名前に使える字 | 名前に使えない字 |
常用漢字 2136字 人名用漢字 863字体 計 2999字体 |
左側にあげた使える漢字以外の漢字 (あたりまえですが) |
ひらがな・カタカナ | 漢字以外の外国の文字(アルファベットなど) 数字(1 2 3 TUV…) |
のばしたり、くりかえすための符号 (ー ゝ ゞ 々) |
記号のすべて ※ ☆ ♪ ∫ √ ♯ ≧ ¥ @ ÷ ♀ ♂ $ % |
常用漢字って何でしょう?
1981(昭和56)年に文部省がきめた範囲の字で、現在は2136字があります。社会生活でよく使う字ということらしく、新聞や雑誌はだいたいこの範囲の漢字がつかわれます。
人名用漢字って何ですか?
法務省が常用漢字のほかに名前に使える字として指定したものです。1951(昭和26)年にはじめて制定されてから、これまで何回もその範囲がふやされています。法律上は「別表第二」の漢字とよばれます。ただし常用漢字とこの「別表第二」の漢字を全部合わせて「人名用漢字」とよばれることもあります。
名前に使える常用漢字や人名用漢字は、名前に向く字なの?
とんでもございません。名前に向かない字がほとんどです。名前に使える漢字の範囲は、人の名前に向くかどうかということとまったく関係なくきめられています。
男の子に使う字、女の子に使う字の区別はあるの?
法律上はありませんが、現実には男の子にしか使われない字、女の子にしか使われない字はあります。たとえば彩の字は女の子にしか使われず、男の子の名にいれると奇妙には見えます。
名前に向く字はどのくらい数があるの?
漢字の好みは人により、時代によりちがいますが、今の時点で、字の成り立ち、意味、使い勝手などから考えますと、名前に向く字は600くらいでしょう。この600字だけを使って2万、3万という名前が作れますから、少ないとはいえません。
漢字が名前に使えるかどうかはどうやって調べるの?
私たちが日ごろ読み書きしている漢字はほとんど使えます。常用漢字、人名用漢字と表記している辞典も多く、その表記がされている漢字は名前に使えます。旧字や異体字については辞典でもわからないことが多いですが、社会生活で不便なことが多いですから、使わないほうが無難です。
親がつけた名前を役所が変えさせたら、うその届け出の強要じゃないの?
これはよく誤解されることですが、名前は親がつけたから生じるのではなく、戸籍に登録されて生じるのです。名前は社会の共有物で、わかりやすくいえば図書館の本と同じです。「この本を図書館へ寄付する」と決めただけでは、図書館の本は生じません。届けて、受け取られて、生じるわけです。
使えない字を入れた名前は違法で、戸籍にのせてもらえません。つまり生じることができないのですから、やはりそれはうその名前で、戸籍に登録された名前が本当の名前なのです。
なぜ名前に使う字を制限するのですか?親の自由じゃないの?
そういうご意見の人も多いですが、ただどんな文字でもいいとなると、誰も読めない名前が世の中にあふれ、印刷物の作成も支障がでてきます。5万をこえる漢字すべてを使わせるのは、ふつうの日本人が知っている2千字くらいの漢字の25倍に範囲を広げる、ということです。そんなことをして誰がトクをするのか、社会に何のメリットがあるのか、と考えると、わざわざそういう主張をする理由もみつからないのです。
旧字体でも名前に使えるの?
字によって旧漢字が使えるものと使えないものがあります。ただし他人はなかなか旧字を書いてくれず、社会生活で新字と旧字の両方を使うようなことになって混乱し、旧字にするメリットは何もありません。わざわざ人迷惑なややこしいことをしなくてもいいとは思います。
使えない漢字で名前をつけ、出生届はウソの名前を書いておくのはいい?
残念ながらそれは成りたちません。戸籍に登録された名前が本当の名前です。使えない漢字で名前をつけること自体、法律で禁じられており、いくらつけたと言ってみても、違法で存在できない名前ですから、やはりそちらがウソの名前、ということになるのです。
名前に使えないのはどんな漢字?
これは多すぎてリストにできません。漢字は全部で5万をこえ、名前に使える字は3千弱ですから、全体の17分の1です。私たちが日ごろ書かないような字は注意したほうがいいでしょう。
名字には使えるのに名前に使えない字があるのはなぜ?
名字は先祖から伝えられてきて、永いあいだ多くの人に使われています。その名字の字をいきなり禁止したら社会的な混乱をまねきます。しかし個人の名前をこれからつけようという場合は、やはり社会で多くの人を困らせる特殊な字はやめてくださいね、ということでしょう。