パズル・ライド2000

- パズルのような組み合わせに困惑しつつも走破を進める2000年の夏 -

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〔出雲〕牽引のEF65に見送られ東京を出発
(〔あさかぜ〕最後部より)

中国地方に残る未乗のローカル線。なんだかダイヤ改正の度に外来の者には利用しにくくなっているようで、早いとこ手を打たねばますます行きづらくなる、と走破計画を立てはじめました。が、もはや一筋縄では行かない。

1線乗るなら話は簡単。ところがそれを2つ以上並べると、まるで「乗せるものか」とばかりに互いに邪魔しあう始末。なんとかなだめつつ「周遊きっぷ」などを最大限組み合わせて、真夏のお盆休みという条件の中、中国・九州の旅に突入しました。


助走


矢野口-立川-新宿-東京 19:00-(5:あさかぜ)-5:12 福山

2000年8月11日 朝。最寄りの矢野口から南武線下りで立川へ向かう。今回もお世話になる「周遊きっぷ」の経路は、矢野口から南武-中央-東海道と続く。今朝は、9月の地下鉄直通を控え8月6日に系統が変更になった「東急目黒線」を体験するつもりだ。路線の新規開業や変更でないので、完乗計画に直接影響はないが、やはり早めに見ておきたい。

立川から中央線快速で新宿へ。三鷹から緩行線にE231系が併走し、緑色の窓が目に留まる。新宿まで40分。ここで一旦打ち切り、「ゆき券」を自動改札に投入してみたら、ちゃんと途中下車と認識した。

東急目蒲線改メ「目黒線」、ニューフェースの3000系が次々とやって来る。外観も内装も今までの東急らしからぬ出来で、車内は209系ばりの造りだが、暖色系の色づかいが心地よい。多摩川園改メ「多摩川」から武蔵小杉まではホームドアが使用開始となっている。電車はワンマン運転だ。


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福山付近。まだ多くの客は寝入ったまま

同日夕方。今度は登戸から小田急経由で新宿に向かい、旅行再開。ラッシュ時になる頃、上りとはいえ「あの」中央線に身を託すのはちょっと……と思ったこともあったのだが、予想通りというか期待通りというか、ダイヤは乱れぎみだった。もう少し広くできなかったのかと思う東京駅のホームは大混雑であった。

お盆休みに入るということでブルートレインも一応盛況である。今夜の〔あさかぜ〕も所定の13両編成が「満席」になった。そうそう、今夏もゴールデンウィークに続き〔あさかぜ81・82号〕が半ばこっそりと運転されている。

客車の最後部でカメラを構えてみる。品川から回送列車を牽引し、このあと〔出雲〕の牽引機となるEF65が目の前に鎮座する。運転士がちょっと笑っているような。19時ちょうど、「5列車の運転士さん、発車どうぞ」と車掌の無線連絡の後、〔あさかぜ〕は威厳を示すかのようにゆっくりと動きだした。


8月12日早朝。

寝台券は広島までとなっているが、福山で下車する。これから福塩線・芸備線・伯備線で一周するからだ。なに、「一周」?