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  「Brighter side of darkness」 Love jones (1973)

「マックスの姐ちゃんたちにスピードのひとりをいれたようなもの」(BY『甘茶ソウル百科』)という反則ギリギリのグループ。きっと当時12才のダリルくんの子供声にファルセットの代理をやらせようと思ったのか?。一応カテゴリはキッド・ソウル?。A-2「Oh baby」ではこどもらしいカワイイメロディーに仕上がっているが、メロウ・バラードが思いのほか甘い。A-3「I owe you love」のちょっと舌ったらずぷりが逆に甘さを増す。そしてやっぱり極め付けはA-4「Love Jones」。このコーラスが女性でなく子供ってのがポイント。「お稚児」的、怪しいソウルの世界。スローはみんなこんな調子でスバラシイです(なにが?)。

「Dream World」 The Continental Four (1972)

アルバム・タイトル通り「夢の世界」へいざなうファルセット・ボイスの決定版。純粋なソウルファンには評判の悪そうなA-2「Nite Moods」はソウルというよりはイージー・ファンクといったかんじだが、個人的には悪くない。しかし本領というところでは、A-3「I don.t have you」やB-1「Day by day」のようなスローバラード。B-5「Running a way」のセンチメンタルなメロディーにリードのFreddie Kellyのファルセットとコーラスの共演による美しいくせつない世界に「泣き崩れ」。オールド・タイプなB-2「Heaven must have sent you」(オリジナルは66年のカバー)やA-4、B-4などミドルな曲もあるけれど、このグループについていえば圧倒的にスローがいい。

  「The Ebonys」 The Ebonys (1973)

フィリーのアルバムでも評価の高い一枚。ストリングス多用のメロディーにバリトン・リード。パワフルなのに華麗なのはフィリー・マジックと紅一点ジェニーの歌声。有名なA-2「It.s forever」。バリトンをベースにファルセット、ソプラノと歩みよるようなコーラスはそれだけでストーリーだ。そしてMFSBの美しいオケ。文句なしです。ミドルも負けずGamble.Huff.Bellのフィリー黄金トリオによるB-1「I.m so glad i.m me」やメロウ・グルーヴなB-3「Nation time」などビター・スウィートな一枚。

「Notations」 Notations (1975)

Curtom傘下のGemingレーベルからリリースのシカゴ・コーラスの名盤。スウィートというよりはメロウ・グルーヴ中心の曲を収録。A-3「Bills breakup homes」のベースとカッティング・ギター。A-5「There i go」幾重にもかさなるボーカル&コーラスが織りなす、浮遊するかのような不思議なメロディー。B-3「I.m losing」はアルバム内でも屈指のダンス・チューン。「イケそでイケない」と形容される展開がじらされながらも腰に作用。B-5「Think before you stop」はラストを飾るにふさわしい疾走感あふれる曲。デトロイト的でもフィリー的でもなくシカゴらしさいっぱいのアルバム。

  「oops! here! i go again」 Edna Wright (1976)

ハニー・コーンのリード、エドナのソロアルバム。浮遊感溢れるメロウ・グルーヴのアルバム・タイトル曲A-1「oops! here! i go again」は文句無し。エフェクトの聞かしたギターにポピュラーなグループ・コーラスにストリングスというスタイルはソウルというカテゴリっぽくはないかもしれないけど。むしろA-2「Spend the nights with me」にスローやA-3「Tomorrow may never come」のインヴィクタス・サウンドの方がソウル的。B-2「Come on down」などはシットリとしたスローに若干のニューソウルの香りをただよわせた浮遊感あふれる佳曲。

「1980」 B.T Express (1980)

80年代を迎えるにあたり若干のメロウとダンサーを取り入れたその名も「1980」は軽快なファンクによりディスコを意識しているようにおもえる。しかしそれは決して後退ではなく新たな音でアルバム全体をディスコティクな雰囲気に溢れさせていて、どれも強力チューン。ハンドクラップとベースがリズムを刻むA-3「Does it feel good」。強力グルーヴ・ファンク・インストのA-4「Give up the funk」や大野雄二ばりのメロウ・スロウのB-3「Betterlate than never」なんかがいいけど、やっぱりベストはB-2「Have some fun」。この美しくも腰が揺れるグルーヴはまさに最高!。フルートの音がクールでホットなメロディを好演出。

  「Future Flight」 Future Flight (1981)

80年代におけるLamont Dozierプロデュースによる最高傑作の1枚。AOR寄りのメロウなメロディに美しいコーラスが融合する。A-1「Hip-notic lady」の都会的でクールなグルーヴ。これぞ究極のアーバン・ソウル。A-4「you shouldve been there」のジャケットのような青空をおもわせる透明感あふれるメロディにB-2「Let me love you where it hurts」のナイトメロウ・ソウルなど、そこにあるのはソウル・ミュージックを黒人そのものが徹底的にソフィスケイテットしたメロディ。それはギリギリまで精米してつくった「大吟上酒」のようなスッキリしながらコクがある味わいのアルバム。

「Zingara」 Zingara (1981)

謎の覆面グループ。実体はスタジオミュージシャンが今アルバムのために結成してつくられたらしい。A-1「For all of my life」のバラードや女性ボーカルをとのカラミによるミディアム、A-2「You Sho.know how to love me」。B-4「Wonder love」の軽めのダンサー、そしてB-5「Gettin Down」におけバリーホワイトのようなインストの美しさなど聴きどころいっぱい。けど一番の話題はスケールの大きなバラードA-3「Love.s calling」をはじめいくつかのボーカルをクインシーに会う前のジェイムス”愛のコリーダ”イングラムがとっていることか。名匠Lamont Dozierプロデュース。

  「Good Stuff」 the imaginations (1975)

レコード屋さんで流れていたA-2「the perfect pair」の絶妙なダンサーで一発購入。疾走するメロディーに交わるコーラス。最高!。A-3「Love jones」は以前紹介したLove jonesのカバー。個人的にはこっちの方がスウィートで好き。ん?っておもったらどうりで、プロデュサーは同じClarence Johnson。続くA-4「W.I.F.E」の雨音をおもわすエレピをフューチャーしたしっとりとしたバラードやB-1「sweet mona」の軽快なミディアムナンバー、B-3「you are the love of my life」のフリーソウルっぽい女性コーラスとストリングスなどバランスもいい。

「I'u Be Your Rainbow」 Bobby Wilson (1975)

Buddahレーベルからリリースのソロシンガーとして評判の高いアルバム。A-1「Deeper and deeper」はニューソウル的スリリングな展開をみせる佳曲。A-2「Hey Girl」の包容力のあるスローはブラックゆえのスウィートさ。マービンやカーティスに通じる洗練されたミディアムB-1「Dont'shut me out」やB-4「All I need(I've got)」のドライヴ感などは女性コーラスによりソロというよりはグループ的な味わいも。スウィート的甘さよりもラヴを感じさせるアルバム。