の流れを汲む奇想天外な東映型娯楽時代劇。冒頭のっけから巨大隕石が地球に落下してきたり、十勇士たちもテレパシーやら気象魔術やらもうなんでもアリの忍法乱舞。ラストは予想通り(以下略)。大阪の陣の戦闘シーンはかなり大掛かりなもの。
○「春日局」平成元年(1989)NHK大河ドラマ
◇キャスト
大原麗子(春日局)、丹波哲郎(徳川家康)、江口洋介(徳川家光)、藤岡弘(織田信長)、藤岡琢也(豊臣秀吉)、五木ひろし(明智光秀)、江守徹(斎藤利三)ほか
◇うんちく
橋田寿賀子脚本の大河ドラマ。江戸初期の大奥で権勢を振るい、家光の将軍就任に大きく力があったと言われる春日局を主人公に、本能寺の変から家光の時代までを描く。
○「柳生一族の陰謀」1978・東映
◇スタッフ
○監督:深作欣二
◇キャスト
萬屋錦之助(柳生但馬守)、千葉真一(柳生十兵衛)、松方弘樹(徳川家光)、西郷輝彦(徳川秀長)、成田三樹夫(烏丸中将)ほか
◇ストーリー
二代将軍・徳川秀忠が急死。しかし実はこれは不遇の長子・家光を後継者とするために柳生但馬守が仕掛けた謀略だった。家光に対抗して弟の駿河大納言忠長を擁立する勢力、幕府の内紛に乗じて政権奪回を狙う朝廷が入り乱れ、柳生十兵衛と根来衆がその狭間で暗躍する。
◇うんちく
東映が時代劇復活を狙って企画し、事実見事に大ヒットを飛ばした、徹底的な娯楽時代劇。もう史実なんて屁でもありません。面白けりゃいいんです!ヤクザアクション映画の巨匠・深作欣二監督の時代劇だが、ぜんぜん手を抜いていない豪華さ。しかしまぁ、家光ってよくこの手の時代劇で殺される将軍だよなぁ。
○「魔界転生」角川春樹事務所
◇スタッフ
○監督:深作欣二
◇キャスト
沢田研二(天草四郎)、千葉真一(柳生十兵衛)ほか
◇うんちく
全然違う原作なんだけど、見ようによっては「柳生一族の陰謀」の後日談みたいな映画。島原の乱に敗れた天草四郎の亡霊が、細川ガラシャ、宮本武蔵、柳生但馬らの亡霊を呼び集め、江戸幕府の転覆を謀る。これに立ち向かう柳生十兵衛!
○「春の坂道」昭和46年(1971)NHK大河ドラマ
◇キャスト
中村(萬屋)錦之介(柳生但馬守宗矩)、原田芳雄(柳生十兵衛)、山村聡(徳川家康)、青山哲也(徳川秀忠)、市川海老蔵(徳川家光)、中村芝鶴(豊臣秀吉)、中村敦夫(石田三成)、高橋悦史(黒田長政)、田村高広(沢庵)、若林豪(荒木又右衛門)、高橋英樹(坂崎出羽守)ほか
◇うんちく
山岡荘八の原作をドラマ化したもの。珍しく柳生但馬を主役にすえ、彼を平和を求める人物として理想化している。
○「葵・徳川三代」平成12年(2000)NHK大河ドラマ
◇キャスト
津川雅彦(徳川家康)、西田敏行(徳川秀忠)、尾上辰之助(徳川家光)、岩下志麻(お江)、小川真由美(淀君)、江守徹(石田三成)、尾上菊五郎(豊臣秀頼)、中村梅雀(徳川光圀)ほか
◇うんちく
関ヶ原の戦いから家光の時代まで三代にわたる徳川家ホームドラマを展開するが、メインはどうしても地味な扱いを受ける「中継ぎ」の秀忠。関ヶ原の戦いはやたらに力が入っていたが、後半は一般時代劇ファンにはやや退屈だったかも知れない。朝廷との政治抗争など滅多に見られない見所は多かったのだが…。なお、案内役は家康の孫の水戸光圀がコント調につとめている。
○「黒田騒動」1956・東映
◇スタッフ
○監督:内田吐夢
◇キャスト
片岡千恵蔵(栗山大膳)、大友柳太朗(竹中妥女正)、片岡栄二郎(黒田忠之)、南原伸二(倉橋十太夫)、高千穂ひづる(お秀)、高堂国典(黒田長政)ほか
◇ストーリー
家康の死後、幕府は危険な外様大名の取り潰し政策を進めていた。そんな大名の一つ・筑前黒田家では黒田長政が死に、長子の忠之が相続。忠之はキリシタンの娘・お秀に吹き込まれて大砲や軍船建造を進める。家老・栗山大膳はこれを次々と妨害し、激怒した忠之から討手を差し向けられる事態に。決着は幕府による審問に持ち込まれる。
◇うんちく
江戸三大お家騒動の一つながら、かなり地味な素材を骨太に映像化した一本。アクションも派手な見せ場もあまりなく、家老・大膳を演じる片岡千恵蔵の寡黙で抑えた演技が見所。
○「激突・将軍家光の乱心」東映
◇スタッフ
○監督:降旗康男
◇キャスト
緒形拳、千葉真一、長門裕之ほか
◇うんちく
東映時代劇がウェスタン風アクションを狙って作った娯楽時代劇。家光が子の家綱の命を狙い、緒形拳ら個性的な侍達が家綱を守って難関を突破していく。・・・で、オチは東映時代劇にありがちな展開(笑)。
○「樅の木は残った」昭和45年(1970)NHK大河ドラマ
◇キャスト
平幹二郎(原田甲斐)、吉永小百合(宇乃)、森雅之(伊達安芸)、佐藤慶(伊達兵部)、尾上菊之助(伊達綱宗)、北大路欣也(酒井忠清)、ほか
◇うんちく
歌舞伎の題材ともなっている「伊達騒動」を描いた大河ドラマ。歌舞伎では悪役となっている原田甲斐を、実は忠臣であったとして描く。原作は山本周五郎。
○「江戸城大乱」東映
◇スタッフ
○監督:桝田利雄
◇キャスト
松方弘樹(酒井忠清)、三浦友和(堀田正俊)ほか
◇うんちく
はっきり言ってわけのわかんないアクション時代劇。家綱が死んで綱吉が継ぐまでのお話なんだけど・・・東映ってこのパターンが好きだねぇ。東映時代劇によると江戸歴代将軍はみんな血がつながっていないぜ!?
○「赤穂浪士」昭和39年(1964)NHK大河ドラマ
◇キャスト
長谷川一夫(大石内蔵介)、滝沢修(吉良上野介)、尾上梅幸(浅野内匠頭)、尾上松緑(新井白石)、加藤武(堀部安兵衛)、志村喬(小野寺十内)、板東三津三郎(柳沢吉保)ほか
◇うんちく
NHK大河ドラマの第二弾。未だに忠臣蔵大河の最高傑作と言われる。芥川也寸志のテーマ曲は絶品!
○「元禄太平記」昭和54年(1979)NHK大河ドラマ
◇キャスト
石坂浩二(柳沢吉保)江守徹(大石内蔵介)、芦田伸介(徳川綱吉)、竹脇無我(柳沢兵庫)、小沢栄太郎(吉良上野介)、片岡孝夫(浅野内匠頭)、関口宏(堀部安兵衛)ほか
◇うんちく
NHK大河ドラマの「忠臣蔵」第二弾。しかし主役は時の権力者・柳沢吉保である。これ以後、柳沢吉保は石坂浩二の当たり役になってしまった。
○「峠の群像」昭和57年(1982)NHK大河ドラマ
◇キャスト
緒形拳(大石内蔵介)、伊丹十三(吉良上野介)、隆大介(浅野内匠頭)、丘みつ子(りく)、竹脇無我(徳川綱吉)、小林薫(不破数右衛門)、磯部勉(堀部安兵衛)、岡本富士太(柳沢吉保)ほか
◇うんちく
NHK大河ドラマの「忠臣蔵」第三弾。堺屋太一の原作らしく、赤穂事件を塩をめぐる経済的背景のもとに描き、現代サラリーマンの奮闘劇っぽい感じを出していた。
○「元禄繚乱」平成11年(1999)NHK大河ドラマ
◇キャスト
中村勘九郎(大石内蔵介)、石坂浩二(吉良上野介)、東山紀之(浅野内匠頭)、宮沢りえ(瑶泉院)、大竹しのぶ(りく)、萩原健一(徳川綱吉)、村上弘明(柳沢吉保)ほか
◇うんちく
NHK大河ドラマの「忠臣蔵」第四弾。「忠臣蔵もの」として異色なのは「松の廊下」までがやたら長かったことで、その当日をドキュメントタッチで描いていたのが面白かった。しかし後半はややオリジナリティ、話の盛り上がりにやや欠けた印象がある。
○「赤穂城断絶」東映
◇スタッフ
○監督:深作欣二
◇キャスト
萬屋錦之介(大石内蔵介)、千葉真一(堀部安兵衛)ほか
◇うんちく
「仁義なき戦い」の深作監督らしく「もっとも血なまぐさい忠臣蔵」として知られる一本。「柳生一族の陰謀」のヒットで気をよくした東映が製作したが、案外まっとうな忠臣蔵である。
○「四十七人の刺客」1994・東宝
◇スタッフ
○監督:市川崑○原作:池宮彰一郎
◇キャスト
高倉健(大石内蔵介)、中井貴一(色部又四郎)、西村晃(吉良上野介)、宮沢りえ(おかる)、石坂浩二(柳沢吉保)ほか
◇うんちく
赤穂浪士事件を現代的な謀略戦として描く。吉良側の参謀役の中井貴一があれこれ策を巡らすのだが、ちょっと凝りすぎという気も。吉良邸は堅固な要塞として描かれ、討ち入りの攻防戦は見物。
○「忠臣蔵外伝・四谷怪談」1994・松竹
◇スタッフ
○監督:深作欣二
◇キャスト
佐藤浩一(民谷伊右衛門)、高岡早紀(お岩)、渡瀬恒彦(堀部安兵衛)、津川雅彦(大石内蔵介)ほか
◇うんちく
タイトルこそ忠臣蔵だが、内容はどちらかというと「四谷怪談」に重心が置かれている。
○「八代将軍・吉宗」平成7年(1995)NHK大河ドラマ
◇キャスト
西田敏行(徳川吉宗)、中井貴一(徳川宗春)、小林稔侍(加納久通)、津川雅彦(徳川綱吉)、榎木孝明(柳沢吉保)、細川俊之(徳川家宣)、江守徹(近松門左衛門)、滝田栄(大岡忠相)、大滝秀治(徳川光貞)ほか
◇うんちく
ヒットメーカー・ジェームズ三木脚本の大河ドラマ。「享保の改革」で知られる徳川吉宗の波乱の生涯を娯楽性たっぷりに描き、好評を得た。近松門左衛門がナレーターというのも面白い。
○「郡上一揆」2000・映画「郡上一揆」製作委員会
◇スタッフ
○監督:神山征二郎
◇キャスト
緒形直人(定次郎)、岩崎ひろみ(かよ)、古田新太(喜四郎)、永島敏行(孫兵衛)、林隆三(四郎左衛門)、加藤剛(助左衛門)、前田吟(平右衛門)、山本圭(善右衛門)、篠田三郎(秩父屋半七)ほか
◇ストーリー
宝暦年間、美濃国郡上藩は年貢の徴収の「検見取り」への変更を決定した。これが実質的には増税になると悟った農民達は数千もの大群で城下へと押し寄せる。いったんは撤回を示して農民達をなだめた藩だったが、収穫期になると検見取りの強行を開始。一揆指導者たちは江戸に赴いて幕府に直訴する決死の作戦に出る。
◇うんちく
足かけ四年におよび、最終的に藩を改易に追い込んだ、江戸時代でも屈指の大一揆といわれる郡上一揆の完全映画化。冒頭の農民の大群衆が押し寄せる迫力のモブシーン、二転三転する一揆のスリリングな展開など映画としての見応えの十分ある時代劇だ。農民を主人公に据えたという点でも時代劇史上特異な作品と言える。
◎原始〜平安時代◎鎌倉〜室町時代◎戦国時代◎安土桃山時代◎江戸前期◎江戸後期◎明治〜現代
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