さすがにあんまりなので、もうしばし。
前回の『ゆずゆずり』にて、真冬の引越しの場面があって。 細やかな描写で綴られた、雪まで積もった中での引越しは、 寂しさとも相まってしまうようで、 さすがの雪好きの僕でも、ちょっと躊躇するものがあるなぁ……と 思いながらページをめくっておりました。
……と、ふと気づいてみれば、うちも今年の後半に引越しを控えていて、 真冬とは言わないまでも、冬の引越しだよなぁ、と想い巡らすこの頃。
「引越し作業中に、思い出にひたってはいけない。」 「荷造りとは、なんと切ないものなのか。」 ……とは、文中にあったシワスの弁。
僕の生まれてこのかたの引越し歴は、 「東京都北区の都会のエアポケットのような小さな町」 →「神奈川の海が近いそれなりの町」 →「神奈川の海が近いそれなりの町」(つまり同じ市内) と、まだ2回で、初冬の引越しが実行されれば3回目。
最初の引越しの際は、もう住んでた時間が長かったからか(二十幾年……)、 何だか時間が経っても、いつでも戻れるような感覚があって、 あまりそこまでの寂しさというか、何というかは、なかった気がします。 むしろ短い時間にいろいろあった、今の町を離れるようが、感慨はあるのかも。 それとも、もともと僕が過去に執着しない性質なのか……。 それは、冬の引越しのお楽しみといったところです。
つらづら書いていたら、なんともチラシの裏な電気ストーブになりましたが、 ここでの真の主張はただひとつ。
雪窓紅茶店のカウンターにある住所が 「東京都北区の都会のエアポケットのような小さな町」 のままなのは、ここまできたら単なる意地で直してないだけだ、ということです。
……決して、今まで直し忘れて気づいてなかったわけじゃ、ないんですってば。 |