BCJ 演奏会情報2009 BCJの2009年のコンサートスケジュールの記録です。 |
《2009年》
【BCJ カナリア諸島音楽祭ツアー2009】 (終了)
1月 16日(金) グランカナリア島(スペイン)・ラスパルマス:Auditorio
Alfredo Kraus 20:30 (プログラムA)
1月 17日(土) グランカナリア島(スペイン)・ラスパルマス:Auditorio Alfredo Kraus 20:30 (プログラムB)
1月 19日(月) テネリフェ島(スペイン)・テネリフェ:Auditorio De Tenerife
(プログラムA)
1月 20日(火) テネリフェ島(スペイン)・テネリフェ:Auditorio De Tenerife
(プログラムB)
曲目 プログラムA:ヘンデル・プログラム
合奏協奏曲 ト短調 op.6-6 HWV324
詩編第112編《しもべらよ、主をたたえよ》 HWV237
二重唱 (HWV61,HWV65より)
詩編第109編《主は、わが主にいいたまいぬ》
HWV232
プログラムB:J.S.バッハ/ヨハネ受難曲 BWV245(1749年:第4稿)
*鈴木雅明(指揮)バッハ・コレギウム・ジャパン(合唱・管弦楽)、
ドロテー・ミールズ(ソプラノ)、ロビン・ブレイズ(アルト)、
ゲルト・テュルク(テノール)、ペーター・コーイ(バス)
*こちらの情報もご覧ください! *詳細情報、写真集UP!(09/06/14)
(09/06/14)
【J.S.バッハ/教会カンタータ全曲シリーズ Vol.54 〜ライプツィヒ1726年 III 〜 】
2月21日(土) 神戸公演:神戸松蔭女子学院大学チャペル 15:00 (終了)
2月26日(木) 第83回東京定期:東京オペラシティ コンサートホール 19:00
(終了)
曲目 〔ライプツィヒ時代1726年のカンタータ 3〕
J.S.バッハ/コラールファンタジー《主なる神、われらの側にいまさずして》BWV1128
《われらみな、一なる神を信ず》BWV680 (以上、オルガン独奏:今井奈緒子)
ヴァイオリンと管弦楽のためのシンフォニア ニ長調 BWV 1045(Vn:若松夏美)
《すべてのものはあなたを待ち望む》 BWV187
〜休憩〜
《割いて与えよ、飢えた者にあなたのパンを》 BWV39
《主に誉れあれ》 BWV129
*野々下由香里(ソプラノ)、ロビン・ブレイズ(カウンターテナー)、ペーター・コーイ(バス)
鈴木雅明(指揮)バッハ・コレギウム・ジャパン(合唱・管弦楽)
*詳細情報(出演メンバー)UP!(09/02/02)
*追加曲目を追記し、曲順を演奏順にいたしました!
カンタータの曲名も今回のプログラム冊子掲載のタイトルに変更しました(09/02/20)
*2/21の終演後、神戸公演後援会主催による懇親会が開催されました。(09/02/21)
【バッハ⇔メンデルスゾーン・プロジェクト 2008-2009 《マタイ受難曲》 〜受難節コンサート2009〜】
4月 4日(土) 名古屋:しらかわホール 17:00 (終了)
4月10日(金) 第84回東京定期:東京オペラシティ コンサートホール 19:00(終了)
4月11日(土) 千葉:佐倉市民音楽ホール 16:00 (終了)
4月12日(日) 兵庫県立芸術文化センターKOBELCO・大ホール 16:00(終了)
曲目 J.S.バッハ:マタイ受難曲 (メンデルスゾーン上演稿による)
*レイチェル・ニコルズ〈ソプラノ〉、加納悦子〈アルト〉
ゲルト・テュルク〈テノール/エヴァンゲリスト〉、ドミニク・ヴェルナー〈バス/イエス〉
鈴木雅明(指揮)バッハ・コレギウム・ジャパン〈合唱・管弦楽〉
*名古屋公演の情報はこちらです。
*兵庫公演の情報はこちらからご覧ください。
*佐倉公演の情報はこちらです。
*出演メンバーと鈴木雅明さんによる巻頭言を含む詳細情報ページをUP!
こちらからどうぞ。
*今回の演奏の特徴をこちらに簡単にまとめました。
(09/04/14更新)
【ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン「熱狂の日」音楽祭2009】(終了)
5月 4日(月・休) 東京国際フォーラム・ホールC、13:00 カンタータ・プログラム(BWV78,30)
5月 4日(月・休) 東京国際フォーラム・ホールC、21:00 ヨハネ受難曲(第4稿)
5月 5日(火・祝) 東京国際フォーラム・ホールB7、13:00 カンタータ・プログラム(BWV78,30)
5月 5日(火・祝) 東京国際フォーラム・ホールC、20:00 ヨハネ受難曲(第4稿)
*レイチェル・ニコルズ(ソプラノ)、青木洋也(カウンターテナー)
ユリウス・プファイファー(テノール)、ステファン・マクラウド(バス)
鈴木雅明(指揮) バッハ・コレギウム・ジャパン(合唱・管弦楽)
主催:東京国際フォーラム
料金:カンタータ公演(2公演共通)・・・S\3,000 A\2,000
ヨハネ受難曲(2公演共通)・・・S\4,000 A\3,000
*出演メンバー表UP!こちらをご覧ください。(09/04/30)
※ソプラノのコンチェルティストがドロテー・ミールズ急病のため変更になりました。(09/05/01)
(09/05/06更新)
【コンサート・オペラ「ポッペアの戴冠」】
5月15日(金) 東京・初台:新国立劇場・中劇場 18:00 (終了)
5月17日(日) 東京・初台:新国立劇場・中劇場 14:00 (終了)
曲目 クラウディオ・モンテヴェルディ/歌劇「ポッペアの戴冠」(コンサート・オペラ)
*指揮・監修:鈴木雅明 演出:鈴木優人、田村吾郎 管弦楽:バッハ・コレギウム・ジャパン
《キャスト》
〈天界〉 アモーレ:松井亜希、フォルトゥナ/パッラーデ/ヴェネレ:藤崎美苗、
ヴィルトゥ/アモーレの合唱:野々下由香里、アモーレの合唱:中村裕美
〈地上界〉 ポッペア:森麻季、ネローネ:レイチェル・ニコルズ、
オットーネ:ダミアン・ギヨン、オッターヴィア:波多野睦美、
ドゥルジッラ:松井亜希、乳母:山下牧子、ヴァレット:中村裕美、
アルナルタ/セネカの友人:上杉清仁、セネカ:佐藤泰弘、
セネカの友人/警護官/執政官:萩原潤、セネカの友人/兵士/護民官:谷口洋介、
ルカーノ/兵士/親衛隊長:藤井雄介
(休憩2回を含む上演時間:約3時間40分)
※当初出演を予定しておりました山村奈緒子(ドゥルジッラ/ヴィルトゥ/アモーレの合唱)は、急病のため出演できなくなり、
上記のように野々下由香里が加わり、松井亜希、中村裕美の3人で担当することに変更となりました。(09/05/16)
※詳しいキャスト表をこちらにUP!ご覧ください。
(09/05/18更新)
【青山スタンダード「キリスト教理解関連科目」特別講座 BCJレクチャー・コンサート】
6月 1日(月) 東京・表参道:青山学院大学 ガウチャー記念礼拝堂、18:30
(終了)
曲目:J.S.バッハ/モテット
《み霊はわれらの弱きを助けたもう》 BWV226
《恐るるなかれ、われ汝とともにあり》 BWV228
《来ませ、イエスよ、来ませ》 BWV229
*野々下由香里(ソプラノ)、ダミアン・ギヨン(カウンターテナー)、
水越 啓〈テノール〉、ドミニク・ヴェルナー〈バス〉
鈴木雅明(指揮)バッハ・コレギウム・ジャパン(合唱・管弦楽)
主催:青山学院大学、お問合せ:バッハ・コレギウム・ジャパン(TEL:03-3226-5333)
料金:一般 \2,000
【J.S.バッハ/「モテット」全曲】
6月 5日(金) 倉敷公演:倉敷市芸文館ホール 19:00 (終了)
6月 6日(土) 神戸公演:神戸松蔭女子学院大学チャペル 15:00 (終了)
6月10日(水) 第85回東京定期:東京オペラシティ コンサートホール 19:00
(終了)
曲目 J.S.バッハ/モテット・全曲
《おおイエス・キリスト、わが生を照らす光》
BWV 118(神戸・東京公演のみ)
《主に向かいて新しき歌をうたえ》 BWV 225
《み霊はわれらの弱きを助けたもう》 BWV 226
《イエスよ、わが喜び》 BWV 227
《恐るるなかれ、われ汝とともにあり》 BWV 228
《来ませ、イエスよ、来ませ》 BWV 229
《主を頌めまつれ、もろもろの異邦人よ》 BWV
230
*野々下由香里(ソプラノ)、ダミアン・ギヨン(カウンターテナー)、
水越 啓〈テノール〉、ドミニク・ヴェルナー〈バス〉
鈴木雅明(指揮)バッハ・コレギウム・ジャパン(合唱・管弦楽)
*倉敷公演の情報はこちらです。)
*詳細情報に演奏会での演奏順と追加曲目の情報を追記しました!
(09/06/11更新)
【BCJ/ヘンデル没後250年記念特別プログラム】
7月15日(水) 兵庫県立芸術文化センター・神戸女学院小ホール、19:00
(終了)
7月18日(土) 彩の国さいたま芸術劇場 音楽ホール、15:00(終了)
曲目 オール・ヘンデル・プログラム
合奏協奏曲「アレクサンダーの饗宴〜音楽の力」 HWV318
オルガン協奏曲 ト短調 Op.4-1, HWV289
詩編112編《しもべらよ、主をたたえよ》* HWV237
詩編109編《主は、わが主にいいたまいぬ》 HWV232
*松井亜希*、緋田芳江(ソプラノ)、青木洋也(カウンターテナー)、
谷口洋介(テノール)、浦野智行(バス)
鈴木雅明(指揮・オルガン)、バッハ・コレギウム・ジャパン(合唱・管弦楽)
*詳細情報UP!
(09/07/18)
【BCJヨーロッパツアー2009[エディンバラ/ドイツ・レア]】
8月 24日(月) エディンバラ(英国/スコットランド)・アッシャーホール
19:00 (プログラムA)(終了)
8月 25日(火) エディンバラ(英国/スコットランド)・グレイフレイヤー教会
17:45 (プログラムB)(終了)
8月 27日(木) レア(ドイツ)・Reformierte Kirche 20:00 (プログラムC)(終了)
曲目 プログラムA:ヘンデル/歌劇「リナルド」(コンサート形式)
*鈴木雅明(指揮)バッハ・コレギウム・ジャパン(管弦楽)、
リナルド:クリント・ファン・デル・リンデ、アルミレーナ
: 森 麻季
アルミーダ: レイチェル・ニコルズ、 アルガンテ: ロデリック・ウィリアムズ
ゴッフレード : ロビン・ブレイズ、 エスタツィオ:ダミアン・ギヨン
マーゴ・クリスティアーノ:上杉清仁、 アラルド: 櫻田 亮
プログラムB:J.S.バッハ/教会カンタータ
《満ち足れる安息、嬉しき魂の悦びよ》BWV170
《私は、哀れな人、罪のしもべ》BWV55
《すべての国よ、神を誉め讃えよ》 BWV 51
*鈴木雅明(指揮)バッハ・コレギウム・ジャパン(管弦楽)、
レイチェル・ニコルズ(ソプラノ)、ロビン・ブレイズ(アルト)、
櫻田亮(テノール)、Roderick Bryce(バス)
プログラムC:J.S.バッハ/Piece d'orgue in G BWV 572(オルガン独奏:鈴木雅明)
教会カンタータ
《満ち足れる安息、嬉しき魂の悦びよ》BWV170
《この同じ安息日の夕べ》BWV42よりシンフォニア
《私は、哀れな人、罪のしもべ》BWV55
《すべての国よ、神を誉め讃えよ》 BWV 51
*鈴木雅明(指揮)バッハ・コレギウム・ジャパン(管弦楽)、
レイチェル・ニコルズ(ソプラノ)、ロビン・ブレイズ(アルト)、
櫻田亮(テノール)、渡辺祐介(バス)
*櫻田さんのブログに報告があります!(その1、その2) (09/09/24)
【J.S.バッハ/教会カンタータ全曲シリーズ Vol.55 〜ライプツィヒ1726年 IV
〜 】
10月 3日(土) 神戸公演:神戸松蔭女子学院大学チャペル 15:00 (終了)
10月 6日(火) 第86回東京定期:東京オペラシティ コンサートホール 19:00(終了)
10月 8日(木) BCJ特別演奏会:昭和女子大学・人見記念講堂 18:15(終了)
曲目 〔ライプツィヒ時代1726年のカンタータ 4〕
G.ベーム/コラール・パルティータ《大いによろこべ、おお我が魂よ》より
J.S.バッハ/《天にましますわれらの父よ》 BWV636 (以上、オルガン独奏:今井奈緒子)
《人よ、汝はさきに告げられたり、善きことの何なるか》
BWV 45
《感謝の供えものを献ぐる者は、われを讃う》 BWV
17
〜休憩〜
《主よ、汝の目は信仰を顧るにあらずや》 BWV 102
《かくて戦おこれり》 BWV 19
*ハナ・ブラシコヴァ〈ソプラノ〉、ロビン・ブレイズ〈カウンターテナー〉、
ゲルト・テュルク〈テノール〉、ペーター・コーイ〈バス〉
鈴木雅明(指揮)バッハ・コレギウム・ジャパン(合唱・管弦楽)
*オルガン前奏の曲目を記載し、カンタータを演奏予定順に並べ替えました!(09/09/24)
*詳細情報UP!巻頭言UP!(09/10/01)
*神戸公演のレビュー
*10/8の演奏曲目は、管弦楽組曲第3番BWV1068、教会カンタータBWV45,102,19です。
(09/10/13更新)
【東京オペラシティ+BCJ 2007→2009ヘンデル・プロジェクトIII 《リナルド》】(終了)
12月 6日(日) 東京・初台:東京オペラシティ コンサートホール 15:00
[曲目] ヘンデル:歌劇《リナルド》HWV7a (1711年版/全3幕/イタリア語上演・日本語字幕付)
[出演] 指揮:鈴木雅明 合唱と管弦楽:バッハ・コレギウム・ジャパン
リナルド:ティム・ミード(カウンターテナー) 、アルミレーナ:森 麻季(ソプラノ)
アルミーダ:レイチェル・ニコルズ(ソプラノ)
、アルガンテ:萩原 潤(バリトン)
ゴッフレード:クリストファー・ラウリー(カウンターテナー)
ユスタチオ:ダミアン・ギヨン(カウンターテナー)
マーゴ・クリスティアーノ:上杉清仁(カウンターテナー)
シレーナ1:松井亜希(ソプラノ) 、シレーナ2:澤江衣里(ソプラノ)
アラルド:中嶋克彦(テノール)
*こちらの情報(あらすじなど)もご覧ください!
*詳細情報UP。ティム・ミード インタビュー掲載。メンバー詳細追記!(09/12/03)
12月19日(土) ミューザ川崎シンフォニーホール 15:00 (終了)
12月23日(水・祝) 東京・赤坂:サントリーホール・大ホール 15:00 (終了)
サントリーホール クリスマスコンサート
BCJ 聖夜の『メサイア』2009
12月25日(金) いわき芸術文化交流館アリオス・大ホール 18:30 (終了)
[曲目] ヘンデル:オラトリオ《メサイア》 HWV56 (1754年、孤児養育院での演奏版・全曲)
[出演] 指揮:鈴木雅明 合唱と管弦楽:バッハ・コレギウム・ジャパン
レイチェル・ニコルズ、松井亜希(ソプラノ)
ダミアン・ギヨン(カウンターテナ−)
ゲルト・テュルク(テノール) ドミニク・ヴェルナー(バス)
*川崎公演の情報はこちら。サントリーホール公演の情報はこちら。いわき公演の情報はこちらです!
*詳細情報UP!出演メンバー表ほか。こちらをご覧ください!
※トランペット奏者の変更がありました。 (09/12/23)
BCJレクチャー情報 2009年のBCJによるレクチャーの記録です。
鈴木雅明とバッハ・コレギウム・ジャパン「マタイ受難曲講座」@佐倉
日時: 2009年 3月21日(土)15:00(終了)
会場:佐倉市民音楽ホール
全自由席 一般\2,000 学生\1,000
お問合せ:佐倉市民音楽ホール(TEL:043-461-6221) こちらもご覧ください。
バッハ生誕の日に贈るプレ・イベント! 鈴木雅明が、バッハ・コレギウム・ジャパンのメンバーによる実演を交えながら、バッハ「マタイ受難曲」とメンデルスゾーンについて講演します。 |
第29回NEC古楽レクチャー 「マタイ受難曲」〜メンデルスゾーン上演稿について〜
日時: 2009年 3月27日(金)19:00(終了)
会場:東京オペラシティ・リサイタルホール
講師:鈴木雅明 ゲスト:星野宏美 (立教大学准教授)
全自由席 一般\2,500 学生\1,000
お問合せ:バッハ・コレギウム・ジャパン(TEL:03-3226-5333)
バッハの死後、長く忘れ去られていた「マタイ受難曲」は、メンデルスゾーンによる再演を機に再び脚光を浴び、その歴史的演奏を機に受難曲だけでなくバッハの声楽曲にも多くの人々の関心を集めることとなった。その当時のアプローチや演奏法など様々な角度からその特徴を追い、今年生誕200周年をむかえたメンデルスゾーンを通した、不朽の名作「マタイ受難曲」の魅力と聞きどころを探ります。 |
2009年度 定期演奏会 |
バッハ愛好家のみなさま 2009年は、多くの有名な作曲家の記念年ですが、中でもバッハの伝統を受け継ぎ、その音楽を次代に伝えたメンデルスゾーンの生誕200年にあたることは、大きな意義があるでしょう。というのは、彼のユダヤ人の出自に対して公然と行われてきた侮蔑の時代が終わって以来、ほとんど初めての大きな記念の時となるからです。 メンデルスゾーンは、弱冠20才の1829年、J.S.バッハのマタイ受難曲をベルリンで演奏し、そのことが発端となって、バッハ作品の演奏と研究への大きな情熱が全ドイツに燃え上がったのでした。BCJでも、昨年から少しずつメンデルスゾーンを取り上げてきましたが、2009年度の定期演奏会は、このメンデルスゾーン版《マタイ受難曲》で始めることにいたしましょう。 メンデルスゾーンが演奏したマタイ受難曲は、19世紀の演奏様式に則っており、今日私たちがJ.S.バッハの作品として知っているものとは、かなり様子が違います。まず多くのアリアやコラールを省略し、作品全体をおよそ半分に切り詰めて、受難物語のストーリーが追いやすくなっています。また、エヴァンゲリストなどのレチタティーヴォを伴奏するためには、当初ピアノが、そして後には2本のチェロが和音を奏でました。オーボエ・ダ・カッチャは、バセット・ホルンに置き換えられ、第2オーケストラのアリアは、すべて第1オーケストラで演奏されました。 メンデルスゾーンが、J.S.バッハの音楽を伝えるのにもっとも相応しいと考えたこの姿を、今いちどメンデルスゾーン時代の楽器と演奏法でこれを試みてみると、時代を超えるバッハの本質がどこにあるのか、をよりよく認識できるに違いありません。 さて、定期演奏会の第2回は、J.S.バッハに戻り、ひさびさにモテット全曲を取り上げます。バッハのモテットは、最も古い教会音楽の伝統に従っているともいえますが、その一方、驚くばかりの華麗な対位法技術と象徴表現が至る所に込められており、あたかもフーガの技法やロ短調ミサ曲の一部を見ているかのような濃厚な密度を感じます。だからこそ、19世紀においても、これらのモテットだけは頻繁に取り上げられ、超時代的な強い力を発揮し続けたのでしょう。 後半の2回の定期演奏会では、カンタータの連続演奏会に戻ります。1726年は、バッハのライプツィヒ初期のカンタータを連続的に作曲したほとんど最後の年で、『ルードルシュタット詩歌撰』からのテクストが頻繁に用いられます。その作風は、ますます緻密さが増し、高度な技巧的要求も増えてきます。10月定期の第102番《主よ、汝の目は信仰を顧るにあらずや》は、中でも最も技巧的なもののひとつ。後にミサ曲ト短調に編曲されました。また、2月定期の第36番《喜び勇みて、羽ばたき昇れ》は、30分も要する大曲で、本来はクリスマスを待つ時期(待降節)のための作品ですが、複雑な経緯で世俗カンタータから成立したものです。 2009年もまた、ただ真実の音楽をめざして邁進したいと思います。 J.S.バッハを次の世代へ。今年も、どうぞBCJとご一緒に。 |
バッハ・コレギウム・ジャパン音楽監督 鈴木雅明 (チラシ掲載文:BCJ事務局提供) |
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