田園みどり共生国だより

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大本襲撃

  • 2017年08月02日(水)09時51分

書名:大本襲撃
   出口すみとその時代
著者:早瀬 圭一
発行所:毎日新聞社
発行年月日:2007/5/23
ページ:396頁
定価:1,600 円+税

この本は2013/2に読んだ本です。2回目です。日本宗教史上最大の宗教弾圧第二次大本事件と言われているが、実は政治団体として、治安維持法違反、不敬罪で立件しようとして、国の威信をかけ、特高警察は遂に大本に踏み込んだ。いかに大本の活動、教義が治安維持法違反、不敬罪に相当するか?という視点で事件を創作していった経過、過程が詳細に検証されている。今年成立した共謀罪を考える上でも参考になる。悲惨な事件です。官憲の権力を持ってすれば何でも罪に問える良い例ではないでしょうか?

2013/2より
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出口なお、出口王仁三郎は大本関連でよく知られた名前ですが、なおの娘、出口王仁三郎の妻すみ(すみこ、澄子)は殆ど2人の陰に隠れて一般に知られなかった。出口すみの生涯に焦点を当てたドキュメンタリーです。

物語は日本宗教史上最大の宗教弾圧第二次大本事件で陣頭指揮を取った杭迫軍二特高課長の動向から説き起こされる。昭和10年12月8日、国の威信をかけ、特高警察は遂に大本に踏み込んだ。1000人以上の検挙、二代教主すみと王仁三郎に国家が襲いかかる。大本の教義には世界の“立て替え立て直し”という表現が出てくるが、個人の心の救済と社会改革とを結びつける。またいままで天津神系天照大神の世の中が乱れきった見にくい世の中になった。そこの国津神系(今まで閉じ込められてきた)の艮の金神が出てきて世の中を立て替える。という教義。

昭和初期という時代には社会全般に不安な心理状況がみなぎり、左右両翼を問わず国家革新を求める動きが顕著となっていた。そうした中、出口王仁三郎が立ち上げた昭和神聖会に頭山満や内田良平など右翼系の人士が出入りし、軍人の間にも大本の信者が増えていたため、治安当局は神経をとがらせていたようだ。そして第一次大本事件は大正天皇の崩御で恩赦で曖昧に終わってしまった。そこにも国家権力の意地もあったのでは。小林多喜二が特高に拷問によって殺されたのが昭和8年、左翼勢力をほぼ壊滅して、次の獲物を狙っていた当局にとっては最適な大本だったのかもしれない。

検挙の根拠は治安維持法、そして不敬罪。「国体を変革する目的をもって結社を組織」したという疑いまた、なおの墓が鳥羽御陵に似た豪華な御陵、天皇家を侮辱しているとしての不敬罪。1000人以上の検挙、そして翌年には綾部、亀岡の大本の施設の徹底的な破壊、土地などを綾部町、亀岡町に格安の値段で買わせている。

そして特高の拷問による取り調べで16人が死亡、10年に渡る裁判。昭和17年の二審で治安維持法は無罪。不敬罪は5年(ただし未決で監獄に入っていたので)保釈となる。そして昭和20年10月完全無罪。約10年にわたる国家権力による宗教弾圧事件。

公判で出口王仁三郎が示した才気縦横な語り口は裁判長をも感嘆させた。しかし同時に、出口すみの不思議な存在感も人々の注目を集めたらしい。無実の罪で何年も獄につながれたにも拘わらず恨み言ひとつこぼさない天真爛漫な明るさは教団の人々の気持ちを落ち着かせた。すみの生涯は子供の頃から「おしん」を地でいくような極貧の生活。また子守で福知山、亀岡など転々とする。そこでいろいろ虐められて苦労を積んでいる。それに比べれば獄中の暮らしはまだ楽なものだったと。そして獄中でも明るいおおらかな短歌多い。またすみは書はうまく評価されいる。後年北大路魯山人がすみから貰った手紙を鎌倉の家の床の間に掲げ、来客にそれを誇っていた。未収監として6年8ヶ月監獄に入っていてもいつもにこにこしていたと言われている。公判におけるすみ、王仁三郎と裁判長のやりとりなどなかなか面白い。

天の恩土のめぐみに生まれたる葉一枚むだに捨てまじ
天はちち母はいづくにましますぞ母は大地のお土なりけり
戦争に入れる力を平和なる道につくせばこの世天国
国々の人の心がそろひたらこの世はたちまち地上天国

出口王仁三郎は裁判が終了したとき、弁護士から国家賠償法による賠償請求をするべきだと言われたとき、戦争で国中が疲弊しているときに一団体のためにだけ、税金を貰うわけにはいかないと賠償請求はしなかった。その後、綾部町、亀岡町は土地を大本に返還している。出口王仁三郎は国家が土地建物すべて破壊してしまったので検挙されて大本が壊滅状態の時、何も持たなかったことが良かった。持っていたらそれを維持するのに娘、孫、残った信者などがどれほど苦労したか。昭和21年に昇天するがその前には陶芸にも特異な才能を発揮して耀盌(ようわん)という茶碗などを残している。これも後に評価されている。

すみは出口王仁三郎が亡くなってから4年ほどの間でゼロからの出発で大本の復興に力を注いだ。そしてすみの力がなかったら今の大本はないと言われている。

今も昔もマスコミというものは権力にべったり、この第二大本事件でも大本の「国賊」「邪教」イメージを拡大することばかり必死にやっている。また特高からのリーク情報なども誇張して、徹底的に大本攻撃をやっている。大本信者のひとりひとりへの偏見による差別や攻撃となって現われた。大マスコミも下品な狂信的な活動をするのは今の昔も変わらない。新聞だけだった当時よりまだ悪いかもしれない。

この本はどちらかというと大本よりで書かれている。その後大本も第三代直日、直日が亡くなったときに、後継者選びでごたごたがあって第三次大本事件と呼ばれる内部紛争が燻っている。第四代聖子、現在は第五代紅と続いている。よく大本教というように書かれているものもあるが「大本」が正式名称です。

大本公式サイト
http://www.oomoto.or.jp/Japanese/index-j.html

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史疑徳川家康事跡

  • 2017年08月02日(水)00時46分

書名:史疑徳川家康事跡
著者:村岡 素一郎
発行所:民友社
発行年月日:明治35年4月18日
ページ:182頁
定価:弐拾五銭

明治の世に前の徳川幕府の神祖家康の出自の隠された秘密を白日の下にし、克明な跡付け貴賤交替史観によって明治藩閥政府要人のいかがわしさを容赦なき筆致で暴き出した本です。幻想の近代国家日本の暗部を明らかにしている。発行所の民友社は徳富蘇峰が設立した(明治20年)出版社です。

地方官吏であった村岡素一郎が『史疑 徳川家康事蹟』という書籍を出版して家康の影武者説を唱えた。文学博士で元内閣修史編修官・東京帝国大学文科大学教授の重野安繹が、この著書の序文を記している。300部発行されたが、徳川関係者からの強い抗議で絶版となった。近代国家日本の暗部を抉る、四百年に一冊の危険な書と言われている。正当は学者からは無視されている本です。誰でも国立国会図書館デジタルコレクションで読むことが出来ます。

徳川家康は江戸時代を通じて神君とされていたため、その出自を疑う者はいなかった。しかし明治になってタブーを破る人が出てきた。

徳川家康の影武者説で一番若い時代。桶狭間の戦い直後に入れ替わったという説を唱えている。他説には大坂夏の陣で真田幸村に殺された。その後は影武者が勤めたと。


『駿府政事録』の1612年(慶長17年)8月19日の記述である。村岡は以下のように引用している。
徳川家康が幼少の時に銭五貫で売られたことが書かれている。

駿府政事録に云ふ、慶長十七年八月十九日御雑談の内、昔年御幼少之時、有二又右衛門某云者一、錢五貫、奉レ賣二御所一之時、自二九歳一至二十八九歳一迄、御二座駿府一之由、令レ談給、諸人伺候、衆皆聞レ之云々。公が此の自白の述懐に據れば、公は幼少の時、又右衛門なるものに、錢五貫を以って鬻賣せられ、九歳より十八九歳迄、駿府に在住せられしと、此比は人の子女を勾引して賣買したることあり、公も此の災厄に罹られたるなり、陪席の左右侍御輩皆之を聽けり

村岡素一郎著、『史疑 德川家康事蹟』14頁

国立国会図書館デジタルコレクション - 史疑 : 徳川家康事跡
http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/992561
村岡素一郎
http://www6.plala.or.jp/guti/cemetery/PERSON/M/muraoka_so.html

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