書名:誰も知らない「危ない7つの問題」
著者:武田邦彦
発行所:大和書房
発行年月日:2010/04/01
ページ:215 頁
定価:1300 円+税
環境問題、地球温暖化、ゴミ問題、リサイクル、分別回収などにユニークな発言をしている武田邦彦の最新の本です。当初は全くインチキ呼ばわりされていた地球温暖化問題についても、IPCCのウソがようやく新聞、テレビでも取り上げられるようになってきています。今からみれば先見の明があったかな。当時は総スカンを食っていた。
武田邦彦の科学者の視点は確かではないかと思います。科学は多数決ではない。勇気を持って事実を見ること。自分の頭で考えること。「ノストラダムスの大予言」に代表される終末思想。にどっぷりとつかっている。幻想にかき回されている。生ある人間は死とともに、老年になると自分の死(死んでしまうのだから)この世の破滅が来るという説に何となく納得してしまう。また子孫、自分の子供、孫達に持続可能な社会を残そう!と言われてしまうと納得してしまう。
たいして大騒ぎする問題でもないものを極大に大騒ぎ、この世の終わり的な言動に振り回されている。じっくりと自分の頭で考えて人類の英知を信じていればそんな騒ぐことでもない。(大げさに騒ぎ回るやからに振りまわされるのはもうやめにしよう)その裏には政治、お金が絡んでいる。裏をしっかりと見つめるためには自分の視点を作ることが必要。
自分で考えましょう。と応援しているように思う。普通の生命は子供が大人になったら親は去るのみ。でも人間は子育てが終わってもまだ生がある。生物の常識からは特異な生物である人間。そこに何かある。若い人達が未来に希望をいだける世界を見せる必要があるのでは。未来は暗い、暗いがあまりにも多すぎる。暗く、考えるか明るく考えるかだけの違い。
未来は間違いなくやってくる。またそこで生息する人間はどんな問題があっても、それを解決していく知恵があると思う。実際に起こってもいない、あったこともない災難を憂い、みんなを恐怖のドンドコに追い込むだけで何のメリットもないことにあくせくするのはもうやめたい。昔より不安は極端に減っている世界に住んでいながら、人間のこころの病を作り出すことはないと思う。
情報過多に時代、価値のない情報(エントロピーの増大)がどんどん増えて、それを見る、知る機会が増える。何でも知らないと生きられないような飢餓感をもってどん欲に情報、情報と騒いでいる気がする。友は少なくても良い。これは当たり前のことですが、誰とでも友人にならないといけない。友の数。情報の数が増えれば増えるほど、価値は下がってくる。こんな当たり前のことを見失ってきているように思う。
本書より
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人は納得するものを「事実」とかんちがいする
・健康障害がほとんどでていない「食品添加物」
・多くの業者が倒産した「マイ箸運動」
・「ゴミ問題というでっちあげ
・猛毒と報道されたが「ほとんど毒性のないダイオキシン」
・「食品リサイクル」の潜在的な危険性
・「異常気象」と煽る報道のウソ
テレビや新聞には実は多くの規制があって、なかなか本当のことが言えませんが、さいわい本では自由に書くことが出来る。科学の衣を着ているけれど実は「まったく科学的ではない常識」がまかり通る世間にもの申す1冊。