@ 真実の名づけが守られているか = 親がホンネを語ること
名づけのとき、じつにおきやすいことは、
★世間で見たり聞いたりする話が気になる
★まわりの人と名づけの話をし、候補の名前をしゃべる
ということです。世間で流れる話は、良否、清濁が入り混じっていますから、気にしすぎますと名づけが混乱してしまいます。
濁音を入れちゃダメよ (名前がにごる)
サンズイは使っちゃダメよ (水難にあうから)
字画はちゃんと合っているのか (運が悪くならないように)
1字名前はダメだよ (片足で立つ人生だから)
季節の字は入れちゃダメよ (移り変わるから)
左右対称の字がいいよ (安定して運がよくなるから)
このほかいろいろな話が流れますが、こうした名づけとあまり関係のないことは気にしなくて結構です。また字画占いをする、しないは個人の自由で、他人から強要されることではありません。
自分はどんな名前が好きか、どんな名づけをしたいかをはっきりさせれば、質のよい知識や情報を得られるようになります。日本は名づけで大きなハンディのある国だということをよく知り、ぜひご自分のホンネをはっきりさせてください。
欧 米 | 日 本 |
表音文字なので、音の響きがうかべばすぐ名前がつくれる。 | 漢字の数が多く、たくさんの読み方や意味があり、字の選び方がむつかしい。 |
専門家の書いたレベルのいい名づけの本が簡単に買える。他人への口出しは越権行為、悪事である。 | 雑多な話が洪水のようにあふれ、周りの口出しも多く、質のいい情報を得にくい。 |
A 正しい名づけが守られているか = 難点のない名前にすること
名前はできるだけ難点のないようにしなければなりませんが、難点をチェックするには専門知識が必要で、そうしたマニュアルもありません。ただ専門家は難点のある名前を見ればすぐわかりますので、心配なかたは名づけ相談をしていただく方法もあります。
でもそのまえに、名づけはまじめにやればいいのです。「本人が喜んで使える名前を」「人に迷惑をかけない名前を」という気持ち、気づかいがあれば、そうひどい失敗はしないものです。でももしも、
★親の権利だから、どうしようがかまわない
★読みにくい名前は個性的だ。男女をまちがえてもかまわない。
といった感覚で名づけをしたら、人が一生使う大切な名前、変えることのできない社会の共有物を粗末にし、乱暴にあつかうことになりますから、大きな難点がでるおそれもあります。
いちおうチェック項目だけをあげれば、つぎのようになります。太字はとくに要注意です。
●奇抜すぎませんか 奇抜で脱線したような名は、親は面白がっていても、本人は面白くも何ともありません。 |
●名前にふさわしい字ですか? 漢字はふつうの辞典ではわからない、思わぬ意味をもっていることがあります。そのほか悪い意味はなくても、名前に使うときにウラの意味を考えなければならない要注意の字、また成り立ちの上から不適当な字もあります。 |
●名字と合わせておかしく聞こえませんか |
●おかしな意味の熟語になっていませんか |
●古風で年輩の人のように見えませんか |
●イニシアルは? |
●あだ名になるようなことはありませんか |
●発音しにくく、聞きとりにくい名前があります |
●他人に読んでもらえますか 人に読めなければ名前としての役割をはたさず、何のための名前かわからなくなります。 |
●読みかたはまちがっていませんか? |
●姓と名の区切りはまちがえませんか? |
●男女をまちがえませんか 男女さかさまの逆性名前、男女両方に使われる混性名前を気がつかずにつけてしまうことも…。 |
●似た字と見まちがえられる字があります |
●活字に変換できない漢字もあります 手書きでしか書けない名前は社会生活で非常に困ります。 |
●電話などで説明できる字ですか |
●外国語でヘンに聞こえる名があります 「まぬけ」「あばずれ」「気ちがい」「酔っぱらい」「糞」「てめえ」「陰毛」… まさかこんな名前は日本にないでしょうが、日本でふつうの名前が外国でこのように聞こえることがあります。こういう例は多いので気にしてもキリがありませんが、ご本人に「この国では使わないように」と、要注意の国を教えておいたほうがいいでしょう。 |