白鳥の歌が聞こえる
「特急」白鳥の13時間 - 青森→大阪 -

〔白鳥〕には一度乗っておきたい。どうせ乗るなら全区間。

思うのは簡単だ。しかし実際にとなると二の足を踏む。全行程は13時間、青森での1泊は必須だ。

廃止も近い時期である。もう満席になっているのでは、と思ったが、1月24日発売開始の2月24日上りに余裕があることを、「Cyber Station」で知ってしまった。困ったことに(?)、こちらはカードを持ってインターネットでの予約もできるのだった。

結局翌々日、グリーン車が残席希少になってきたところで予約ボタンが押された。普通車だが窓側が取れた。翌日は日曜、大阪に泊まることにすれば、たとえ遅れても途中で旅を諦めずにすむ。さて、あとは前後の行程をどうするか、だが……。


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大宮 7:18-(3001B/やまびこ1号)-9:18 盛岡 10:53-(603D/陸中3号)-13:08 釜石 13:15-(1627D)-14:36 宮古 15:43-(643D)-17:52 盛岡 19:45-(1023M/スーパーはつかり23号)-21:48 青森
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明日も一日頑張って下さい (青森)

2月23日朝、大宮から〔やまびこ1号〕で出発。盛岡に一旦タッチし、まだ乗っていなかった釜石線と山田線をまわって、夜に青森入りした。22時40分、そろそろ下り列車到着の時間だ。宿を出て徒歩4分の青森駅に行く。時刻通りだというので、さっそく入場券を買って構内に入る。

下り〔白鳥〕は定刻22時59分、青森駅に到着した。増結された11両編成がホーム一杯に停車する。先頭部ははみ出てしまった。最後部では乗客がこぞって記念撮影。千キロを走り通したこの電車が、明日私を乗せてまた千キロの旅に出る。



青森 6:11-(5012M〜5002M/白鳥)-19:06 大阪
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はるかなる旅を前に (青森)
[Nikon F5, AF Nikkor 28-80mm F3.5-5.6D, RDPIII]

2001年2月24日。最初で最後の長い一日がやってきた。今日の乗車予定はこれ1本「だけ」、とことん付き合うぞ。先日のあの状況を見てきた身だけに、ひそかに腹を据える。

青森駅の朝は早い。早暁5時18分着の津軽海峡線〔はまなす〕に続き、5時41分発の〔はつかり2号〕から一日がはじまる。

青函連絡船の頃はもっと早かった。函館を深夜0時すぎに出港した便が4時30分に到着し、〔白鳥〕は〔はつかり〕とともに接続を受けて4時50分に大阪・盛岡に向けて出発していた。東北新幹線開業前は常磐線まわりの〔みちのく〕もいた。北海道でも〔おおぞら〕(のちに〔北斗〕)〔北海〕がやはり深夜便を待ち受けていた。

現在は、急行〔はまなす〕の接続を受ける形で北海道連絡の使命を担っているが、乗り換える客は少ない。

5時30分。既に列車はホームに据えつけられていた。大勢の乗客、ファンがボンネット型の先頭車にカメラを向けている。


← 大阪/青森新潟 →
123増3増4456789
クハ
481-118
モハ
484-292
モハ
485-190
モハ
488-3
モハ
489-3
サロ
481-70
モハ
484-1026
モハ
485-1026
モハ
484-242
モハ
485-139
クハ
481-101
指定指定指定指定指定グリーン指定
(喫煙)
指定
(喫煙)
自由
(喫煙)
自由自由

最終日に向け、〔白鳥〕に使う車両はボンネット型先頭車を持つ編成があてられ、さらに2両増結されている。きょうの編成は京都総合車両所(京キト)A07編成 (ボンネット型先頭車)、増結車「増3・4号車」は金沢総合車両所(金サワ)のモハ489・488。金沢所の車は雨樋の赤塗装が省略されているので容易に見分けがつく。