10年参院選の共産党比例代表・東京選挙区予想
比例代表議席8→4→4→3と連続惨敗→(改選4→3?)
東京選挙区の基礎データと小池鞍替え立候補の謎・疑問点
(宮地作成)
〔目次〕
1、参院選比例代表議席・得票数・得票率増減と赤旗部数累積減少 (表1)
2、衆院選・参院選・都議選10連続惨敗データ−00年〜09年 (表2)
3、比例代表得票率・当選順位下落データと2010年当落予想 (表3、4)
1、東京選挙区の共産党基礎データ (表5〜8)
2、東京選挙区・志位和夫「背水の陣」戦術=小池鞍替え立候補の謎・疑問点
〔産経の小池晃インタビュー〕、志位和夫「背水の陣」戦術発言問題
〔謎・疑問点1〕、上記(表5〜8)の選挙データの作成・提出有無と検討レベル
〔謎・疑問点2〕、最重点選挙区決定における他党立候補見通しの誤り (表9)
〔謎・疑問点3〕、比例代表改選4→3議席絶対確保への後退シフト
〔謎・疑問点4〕、田村→比例代表、比例現職小池→選挙区への相互鞍替え戦術
〔謎・疑問点5〕、路線・体質無変化で、戦術だけ転換への有権者・党員心理判断
〔謎・疑問点6〕、東京都6.2万党員は、戦術だけ転換に総決起するのか (表10)
〔謎・疑問点7〕、東京都委員会の党財政・参院選財政破綻とカンパ訴え (表11)
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→1月1.1%→2月1.6%→3月1.5%→4月1.4%→5月1.6%→6月0.9%
時事通信『比例当選ラインは低め?=候補者増、団体集票力低下が影響』7月8日
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産経終盤情勢『民主、過半数割れに危機感、自民堅調、各党議席予測表』7月7日
『与党過半数割れ濃厚 みんななど第三極10議席以下』7月6日
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『参院選:民主「改選54」維持も…中盤情勢 毎日新聞調査』7月5日
静大佐藤研究室『10年参議院選挙の予測のまとめ』
年一律1200円徴収と党資金横領常幹との06年同時発生
供託金支援基金にたいする納入拒否・不服従党員58%に激増
3、党機関財政崩壊危機→救援・救済のための異様な新特別募金訴え
上田建二郎4年半の累積党資金横領総額4億2748万円
自己保身選挙総括への反発・支部討議拒否支部急増(表9)
供託金支援基金にたいし党費納入党員の58%が納入拒否・不服従
共産党『参議院選挙予定候補者』18人+全46選挙区 『比例代表13人追加』6月4日
『共産党の参院選結果4回分データ分析』議席数・得票数・得票率とも全面惨敗の真相
1、参院選比例代表議席・得票数・得票率増減と赤旗部数累積減少
日本共産党は、参院選の47都道府県選挙区において、当選する可能性はなくなっている。07年東京選挙区が定数4→5に増えたのに、7位で落選した。最初に、比例代表改選定数48について、共産党の当落データを検証する。
(表1) 議席・得票数・得票率増減と赤旗部数累積減少
年 |
議席 |
得票数 |
得票率 |
赤旗部数(万部) |
||||||
|
|
増減 |
|
増減 |
|
増減 |
年 |
大会 |
HN |
累積減少 |
98 |
8 |
|
819.5 |
|
14.60 |
|
97 |
21 |
230 |
|
01 |
4 |
−4 |
432.9 |
−386.6 |
7.91 |
−6.69 |
00 |
22 |
199 |
−31 |
04 |
4 |
±0 |
436.3 |
+3.4 |
7.80 |
−0.11 |
04 |
23 |
173 |
−57 |
07 |
3 |
−1 |
440.8 |
+4.5 |
7.48 |
−0.32 |
06 |
24 |
164 |
−66 |
10 |
(3) |
(−1) |
|
|
減る |
減る |
10 |
25 |
145.4 |
−84.6 |
投票率アップで04年は実質数万票減、07年実質17.7万票減のため1議席減
赤旗HNは、12年間で84.6万部・36.7%も連続減
〔1、比例代表議席数減少と当選順位下落〕
選挙区・比例代表の合計当選議席は、15→5→4→3と減り続けている。参議院議席合計は9→7に減った。
比例代表定数48人中、当選順位は、01年8、20、32、45→04年9、22、35、47→07年10、23、36だった。4人目の当選順位は、45→47→49位以下と連続下落で落選した。3人目の当選順位も、32→35→36と、連続下落している。
〔2、比例代表得票数−実質的連続減少〕
常任幹部会は、「07年参院選の得票数では、前回および前々回の得票を上回る四百四十万票(7・48%)という地歩を維持することができました」とした。前々回432.9万票→前回436.2573万票→今回440.7937万票なので、前回比で4.5364万票上回っている。これだけでは騙しのペテンになる。私は愛知県選対部員としていつも選挙結果分析をしていたので、常任幹部会のペテンを暴くのには、ややこしい計算になるが細かく分析する。
得票数が、投票率・有権者数の上下と不可分な関係にあることを考慮することは、専門家の選挙結果分析の常道である。投票率は、56.54→58.63%に上がり、+2.09%増えた。よって、党派別得票数合計は、5593.1785万票→5891.3683万票となり、+298.1898万票増加した。共産党の今回得票率は、7.48%である。共産党がそれに比例して増加すべき得票数の計算式は次になる。増加得票数合計推計+298.1898万票×7.48%≒+22.3046万票。ところが、共産党は4.5364万票しか増えなかった。
となると、議席惨敗だけでなく、共産党の得票数も実質的に激減している計算になる。得票数の面でも、4.5364万票−22.3046万票=−17.7682万票という惨敗結果だった。実質として、17.7万票も減らした惨敗だったのに、志位・市田・不破らは、「上回った」と数値の表面的比較で、党費納入28万党員を騙している。
得票数が「上回った」のに、なぜ1人減り、3人しか当選できなかったのか。その理由は、ドント式の比例代表当選者48議席配分システムにおいて、前回比で実質17.7万票も減らしたので、共産党4人目は、48位以内に入らず、落選したことにある。17.7万票激減と1人減ったこととの相関関係を覆い隠す詭弁を使っている。
これは、志位・市田・不破らが、1人減理由について、党内にたいする説明責任を放棄しただけでなく、むしろ、「上回った」から敗北でないと目くらまし犯罪を掛けていると規定できる。もっとも、忠誠派党員たちは、そのペテンにころりと騙され、比例代表得票数が「上回った」から、共産党は「敗北」などしていないと、選挙後、支持者に触れ回っているが…。
〔3、比例代表得票率−連続ダウン〕
この減少はごまかしようがないので、口をつぐんで沈黙した。比例代表得票率について、1998年以降から見れば、14.60→9.71→7.80→7.48%と4回連続減少である。前回比でも、7.48−7.80=−0.32%減り続けた。
〔4、国政選挙3数値と赤旗部数増減との比例関係−双方とも連続減少〕
赤旗部数は、(表1)のように連続減少している。1980年355万部ピーク以降、赤旗が増えた党大会は一度もない。赤旗読者は共産党から大逃散をしてきた。(1)赤旗読者減少と、(2)国政選挙の共産党比例代表議席・得票数・得票率という3数値の減少とは、比例関係にある。
今後とも、赤旗読者は共産党から逃散し続ける。それに反比例して、共産党の国政選挙3数値が増えることはありえない。日本共産党とは、21世紀資本主義世界において、唯一残存するコミンテルン型前衛党である。その誤った5原則を隠蔽・訳語変更・堅持しているので、共産党がレーニン型前衛党でなくなったと錯覚し、騙され、「レーニン神話」をなお信じている左翼知識人・ジャーナリスト・有権者が、国政選挙投票者で420万人〜494万人いる。
日本共産党の本質は、民主集中制・分派禁止規定堅持の反民主主義政党、満場一致50年政党である。しかし、党外にたいしては、民主主義的政策を発表・公約するという仮面政党だという認識を、赤旗読者・有権者が持つにつれて、(1)赤旗部数も、(2)国政選挙3数値も減っていく。すでに、ヨーロッパでは、コミンテルン型前衛党の5原則すべてを堅持する共産党は、有権者から見放され、壊滅している。21世紀においても、党内民主主義抑圧型の反民主主義政党は、東方の島国においてのみ残存する世界史的な特異現象となっている。
2、衆院選・参院選・都議選10連続惨敗データ−00年〜09年
東京都議選結果は、国政選挙に連動し、首都の有権者投票行動として、国政選挙並みの位置づけをする必要が生まれている。都議選を合わせた日本共産党の選挙10連続惨敗データは何を示すのか。3つの選挙種類が異なるが、ここでは時系列データにした。種類ごとのデータは、それぞれの別ファイルにある。(表)の増減は同種選挙の比較である。
(表2) 衆院選・参院選・都議選10連続惨敗データ
年 |
種類 |
議席 |
得票数・万 |
得票率・% |
備考 |
|||
|
|
|
増減 |
|
増減 |
|
増減 |
得票数増の真相 |
00年 |
衆院選 |
26→20 |
−6 |
663 |
−47 |
11.23 |
−1.32 |
|
01年 |
都議選 |
26→15 |
−11 |
74.8 |
−5.5 |
15.63 |
−5.7 |
|
01年 |
参院選 |
15→5 |
−10 |
432.9 |
−386.6 |
7.91 |
−6.69 |
|
03年 |
衆院選 |
20→9 |
−11 |
459 |
−204 |
7.76 |
−3.47 |
|
04年 |
参院選 |
5→4 |
−1 |
436.3 |
+3.4 |
7.80 |
−0.11 |
実質数万票減 |
05年 |
都議選 |
15→13 |
−2 |
68.0 |
−6.7 |
15.57 |
−0.06 |
|
05年 |
衆院選 |
9→9 |
±0 |
492 |
+33 |
7.25 |
−0.51 |
実質30.1万票減 |
07年 |
参院選 |
5→3 |
−2 |
440.8 |
+4.5 |
7.48 |
−0.32 |
実質17.7万票減 |
09年 |
都議選 |
13→8 |
−5 |
70.7 |
+2.7 |
12.56 |
−3.01 |
実質13.2万票減 |
09年 |
衆院選 |
9→9 |
±0 |
494.4 |
+2.4 |
7.03 |
−0.22 |
実質15.5万票減 |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
10年 |
参院選 |
4→(3?) |
(−1) |
|
|
|
|
|
13以前 |
衆院選 |
9→? |
(−?) |
|
|
|
|
(定数削減?) |
13年 |
参院選 |
3→(2?) |
(−1) |
|
|
|
|
(定数削減?) |
得票数・投票率は比例代表。参院選半数改選議席→当選議席
このデータを見ると、2000年以降、東京都議選だけでなく、衆院選、参院選においても、日本共産党は、衆院選2回の±0議席を除いて、議席と、得票率をすべて減らしている。総選挙・参院選・都議選の得票数増加5回は、投票率アップによるもので、実質的には、(表)備考欄のように5回とも得票数を実質的に減らしている。実質的得票数減少5回データを合わせれば、得票数も10回連続惨敗をした。
3、比例代表得票率・当選順位下落データと2010年当落予想 (表3、4)
(表3) 得票率・当選順位下落データと2010年当落予想
年 |
比例代表得票率 |
比例代表定数48中−当選順位と落選 |
||||
|
|
増減 |
1人目 |
2人目 |
3人目 |
4人目 |
01 |
7.91 |
−6.69 |
8 |
20 |
32 |
45 |
04 |
7.80 |
−0.11 |
9 |
22 |
35 |
47 |
07 |
7.48 |
−0.32 |
10 |
23 |
36 |
49以下落選 |
|
|
|
|
|
|
|
10 |
(4連続ダウン) |
(4連続ダウン) |
(下落・当選) |
(下落・当選) |
(下落・当選) |
(49以下落選) |
13 |
|
|
2010年参院選後→参議院議員定数40削減法案? 比例代表定数03年20削減?→順位29以下は落選 |
参院選比例代表得票率は、3連続ダウンしている。(表2)の3種類選挙における得票率10連続ダウン結果から見ても、2010年参院選得票率は、4連続ダウンする確率が高い。
比例代表改選定数48人中、当選順位も、全員が連続ダウンした。2010年、3人ともの当選順位は下落するが、定数内に留まり、当選する。3人目が、49位以下にまで一挙に下落するとは考えにくい。4人目は、再度、落選する可能性が高い。比例代表当選順位は、総務省HPにある。
参院選07年結果 総務省 比例代表→(12)党派別議席配分表
参院選04年結果 総務省 比例代表→(12)党派別議席配分表
そこから、共産党比例代表の当選予想は、3人になる。改選4人なので、現役1人落選→3人に減となる。比例代表改選の当選は、8→4→4→3→(3)と、日本共産党のじり貧的瓦解を証明する結果が判明する。
ただし、2010年7月参院選後、民主党は、参議院議員比例代表定数40削減法案を提出すると思われる。民主党の政権公約・参院選マニフェストに明記しようとしているからである。衆議院議員定数削減マニフェスト=比例代表定数180→100にした。そして、参院選議員定数削減マニフェスト=比例代表定数96−削減40=56にする案が出ている。
もし、衆議院定数削減のように、参議院比例代表定数削減3年毎で48→28となると、2013年7月参院選は、3人目も落選する。2人目も落選・当選は1人だけという確率が高まる。日本共産党の参議院における自然死=参議院3議席以下政党に転落する展望が現実化する。
参議院比例代表議席は、次の(表)である。参院選は、3年毎に、半分を改選し、残り半分は非改選になる。議員任期は6年ある。各年度合計議席は、改選による当選+非改選である。参院選4回・12年間で、日本共産党参議院比例代表議席合計は、98年13→10年(6)となり、46%に激減する。
(表4) 参院選比例代表の改選・当選+非改選=合計議席
年 |
改選議席 |
当選議席 |
非改選 |
合計議席 |
議席累積減少 |
98 |
|
8 |
5 |
13 |
|
01 |
5→ |
4 |
8 |
12 |
−1 |
04 |
8→ |
4 |
4 |
8 |
−5 |
07 |
4→ |
3 |
4 |
7 |
−6 |
|
|
|
|
|
|
10 |
4→ |
(3) |
3 |
(6) |
(−7) |
13 |
3→ |
(2〜1) |
10年参院選後→参議院議員定数40削減法案? 比例代表定数3年20削減?→順位29以下は落選 |
衆議院議員議席+参議院議員議席の合計が、4議席以下になれば、日本共産党は、法律上の「政党」でなくなる。その結果、政党としての法律上特権を剥奪され、たんなる「政治団体の一つ」に転落する。
『総選挙比例代表05年→09年結果比較』定数55%に削減→共産党自然死の展望
4、東京選挙区の基礎データと小池鞍替え立候補の謎・疑問点
〔小目次〕
1、東京選挙区の共産党基礎データ (表5〜8)
2、東京選挙区=志位和夫「背水の陣」戦術の謎・疑問点 (表9)
1、東京選挙区の共産党基礎データ (表5〜8)
(表5) 参院選東京選挙区の3回分結果 07年定数+1
順位 |
2001年 定数4 |
2004年 定数4 |
2007年 定数+1→5 |
1 |
自民 保坂 1407437 |
自民 中川 1014293 |
民主 大河原 1087743 |
2 |
公明 山口 881314 |
民主 小川 991477 |
公明 山口 794936 |
3 |
民主 鈴木 759110 |
民主 蓮舫 924643 |
民主 鈴木 780662 |
4 |
共産 緒方 630196 |
公明 沢 827091 |
自民 丸川 691367 |
5 |
自由 遠藤 361965 |
無 青島 596272 |
無 川田 683629 |
6 |
無 畑 210573 |
共産 今村 453287 |
自民 保坂 651484 |
7 |
無 上田 209806 |
無 増元 381771 |
共産 田村 554104 |
共産党01年4位当選→04年6位45万票・落選→07年7位55万票・落選
→10年順位5位以内になれば当選 民主党3人立候補予定との関係?
最下位当選票01年63万票→04年82万票→07年68万票
共産党は、68万票以上の東京選挙区得票数になったことが10年間一度もない
(表6) 参院選比例代表東京都の3回分結果
|
2001年 定数48 |
2004年 定数48 |
2007年 定数48 |
立候補者 |
25 |
25 |
17 |
当選 |
4 |
4 |
3 |
当選者 |
紙、筆坂、井上、吉川 |
市田、小池、仁比、大門 |
井上、紙、山下 |
東京得票数 |
546073 |
519531 |
554601 |
東京得票率 |
12.61 |
11.91 |
12.58 |
東京都の比例代表票54万票→51万票→55万票→2010年?
筆坂をでっち上げ粛清・参議院議員辞職強要→離党→『日本共産党』出版
10年参院選3人に減予想→現職4人中、誰かを事前にやめさせ、3人絶対確保方針?
小池の比例代表現職やめさせ、東京選挙区へ→落選可能性が高くとも?
(表7) 総選挙東京ブロック定数17の3回分結果
年 |
立候補 |
当選 |
当選順位/17 |
得票数 |
得票率 |
2003 |
3 |
1 |
9位 |
532376 |
9.27% |
2005 |
3 |
1 |
9位 |
586017 |
8.84% |
2009 |
4 |
1 |
8位 |
665462 |
9.61% |
当選順位=政党得票数÷1、÷2、÷3のドント式議席配分による
総選挙9、8位の得票数・順位→10年参院選順位5位以内になれるか?
共産党は、68万票以上の東京ブロック得票数になったことが10年間一度もない
(表8) 東京都議選の4回分結果−42選挙区・定数127
年 |
投票率 |
議席 |
議席増減 |
得票数 |
得票率 |
立候補 |
1997 |
40.80 |
26 |
+13 |
803376 |
21.33 |
44 |
2001 |
50.08 |
15 |
−11 |
748085 |
15.63 |
44 |
2005 |
43.99 |
13 |
−2 |
680200 |
15.57 |
43 |
2009 |
54.49 |
8 |
−5 |
707602 |
12.56 |
40 |
各選挙区の順位・得票率軒並み下落 当選26→15→13→8と3連続惨敗・大敗北
政権交代後民主党批判強化=民主党批判東京有権者の受け皿狙い戦術の効果?
2、東京選挙区・志位和夫「背水の陣」戦術=小池鞍替え立候補の謎・疑問点?
〔小目次〕
〔産経の小池晃インタビュー〕、志位和夫「背水の陣」戦術発言問題
〔謎・疑問点1〕、上記(表5〜8)の選挙データの作成・提出有無と検討レベル
〔謎・疑問点2〕、最重点選挙区決定における他党立候補見通し情勢判断の誤り (表9)
〔謎・疑問点3〕、比例代表改選4→3議席絶対確保への後退シフト
〔謎・疑問点4〕、田村→比例代表、比例代表現職小池→東京選挙区への相互鞍替え戦術
〔謎・疑問点5〕、路線・体質転換拒絶で、戦術だけ転換への有権者・党員心理判断
〔謎・疑問点6〕、東京都党費納入6.2万党員は、戦術だけ転換に総決起するのか
〔産経の小池晃インタビュー〕、志位和夫「背水の陣」戦術発言問題
産経新聞は、反共の立場で有名である。それが、09年10月31日、共産党比例代表現職から、東京選挙区立候補に鞍替え立候補したばかりの小池晃にたいする長大なインタビューを載せた。10月13日9中総後、マスコミとしは、初めての共産党転換方針・鞍替え立候補者への詳しい長大な取材記事だった。その内容の性質は、提灯持ち的なインタビューだが、産経の狙いがどこにあるのか。
長期にわたる自公政権のとき、反共マスコミの敵は、唯一、日本共産党だった。政権交代によって、打倒すべき当面の主要敵は、民主党政権に変わった。共産党は、「是々非々」「建設的野党」と宣伝していたが、民主党政権批判を強めている。ついには、「建設的野党」スローガンを取り下げた。となると、当面の主要敵である民主党政権の敵・日本共産党は、自民党・公明党とともに、味方に取り込むべき政党の一つになる。敵の敵は味方という逆転換論理から見れば、味方・共産党議席が減ってもらっては困る。産経にとっての味方・小池には、提灯持ち的なインタビューをしてでも、当選してもらいたい、ということなのか。
その冒頭に、次のやり取りがある。
産経小見出し−選挙区議席を奪還せよ
産経−来年夏の参院選挙は東京選挙区から出馬されると発表されましたね。志位和夫委員長は“背水の陣”とおっしゃっていましたが、比例区から選挙区に移られる覚悟は…
小池−あまり“背水の陣”といわれると悲壮感ただようので、僕自身はそういう言い方はしないでくださいよ、と委員長には言っているんですけれど。ただね退路を断って勝負にかける、という意味にはなると思うんですね。
産経『小池晃氏インタビュー』上中下、各3回の計9回分掲載
赤旗記事は、この志位発言を載せていない。ただし、彼が“背水の陣”と発言したことは事実であろう。その言葉に、彼の真意が表れているので、このファイルでは、東京選挙区選挙・志位和夫「背水の陣」戦術として検討する。また、このやり取りは、小池晃が、委員長の東京選挙区戦術の性格規定に反対していることを、反共の産経に漏らしてしまったことも暴露した。小池は口が軽いのだろうか。
志位和夫「背水の陣」戦術には、謎と疑問点が多い。それらをいくつか検証する。なお、「背水の陣」戦術とは、小池・参議院比例代表現職と、田村・東京選挙区落選・東京都議選落選とを相互に鞍替えするので、その性質は2010年参院選相互鞍替え立候補戦術となる。
〔謎・疑問点1〕、上記(表5〜8)の選挙データの作成・提出有無と検討レベル
「背水の陣」戦術を、志位・市田・不破らが最終決断する前提として、書記局・党中央選対部は、上記(表5〜8)選挙データを作成し、3人に提出したと思われる。参院選相互鞍替え立候補戦術の最終方針決定権は、常幹22人全員になく、志位・市田・不破ら3人だけが占有している。彼らは、(表5〜8)選挙データを厳密に検討した上で、「背水の陣」戦術を決定したのか。それとも、それらのデータ不足のままで、参議院比例代表4人の内、小池を落選の可能性も高い東京選挙区に移す決定をしたのか。
〔謎・疑問点2〕、最重点選挙区決定における他党立候補見通し情勢判断の誤り (表9)
(1)、09年総選挙で京都1区を最重点小選挙区に決定した情勢判断の誤り
志位・市田・不破らは、09年総選挙において、京都1区を最重点・絶対確保小選挙区と決定した。比例代表現職穀田の京都1区当選を目指し、全党に指令した。ところが、その決定時点、民主党が京都1区での立候補を見送るという噂が流れていた。民主党が立候補しないケースなら、穀田がトップ当選する可能性もあったかもしれない。しかし、民主党が立候補しないとする情勢判断は誤りだった。あいまいな噂・収集情勢を信じた最重点・絶対確保方針も誤っていた。志位和夫は、その誤りにたいし、口をつぐんだ。
(2)、10年参院選で、比例代表現職小池の東京選挙区鞍替え立候補戦術における情勢判断の誤り?
10年7月参院選における東京選挙区「背水の陣」戦術の決断を3人がし、10月13日9中総で発表した。志位・市田・不破ら3人は、最終方針決定権占有者である。07年参院選東京選挙区結果は、(表4)のように、民主党2・公明党1・自民党1・無所属川田1だった。そのままの立候補情勢なら、「背水の陣」戦術成功の確率が高くなるかもしれない。
しかし、「背水の陣」戦術決定後、みんなの党の支持率が急伸し、共産党支持率をはるかに上回るようになった。みんなの党は、東京選挙区で松田公太・41歳の立候補を決定した。彼は、チェーン店タリーズコーヒー・ジャパンの創業者である。そうなれれば、共産党より上の得票数・投票率で当選する可能性も高い。
自民党は、2人目候補者に東海由紀子・42歳を決定した。彼女は、アメリカンフットボールで日本一となった京大選手・東海辰弥の妻で、NHK大阪放送局でスポーツキャスターを務めた。
創新党は、元杉並区長の山田宏を決定した。
その場合、定数5議席中、民主党2・自民党1・公明党1は当選可能性が高い。残る順位5人目を、みんなの党松田・共産党小池・自民党2人目東海・創新党山田の4人で争うことになる。みんなの党立候補者が、07年無所属川田のような得票数になることもありうる。
これらにたいする情勢判断はきちんとなされているのか。小池・東京選挙区鞍替え立候補「背水の陣」戦術は、総選挙京都1区の最重点戦術決定の誤りと同じく、早とちりの誤りになる危険性が生まれている。
(表9) 参院選東京選挙区の3回分結果と10年立候補者
順位 |
2001年 定数4 |
2004年 定数4 |
2007年 定数+1→5 |
2010年 定数5 |
1 |
自民 保坂1407437 |
自民 中川1014293 |
民主 大河1087743 |
民主 蓮舫 元キャスター 現 |
2 |
公明 山口 881314 |
民主 小川 991477 |
公明 山口 794936 |
公明 竹谷 公認会計士 新 |
3 |
民主 鈴木 759110 |
民主 蓮舫 924643 |
民主 鈴木 780662 |
自民 中川 元環境次官 現 |
4 |
共産 緒方 630196 |
公明 沢 827091 |
自民 丸川 691367 |
民主 小川 弁護士 現 |
5 |
自由 遠藤 361965 |
無 青島 596272 |
無 川田 683629 |
みんなの党 松田 タリーズ 新 |
6 |
無 畑 210573 |
共産 今村453287 |
自民 保坂 651484 |
共産 小池 政策委員長 現 |
7 |
無 上田 209806 |
無 増元 381771 |
共産 田村 554104 |
自民 東海 元キャスター 新 |
|
|
|
|
創新 山田 元杉並区長 新 |
共産党01年4位・当選→04年6位45万票・落選→07年7位55万票・落選
最下位当選票01年63万票→04年82万票→07年68万票
4位→6位→7位→(5位に急浮上・当選)という「背水の陣」戦術は、甘い空想的願望=誤った賭けに終わる確率が高い。現職比例代表議員・政策委員長を赤いバクチの賭け金として差し出すだけの余裕があるのか。全分野にわたる衰弱死進行・表面化政党なので、志位・市田・不破らが一か八かのバクチを仕掛けたくなる気持ちは分からなくもないが。
『第25回大会中央委員会報告・決議の行間を読む』衰弱死進行・表面化政党
〔謎・疑問点3〕、比例代表改選4→3議席絶対確保への後退シフト
志位・市田・不破らは、9中総において、比例代表改選4→5人絶対確保方針を決定した。しかし、立候補者5人から、改選現職小池を外し、現職を市田・仁比・大門ら3人だけにした。他2人は、田村智子とまったく知名度がない愛知県の女性にした。田村智子は、07年参院選で7位落選し、東京都議選でも落選している。彼女ら2人は、名目だけの「絶対確保候補者」である。
現在まで、すべてのマスコミ・選挙評論家が、10年参院選比例代表で、日本共産党は比例代表改選4→3議席に減るとの予想を出している。それらマスコミの09年総選挙の公示前予想が、共産党9議席から増えるとしたのにたいし、完全な様変わりになった。ここまでくると3議席に減る予想に基づく後退シフトにし、「名目」2人確保と「本音」3人確保とを使い分ける二枚舌宣伝をせざるをえなくなった。この後退・二枚舌シフトは2回目である。
2004年参院選における比例代表現職3人の立候補中止措置である。その時点の選挙情勢と当落予想は厳しく、改選8人中4人しか当選できない見込みが強かった。総選挙は、党が当選順位を事前に決定できる拘束名簿方式である。しかし、参院選は、党が当選順位を事前に決定できない非拘束名簿方式である。8人を立候補させれば、個人名簿票数の順位によって、誰が当選し、落選するか開票しなければ分からない。そこで、志位・市田・不破ら最終方針決定権者は、引退2人を除く6人中、市田ら落選させたくない3人以外の現職3人に立候補中止決定を通告した。
切捨て・候補者解任命令は、比例代表現職の岩佐恵美・池田幹幸・小泉親司ら3人だった。改選で残りの3人とは、市田忠義党書記局長・大門みきし党役職なし・小池晃党役職なしらの3人であり、他新人1人仁比が当選した。切捨て・候補者解任3人は、最終決定権者の命令に無条件で従い、批判・不満を党内外に漏らさなかった。志位和夫は、その後退シフトにたいし、沈黙し、なんの説明もしなかった。
〔謎・疑問点4〕、田村→比例代表、比例現職小池→選挙区への相互鞍替え戦術
最終方針決定権占有者ら3人は、田村が、07年参院選東京選挙区と09年東京都議選で連続落選した結果を分析した。選択肢として、2つの戦術が浮かんだ。(1)4人立候補のままで、1人落選を待つのか、その場合、参議院議席・得票数・得票率とも全面惨敗になる。それとも、(2)最初から1人を外し、あわよくば、東京選挙区の議席奪還「背水の陣」戦術で、小池を当選させる。
定数5人中7位落選者田村を再度立候補させても、当選の可能性は低いと判定した。また、10年参院選比例代表で改選現職4人を立候補させても、1人が落選するとのマスコミ予想を受け入れ、後退シフトを組むことにした。
志位・市田・不破は、民主党2人だけ立候補を前提とする情勢判断を信じ、選択肢(2)を決定した。しかし、京都1区の最重点決定時点の立候補数判断の誤りと同じく、みんなの党が立候補者名を決定・発表すれば、どうなるか。その時点で、「背水の陣」戦術は、他党立候補数に関する誤った、甘い冒険主義戦術として色褪せる。
参院選は、総選挙と違い、重複立候補制はない。小池が東京選挙区で落選すれば、国会議員でなくなる。国会議員資格がないので、テレビ討論の出演からも排除される。落選議員が共産党代表としてテレビ討論会に出るのは、恥さらしになるからである。まったくただの人となる。最終方針決定権者らが決定した相互鞍替え立候補戦術は、2人とも落選する可能性が高い。
〔謎・疑問点5〕、路線・体質無変化で、戦術だけ転換への有権者・党員心理判断
最大の問題は、東京都の有権者・党員たちが、この相互鞍替え立候補戦術にたいし、どのような印象を持つのかという心理の判断である。志位・市田・不破らはどのような判断をしたのか。
10年1月第25回大会は、コミンテルン型共産党としての基本路線・体質のいかなる変化をもさせないで、何も放棄もしなかった。(1)、Democratic Centralism・分派禁止規定堅持の反民主主義政党である実態の転換を拒絶した。それどころか、志位和夫は民主集中制を公然と賛美した。(2)、満場一致50年政党というギネスブック的新記録を更新した。(3)、不破哲三への財政・印税特権提供を続け、その問題に沈黙した。(4)、インターネット掲示板発言党員への査問・粛清路線も続けている。
『不破哲三の出版・印税収入特権と年収特権』掲示板での不破財政特権の証言
(5)、不破哲三の中国共産党賛美路線を全面支持し、彼の朝鮮総連=朝鮮労働党日本支部支持方針で拉致問題に沈黙している。赤旗は、中国・中国共産党の言論・出版抑圧犯罪に沈黙している。赤旗は、中国・中国共産党や北朝鮮・金正日の誤り・問題点など一切書いていない。中国共産党・朝鮮労働党・ベトナム共産党・キューバ共産党という残存する4つの党独裁・党治国家を全面支援し、協議・会談をし、提携する政党体質を露骨に剥き出している。
『不破哲三と中国共産党との関係経緯』ファイル多数
それら基本路線・体質転換拒絶は、閉鎖的で党内民主主義を抑圧する政党というマスコミ・東京都有権者における日本共産党認識にたいし、なんの変化・新鮮さの印象も与えなかった。残存する4つの党独裁・党治国家を支持するような東京都の有権者・党員はどれだけいるというのか。
06年第24回大会にたいし、マスコミが記事にしたのは、不破哲三の議長引退・上田耕一郎の中央委員引退だけだった。何の路線・体質変化もなかったからである。ところが、第25回大会の中央委員会報告・決議には、話題になるような変化・転換がまるでなかった。そこで、マスコミ報道も党大会開催事実だけを短くおざなりに載せただけだった。
『第24回大会めぐるマスコミ論調』不破の議長引退・上田の中央委員引退のみ
有権者に「共産党は変わったか」とのアンケートをとれば、ほとんどが「何一つ変わっていない。変えようともしていない」と応えるであろう。むしろ、野党に転落した衝撃から、自民党・公明党の方が必死で変わろうと模索している。党内でのうごめきが表面化している。それにたいし、志位和夫は、基本路線・体質無変化の化石政党トップとして「支部が主役」と党内向けスローガンを唱えるだけである。
東京都の有権者・党員たちに、10年第25回大会中央委報告・決議は、なんの知的刺激も与えなかった。彼らは相互鞍替え立候補戦術にも興味を示さなかった。無風で、変化がなく、満場一致挙手要員として濾過・選別されただけの代議員1060人による満場一致50年目党大会で終わった。むしろ、党大会は、あらゆる変化を拒絶する化石政党とのイメージを党内外に強めた。
〔謎・疑問点6〕、東京都党費納入6.2万党員は、戦術だけ転換に総決起するのか
ちなみに、参院選東京選挙区における東京都の共産党員は何人いるのか。08年政治資金報告書を分析したMF生ファイルにデータがある。それによれば、計算は次になる。
08年東京都には、年間延党費納入党員数749441人÷12カ月間≒62453人がいる。党全体内の比率は、62453人÷08年度総務省宛党費納入党員数257402人≒東京都委員会だけで24.2%もいる。MF生ファイルexcel表によれば、志位・市田・不破らは、総務省にたいし、東京都委員会の33地区委員会とそれぞれの年間延党費納入党員数も報告している。12カ月間で割れば、33地区別の党員証交付党員数も分かってしまう。志位・市田・不破らは、党内には隠すのに、公安調査庁にもそれら33地区データを含むすべてを自ら通報していることになる。
MF生作成『日本共産党の政治資金数表−excel』33地区委員会別の党員数も
33地区委員会別の党員数・党費収入金額まで、志位和夫によって、公安調査庁にも結果的に通報されている東京都の共産党員62453人・全党の24.2%は、参院選東京選挙区相互鞍替え立候補戦術と小池当選のために、かつ、自己保身トップ3人の党内地位・特権保持戦術のために、奮起するのか。それとも、志位和夫の公安調査庁通報行為・党内向け隠蔽行為に怒って、選挙活動サボタージュを一段とエスカレートするのか。
第25回大会の志位ウソ報告・党員数40万6000人なら、後期・下りの東京都党会議も、40万6000人×24.2%≒98252人と報告し、党会議決定をしたはずである。東京都党員は、62453人と98252人とのいずれが真実と考えるか。その差引党員数35799人という疑惑をどう推理するのか。
それら35799人の真相は、党費納入拒否・党内離脱をし、共産党員として戻ることのない架空員数である。東京都党員は、そんなウソつき志位による党員騙しに関係なく、参院選東京選挙区・鞍替え候補者小池必勝を目指し、総決起するのだろうか。
もし、10年1月第25回大会で、志位和夫が、(1)民主集中制・分派禁止規定を放棄する、(2)次回の党大会から複数提案を認める、(3)インターネット掲示板での党中央批判・党改革発言を規律違反としない、(4)従来の批判・異論者・掲示板発言党員への除名・除籍・規律違反処分を誤りとして名誉回復をすると発言・決定していたら、どうなっていたのか。
マスコミ・有権者・党員の反応は、東方の島国のコミンテルン型共産党も、イタリア共産党・フランス共産党に倣って、遅まきながら、基本路線・体質の大転換をしたと、日本共産党と10年参院選にたいする見方・態度を全面的に変えたはずである。志位和夫は、それら大転換どころか、基本路線・体質にたいし、なんの変化もさせないままで、相互鞍替え立候補という選挙戦術だけを変えた。日本共産党とは、まさに、無変化化石政党そのものになっている。
国内他政党にたいする路線・対応方針に変化があったか。民主党への政権交代直後、総選挙前までの民主党敵視・政権交代阻止戦略を棚上げ・頬被りし、「建設的野党」「是々非々野党」への転換を唱えた。マスコミ・有権者はその変化を歓迎した。しかし、民主党トップ2人の政治資金問題が出るや否や、小沢批判を強め、民主党離れ票・小沢批判票の受け皿狙い戦術政党に転換した。検察側の問題点には一言も触れず、むしろ全面支持した。自民党と共産党とで、民主党離れ有権者の受け皿政党として、名乗りを上げ、小沢批判レベルを競い合う選挙戦術を採っている。
ただし、受け皿政党として、政党支持率が急浮上してきた「みんなの党」にたいする警戒と批判をむき出しにしつつある。「みんなの党」が受け皿になれば、共産党に流れるはずの民主党離れ票・小沢批判票が来なくなり、志位和夫「背水の陣」戦術は破綻するからである。
民主党・自民党には投票したくないという無党派層比率が急増してきた。政党支持率のトップになった。その性質は、公明党・共産党を含めた既成政党批判・不信である。既成政党で支持率が上がってきた政党は一つもない。有権者は、7月参院選において、(1)既成政党すべてと(2)諸新党との選択をする。その受け皿政党争いの中で、志位・市田・不破の無変化化石政党は、有権者の支持を得られるのか。
時事共産党9月2.3%→10月2.2%→11月2.1%→12月1.7%→1月1.1%
→2月1.6%→3月1.5%→4月1.4%→5月1.6%→6月0.9%
志位・市田・不破らは、コミンテルン型共産党の基本路線・体質転換をしないままでも、政権交代後の民主党・小沢批判戦術だけで、参院選東京選挙区で小池を当選させられるとの選挙情勢判断をしているのだろうか。これらの戦術なら、東京都党費納入党員62453人が大歓迎し、トップ3人を天才的な選挙戦術家と褒め称え、総決起をし、それによって、選挙10連続惨敗政党から脱出できるとの皮算用をしているのだろうか。
東京都党費納入党員62453人・全党の24.2%が、参院選に向け、どう動くかを(表)で予測する。全党データに24.2%を機械的に当てはめ、シミュレーションを試みる。予測といっても、09年総選挙での参加・サボタージュ%と、10年第25回大会までの供託金支援基金納入・納入拒否%が、東京都党においても再現されるとする見込みデータを載せるだけである。ただし、志位和夫の第25回大会公表党員数は、根拠がなく、党員騙しの真っ赤なウソなので、全党40万6000人→東京都党員24.2%・98252人は、シミュレーションに入れない。
(表10) 東京都党員の参院選活動参加、不参加・サボタージュ予測
東京都33地区の党費納入党員62453人・全党の24.2%
項目 |
参院選活動参加・供託金基金納入 |
参院選活動不参加・供託金基金納入拒否 |
||
|
全党% |
東京都党 |
全党% |
東京都党 |
09年総選挙活動 |
31.5% |
19673人 |
68.5% |
42780人 |
10年までの供託金支援基金 |
42.4% |
26480人 |
57.6% |
35973人 |
09年総選挙不参加・サボタージュ党員と、供託金基金納入拒否・不服従党員との党員数・比率は照応している。ほぼ重複している。ただ、志位和夫が報告した総選挙不参加党員とは、選挙期間12日で日々=毎日の選挙活動をしなかった党員のことであり、2〜4日は活動したかもしれない。
もし、比例代表現職小池が、東京選挙区で落選すれば、東方の島国でのみ唯一残存するコミンテルン型共産党は、間違いなく、選挙11連続惨敗政党となり、連敗新記録を更新し続ける。
〔謎・疑問点7〕、東京都委員会の党財政・参院選財政破綻と特別カンパ訴え
これは、『共産党・民青悪魔の辞典』5月6日に載った「共産党東京都委員会の党財政破綻による特別カンパ訴え」の手紙抜粋である。日付が書いてないが、2010年1月となっている。この手紙抜粋箇所は、私の愛知県党専従体験から見て、本物だと思われるので、以下そのまま抜粋された全文を転載する。
東京都委員会は、総務省宛の政治資金報告書にあるように、33地区委員会があり、党費納入党員が62453人・全党の24.2%を占める日本共産党の最大拠点である。支部数は、22000支部中の24.2%とすれば、5324支部にもなる。このカンパ目標は、私の専従時期と同じく、33地区と5324支部すべてに割り当てられ、実質的な強制カンパ扱いとなる。党費納入党員62453人・5324支部の内、どれだけが、年間6千万円もの党資金お手盛り横領を続ける不破財政特権政党呼び掛けの強制カンパに応じるのか。
市田書記局長第25回大会における供託金問題報告に基づく私の推計では、供託金支援基金の呼び掛け・06年第24回大会党大会決定にたいし、東京都の党費納入党員62453人中、57.6%・35973人が納入拒否を、3年半続けている。誤った基本路線・体質堅持の無変化化石トップや誤った参院選方針・特別募金にたいし不服従するのは、党員の正当な抵抗権行使である。彼らは、この強制カンパにたいしても納入拒否をするかどうか。
『共産党・民青悪魔の辞典』2010年05月06日
東京都委員会も財政的にキツイらしい。
今年一月ということは、党大会の月、東京都委員会が全党員に向けた手紙をゲト。注目点はここ。
この手紙でみなさんにお願いしたいことは、東京都委員会と各地区委員会の財政危機を打開するための特別の募金へのお力添えです。
都委員会はこの間、毎月、毎年の経常財政の健全化につとめてきました。とくに、支出の一番の比重をしめている人件費の削減に努力し、常任活動家の人数を、最高時の半分に減らしてきました。そのこともあって、一定期間は赤字を縮小することに成功しました。
しかし、納入されている党費の総額が減少し、その結果党費収入が大幅に減るなど、財政状況の悪化がすすんでいます。毎回の選挙でも、節約につとめ、支出を予算内におさめてきましたが、募金目標が達成できず、その赤字分が経常財政を圧迫しています。
都委員会の財政の現状は、人件費の支出にもこと欠くという状況になっていることを、みなさんに率直にお伝えします。選挙の支出にもブレーキがかかっています。地区委員会の財政も、同じ状況です。都常任委員会は、この事態を、都党組織の同志のみなさんに率直にお伝えし、共同の力で危機を打開するために、お力添えをお願いしようと考えました。
常任活動家というのは専従のことだろうが、これを半分にするというのは、民間企業なら社員を半減したようなものか・・・。
党費収入が大幅に減ったのは、こちらの報告を裏打ちするものだが、結果専従給与の遅配欠配が増えたような印象を受ける。そして最後のケツを拭くのに使われる募金が思うように集まらない。
ということは・・・都委員会の運命は募金する者のさじ加減で決まるということ。都の共産党支援者が党改革の命運を握っていると言い換えても良かろう。募金をする者がもっと改革の声をあげないとダメだということだね。
共産党・民青悪魔の辞典『東京都委員会も財政的にキツイらしい』へのコメント多数
ただ、党財政・選挙財政破綻は、東京都委員会だけでなく、47都道府県委員会・315地区委員会のすべてにおいて、共通して起きている。日本語名・科学的社会主義を名乗る政党=最後に残存するマルクス・レーニン主義政党は、赤旗の30年間連続減紙と党費・機関紙収入激減を直接の引き金として、衰弱死へのテンポを速めている。
しかも、10年5月26日、党中央財政部長会議は、東京都委員会だけでなく、全党にたいし、悲鳴のような新戦術3を提起した。詳しくはリンクにある。
『党機関財政崩壊危機→救援・救済のための異様な新特別募金訴え』
それは、「社会主義」を名乗った体制・政党が、1989年〜91年にかけ、10カ国でいっせい崩壊した内部衰弱・腐敗テンポと似ている。表面的には突然死に見えた。しかし、死因の真相は、長期にわたる衰弱死テンポの結末だったと判明した。「科学的社会主義」を名乗る政党の党財政データ(表)を再確認する。この詳しい分析もリンクにある。
『〔実相データ4〕、財政−党費収入・機関紙収入とも激減、党財政の破綻』
(表11) 日本共産党政治資金の収入分総務省公表データ
年 |
党費収入 |
機関紙誌書籍 |
収入合計 |
党費増減 |
機関紙増減 |
1995 |
13.4 |
277.9 |
311.0 |
|
|
96 |
14.3 |
270.4 |
304.0 |
|
|
98 |
13.7 |
272.6 |
308.5 |
|
|
99 |
13.6 |
256.0 |
302.3 |
|
|
2000 |
13.2 |
281.1 |
327.8 |
|
|
|
|
|
|
|
|
01 |
12.6 |
291.7 |
342.8 |
|
|
02 |
12.6 |
282.1 |
334.2 |
|
|
03 |
12.1 |
260.0 |
307.1 |
|
|
04 |
11.3 |
251.2 |
300.6 |
|
|
05 |
10.9 |
240.7 |
284.1 |
24回大会 |
24回大会 |
06 |
10.0 |
230.9 |
281.9 |
|
|
07 |
9.5 |
221.5 |
264.8 |
|
|
08 |
9.1 |
215.5 |
249.6 |
−1.8 |
−25.2 |
09 |
|
|
|
|
|
単位は億円。収入合計は、寄付・借入金などを含む。09年度データは10年10月公表
2000年赤旗年度途中値上げ増収→01年赤旗年度当初からの値上げ増収
08年増減は、06年1月第24回大会後、満3年間の激減。
このレベル・テンポで、党費収入・機関紙収入が減り続ければ、「科学的社会主義」新聞社は、2010年代=2020年までの10年間以内で、民間会社の倒産並に、財政面から倒産する。志位和夫の「2010年代を党躍進の歴史的時期」展望は、支部・党員騙しのウソだったことが、今後、毎年10月に総務省が公表する連続激減データで証明される。
そもそも、「しんぶん赤旗」とは何か。それは、「科学的社会主義」を名乗る政党の機関紙=マルクス・レーニン主義の宣伝・扇動・組織者である。ところが、20世紀末=「社会主義」を名乗った体制・政党が10カ国でいっせい崩壊した。しかも、レーニン・トロツキーのクーデター事実・誤った路線・数十万人大量殺人犯罪・ウソ詭弁などが、「レーニン秘密資料」6000点やアルヒーフ(公文書)によって、暴露された。この政党機関紙=誤り・犯罪によって崩壊した体制の宣伝・扇動・組織者を購読する有権者は、どうするのか。有権者の中に、レーニンのウソ詭弁にたいする認識が広がり、深まるにつれて、購読者が減りこそすれ、増えることなど起こりえない。イタリアの有権者と同じく。
基本テーマに関するレーニンのウソ・詭弁7つを検証
ただし、「科学的社会主義」新聞社の破産回避策もいくつかありうる。
(1)、毎年10億円赤字の日刊紙の廃刊→黒字の日曜版発行のみという週刊新聞社に大後退・業務縮小。
(2)、供託金300万円没収危険総選挙小選挙区・参議院選挙区での立候補全廃→総選挙では得票率10%以上の28小選挙区のみ立候補、それ以外の272を立候補廃止。供託金支援基金年間一律1200円を強制徴収する党大会決定の撤廃。
(3)、レーニン型単独武装蜂起路線対応の4000人職業革命家の党と絶縁→専従2000人以上リストラ。雇用保険未加入という誤った反労働者的専従路線の大転換→加入によりリストラ専従の失業保険受給権の初確立。
(4)、上田建二郎財政特権政党廃止→上田建二郎の長期間溜め込みによる党資金不当横領資産の全額没収=リストラ職業革命家の退職金に充当など。ちなみに、リストラ対象の中間機関専従には、従来から退職金制度なし、失業保険受給権なし、貯金なし、再就職にあたっての技能・資格なし。
これらを断行すれば、「2010年代」後までも生き残ることができるかもしれない。しかし、誰が、猫の首に鈴をつけるか。それとも、無変化化石政党=自己保身トップが居座りを続け、衰弱死を待つか。
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