特急〔白鳥〕の13時間

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5012M〔白鳥〕とすれ違う列車 (青森〜新潟) ※ 旅客のみ。駅間は推定含む
621M 北常盤
623M 弘前
627M 津軽湯の沢〜陣場
2001あけぼの白沢〜大館
1633M 糠沢
1635M 富根〜鶴形
4001日本海1号東能代
1641M 羽後飯塚 [運転停車]
1127D 土崎〜秋田
4003日本海3号秋田
533M 新屋
535M 羽後亀田 [運転停車]
539M 吹浦〜遊佐
227D 鶴岡
1001Mいなほ1号小波渡〜五十川
325D 今川
1003Mいなほ3号村上
929M 平木田〜中条
931M 東新潟

はるか千キロ彼方の大阪に向かい、5012Mは6時11分定刻、9号車を先頭に青森を発車。雪の奥羽本線に足を踏み入れる。鉄道唱歌のチャイムが鳴り、案内放送が旅のはじまりを告げる。ここでの停車駅案内は12時17分着の新潟まで。「終点大阪には19時06分の到着です」の言葉が、前途遼遠を感じさせる。

ほどなく夜が明けた。春分までは一ヶ月、そうすれば明るくなっての出発だが、そのころ〔白鳥〕の姿は線路上にない。

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津軽富士・岩木山 (川部〜撫牛子)

大釈迦(だいしゃか)を過ぎて弘前平野にはいると、右手に津軽富士・岩木山の姿が見える。日本海縦貫線の道中は、海と山を眺める旅である。この先白神山地(東能代付近)、鳥海山(酒田付近)、朝日岳・飯豊山(村上付近)、立山連峰(富山付近)、白山(金沢付近)といった山々が、晴れていれば車窓に広がるはずだ。ただし今日の天気は雪または雨で、あまり期待できるものではない。

ちいさな川原に、白鳥の姿が見えた。〔白鳥〕と白鳥の組み合わせが見られるのもあとわずか。


最初の停車駅、弘前。6時41分定刻、まずまず順調な滑り出しだ。ここではやくも下車の動き。この列車は奥羽本線の一番列車でもある。

大鰐温泉(おおわにおんせん)碇ヶ関(いかりがせき)を通過し、津軽湯の沢〜陣場間の矢立峠にさしかかる。かつては蒸機の重連が見られた名所=難所だったが、いまは複線のトンネルで一気に貫く。抜けると秋田県。

大館の手前で、〔あけぼの〕とすれ違った。予想通りの離合で、今日は順調にいきそうなことを予感させた。あと〔日本海1・3号〕とすれ違えば問題なし。鷹ノ巣では左に秋田内陸縦貫線が見える。

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秋田駅に進入する〔白鳥〕 (2001. 1. 8)
[Nikon F5, AF-S Nikkor ED 80-200mm F2.8D (IF), RHPIII]

7時52分、東能代(ひがしのしろ)を過ぎ、やがて車窓右側に広がる八郎潟は一面真っ白の野原。男鹿半島の付け根にあたる。

8時42分着の秋田で座席はあらかた埋まった。〔日本海3号〕がとなりのホームに到着し、入れ代わりに8時44分、発車。