イブキジャコウソウ(シソ科イブキジャコウソウ属) Thymus quinquecostatus
撮影地 伊吹山
小低木で、茎は地面を這って多く枝分かれしています。枝先に短い穂を出して、紅紫色の唇形花をつけます。伊吹山に多く見られ、全体に良い香りがすることからこの名前がつきました(においは嗅いでいませんが)。伊吹山(岐阜県と滋賀県の県境)は標高は低いですが(標高1377m)多雪地帯のため高山植物が見られます。伊吹山についての詳しいことはこちらへどうぞ。
イワウメ(イワウメ科イワウメ属) Diapensia lapponica var.obovata
撮影地 白山お池巡りコース
写真のように高山帯の岩石地帯に地に張り付いたように生えます。常緑の小低木で、花はウメの花に似ているためにこの名前がつきました。花は径1.5センチの白色と植物体に比べてかなり大きく見えます。私のお気に入りの花の1つです。花の時期は6〜7月であるため、早い時期に山に登らないとなかなか花を見ることはできません。白山では山頂に登ってお池巡りコースのある1つの岩にしか咲いているのを見たことがありません。
イワギキョウ(キキョウ科ホタルブクロ属) Campanula lasiocarpa
撮影地 白山展望コース
高山帯の岩影や礫地などの乾燥した場所に固まって生えています。花は青紫色で2〜2.5センチの鐘型で浅く上部が5裂しています。よく似たものにチシマギキョウがありますが、チシマギキョウでは花弁に目立った毛が生えているので区別できます。私はチシマギキョウよりこちらのイワギキョウのほうが好きです。花の時期は8月です。白山ではこのイワギキョウしか咲いていないようです。本当にこんなところにといった様なガレ場にはえています。
タカネニガナ(キク科ニガナ属) Ixeris dentata var. alpicola
撮影地 白山観光新道
ニガナの変種で、高山の岩場に生える10センチほどの多年草です。茎の先端に2センチほどの黄色い花をつけます。花の時期は7〜8月です。写真のように低地に生えるニガナとほとんど花の様子は同じです。葉の幅が1〜3mmの線形のものをホソバタカネニガナ(f.tenuissima)と言います。
コツガザクラ(ツツジ科ツガザクラ属) Phyllodoce X alpina
撮影地 白山展望コース
アオノツガザクラとツガザクラの自然交配種と言われるものです。花は淡い紅色の壺型で、花の時期は7月です。日本固有種です。高山帯の草地や岩の上に生える常緑の小低木です。薄い緑色の花はアオノツガザクラです。アオノツガザクラと混じって生えていることが多いようです。白山では展望コースの湿った雪田の一部にしか見られないようです。
タカネツメクサ(ナデシコ科タカネツメクサ属) Minuartia arctica var.hondoensis
撮影地 白山御前峰への登り
高山帯の砂礫地や岩場に生える多年草です。花は白色で直径は約1センチほどで、枝がよく分岐しているため、たくさんの花が固まって咲いているように見えます。花の時期は7〜8月です。これもこんなところにといった場所に見られ、可憐な小さな花が咲いています。
ミヤマオトコヨモギ(キク科ヨモギ属) Artemisia pedunculosa
撮影地 白山観光新道
亜高山帯から高山帯の砂礫地に生える多年草です。高さは10〜35センチくらいで、花のつきかたに特徴があるのですぐに分かります。花の時期は7〜9月です。なぜ男なのかはよく分かりませんが。ちなみにハハコヨモギというものもあります。
イワツメクサ(ナデシコ科ハコベ属) Stellaria nipponica
撮影地 白山御前峰への登り
ツメクサの名は葉の形が鳥の爪に似ていることからきていると言われています。高山帯の礫地にかたまって生えています。5弁の花びらがそれぞれ深く2裂しているので10弁花のように見えます。花の時期は7月〜8月です。岩の間に点々と咲いています。これも岩場の片隅にかたまって可憐に咲いています。
ミヤマコウゾリナ(キク科ミヤマコウゾリナ属) Hieracium japonicum
撮影地 白山観光新道
タンポポを小さくしたような黄色い花をつけます。高山帯の乾いた草地や礫地に生えます。コウゾリナとはカミソリナの意味で、茎全体にあるやや硬い毛をカミソリに見立てたものであると言われています。花の時期は7月〜8月です。写真をとったところはほとんど岩の上でした。
ウルップソウ(ゴマノハグサ科ウルップソウ属) Lagotis glauca
撮影地 立山のどこか(記録するのを忘れた)
高山帯に生息するが、礼文島、白馬岳、八ヶ岳に隔離分布します。砂礫地に生息しており、高さは15〜25センチ程度の大きさです。白山には存在していません。ここでは大群落を作っていました。
コマクサ(ケシ科コマクサ属) Dicentra peregrina
撮影地 八ヶ岳赤岳周辺?
高山帯の砂礫地に生息する多年草です。葉は細かく裂けていて、やや粉白を帯びています。淡い紅色の花がつき、つぼみを横から見ると馬の横顔のように見えることから駒草という名前がつきました。コマクサが生えているような場所は、どうして植物が生育できるのかと思えるような場所です。高山を代表する蝶であるウスバキチョウの食草であることでもよく知られています。花の時期は7〜8月です。その可憐な美しさから高山植物の女王とも呼ばれているものです。白山では見ることができません。
チシマギキョウ(キキョウ科ホタルブクロ属) Campanula chamissonis
撮影地 剣岳への登り
高山の砂礫地や岩石の割れ目などに生える多年草です。茎は高さ4〜15センチで2〜3枚の小型の葉をつけます。茎の先端に花を1個横向きにつけます。花は鐘型で青紫色で、長さは3センチくらいです。花びらに白い毛が生えていることからイワギキョウと区別することができます。花の時期は7〜8月です。白山では見たことがありません。
ミヤマオダマキ(キンポウゲ科オダマキ属) Aquilegia flabellata var.pumila
撮影地 白山観光新道
高山帯の草地や礫地に見られる多年草です。高さは10〜25センチくらいで、青紫色のきれいな花を下向きにつけます。花の時期は6〜8月です。
ヒメクワガタ(ゴマノハグサ科クワガタソウ属) Veronica stelleri ssp.nipponica
撮影地 白山砂防新道
高山帯の草地に生える多年草で、高さは10センチくらいです。葉は対生し、花は淡い青紫色で数個つきます。花の時期は7〜8月です。花の後にできる果実は扁平で菱形に近い形で、この果実の形を兜の鍬形に見立てて和名がつきました。
ウサギギク(キク科ウサギギク属) Arnica unalaschcensis var.tschonoskyi
撮影地 乗鞍岳
高山に生える多年草で、高さは15〜35cmくらいです。全体に縮毛が密生しています。葉は対生でこの葉のかたちをウサギの耳に見立ててこの名前がつきました。花は黄色で、直径4〜4.5cmです。花の時期は7〜8月です。写真では葉っぱの様子がよく分かりませんが、柔らかそうな葉っぱです。乗鞍岳では駐車場からちょっと行った池の周りに多く見られます。
ミヤマハタザオ(アブラナ科ハタザオ属) Arabis lyrata ssp.kamtschatica
撮影地 乗鞍岳
高山帯の砂礫地帯や岩場に生える多年草で、高さは5〜30cmほどある。花は白色またはやや紅紫色を帯びていて、まばらな総状につきます。花の時期は6〜8月です。写真は乗鞍岳山頂駐車場から馬の肩の小屋へ行く途中の林道脇に生えていたものです。これも非常に厳しい環境のところにはえていました。
オンタデ(タデ科オンタデ属) Pleuropteropyrum weyrichii var.alpinum
撮影地 乗鞍岳
木曽の御岳で最初に発見されたことからこの名前がついています。ウラジロタデの変種といわれています。花の時期は6〜10月ですが、あまり美しくはないので登山客の目を引きません。結構沢山はえています。
トウヤクリンドウ(リンドウ科リンドウ属) Gentiana algida
撮影地 立山のどこか(場所の記録なし)
高山の礫地に生えるもので、高さ10〜30cmである。夏の終わりに黄白色の花を2〜3個ずつまとめてつける。苦く、センブリと同様に煎じて胃薬とする。和名は当薬(センブリの茎根を乾燥したもの)に由来する。花の時期は8〜9月。
ミヤマダイコンソウ(バラ科ミヤマダイコンソウ属) Acomastylis calthifolia var.nipponica
撮影地 白山観光新道
岩隙や斜面の岩礫地に生える多年草で、高さ10〜30cmになる。黄色い花がつき、結構きれいです。