ハイマツ帯の植物たち

ハイマツ(マツ科マツ属) Pinus pumila

ハイマツ

撮影地 乗鞍岳

 高山帯に生える雌雄同株の常緑の低木で、高山帯を特徴づけるものです。山に登っていってハイマツが現れると、ああ高山帯に来たなという気分になれます。新しい火山である富士山にはありません。日当たりのいいところを好み、乾燥にも強いため、砂礫地などでもよく生育します。尾根筋や斜面では、本当に地面を這って広がっている様子が見られます。

ハクサンシャクナゲ(ツツジ科ツツジ属) Rhododendoron brachycarpum

ハクサンシャクナゲ

撮影地 白山お池巡りコース

 亜高山帯から高山帯にかけて針葉樹林に混じって生えています。3m以下の常緑低木で、狭長楕円形の葉は、水分の蒸散を防ぐために下の方に巻き込んでいます。花は淡い紅色または白色です。花の時期は7月です。白山ではハイマツ帯の中に多く見られます。緑色の中に白い花が咲いているのでよく目立ちます。

ウラジロハナヒリノキ(ツツジ科ハナヒリノキ属) Eubotryoides grayana var.glaucina

ウラジロハナヒリノキ

撮影地 白山展望コース

 亜高山帯から高山帯に分布する落葉の低木で、ハナヒリノキに比べると全体的に小さくなっています。葉の裏面が白いため区別できます。

ゴゼンタチバナ(ミズキ科ゴゼンタチバナ属) Chamaepericlymenum canadense

ゴゼンタチバナ

撮影地 白山お池巡りコース

 白山で発見されたため、最高峰の御前峰にちなんで名付けられました。針葉樹林に生え、白く花びらのように見えるのは総ほう片(葉の一種)で、茎の先にごく小さな花が5〜7個つきます。花がつく草には葉が6枚あり、花がつかないものは葉が4枚あります。花の時期は6〜7月です。ハイマツの林床にひっそりと咲いています。

クロウスゴ(ツツジ科スノキ属) Vaccinium ovalifolium

クロウスゴ

撮影地 白山展望コース

 実のへこんだ部分が臼を示すことからこの名前がつきました。落葉小低木でクロマメノキに似ていますが、若い枝が褐色で、葉のはりがなくシワシワなこと、球状の実にへこんだ部分があることなどが違っています。花の時期は6〜7月で、実が生る時期は9月〜10月です。

アカモノ(イワハゼ)(ツツジ科シラタマノキ属)Gaultheria ovatifolia ssp.adenothrix

アカモノ

撮影地 白山お池巡りコース

 山地帯から高山帯の林の縁に生えている常緑の小低木です。花は鐘型で、白い色をしています。果実は直径6ミリほどの赤い色をしています。花の時期は6月〜7月です。写真もハイマツの下にひっそりと咲いていました。

クロマメノキ(ツツジ科スノキ属) Vaccinium uliginosum

クロマメノキ

撮影地 白山お池巡りコース

 別名をアサマブドウ(浅間ブドウ)といいます。亜高山帯から高山帯の裸地あるいは日当たりの良い湿地に生えています。30〜100センチの落葉低木で、秋になると紅葉します。葉の長さは1.5〜2センチで粉白色を帯びた緑色です。実は紫黒色で食用となり、ジャム・果実酒などに加工されます。花の時期は7月で実は9〜10月になります。

コケモモ(ツツジ科スノキ属) Vaccinium vitis-idaea var.minus

コケモモ

撮影地 白山五葉坂

 苔のように小さな植物体で、食用の実をつけることからこの名前がつきました。ハイマツ林の林床などによく見られ、花は淡紅色鐘状をしています。葉は楕円形で厚みがあり、長さは1〜2センチあります。果実は赤く熟し、果実酒やジャムとして珍重されています。花の時期は7月、実の時期は9〜10月です。

ヨツバシオガマ(ゴマノハグサ科シオガマギク属) Pedicularis chamissonis var.japonica

ヨツバシオガマ

撮影地 乗鞍岳

 亜高山帯から高山帯の高茎草原や草地に生える多年草で、高さは10〜40cmくらいです。葉は普通4枚が輪生しています。細かく割れている葉が特徴的です。花は紅紫色で上部に普通4個ずつ輪生します。花の時期は7〜8月です。シオガマという名前の由来はエゾシオガマの方に書いておいたのでそちらを見て下さい。

ミネズオウ(ツツジ科ミネズオウ属) Loiseleuria procumbens

ミネズオウ

撮影地 乗鞍岳

 直径5mmほどの小さく金平糖のような花を咲かせる。和名の蘇芳(スオウ)は、イチイのこと。葉がイチイに似ていること、高い峰に生えることから、由来となっている。

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