ミヤマダイモンジソウ(ユキノシタ科ユキノシタ属) Saxifraga fortunei var.incisolobata f. alpina
撮影地 白山観光新道
白色の花が「大」の字の形に開いているためこの名前がついています。高山の湿り気のある岩場に生えています。葉は厚くて縁は浅く裂けます。花の時期は7〜9月です。低地の湿ったところに生えているユキノシタによく似ています。
リュウキンカ(キンポウゲ科リュウキンカ属) Caltha palustris
撮影地 白山別山道
古くは水中から立ち上がる金色の花という意味です。毒性が弱く、茎や葉が肉厚なため食用となっています。鮮やかな黄色の花の花弁に見える部分はがく片で花弁はありません。低山帯以上の沢の淵や沼地に生える多年草です。花の時期は6月〜7月です。白山では小さな水の流れの所に生えていました。
コイワカガミ(イワウメ科イワカガミ属) Schizocodon soldanelloides f.alpinus
撮影地 白山展望コース
葉に光沢があり、鏡のようだということからその名がついています。低山のイワカガミの高山型変種で全体的に小型です。花の時期は7月です。ハクサンコザクラなどと群落を作っています。雪解けが遅い平地の湿った場所によく見られます。
チングルマ(バラ科チングルマ属) Sieversia pentapetala
撮影地 白山展望コース(左は花、右は実の様子)
この属のものは花の後に花柱が伸長します。この様子がおもちゃの稚児車(風車のこと)に似ていることからこの名がつきました。高山の湿性のお花畑や岩場など日当たりの良いところに生える常緑の小低木です。花の時期は6〜8月です。アオノツガザクラとともに群落を作っています。左の写真は花の様子です。また右の写真は実の様子でちょっと分かりづらいかもしれませんが、毛が伸びていてまあ、見ようと思えば風車のように見えなくもない・・かな?
アオノツガザクラ(ツツジ科ツガザクラ属) Phyllodoce aleutica
撮影地 白山展望コース
花は黄緑色の壺型で、ツガザクラに比べてやや湿ったところに生えます。花の時期は7〜8月です。葉がツガに似ていることからこの名前がつきました。白山では最も多く見られるツガザクラです。結構大群落になっています。
ハクサンコザクラ(サクラソウ科サクラソウ属) Primula cuneifolia var.hakusanensis
撮影地 白山展望コース
別名をナンキンコザクラといいます。白山で初めて発見された植物で、高山の湿ったところに群落を作り、ミヤマキンバイ・コイワカガミなどとお花畑を作ります。径2センチのピンク色の花を茎の上に数個かためてつけます。白山では最高20個の花をつけたものが見つかっています。花の時期は7月〜8月です。後ろに生えている黄色い花はミヤマキンバイです。
イワイチョウ(ミツガシワ科イワイチョウ属) Fauria crista-galli ssp.japonica
撮影地 白山展望コース
湿地や水辺に生えて群落を作ります。葉は先がへこんだ腎円形で、この形が銀杏の葉を連想させるということからこの名がつきました(写真のように実際にはそれほど似ていませんが)。花柄の先に径2センチの白色花を数個上向きにつけます。花の時期は7〜8月です。
ミソガワソウ(シソ科イヌハッカ属) Nepeta subsessilis
撮影地 白山南竜周辺
長野県(木曽)の味噌川地方に由来しています。日当たりの良い亜高山帯の草地に生えます。高さは60〜100センチで、花は茎の上部の葉のわきに数個ずつつけます。紫色の唇形花で長さ3〜4センチの筒状です。葉は卵形で先がとがっていて対生しています。草全体に異臭があります(嗅いだことはありませんが)。花の時期は7月〜8月です。
クロユリ(ユリ科バイモ属) Fritillaria camtschatcensis ssp.alpina
撮影地 白山室堂周辺
山岳地帯に生えるのはミヤマクロユリで、高さは10〜20センチほどです。花は暗紫褐色で、黄色い細かな斑点があり茎の先に1〜2個が斜め下向きにつきます。白山では花がたくさんついている個体も見られます。花には異臭があります。クロユリは北方の低地に生えます。石川県の県花となっています。写真では4つの花のついたクロユリを載せました。ちょっと分かりづらいですが。まわりの大きな葉はオンタデの葉です。
北海道ではアイヌ族の間に恋の花として伝えられています。好きな人に思いをこめて贈れば必ず結びつくといいます。ただしその人に送り主が分からないように相手の人が何気なく手に取るようにしむけなくてはいけません。富山県や長野県では家を滅ぼし、人を不和にする呪いの花といわれています。昔佐々成政が、愛妾ばかりをかわいがるのをねたんだ他の腰元たちがあることないことを吹き込んだ為、怒った成政が愛妾を斬り殺してしまいました。この愛妾が立山に黒百合が咲くとき、佐々家は滅亡するとうらみを込めて叫んだそうです。その後成政は珍しい花として黒百合を淀君に献上したことがもとで、お家断絶の憂き目にあってしまったと伝えられています。