ホンネが大切とは、具体的にどういうこと?
ご自分がどんな名づけをしたいかがハッキリしないまま、やみくもに情報を集め、まわりの人とやたらに名づけの話をしますと、必要のない知識や有害情報までたくさんあびてしまい、混乱してしまうことが多いのです。ご自分がどういう名づけをしたいのかによって必要な情報はちがいますし、それがハッキリしてこそ本当にナットクのいく名づけになるのです。
候補の名前がうかびません。どうすればいい?
よび名がうかばない場合、いくつかのケースがあります。
★「かわいい名前を」などと、希望が抽象的
★「○○でない名前を」と否定文で考える
★いきなり決定案を出そうとする。
★まわりの口出しや、世間の話が気になる
★いきなり漢字で書こうとする
もし思いあたるようでしたら発想をかえるといいでしょう。「ユウで始まる名前を」「カで終わる名前を」というふうに、具体的な条件で、ひらがなで書き出すことです。
またよび名がうかばないなら、自然のイメージから作るなど、ほかの方法のほうが合っているかもしれません。
有害情報と正い知識は、どう見分けるの?
専門知識がないと見分けにくいですが、正しい知識は、聞くと肩の荷がおりてスッキリするものです。聞いて名づけが重苦しく感じたら、聞かないほうがいい話でしょう。現に名づけがやりにくくされているのですから…。
また人から「名づけはこうしなきゃいけない」と言われた場合、「そうすればこんないい名前ができるよ」と実例を示せるかどうかです。実際によい名前を作ってみせられないなら、言っていることがウソになります。
子供が「字画が悪い」と気にしたら、本人を無視した名づけになりますか?
自分の名前を「字画が悪い」などとぼやく人はたまにいますが、それは名前そのものへの不満ではなく、その名前を悪くいう占いを信じているだけです。占いを信じるのは本人の勝手で、親に責任はありません。占いには流派が多く、どんな名前をつけても、どこかの流派でかならず悪くいわれます。
ホンネが大切というのは、ふざけた名前でもホンネならいいの?
それはホンネとはいえないでしょう。ホンネというのは、喜びや感謝とともに出るのがホンモノで、「人に笑われてもいい」「不便で困ってもいい」という発想とはちがいます。ここを誤解するといけないので、名前自体に難点がないか、というチェックが必要になってくるのです。
男女逆の名前は有名人にもいるし、カッコよくてかまわないのでは?
有名人はいいですが、一般の人が男女さかさまの名前をもったときの混乱や苦労は、本人にしかわかりません。たとえば、お子さんに男女さかさまの服をきせて歩かせ、「おしゃれでいい」と言ってみても、本人が「侮辱された」「虐待された」と感じたら、それが侮辱であり、虐待なのです。まして服とちがって、名前は一生変えられないものです。カッコいいかどうか、かまわないかどうかは、名前をつけるがわがカッテに決めることではないのです。
すきな名前をカッテにつけて、名前に問題は出ない?
そのように心配するかたも多いですが、発想をあらためてください。親が自分の子に好きな名前をつけてよぶのは当然のことで、それが名づけの基本です。好きでもない名前をつけたら、そのほうがよほどおかしな名づけです。
もちろん好きな名前なら何でもOKということではなく、名づけで注意すべきことはいろいろあります。でも、まずご自分のホンネがはっきりしていてこそ、自分に必要な質のいい情報が手にはいり、難点のない名前がつくれるのです。
親と同じ字を使うと親を超えられないと聞きますが、本当?
これは世間でよく耳にすることですが、親を越えるとか越えないとかいう、具体的な意味のわからない話は聞き流しておいていいと思います。なおその話とはべつに、父親が男の子に自分と同じ字を強硬につけたがる場合だけはちょっと注意が必要です。その場合、父と子が離れる不安をかかえていて、同じ字を使って安心しようという心理が働いていることがあります。そういう名づけは一種のまじないになり、不安の通りの結果になってしまうこともよくあります。
おじいちゃん、おばあちゃんが名前をおしつけてきます。どうすればいい?
「ありがとうございます。候補に加えます」とていねいにお礼を言って聞き流し、それ以上名づけの話はしないことです。名前をおしつけるような人とは、話をするほど話がこじれ、トラブルに発展します。
口出しは まじめな顔で うわのそら
まわりの人には、出生届を出したあと事後報告だけをしましょう。お年寄りには「ある神社(行かなくてもいい)でこの名前をすすめられた」とか、「先祖が夢(見なくてもいい)でこの名前をつげた」などと、神がかったことを言うほうがナットクしてもらえます。
名前の読みかたが正しいかどうかは、どうやってチェックするの?
漢字は、音、訓、名乗りの3つの読みかたがあり、名前ではその範囲が正しい読みかたとみなされます。辞典のなかには、音、訓、名乗り(人名という表現になっているものもあります)の3通りの読みかたをのせているものもありますから、それを見ればわかりますし、本サイトの「漢字の正しい読み方」でもチェックできます。
第二子に「一」の字を使ってもいい?
昔は家の跡取りを世間に示すために、長男(第二子でも)に一の字をよく使いましたが、家制度のない今では生まれた順序と関係なく使われていて、女の子でも一葉、一那などの名もあります。どの子にも自由に使ってかまいません。
名前の読みかたは規定がないから、どう読ませても自由だって本当?
そういう話がよく流れますので、お気をつけください。文字というのは読み方がきまっているから役目をはたすので、個人が「こう読むんだ」とカッテに変えても、社会では通じません。
名前の読みかたの規定がない、ということは、役所が読みかたの審査をしなくてもいい、というだけのこと。まちがった読み方の名をつければ、百%、親の責任になります。字の読み方まで法律でしばられないと、正しく読める名前が作れない、というのでは、親として悲しいと思いませんか?
男女兼用の名前はなぜいけないの?
物理的にみても、あちこちで男女をまちがえられ、他人を混乱させて迷惑をかける名前になります。また心理的にも、男女がわからないような名前は、本人に情緒面で影響するおそれもあります。
なぜ外国語まで気にする必要があるの?子供は海外で活動しません…
必要ない人もいますが、だれに必要か、必要ないかが予測できないのです。留学、海外出張、国際交流、国際会議、国際試合などが多い時代、「うちの子だけ関係ない」とはきめられません。もちろん世界中のコトバを気にしたら名前はつけられなくなりますので、ご本人が要注意の国を知っておいて、必要なときにはべつの名前を使えばいい、ということです。そういうわけで名づけ相談では、候補のお名前に要注意の国があれば、いちおうコメントはしています。