日本史映画・鎌倉〜室町時代
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お断り:「源平合戦もの」はほんとは平安時代なんですが、繋がりの問題もあるのでここで扱ってます。
原始〜平安時代◎鎌倉〜室町時代◎戦国時代安土桃山時代江戸前期江戸後期明治〜戦前戦後〜現代

地獄門
1953年
大映
カラー映画(89分)
スタッフ ○監督・脚本:衣笠貞之介○原作:菊池寛○撮影:杉山公平○音楽:芥川也寸志○美術:伊藤憙朔○製作:永田雅一
キャスト 長谷川一夫(遠藤盛遠)、京マチ子(袈裟)、山形勲(渡辺渡)、千田是也(平清盛)ほか
ストーリー 平治の乱で功績を上げた遠藤盛遠は清盛から「望みのものはなんでもとらす」と言われ、戦乱の中で出会った美女・袈裟を自分の妻としたいと申し出る。ところが袈裟は渡辺渡という武士の妻であった。あきらめきれない盛遠は執拗に袈裟に迫り、ついに渡辺を殺して袈裟を奪い取ろうと決意する。悩み抜いた袈裟は…
解説 のちに出家し文覚として知られる人物の逸話として伝わる横恋慕伝説を扱ったもので、吉川英治「新平家」など他作品でも同じ話が出てくる。大映初のイーストマンカラー総天然色映画で、いっそう「色」を意識した撮影によりかえって強烈な色彩を放つ映画となった。カンヌ映画祭でグランプリを受賞している。
メディア DVD/BD発売:角川書店より「デジタル復元版」発売。すでに廃盤だが激安DVDも発売されていた。

新・平家物語
1955年
大映
カラー映画(108分)
スタッフ ○監督:溝口健二○脚本:依田義賢/成澤昌茂/辻久一○原作:吉川英治○音楽:早坂文雄○撮影:宮川一夫○美術:水谷浩○製作:永田雅一
キャスト 市川雷蔵(平清盛)、久我美子(時子)、林成年(藤原時忠)、大矢市次郎(平忠盛)、小暮実千代(泰子)、柳永次郎(白河上皇)ほか
ストーリー 平安末期、武士は貴族の使い走りであり、武士の一方の棟梁であり反乱鎮圧などで活躍する平家といえども貧しい生活を余儀なくされていた。その平家の御曹司・清盛は自らの出生の秘密に心を悩ませつつ、たくましい若武者へと成長していく。
解説 吉川英治の小説を原作としているが、その冒頭部分のみを映像化した、「清盛青春編」とでも呼ぶべき内容。監督の溝口健二、主演の市川雷蔵双方の代表作に挙げられている。カラー映画としても初期に属する作品であり、かえって「色」を強く意識したきらびやかな映像になっている。続編にあたる映画も別監督で2作製作されている。
メディア DVD発売:角川エンタテイメント

新・平家物語
1972年
NHK
大河ドラマ(全52回
スタッフ ○脚本:平岩弓枝○原作:吉川英治○演出:清水満/岡本憙侑/樋口昌弘/馬場清○技術:山口克朗/吉村政明○美術:佐藤武俊/小林喬○音楽:冨田勲○制作:古賀龍二
キャスト 仲代達矢(平清盛)、中村玉緒(時子)、滝沢修(後白河法皇)、片岡孝夫(高倉天皇)、田村正和(崇徳天皇)、中村勘三郎(平忠盛)、山崎努(平時忠)、木村功(源義朝)、高橋幸治(源頼朝)、志垣太郎(源義経)、佐藤充(武蔵坊弁慶)、栗原小巻(北条政子)ほか
ストーリー 平安末期、武士はまだ貴族の番犬のような存在だった。平家の嫡男として育った清盛は自身の出生の秘密に悩みつつ成長、保元・平治の乱を経て武士として初めて権力を手中におさめる。全盛を誇った平家もやがて源氏の挙兵、清盛の死を経て、滅亡へと向かってゆく。
解説 大河ドラマ第10作目で、吉川英治原作の長編小説を完全映像化。総集編と一部の回しか残っていないためかなりダイジェストのものしか見られない。
メディア DVD発売:アミューズビデオ(総集編)

人形スペクタクル
平家物語

1993〜1995年
NHK
カラー人形劇(20分×56回)
スタッフ ○脚本:小川英/胡桃哲/杉昌英○演出:花房實/熊谷勲/田中知巳○原作:吉川英治○音楽:桑原研郎○人形美術:川本喜八郎
キャスト(声) 風間杜夫(平清盛ほか)、紺野美沙子(時子ほか)、石橋蓮司(後白河法皇ほか)、森本レオ(源義朝ほか)、三谷昇(平忠盛)、二木てるみ(常盤)、寺泉憲(源頼朝ほか)、岡野進一郎(源義経ほか)、樋浦勉(平宗盛ほか)、安藤一夫(木曽義仲ほか)ほか
ストーリー 平安末期、武士はまだ貴族の番犬のような存在だった。平家の嫡男として育った清盛は自身の出生の秘密に悩みつつ成長、保元・平治の乱を経て武士として初めて権力を手中におさめる。全盛を誇った平家もやがて源氏の挙兵、清盛の死を経て、滅亡へと向かってゆく。
解説 吉川英治の「新平家」を名作「人形劇・三国志」のスタッフが人形劇化。
メディア DVD発売:NHKエンタープライズ(完全版BOX、5部別売もあり)

平清盛
1992年
TBS/東映
大型時代劇スペシャル(260分)
スタッフ ○監督:工藤栄一○脚本:高田宏治/松本功○音楽:佐藤勝
キャスト 松平健(平清盛)、夏八木勲(源義朝)、かたせ梨乃(時子)、丹波哲郎(平忠盛)、松方弘樹(鳥羽法皇)、岩下志麻(常盤御前)、高橋英樹(後白河法皇)ほか
ストーリー 若き日に海賊退治で名をあげた清盛は、やがて保元の乱、平治の乱を戦い、好敵手であった源義朝を自ら倒す。やがて福原に都を移し自らの理想を実現しようとする清盛だったが、病が彼の体をむしばんでいた。
解説 一時期毎年作られた元旦放送の大型時代劇の一作。このシリーズは正月番組らしく基本的に明るい内容でまとめられ平治の乱でだいたいの話は終わってしまう。清盛の死は直接的には描かれないのだが、その後をほのめかすようなラストはシリーズでも初めての試みだった。
メディア DVD発売:TBS

平清盛
2012年
NHK
大河ドラマ(全50回
スタッフ ○脚本:藤本有紀○演出:柴田岳志/渡辺一貴/中島由貴/佐々木善春/橋爪紳一朗/中野亮平○音楽:吉松隆
キャスト 松山ケンイチ(平清盛)、深田恭子(時子)、松田翔太(後白河法皇)、玉木宏(源義朝)、中井貴一(平忠盛)、森田剛(平時忠)、上川隆也(平盛国)、藤木直人(西行)、山本耕史(藤原頼長)、阿部サダヲ(信西)、岡田将生(源頼朝=語り手)、神木隆之介(源義経)、武井咲(常盤)、杏(北条政子)ほか
ストーリー 壇ノ浦の戦いで平家が滅亡したとの知らせを受けた源頼朝は、今は亡き宿敵にして自身に大きな影響を与えた平清盛の人生を顧みる。清盛は実は白河法皇の落とし胤で平忠盛の長男として育てられるが、当時の武士は「王家の犬」として皇族・貴族らにさげすまれる存在であった。若き清盛は国際通の信西や海商たちとの交流を通して貿易立国を夢み、やがて保元・平治の乱を通して権力を握ると、港を整備して宋との貿易を推進、福原に都を移して自身の夢を実現させようとする。
解説 貴族に隷属する存在からのしあがり、初めて「武士の世」を切り開いた平清盛の生涯を描く。「新・平家」と同じ主人公で実は白河法皇の子という設定も踏襲したが、信西を国際感覚豊かな進歩派として描くなど新機軸も盛り込まれた。全体的に出演者の年齢が若く、リアルを追求した美術には「汚い」との声も上がり、視聴率は歴代でも最低ランクになってしまったが、全体的にしっかりとした作りこみや出演者の熱演もあって高く評価する声もある。
メディア DVD/BD発売:ジェネオン・ユニバーサル(完全版/総集編)

源義経
1966年
NHK
大河ドラマ(全52回
スタッフ ○原作・脚本:村上元三○演出:吉田直哉○音楽:武満徹○美術:富樫直人○技術:小林長雄
キャスト 尾上菊之助(源義経)、藤純子(静御前)、緒形拳(武蔵坊弁慶)、芥川比呂志(源頼朝)、山田五十鈴(常盤御前)、辰巳柳太郎(平清盛)、滝沢修(藤原秀衡)、舟木一夫(平敦盛)大塚道子(北条政子)大友柳太郎(富樫泰家)ほか
ストーリー その天才的なまでの戦ぶりで平家を滅亡に追い込みながら、政治的才能に欠けたために悲劇的な最期を遂げた源義経の生涯。
解説 最初期の大河ドラマの一つで、第1回・第33回・最終回および総集編の映像が残されている。なお、このドラマでの共演が縁で義経と静役の二人はめでたく結婚した。また弁慶役の緒形拳は前年の「太閤記」に続いて二年連続で重要な役での出演となり、大河史上でも異例。
メディア DVD発売:アミューズソフトエンタテイメントより総集編2枚組

源義経
1990年
TBS/東映
大型時代劇スペシャル(260分
スタッフ ○監督:舛田利雄○脚本:高田宏治/掛札昌裕/野波静雄○音楽:佐藤勝○製作:日下部五朗
キャスト 東山紀之(源義経)、沢口靖子(静御前)、松方弘樹(武蔵坊弁慶)、若山富三郎(平清盛)、高橋英樹(藤原秀衡)、諸星和巳(那須与一)、隆大介(源義仲)、綿引勝彦(梶原景時)、林隆三(源頼朝)、十朱幸代(北条政子)、津川雅彦(後白河法皇)ほか
ストーリー 平治の乱で父・義朝を討たれた牛若丸、のちの源義経は鞍馬山で成長し父の敵である平氏と戦うことを決意する。五条大橋で出会った弁慶を家来にした義経は奥州へ赴き、それから兄・頼朝と対面して木曽義仲、平氏と戦ってこれを滅ぼす。しかし梶原景時の讒言により頼朝に命を狙われ…
解説 正月気分満載の娯楽時代劇。清盛は空中一回転を決めて死に、ラストで義経は死にません(安宅関突破で話が終わってしまう)。ナレーションはタモリ!バブル絶頂期のため金はかかってるので合戦シーンはなかなかのもの。東山紀之は本作で時代劇期待の星と目されるようになり、当時人気絶頂だった光GENJIのメンバーも数名出演している。
メディア DVD発売:TBS

源義経
1991年
日本テレビ/ユニオン映画
年末大型時代劇(244分
スタッフ ○監督:山下耕作○脚本:杉山義法○音楽:津島利章
キャスト 野村宏伸(源義経)、里見浩太郎(武蔵坊弁慶)、安田成美(静御前)、榎木孝明(源頼朝)、堤大二郎(平知盛)、丹波哲郎(藤原秀衡)、平幹二郎(後白河法皇)ほか
ストーリー 五条大橋の上で太刀を集めていた武蔵坊弁慶は遮那王という少年に出会い、初めてやりこめられてその家臣となる。遮那王は元服して義経と名乗り、平家との戦いに臨んでゆく。
解説 さすがに僕も見る気が失せていた日本テレビ年末時代劇の第7作。なお野村宏伸は大河ドラマ「炎立つ」でも義経役を演じている。l
メディア DVD発売:バップ

義経
2005年
NHK
大河ドラマ(全49回
スタッフ ○脚本:金子成人/川上英幸○原作:宮尾登美子○演出:黛りんたろう/木村隆文/柳川強/一木正恵/大関正隆/大杉太郎○音楽:岩代太郎○撮影:熊木良次/安藤清茂/平野拓也/望月英邦○美術:田中伸和/山口類児/近藤智/日高一平○制作:鹿島由晴○制作統括:諏訪部章夫
キャスト 滝沢秀明(源義経)、松平健(武蔵坊弁慶)、上戸彩(うつぼ)、石原さとみ(静)、南原清隆(伊勢三郎)、うじきつよし(駿河次郎)、稲森いずみ(常盤)、渡哲也(平清盛)、中井貴一(源頼朝)、財前直美(北条政子)、小林稔侍(北条時政)、阿部寛(平知盛)、松坂慶子(時子)、平幹二郎(後白河法皇)、高橋英樹(藤原秀衡)、小澤征悦(木曽義仲)、小池栄子(巴御前)ほか
ストーリー 平治の乱で夫・源義朝を失った常盤は敵である平清盛を頼り、常盤の子・牛若は清盛を実の父と思いこんで平家一門の子らと共に成長する。やがて自身の出自を知った牛若は弁慶を従えて奥州へと渡り、やがて義経と名を改めて平家一門相手に戦う。
解説 前年の「新選組!」に続くジャニーズアイドル主役大河。久々の源平合戦もので、顔ぞろえは時代劇常連からアイドルまで幅広く、豪華さはあった。原作は「宮尾本平家物語」とされたが架空キャラが共通する程度でほとんどオリジナル。義経が清盛の精神的後継者のように描いたつもりだったのかもしれないが、いまいち消化できなかったような。
メディア DVD発売:ジェネオン・エンタテインメント(完全版/総集編)

虎の尾を踏む男達 1945年(公開は1952年)
東宝
白黒映画(59分
スタッフ ○監督・脚本:黒澤明○撮影:伊藤武夫○音楽:服部正○製作:伊藤基彦
キャスト 大河内伝次郎(弁慶)、藤田進(富樫)、榎本健一(強力)、森雅之(亀井)、志村喬(片岡)、河野秋武(伊勢)、小杉義男(駿河)、横尾泥海男(常陸坊)、仁科周芳(源義経)ほか
ストーリー 兄・頼朝に追われた義経一行は山伏に変装して奥州を目指していた。たまたま荷物運びで同行することになった強力は一行の正体も知らずにはしゃぎまくる。やがて安宅の関についた一行はここを守る富樫の尋問を受ける。すると弁慶が「勧進帳」と称して真っ白な紙を手に…
解説 太平洋戦争末期から敗戦直後という厳しい情勢のなかで製作された黒澤明監督初の時代劇で、大筋で歌舞伎「勧進帳」を下敷きにしつつ喜劇王エノケンがオリジナルキャラ「強力」として義経一行に加わり、コメディ&ミュージカルのノリで描いた異色作。敗戦直後もまだあった検閲官の嫌がらせで公開は1952年まで遅れてしまった。本作の撮影終盤に黒澤が敬愛していたジョン=フォード監督が占領軍の軍人に紛れて現場を見学していたという逸話もよく知られる。
メディア DVD発売:東宝ビデオ

新・平家物語
静と義経
1956年
大映
カラー映画(102分
スタッフ ○監督:島耕二○脚本:八尋不二○原作:吉川英治○撮影:宮川一夫○美術:内藤昭○音楽:大森盛太郎○企画:川口松太郎/松山英夫○製作:永田雅一
キャスト 淡島千景(静)、菅原謙二(源義経)、香川京子(百合野)、上原謙(源頼朝)、船越英二(源範頼)、水戸光子(北条政子)、三益愛子(蓬子)、勝新太郎(那須与一)ほか
ストーリー 平家との戦いで名を挙げ、京に凱旋した源義経は、沿道の群衆の中に、幼馴染の静の姿を見出す。やがて静と義経は結ばれ、義経は平家を滅ぼす大殊勲をあげるものの、兄の頼朝に疎まれてついに刺客に襲われる。逃亡の身となった義経に付き添う静だったが吉野山でやむなく離別、捕えられて鎌倉に送られ、頼朝の命により鶴岡八幡宮で祝いの舞を披露することに…
解説 吉川英治「新・平家物語」映画版の第三作で、原作の終盤を静と義経のメロドラマを軸に小ぶりにまとめている。源平の合戦場面は屋島の戦いと壇ノ浦の戦いを一つにまとめてあっという間に終わってしまうが、それでもかなりの物量を動員した海戦シーンになっていて当時の大映のパワーを感じさせる。まだブレイク前の勝新が那須与一役で1シーンだけ出演している。
メディア DVD発売:オフィスワイケー

武蔵坊弁慶 1987年
NHK
新大型時代劇(全32回
スタッフ ○脚本:杉山義法/下川博/松島としあき○演出:重光亨彦/外園悠治/松岡孝治/若園昌巳/清水一彦/黛りんたろう○テーマ音楽:芥川也寸志○音楽:毛利蔵人○原作:冨田常雄○製作:村上慧
キャスト 中村吉右衛門(武蔵坊弁慶)、川野太郎(源義経)、荻野目慶子(玉虫)、麻生祐未(静御前)、隆大介(平知盛)、菅原文太(源頼朝)ほか
ストーリー 書写山の怪力の荒法師・武蔵坊弁慶は五条大橋で刀を集めるうち、牛若丸、のちの源義経と出会ってその家来となる。やがて始まった平家との戦いで活躍するも、奥州の衣川で立往生の最期を遂げる。
解説 富田常雄の原作小説を大河ドラマが近現代劇に走った時期に時代劇化。歌舞伎でも弁慶役を十八番としている吉右衛門が弁慶を演じた。超低予算ドラマでした。
メディア DVD発売:NHKエンタープライズより完全版・総集編

GOJOE・五条霊戦記 2000年
サンセントシネマワークス/WOWWOW

カラー映画(137分
スタッフ ○監督:石井聡互○脚本:中島吾郎/石井聡互○撮影:渡部眞○美術:磯見俊裕○音楽:小野川浩幸○プロデューサー:仙頭武則
キャスト 隆大介(弁慶)、浅野忠信(遮那王)、永瀬正敏(鉄吉)、岸井一徳(平忠則)、勅使河原源三郎(阿闍梨)ほか
ストーリー 平家が全盛を誇る京の都。その都で夜な夜な平家の侍が何者かに殺され刀を奪われるという事件が続発し、「鬼」の仕業かと騒がれる。「鬼を斬って光明を得よ」と不動明王の声を聞いた僧・弁慶は五条の橋でその「鬼」と対峙するが、その正体は源氏の御曹司の美少年・遮那王だった。
解説 「中世の闇黒」の雰囲気を巧みに表現した伝奇映画というところか。正確な時代考証も含めて平安末期の「末法の世」の空気を醸し出すことにかなり成功している。ただストーリーのわかりにくさ、激しいカメラワークの乱発はちと目に余る観も。クライマックスの「五条橋決戦」は確かに見物だったが、全体的にはこの手の伝奇作品としては遊び心が足りないな、という印象も。
メディア DVD発売:ジェネオンエンタテインメント

草燃える 1979年
NHK

大河ドラマ(全51回
スタッフ ○脚本:中島丈博○演出:大原誠/江口浩之/伊予田静弘/東海林通/渡辺紘史/松橋隆/安斎宗紘○音楽:湯浅譲二○原作:永井路子
キャスト 岩下志麻(北条政子)、石坂浩二(源頼朝)、国広富之(源義経)、郷ひろみ(源頼家)、篠田三郎(源実朝)、滝田栄(伊東祐之)、金田龍之介(北条時政)、松平健(北条義時)、武田鉄矢(安達盛長)、藤岡弘(三浦義村)、金子信雄(平清盛)、尾上松緑(後白河法皇)、尾上辰之助(後鳥羽上皇)ほか
ストーリー 平家全盛の時代、伊豆の北条家の娘・政子は流罪の身の上の貴公子・頼朝と結ばれた。やがて頼朝は挙兵して平家を打倒、鎌倉幕府をつくりあげる。頼朝の死後、有力武士たちの間で凄まじい権力闘争が展開され、頼朝と政子の子、頼家・実朝は次々と非業の死を遂げてゆく。鎌倉幕府打倒のチャンスとみた後鳥羽上皇が兵を起こすが、政子が武士たちを前に演説し頼朝の恩に報いよと訴える。
解説 源頼朝と北条政子夫妻、そして北条義時をメインに、頼朝の挙兵から鎌倉幕府の成立、そして承久の乱までの歴史を描く。総集編で鑑賞したが、NHKとしては異例(笑)とも思える「どいつもこいつもみんなワル」的なドロドロの権謀術数が展開するドラマとなった。田舎者の東国武士団がいかにして日本の支配者となったのか?を描く群像劇として楽しめる。
メディア DVD発売:アミューズソフト(総集編・全5回)

ZEN 2009年
「禅」製作委員会

カラー映画(127分
スタッフ ○監督・脚本:高橋伴明○撮影:水口智之○美術:丸尾知行○音楽:宇崎竜童/中西長谷雄○原作・製作総指揮:大谷哲夫
キャスト 中村勘太郎(道元)、内田有紀(おりん)、藤原竜也(北条時頼)、テイ龍進(寂円・公堯)、高良健吾(俊了)、笹野高史(老僧)、鄭天庸(如浄)ほか
ストーリー 比叡山で修行していた道元は源氏の御曹司・公堯と交流があった。しかし公堯は実朝暗殺犯として処刑され、道元は禅宗を学ぶべく宋へと渡る。宋で如浄から曹洞禅を授けられた道元は公堯と瓜二つの宋僧・寂円と共に日本で禅の布教を始めるが、比叡山の激しい弾圧に遭い、越前へと拠点を移した。おりしも鎌倉では北条時頼が怨霊に悩まされ…
解説 曹洞宗系の駒沢大学学長の原作・製作総指揮という、久々の坊さん映画。中国ロケも敢行しセリフのかなりの部分が中国語、しかもひたすら座禅せよという宗派なので鑑賞は座禅並みの根性が必要!?(笑)内田有紀演じる遊女・おりんのエピソードが退屈さを大いに救ってくれる。
メディア DVD発売:アミューズソフト

かくて神風は吹く 1944年
大映
白黒映画(93分
スタッフ ○監督:丸根賛太郎○脚本:松田伊之助/飯岡謙之助○原作:菊池寛○撮影:宮川一夫/松井鴻○美術:川村鬼世志○音楽:宮原偵次/深井史郎○特撮:東宝特殊技術部○製作:中泉雄光
キャスト 阪東妻三郎(河野通有)、嵐寛寿郎(忽那重義)、市川右太衛門(日連)、片岡千恵蔵(北条時宗)ほか
ストーリー 大陸の大半を征服した大帝国・蒙古はついに日本征服を狙う。文永の役で蒙古軍を撃退した日本だったが、戦いに参加した河野通有と忽那重義は意地を張り合う犬猿の仲。しかし蒙古軍が再度来襲し弘安の役となると、河野・忽那ら武士たち、庶民たちも一丸となって戦い、やがて神風が吹いて蒙古軍は海に沈むのだった。
解説 太平洋戦争も敗色濃厚となっていた1944年という時期に、軍部の肝いりで製作されたオールスター戦意高揚映画。ようやくDVD化され鑑賞できたが、企画が企画だけにあまりにも「国民一丸となって」を強調する平板な物語と俳優たちの力み過ぎな演技、それでいて結論は「神様が守ってくれる有難いお国柄」「第二第三の国難も大丈夫」という安易なもので、もう神頼みしかできなくなっていた当時の状況をはからずも垣間見せる作品。大映の製作だが特撮は円谷英二らの東宝特撮陣が担当、それなりに迫力を出している。
メディア ディアゴスティーニの「大映特撮映画」シリーズの一本としてDVD化。1980年代に徳間コミュニケーションズからVHSソフトが発売されていた。

日蓮と蒙古大襲来 1958年
大映

カラー映画(138分
スタッフ ○監督:渡辺邦男○脚本:八尋不二/渡辺邦男○撮影:渡辺孝○美術:上里義三○音楽:山田栄一○製作:永田雅一
キャスト 長谷川一夫(日蓮)、市川雷蔵(北条時宗)、勝新太郎(四条金吾)、田崎潤(依智の三郎)、河津清三郎(平頼綱)、伊達三郎(竹崎季長)、林成年(日朗)、淡島千景(吉野)ほか
ストーリー 比叡山で修行した僧・日蓮は法華経こそ真理と人々に説き、国難を予言する。果たして蒙古の使者が来日し、やがて蒙古襲来が現実のものとなった。流されていた佐渡から戻った日蓮は時宗と協力し、北九州に赴いて一心に祈りを捧げる。すると大暴風雨が…
解説 オープニングから「南無妙法蓮華経」のコーラスが飛び交う物凄い宗教映画(^^;)。「神風」まで呼んでしまう神懸かり的な日蓮像の描写が凄い(もちろんあの首を切られる寸前の落雷もある!)。史実なんか吹っ飛ばす暴走ぶりも見物(いちおう創作と冒頭で断ってるが)。それもそのはず、製作者が熱心な日蓮宗の信者だったのだ。モンゴル軍襲来の戦闘シーンはかなりの迫力で大船団の特撮もなかなかのもの。
メディア DVD発売:角川映画

北条時宗 2001年
NHK

大河ドラマ(全49回
スタッフ ○脚本:井上由美子○演出:吉村芳之/吉川邦夫/渡邊良雄/城谷厚司/真鍋斎/吉田浩樹/勝田夏子/松浦善之助○撮影:中村和夫/安藤友則/川邨亮/黒川毅○美術:稲葉寿一/鈴木利明/斉藤健治○音楽:栗山和樹○原作:高橋克彦
キャスト 和泉元彌(北条時宗)、渡辺謙(北条時頼)、渡部篤郎(北条時輔)、北大路欣也(謝国明)、西田ひかる(祝子)、浅野温子(涼子)、柳葉敏郎(安達泰盛)、バーサンジャブ(クビライ・カァン)、木村佳乃(桐子)、池畑慎之介(北条実時)、伊東四朗(北条政村)、藤竜也(佐志房)ほか
ストーリー 執権・北条時頼の息子として生まれた時宗は、両親の確執、幕府内の権力争い、そして異母兄・時輔との競争といった複雑な環境の中で成長し、父の死を経て幕府の執権となる。やがて時宗は時輔に謀反の疑いありとしてこれを粛正するが、時輔自身は落ち延びる。そのころ、大陸ではモンゴル帝国が中国を征服、その皇帝クビライは日本征服の軍を起こす。
解説 「元寇」に立ちあった執権・北条時宗の短くも波乱の生涯を描く大河ドラマ…なのだが、時宗が討った兄の時輔が生き延びて自由自在に動き回ったり、時宗がやたら平和主義者で話が矛盾してきたり、歴史ドラマとしてはかなりお粗末と言わざるを得ない出来であった。国際的スケールの製作姿勢は好みなんですけどねぇ。当時イケメン狂言師として人気だった和泉元彌が主役に抜擢されたことも話題だったが放送終了後のアレコレの騒ぎもあって今となってはある意味貴重な映像作品。
メディア DVD発売:NHKエンタープライズ(総集編)

太平記 1991年
NHK

大河ドラマ(全49回
スタッフ ○脚本:池端俊策/仲倉重郎○原作:吉川英治○演出:佐藤幹夫/門脇正美/田中賢二/榎戸祟泰/峰島総生/竹林淳/尾崎充信○音楽:三枝成彰○制作:高橋康夫/一柳邦久
キャスト 真田広之(足利尊氏)、沢口靖子(登子)、片岡孝夫(後醍醐天皇)、陣内孝則(佐々木道誉)、萩原健一・根津甚八(新田義貞=途中交代)、武田鉄矢(楠木正成)、高島政伸(足利直義)、柄本明(高師直)、緒形拳(足利貞氏)、片岡鶴太郎(北条高時)、フランキー堺(長崎円喜)、宮沢りえ(藤夜叉)、樋口可奈子(花夜叉)、大地康男(右馬之介)、後藤久美子(北畠顕家)、近藤正臣(北畠親房)、原田美枝子(阿野廉子)、渡辺哲(赤松円心)、本木雅弘(千種忠顕)、赤井英和(楠木正季)ほか
ストーリー 14世紀前半、鎌倉幕府は北条得宗家の独裁により腐敗し、朝廷では後醍醐天皇らによる倒幕計画が進められていた。北条家に警戒されていた源氏の名門・足利家に生まれた高氏(のちの尊氏)は後醍醐に味方し、楠木正成・新田義貞らと共に鎌倉幕府を滅ぼす。しかしその後の建武の新政は混乱を極め、尊氏は苦悩の末に新政に反旗を翻して再び武家政権を樹立する。後醍醐の遺志を継ぐ南朝勢力との戦いがおさまらぬうちに足利家の内紛が勃発、尊氏は弟の直義、実子の直冬を相手に戦わねばならなくなる。
解説 大河ドラマ史上初の南北朝時代もので、吉川英治の「私本太平記」を原作に、足利尊氏の誕生から死までの波乱の生涯を描く。足利市に京都と鎌倉の大オープンセットを建設して合戦シーンに花を添え、特に「鎌倉炎上」の回は大河史上屈指の名作と評される。千早・赤坂の戦いも大がかりなロケーションで撮影されるなど他の作品にない見どころが多いが、前半で予算を使い果たしたのか後半の合戦シーンは使い回しが多かった。キャストも大河ドラマ史上最高の顔揃えと言われ、中でも北条高時役の片岡鶴太郎、後醍醐天皇役の片岡孝夫、佐々木道誉役の陣内孝則の怪演が光った。
メディア DVD発売:ジェネオンエンタテイメント(完全版/総集編)

悪党 1965年
近代映画社

白黒映画(119分
スタッフ ○監督・脚本:新藤兼人○原作:谷崎潤一郎○撮影:黒田清巳○美術:丸茂孝○音楽:林光
キャスト 小沢栄太郎(高師直)、岸田今日子(顔世)、乙羽信子(侍従)、木村功(塩冶高貞)、宇野重吉(兼好法師)ほか
ストーリー 乱世を武勇でのし上がった高師直は無類の女好き。その師直に「侍従」が塩冶高貞の妻となっている絶世の美女・顔世の話を吹き込んだ。師直は激しい恋情を起こし、兼好法師に顔世への恋文を書かせるなどあの手この手で迫るが、夫・高貞と深く愛し合う顔世はこれを拒絶する。ついに師直は高貞に謀反の嫌疑をかけて顔世を力ずくで奪おうと図るが…
解説 古典「太平記」に詳しく書かれ、「仮名手本忠臣蔵」にも流用されたエピソードをもとにした谷崎潤一郎の戯曲「顔世」を原作とする映画。乙羽信子の悪女っぷり、小沢栄太郎の悪党っぷりが強烈。実に珍しい南北朝もの歴史映画でもある。
メディア DVD発売:角川映画

一休さん 2012年
フジテレビ
フジクリエイティブコーポレーション
スペシャルドラマ(90分
スタッフ ○脚本:高橋ナツコ○演出:樹下直美
キャスト 鈴木福(一休)、成宮寛貴(蜷川新右衛門)、安田成美(伊予の局)、小林星蘭(さよ)、中村梅雀(和尚)、東山紀之(足利義満)ほか
ストーリー 「とんち」で有名な小僧・一休さんは将軍足利義満から出された難問を次々解決する一方、義満をお忍びで連れ出して世の中の悲惨な実態を見せて善政をすすめる。実は一休は寺に預けられた天皇の子で、義満はそれで以前から気にかけていたのだった。一休は生き別れになっていた母・伊予の局の消息を知り信濃へと旅立つ。
解説 かつてアニメで人気を博し(実はアジア圏でも広く知られる)、それをベースにした何度目かのドラマ化で、子役アイドル「福くん」が一休を演じた。東山紀之演じる名君的な義満像は珍しく(義満の実写登場自体が珍しいが)、子供向けの内容ながら当時の明との交易問題や社会の厳しさ、一休が実は天皇のご落胤であることなどなかなかうまくドラマに絡めている。翌年に第二弾も放送された。
メディア ソフト化は現時点ではまだされていない。

正長の土一揆 2015年
カエルカフェ
デジタルシネマサーカス
カラー映画(75分
スタッフ ○監督:秋原北胤○脚本:落合雪江○音楽:山路敦司○美術:竹村麻理○カメラ:松尾健太
キャスト 斉藤洋介(平次郎)、松田洋治(能阿弥)、マギー司郎(嵯峨屋庄兵衛)、大浦龍宇一(順覚)、吉村涼(おサキ)、皆川勇人(足利義教)、小倉一郎(経覚)ほか
ストーリー 正長元年(1428)、世は幕府の政治により混乱、農民たちは借金を抱えて苦しんでいた。元武士ながら闘茶にのめりこんだために茶園を営む平次郎は農民たちの暴走をおさえつつ、借金を帳消しにする「徳政令」の発布を求めることを提案する。領主である興福寺大乗院の僧兵たちと一揆勢が衝突する寸前、将軍の同朋衆・能阿弥の提案で徳政令を賭けた「闘茶勝負」が行われることになり、平次郎は一揆勢代表として勝負に臨む。
解説 どういう経緯で製作されたのか謎な一本。低予算の小品ということで「正長の土一揆」を映画化、なんてことは最初からできるはずもなく、映画の後半は四人による「闘茶勝負」が延々と続くという、タイトルからは想像もできない内容に。闘茶はいいのだがなぜか発酵させた「紅茶」が使われる(明からの秘伝とされる)、それでいて闘茶勝負は日本茶のまま、話が飛び飛びのうえ暗い画面ばかりで何をやってるのか分からないなど、いろいろと困った映画である。
メディア 注文方式で限定発売のDVDがあるほか、有料動画配信で鑑賞可能。

花の乱 1994年
NHK

大河ドラマ(全37回
スタッフ ○脚本:市川森一○演出:村上佑二/黛りんたろう/小林武/谷口卓敬○音楽:三枝成彰○撮影:横山義行/中村和夫
キャスト 三田佳子(日野富子)、市川団十郎(足利義政)、萬屋錦之介(山名宗全)、奥田瑛二(一休)、壇ふみ(森侍者)、松たか子(富子少女時代)、市川新之助(義政少年時代)、草刈正雄(日野勝光)、かたせ梨乃(今参局)、佐野史郎(足利義視)、野村萬斎(細川勝元)、永澤俊矢(畠山義就)、ルー大柴(骨皮道賢)、藤岡弘(大内政弘)ほか
ストーリー 日野家の娘として生まれた椿は一度捨てられて農村で成長するが、異父姉妹の富子が盲目となったために引き取られて入れ変えられる。「日野富子」となった椿はやがて将軍・足利義政の正室となり、義政の後継者をめぐる大乱「応仁の乱」を招くこととなる。
解説 「悪女」として名高い日野富子を中心に「応仁の乱」を描く大河ドラマ。なじみのない時代ということもあり、かなり大胆なフィクション設定を加え、深い伏線もはりめぐらすなど工夫もしたが、視聴率は歴代でも最低レベルであった。「琉球の風」「炎立つ」に続く「短い大河」の3本目にして現時点最後の作品で、放送は9ヵ月間。
メディア DVD発売:ジェネオン・エンタテイメントより完全版発売。総集編はVHSのみ発売されていた。

もののけ姫 1997年
スタジオジブリ

カラーアニメ映画(133分
スタッフ ○監督・脚本:宮崎駿○音楽:久石譲○作画監督:安藤雅司/俵直史/高坂希太郎/近藤喜文○美術:山本二三/田中直哉/武重洋二/相川修一/黒田聡/男鹿和雄○プロデューサー:鈴木敏夫○製作総指揮:徳間康快
キャスト(声) 松田洋治(アシタカ)、石田ゆり子(サン)、田中裕子(エボシ御前)ほか
ストーリー 東国の山村を西から来た「タタリ神」が襲った。これを退治した少年アシタカは、その身に死に至る呪いを与えられる。タタリ神の原因を突き止めるため西に旅立ったアシタカはシシ神の森にたどり着き、そこで製鉄の民と森の神の戦いを目撃する。
解説 宮崎駿監督の集大成とも言える大作で、邦画の配給収入としては驚異的な記録を達成した。時代の特定は難しいが、室町後期あたりが適当か。自然と人間の対決というテーマは「風の谷のナウシカ」にも観られるが、こちらはより深刻かつ現実的に描かれているような気もする(そのためやや難解とも言える)。バックボーンになっているのは明らかに網野善彦の展開する非農業民に注目した日本史観。映画全編を通していろんな要素が入っているので、歴史学専攻にお薦め。
メディア DVD発売:ブエナ・ビスタ・ホーム・エンターテイメント BD発売:スタジオジブリ


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