不破規約共産党と尖閣諸島・ノーベル平和賞問題

 

中国べったり・3回訪問不破80歳の3人独裁政党の対応

中国共産党と同質・同類政党の次回統一地方選予想

 

(宮地作成)

 〔目次〕

   1、不破規約路線の確立経過と本質−中国べったり・3回訪問不破の3人独裁政党

   2、日本共産党の共産党間交流の現状=一党独裁4カ国の犯罪体制政党のみ

   3、中国国家の規定=党独裁・党治国家政治体制+中国共産党型経済路線

      1、他党派禁止・一党独裁政治体制により、国家の上に共産党が居座る党治国家

      2、軍隊と公安部が政治的民主主義を抑圧する軍事独裁・秘密政治警察国家

      3、東欧・ソ連のドミノ的連鎖崩壊回避策としての中国共産党型経済路線と矛盾激化

      4、中国共産党型経済路線の性格規定−不破哲三のウソ詭弁「社会主義市場経済」論

            =党独裁・党治国家統制下の資本主義経済路線

   4、日本共産党と中国共産党との関係史−隷従→決裂→友好・内政干渉自粛関係

   5、尖閣諸島・ノーベル平和賞問題での日本共産党・赤旗報道レベルとその限界

      1、チベット問題と大量殺人犯罪、新疆ウイグル地区問題と大量殺人犯罪への対応

      2、尖閣諸島問題という一党独裁中国共産党・中国政府の対外膨張政策への対応

      3、ノーベル平和賞に関する中国・中国共産党の誤り・一党独裁体制問題への対応

   6、中国共産党と同質・同類政党の次回統一地方選予想 11年4月10日前半戦

 

 〔関連ファイル〕           健一MENUに戻る

     『不破哲三と中国共産党との関係』ファイル多数

     『不破哲三と中国共産党との関係経緯』3回訪問・1回交流による中国共産党賛美

     『日本共産党と中国共産党との和解劇』新型の共産党関係へ

     wikipedia『日中共産党の関係』隷従→決裂→関係修復=内政干渉自粛関係

     共産党『不破哲三議長の中国訪問』2002年8月、6記事・論文

     山椒魚『不破哲三の資本論「研究」と中国「賛美」の老害ぶり』

     日中関係朝日 日中関係

     google『尖閣諸島・中国漁船衝突映像』youtube多数

 

     『中国共産党のインターネット摘発・管理』

     google『中国人権民主化運動情報センター』 『中国 言論統制 ネット規制』

          『中国共産党』 『文化大革命』 『中国共産党と天安門事件』

 

 1、不破規約路線の確立経過と本質−中国べったり・3回訪問不破の3人独裁政党

 

 2000年第22回大会、全面改定による不破規約路線が満場一致で確立した。その本質とは何か。実態は、党内における常幹3人=不破・志位・市田による党内独裁堅持システムになっている。常任幹部会と、幹部会も3人の指令を恭しく満場一致で承認するだけの飾り物機関に腐敗している。中央委員会も全員が「目からうろこ」派で占められている。42年ぶり全面改訂の2000年不破規約とは、党内民主主義を抑圧し続ける反民主主義的で犯罪的な組織原則である。

 

 2004年不破綱領とは、空想的社会主義綱領、かつ、読者・有権者あきれさせ、蹴散らす時代錯誤綱領である。「共産党が単独で国会において安定した241議席を占めるという荒唐無稽で、21世紀になっても社会主義・共産主義を展望する実現不能な革命綱領だった。

 

    『「国会で安定した241議席を占める革命」綱領』代議員1012人賛成・1人反対

 

 不破規約決定党大会と不破綱領決定党大会との関係はどうだったのか。本当は、2000年の規約全面改定直後に、連続して臨時党大会を開き、党内討論もほとんどカットし、同一の党大会代議員で不破綱領を満場一致決定する計画だった。しかし、当時の社会科学研究所専従から私宛にその秘密策謀に関する詳細なメール通報があった。

 

 不破綱領案は、2000年時点すでに完成しているとの通報だった。こんな不破綱領決定のやり方間違っている許せないので、インターネットで公表してほしいとする怒りに満ちた要望だった。私は、それをHPで全面的に暴露した。不破陰謀にたいし、党内外や、マスコミからも批判・非難が殺到した。不破・志位・市田らは、やむなく、臨時党大会陰謀をやめ、不破綱領を2004年第23回大会での満場一致に延期した。

 

    『42年ぶり全面改定の不破規約−2000年』ファイル多数

    『43年ぶり全面改定の不破綱領−2004年』ファイル多数

 

 不破規約・不破綱領路線はいつ確立したのか、その本質は何か。不破哲三グループは、1997年第21回大会から2000年第22回大会にかけ、宮本顕治にたいする引退強要宮本秘書団私的分派メンバーの解体という党内クーデター同時に強行した。不破路線・体質・人事体制は、2000年に確立した。かつ、その2年前1998年、不破哲三は、中国を訪問した。文化大革命以来、宮本顕治と決裂していた中国共産党との友党関係を回復した。この不破路線・体質は、有権者・赤旗読者によって、赤旗読者激減数・選挙11連続惨敗データにより10年間の検証結果が出たと規定できる。

 

    『不破哲三の宮廷革命=党内クーデター、1997〜2000年』

 

 不破哲三は、()党内クーデター開始時期1997年と、()中国共産党との友党関係回復=中国共産党べったり・国際的問題も無批判の密約成立時期1998年とを、同時に謀った。党内向け作戦と中国共産党との屈従的密約作戦とは、()宮本顕治引退強要1997年作戦開始前から、不破グループによって企まれていたと判断できる。

 

 その本質は、中国共産党べったり・中国共産党無批判・中国3回訪問不破80歳の3人独裁・党内民主主義抑圧政党である。国民の民主主義を抑圧しつくす一党独裁の中国共産党と、党内民主主義を抑圧する民主集中制・分派禁止規定堅持の不破路線・体質・人事体制の日本共産党とは、同質・同類政党である。

 

    共産党『不破哲三議長の中国訪問』2002年8月、6記事・論文

    山椒魚『不破哲三の資本論「研究」と中国「賛美」の老害ぶり』

 

 これら不破哲三による()宮本顕治引退強要と党内クーデターの同時遂行()不破路線・体質・人事体制確立()中国共産党との同質・同類性を明確にしないと、現在の日本共産党の本質・実態認識に誤りが生まれる。

 

 

 2、日本共産党の共産党間交流の現状=一党独裁4カ国の犯罪体制政党のみ

 

 1989年東欧革命〜1991年ソ連崩壊によって、14の社会主義世界体制中、10カ国社会主義国家とレーニン型前衛党がいっせい崩壊した。残存する一党独裁前衛党・国家は、4つだけになった。中国共産党、ベトナム共産党、キューバ共産党、朝鮮労働党という一党独裁政党とその国家である。

 

 その4国家の本質は、党独裁・党治国家という国内・党内民主主義を抑圧する犯罪体制である。当然、それらは、従来からの理念に基づく「社会主義国家」ではなく、異質な犯罪体制国家である

 

 資本主義ヨーロッパにおける共産党も、その前後で、レーニン型前衛党理論・原則が根本的な誤りだったとして、それを放棄し、社会民主主義政党に大転換した。ただ、世界で国会議席を持ち共産党名を名乗る政党がまだ3つ残存する。フランス共産党・ポルトガル共産党・日本共産党である。しかし、()フランス共産党は、レーニン型前衛党5原則中、プロレタリア独裁理論・民主主義的中央集権制・マルクス主義が誤りだったと、党大会で放棄宣言をした。()ポルトガル共産党は、1974年、ヨーロッパで一番早く、プロレタリア独裁理論とその実践は基本的誤りだとし、党大会で放棄した。()日本共産党だけが、東方の島国において、5原則の放棄宣言を一つもしないで、隠蔽・訳語変更をしつつ、コミンテルン型博物館政党として残存している。

 

    『コミンテルン型共産主義運動の現状』ヨーロッパでの終焉とアジアでの生き残り

 

 21世紀における日本共産党の共産党間交流はどうなっているのか。1970年代後半ユーロ・ジャポネコミュニズム時期において、日本共産党は、イタリア共産党・フランス共産党・スペイン共産党などのユーロコミュニズム共産党と常時交流し、相互訪問し、共同声明も出していた。現在それらの交流は壊滅し、残存するヨーロッパ共産党による党大会での儀礼的メッセージ・訪問だけになった。

 

 よって、現在、共産党間の直接交流や相互訪問があるのは、一党独裁4カ国の政治犯罪体制政党しかなくなった。ただ、その交流において、日本共産党は、相手方の一党独裁体制を批判したことがない。その批判が内政干渉になると自粛している。そもそも、1922年日本共産党創立以来の88年間を見渡しても、日本共産党や宮本・不破・志位らが、14の社会主義国家の一党独裁システムを批判したことは一度もない。

 

    『不破哲三と中国共産党との関係経緯』3回訪問・1回交流、1998年

    『日本共産党と朝鮮総連(朝鮮労働党)との友党関係修復』2000年11月

    上田耕一郎『上田副委員長らキューバに到着』2002年10月

    『不破哲三が萩原遼を朝鮮総連批判で除籍』2005年5月

    志位和夫『ベトナムへ友好と連帯の旅』2007年1月、公式訪問

    共産党『第3回日本ベトナム両党理論会談』2010年11月、不破哲三

 

 その背景には、レーニンのウソ・詭弁がある。レーニンは、ソ連における一党独裁形成が、エスエル・左翼エスエル・メンシェヴィキなど他政党が反革命・武装反革命をしたので、やむなく抑圧した結果、または、他政党側が自滅した結果だとするロシア革命史の偽造歪曲を謀った。ソ連崩壊後、「レーニン秘密資料」やチェーカー秘密資料の発掘・公表によって、レーニンの説明がウソ・詭弁である事実が判明した。

 

    『ウソ・詭弁で国内外の左翼を欺いたレーニン』

         基本テーマに関するレーニンのウソ・詭弁7つを検証

         党独裁・党治国家での情報閉鎖・検閲・浄化=鉄のカーテン国家

 

 レーニン自身が、10月単独武装蜂起・単独権力奪取クーデター直後から、一貫して、とくに、ネップでの経済的後退の反面、他政党絶滅の左翼反動路線という反民主主義の二面作戦を恣意的に強行した結果として、党独裁・党治国家生存中に完成させたというのが歴史の真実である。

 

    『レーニンが追求・完成させた一党独裁・党治国家』

         他党派殲滅路線・遂行の極秘資料とその性質

         レーニンがしたこと=政治的民主主義・複数政党制への反革命クーデター

    『レーニン神話と真実1〜6』ファイル多数

    大藪龍介『党内分派禁止と反対政党の撲滅。民主主義の消滅』レーニンの犯罪

 

 

 3、中国国家の規定=党独裁・党治国家政治体制+中国共産党型経済路線

 

 チベット問題・尖閣諸島問題・ノーベル平和賞問題を見る上での前提として、中国国家と中国共産党の性質をどう規定するのかが重要となる。中国分析にはさまざまな視点がある。ここでは、4つのテーマだけを、レーニンの誤り・犯罪と比較しつつ、リンクを合わせ、簡潔に検証する。

 

 〔小目次〕

   1、他党派禁止・一党独裁政治体制により、国家の上に共産党が居座る党治国家

   2、軍隊と公安部が政治的民主主義を抑圧する軍事独裁・秘密政治警察国家

   3、東欧・ソ連のドミノ的連鎖崩壊回避策としての中国共産党型経済路線と矛盾激化

   4中国共産党型経済路線の性格規定−不破哲三のウソ詭弁「社会主義市場経済」論

          =党独裁・党治国家統制下の資本主義経済路線

 

 1、他党派禁止・一党独裁政治体制により、国家の上に共産党が居座る党治国家

 

 残存する一党独裁国家は4つになった。ただ、ベトナム共産党・キューバ共産党・朝鮮労働党と比べ、中国共産党は、欺瞞的共産党完全統制・支配下の他党派を、地域限定で認めている。上海の民主党などである。2003年7月6日中国で開会中の人民政治協商会議(政協)で、共産党の一党支配の下で認められている8つの民主諸党派のトップらが記者会見し、われわれは共産党の指導を受けることを望んでいる。共産党だけがこの国を指導できるなどと述べ、現在の政治体制を強く擁護した。

 

 一方、独立対抗政党の結成を拒絶し、徹底した弾圧をしてきた。例えば、法輪功運動・組織が政党に転化するのを阻止する全面鎮圧路線である。中国共産党は、1949年中華人民共和国成立後、他党派を逮捕・国外追放などで全面弾圧してきた。民主諸党派は1949年の建国初期には、共産党との共闘政党だったが、その後、共産党の独裁が強まり、諸党派の存在は形骸(けいがい)化した。

 

 それは、レーニンが最高権力者期間5年2カ月間で、カデット・エスエル・左翼エスエル・メンシェヴィキなどの党派と党員を全員逮捕・銃殺・強制収容所送り・国外追放などの赤色テロル暴力で、ボリシェヴィキ・ソ連共産党の一党独裁体制を、1922年12月までに完成させた手口と同じである。

 

 ソ連は、国家の上にソ連共産党が居座る党独裁・党治国家だった。ソ連は法治国家でなく、国家と法の上にソ連共産党が君臨する党治国家だった。当時は政治だけでなく、立法も法令の運用も、また裁判までもソ連共産党の決定によっており、第一書記は電話で裁判官に指示をあたえていたから、電話上の隠語があった。幹部会令や政府決定には党の秘密決定により、公布されないものがあった。しかし国家とソ連共産党の関係は「党の秘密」で守られていた。中国もその党治国家的性質まったく同一である。

 

    稲子恒夫『ソ連=党独裁・党治国家』ファイル多数

 

 2、軍隊と公安部が政治的民主主義を抑圧する軍事独裁・秘密政治警察国家

 

 中国革命とは、人民解放軍を主体とした長期の内戦だった。それは、一党独裁形成・維持の基本組織となった。同時に、軍隊は、独立を求める少数民族や政治民主化要求の国民を虐殺する中心機関ともなった。()1959年1989年のチベット動乱にたいする人民解放軍による大虐殺である。そして、()人民解放軍は、1989年天安門事件における虐殺を遂行した。その後、()チベット問題・新疆ウイグル地区問題においても、大量殺人犯罪の中心軍隊になった。

 

 一党独裁国家にとって、秘密政治警察は絶対的必要機関である。共産党支持以外の他政党を殲滅し、対抗政党結成を認めないことは、その国家における政治的民主主義を抑圧・弾圧しつくす体制である。それには、()国民殺人機関という軍隊だけでは不十分で、()強大な秘密政治警察も不可欠となる。共産党完全統制下の軍隊と秘密政治警察がなければ、一党独裁システムを維持し、強化することはできない。

 

 14の一党独裁国家は、すべてこの冷徹な原理で運営されてきた。ソ連は、レーニンのチェーカー28万人体制→スターリンのNKVD→ブレジネフのKGBが一党独裁維持システムだった。東ドイツのシュタージ、ルーマニアのセクリターテ、中国の公安部()などの機能・役割はほぼ同一である。党独裁・党治国家体制とは、政治的民主主義抑圧・弾圧という犯罪システム以外の何者でもない。

 

    『「赤色テロル」型社会主義形成とその3段階』レーニン創設チェーカーとその犯罪的役割

 

 中国における報道・マスコミなどの情報統制は徹底している。それだけでなく、インターネットの情報管理・監視・閉鎖も日常的に行われている。加藤哲郎は、中国に行ったとき、中国において、自分のHPが遮断され、中国人には見られなくしていた証言している。レーニンは、1917年単独武装蜂起・単独権力奪取クーデター直後に、カデット機関紙とブルジョア新聞を閉鎖させた。その後、最高権力者期間中、秘密政治警察チェーカーに指令し、他政党の機関紙すべての発行を禁止し、共産党側情報のみによる一元的情報統制国家を完成させた。

 

    加藤哲郎『「社会主義」中国という隣人』2008年3月、HP遮断

 

 インターネットにおける共産党批判HPや掲示板を常時監視し、党員の発言を摘発・査問・粛清しているのは、世界で日本共産党中国共産党2党だけである。日本共産党は、非政権政党の秘密政治警察としての幹部会第2事務部が担当している。中国共産党は、一党独裁政党として、インターネット・プロバイダーそのものを直接監視・管理する。2党とも、21世紀型の情報監視・統制システムを確立したDigital Police政党に進化した。

 

    『インターネットHP攻撃政党』『掲示板発言者摘発・粛清政党』不破・志位の党内犯罪

    『中国共産党のインターネット摘発・管理』

    中華的雑記帳『中国のインターネット規制(1) 『同(2)

    CFR『インターネット規制をさらに強化した中国』

    AFP『(動画)インターネット規制進む中国で「仮想警官」がウェブ界を監視』

    google『中国 言論統制 ネット規制』

 

 3、東欧・ソ連のドミノ的連鎖崩壊回避策としての中国共産党型経済路線と矛盾激化

 

 中国経済の急成長は目覚しい。その「中国共産党型経済路線への大転換」がいつから、どのような契機・理由で始まったのかを確認する。人民公社の誤り、文化大革命の矛盾・不満が鬱積してきた。1989年天安門事件は、それらの不満・批判や民主化要求の爆発だった。それは、1989年東欧革命と同時期であり、背景は同質だった。2年後1991年、ソ連崩壊が起きた。その民主化運動・要求にたいする東欧・ソ連10カ国と中国ケ小平の対応は180度違った

 

 東欧・ソ連の一党独裁政党は、国民・ヨーロッパ各国との力関係から従来の暴力的弾圧を使うことができず、いっせい崩壊した。ケ小平は、天安門事件にたいし大量殺人犯罪で応え、一党独裁体制をかろうじて維持した。しかし、彼と中国共産党指導部は、東欧・ソ連10カ国いっせい崩壊にたいする残存4カ国のドミノ的連鎖崩壊の恐怖に打ち震えた。連鎖崩壊を回避する手立てはないか。

 

 レーニンは、1917年10月クーデターから4年後、誤った路線・政策によって、一党独裁・クーデター政権崩壊の危機に直面した。()タンボフ・西シベリア・ウクライナの3大農民反乱を含むソ連全土での「緑の反乱」、()ペトログラード労働者の全市的ストライキ、()クロンシュタット水兵・労働者の反乱などの全国民的総反乱は、クーデター政権を追い詰めた。

 

 レーニンは、崩壊回避策として、()経済面で農民要求を受け入れるネップを採用し、()政治面では、他政党絶滅作戦を強化し、党内民主主義を抑圧する分派禁止規定を導入した。経済路線での譲歩・後退と、政治路線における左翼反動・大量殺人犯罪路線という二面作戦で崩壊危機を切り抜けようとした。

 

    第7部『「ネップ」後での革命勢力弾圧継続・強化』ネップの二面性

      1921年3月〜22年末、「ネップ」評価とその後に発生した500万人飢死の原因

 

 ケ小平・中国共産党にとっても、文化大革命の矛盾・不満や天安門事件によるドミノ的連鎖崩壊からの脱出策は、レーニンと同じ二面作戦しかなかった。()事実上の資本主義市場経済を全面導入し、国有化企業を一部残しつつ、社会主義計画経済路線を放棄した。一方、()天安門事件での大虐殺を契機として、民主化運動を軍隊と秘密政治警察公安部という国民抑圧二重機関で徹底して弾圧した。()その性質は、党独裁・党治国家統制を絶対に手放さないままでの資本主義経済路線への大転換だった。

 

 この路線は、2つの根本的な矛盾をはらんでいる。()、資本主義市場経済は国民要求に譲歩しただけに、生産意欲を高めた。しかし、それは、都市部における経済の急成長の反面、農村との格差を急拡大している。それは、農村における農民暴動を激発させている。()、経済的自由の拡大と一党独裁による政治的不自由・統制強化という二面的な左翼反動路線との根本的矛盾がさまざまな形で表面化しつつある。

 

    Google『中国人権民主化運動情報センター』 『中国共産党』

         『文化大革命』 『中国共産党と天安門事件』 『社会主義市場経済』

    Wikipedia『中国民主化運動』

 

 4中国共産党型経済路線の性格規定−不破哲三のウソ詭弁「社会主義市場経済」論

          =党独裁・党治国家統制下の資本主義経済路線

 

 不破哲三と日本共産党は、中国の規定として、「社会主義国家」と言わないで、「社会主義を目指す国ぐに」と党大会などで何度も明言している。ベトナム・キューバの国家規定も同じである。ただ、北朝鮮だけは、さすがにその規定に入らないと回答している。以下、ややこしくなるが、不破哲三のウソ詭弁理論を検討する。

 

 マルクス主義にそんな国家規定理論はあるのか。資本主義国家から社会主義国家への移行段階において、「社会主義を目指す国ぐに」とは何か。「目指す国家」と規定するには、中国は、まだ資本主義段階国家と判定していることになる。その中間段階国家などない。

 

 ただ、最近、これではいかにも非科学的用語になるからまずい。この規定は、学者党員から軽蔑され、あざ笑い→離党の口実になってきた。そして、有権者・支部・党員への説得力にも欠けると分かってきた。そこで、中国・ベトナム・キューバなどを「社会主義への過渡的段階にある国家」という日本語も新たに追加し、捏造宣伝をし始めた。2010年10月30日、不破哲三は、日本AALAでの講演において、「社会主義を目指す国ぐに」マルクスの理論でいえば過渡期にあると指摘する詭弁を披露した。マルクス主義にそんな理論はない。

 

 ソ連崩壊以前、宮本・不破は、ソ連の経済停滞・人権侵害犯罪が明白になり、暴露されたとき、「成長期社会主義国家」という詭弁規定で、有権者・支部・党員騙しを謀った「ソ連・東欧は成熟し完成した社会主義になっていないが、成長期段階の社会主義国家」という詭弁だった。ソ連崩壊、不破・志位・市田らは「成長期社会主義国家」という日本語を使ったことに沈黙し、口をつぐんでいる。「過渡的段階にある国家」も同じペテン用語である。

 

 「目指す国ぐに」も、「過渡的段階にある国家」でも、3国家が資本主義段階国家である真相をごまかす不破哲三による有権者・支部・党員騙しの詭弁である。これらは、不破哲三・日本共産党だけが捏造した偽造歪曲日本語である。学者党員でも、こんな非科学的な詭弁規定など、恥ずかしくて使うこともできない。こんな詭弁規定を、恥ずかしげもなく演説する政党トップは、不破哲三以外、資本主義世界のどこにもいないであろう。

 

 一方、不破哲三は、中国訪問3回・理論交流1回の場面、および、それ以降において、「社会主義市場経済」論を唱え出した。または、「市場経済型社会主義」とも規定した。中国共産党型経済路線を、レーニンの「ネップ」と比較し、絶賛した。それに応え、中国共産党は、レーニンの「ネップ」と同一と認定され、大いに喜び、不破哲三を現代における最高のマルクス主義理論家と持ち上げた。

 

 何度も、不破哲三を中国に招待し、講演までもさせ、理論交流をし、中国共産党賛美者に取り込んだ。その結果、不破哲三と日本共産党をして、中国・中国共産党批判を絶対にしないトップ・政党に見事に変質させた

 

 しかし、不破哲三理論はウソ詭弁に満ちている。そもそも、まだ「社会主義国家」に到達していなくて、「社会主義を目指している資本主義国家」が、その経済路線において、どうして「社会主義市場経済」を実施できるのか。これは、不破理論の根本的で悪質なレトリックである。

 

 ()日本において、彼は、中国が「社会主義国家」でなく、「社会主義を目指している資本主義国家」「社会主義への過渡的段階にある国家」と規定している。

 

 ところが、()中国・中国共産党の招待・3回訪問においては、「市場経済型社会主義国家」と規定した。日本国内と中国共産党とで、不破哲三は明白な二枚舌を使い分けてきた。日本共産党史上、中国の国家規定に関し、これほどむき出しの二枚舌を見せた党中央幹部は、不破哲三しかいないであろう。日本の有権者・読者・党員のどれだけが、このレトリックに騙されているのか。

 

 中国が遂行しているのは「社会主義市場経済」などではない。それとは異質な「党独裁・党治国家統制下の資本主義経済路線」である。それが本質的に内蔵する格差拡大矛盾がさまざまな形態・階層・地方で激化してきた。

 

 東欧・ソ連10カ国と前衛党がいっせい崩壊した1989年から1991年後、14カ国の国家・経済規定がさまざまに出された。

 ()直後は、「現存した(する)社会主義」とする抽象的規定が多かった。それは、まだ14カ国を「社会主義だった」とする見解である。

 

 ()経済体制については、「国家資本主義」論があった。それは、14カ国が「社会主義国家でなく、資本主義だが、国家が管理する経済システム」とする内容である。21世紀現在の研究者においては、14カ国が「社会主義国家だった」と主張する者は皆無になった。「国家資本主義」論は一定の説得力を含んでいる。ただ、「国家」規定が抽象的である。

 

    松尾匡『ソ連=国家資本主義論』

 

 ()現在の研究論調は、その国家規定として「党独裁・党治国家」論になっている。となると、中国の経済システムの具体的規定は、「党独裁・党治国家統制下の資本主義経済路線」とするのが妥当と思われる。不破哲三は、いつまでウソ詭弁の二枚舌を続けるつもりなのか。

 

    稲子恒夫『ロシアの20世紀−年表・資料・分析』「はしがき」「あとがき」全文

 

 

 4、日本共産党と中国共産党との関係史−隷従→決裂→友好・内政干渉自粛関係

 

 日本共産党と中国共産党との関係史は複雑だが、チベット問題・尖閣諸島問題・ノーベル平和賞問題での対応を検証する上で、それらの5段階経過を確認する。

 

 () 日中両党は、非政権政党としてソ連共産党隷従政党だったが、対等平等な兄弟党関係()中国革命後における日本共産党のソ中両党への隷従関係への転換()文化大革命初期1968年以降31年間にわたる日中両党関係決裂()1998年不破哲三の中国訪問による日中両党和解と共産主義友党関係回復・内政干渉自粛協定()以後、不破哲三による4回もの中国訪問・交流となった。

 

 内政干渉自粛協定の本質は何か。それは、中国・中国共産党側国際的な問題・誤り・人権侵害事件が勃発し、国際的な批判・非難が起きたはケースでも、日本共産党側は、中国共産党による内政干渉という恫喝同調し、中国共産党べったり・無批判の対応をするという屈従的な密約である。

 

 このテーマについては、別ファイルで分析したので、経緯の詳細はそちらにある。

 

    『不破哲三と中国共産党との関係経緯』チベット問題を批判できない、しない日本共産党

 

 

 5、尖閣諸島・ノーベル平和賞問題での日本共産党・赤旗報道レベルとその限界

 

 中国政府とは、中国共産党が所有し、君臨するする一党独裁国家の政府である。中国政府の言動は、中国共産党路線・指令に基づき、それと同一である。日本共産党という不破路線・体質・人事体制は、中国共産党と同質・同類である。

 

 〔小目次〕

   1、チベット問題と大量殺人犯罪、新疆ウイグル地区問題と大量殺人犯罪への対応

   2、尖閣諸島問題という一党独裁中国共産党・中国政府の対外膨張政策への対応

   3、ノーベル平和賞に関する中国・中国共産党の誤り・一党独裁体制問題への対応

 

 1、チベット問題と大量殺人犯罪、新疆ウイグル地区問題と大量殺人犯罪への対応

 

 中国共産党による国内人権侵害犯罪異様で誤った対外膨張政策は、その都度、日本の有権者にたいし多大なマイナス影響を与えてきた。()チベット問題と大量殺人犯罪、()新疆ウイグル地区問題と大量殺人犯罪である。中国共産党べったりの日本共産党は、それらを国内問題と歪曲・矮小化し、赤旗による事件報道もほとんどしなかった。

 

 そして、中国政府・中国共産党は、それら国内犯罪事件にたいする批判言動内政干渉になると全世界に向け恫喝キャンペーンで応えた。不破・志位・市田らは、中国共産党の恫喝に屈し、詭弁を使い、中国共産党批判を一度もしなかった

 

 有権者は、それらの少数民族問題と中国共産党による大量殺人犯罪が、内政問題どころか、国際的テーマだと判断した。多くの赤旗読者・有権者は、日本共産党の無批判対応が誤りとし、赤旗購読をやめ、選挙での投票もやめた。

 

 2010年10月、中国政府は、チベットにたいし、学校教育において、民族語のチベット語教育時間大幅に縮小し、中国語教育時間を拡大する方針を押し付け始めた。それは、中国共産党による少数民族漢民族に同化させる誤った作戦に基づく。それに反対するチベットの学生デモが連日勃発している。日本のマスコミはその動向を連日報道している。しかし、赤旗は、中国共産党の国内報道と同じく、沈黙し、隠蔽している。

 

    yahoo『日本共産党とチベット問題』

    google『チベットに自由を!』 『中国のチベット虐殺』 新疆ウイグル

 

 2、尖閣諸島問題という一党独裁中国共産党・中国政府の対外膨張政策への対応

 

 共産党は、赤旗において詳しい主張を提起した。その内容は一応正しい。しかし、内容レベルは、日本政府の主張とほぼ同じなので、有権者にたいする新鮮さはない。そこには、中国政府・中国共産党批判は一切ない。このレベルでは、有権者・赤旗読者納得しない

 

    共産党『尖閣諸島問題 日本の領有は歴史的にも国際法上も正当』10年10月4日

    google『尖閣諸島・中国漁船衝突映像』youtube多数

 

 それを政府や中国大使館を含め渡している。ただし、中国政府とは、中国共産党による党独裁・党治国家である。尖閣諸島問題にたいする中国政府対応は、中国共産党の路線そのものである。それなら、日本共産党として、対日本政府だけでなく、中国政府=中国共産党批判論文を発表すべき段階に来ている。

 

 尖閣諸島問題に関する中国政府=中国共産党の対外路線の特徴は何か。それは、東南アジア全域での問題を含め、()露骨な対外膨張路線である。()それらにたいする各国の批判にたいし、内政問題への干渉と決め付ける恫喝外交である。さらに、()中国との貿易利害をみこして、経済面での報復を強行し、沈黙させようとする報復外交大国になっている。

 

 日本共産党が中国・中国共産党批判しない理由は何か。有権者・赤旗読者の中に、この問題をめぐって、一党独裁の中国批判・反中国感情が高まっている。統一地方選を前に、中国共産党べったりの日本共産党・不破哲三路線を隠蔽し、領土問題での日本共産党姿勢を見せようとする意図が見え隠れする。日本共産党の主張には、中国・中国共産党批判はまったく書かれていない

 

 それにたいする批判を書いても、内政干渉にはならない。このテーマに関する徹底した中国共産党批判を提起しない限り、片手落ちで、4月統一地方選における有権者の支持を得られない。それどころか、従来からの支持者も、無批判の日本共産党見切りをつけ、共産党に投票しない

 

 3、ノーベル平和賞に関する中国・中国共産党の誤り・一党独裁体制問題への対応

 

 この問題にたいする日本共産党の当初対応は、10月8日の翌日、受賞事実の客観的報道だけだった。『08憲章』内容についてもほとんどを隠蔽していた。中国共産党にたいする批判的記事内容はまったくないすべてのマスコミ中国政府・中国共産党の一党独裁批判を載せた。日本共産党・不破哲三は、中国訪問3回・理論交流1回・著書においても、一党独裁体制と人権抑圧実態を批判したことがない。

 

    赤旗記事『ノーベル平和賞に劉暁波氏』10年10月9日

 

 しかし、客観的な事実報道のままで、批判を含まない赤旗姿勢にたいし、党中央に有権者・読者からの批判が殺到した。沈黙・無批判を続ければ、赤旗大量減紙をひき起す。志位・市田・不破らは、慌てて、7日後10月15日、赤旗記事を載せた。内容は、『言論による体制批判には言論で対応を』というアリバイ主張である。そこには、やはり、言論出版の自由を封殺してきた根源である一党独裁体制批判が皆無である。

 

    赤旗『劉暁波氏へのノーベル平和賞−言論による体制批判には言論で対応を』

        日本共産党が中国側に提起してきたこと 10年10月15日

 

 ノーベル平和賞問題に関する賛否の焦点は明確である。5つのテーマへの態度表明が全世界の政府・マスコミと日本共産党に求められる。

 

 〔賛否の焦点1〕、中国と中国共産党による一党独裁体制の是非

 〔賛否の焦点2〕、『08憲章』内容とインターネットによる言論活動への賛否

 〔賛否の焦点3〕、劉暁波逮捕と実刑11年の不当性・言論弾圧の犯罪性への賛否

 〔賛否の焦点4〕、劉暁波釈放要求の明示と、中国共産党への直接要求行動

 〔賛否の焦点5〕、焦点3・4が、国際的な問題であり、内政干渉という中国共産党の恫喝への賛否

 

 10月15日赤旗記事は、焦点1〜5にたいし、一言も触れないで、避けている。これは、中国訪問3回の不破による焦点すり替え、隠蔽である。中国共産党の誤り・人権侵害犯罪にたいする有権者・読者の怒りが、同質・同類の日本共産党に向かわないようにごまかすアリバイ弁明である。中国共産党の犯罪が、赤旗連続大量減紙の引き金になるのに怯え、焦点を『言論で対応を』という曖昧な詭弁ですり替えた

 

 中国における人権抑圧犯罪問題は、内政問題でなく、国際的テーマである。赤旗のアリバイ弁明は、中国共産党にたいし腰が引け、詭弁に満ちている。『08憲章』の基本内容は、言論の自由だけでなく、一党独裁終結要求である。中国内外で1万人以上が署名してきた。国際的には、あらゆる国家・マスコミが劉暁波氏の釈放も強力に訴えている。

 

    ダラムサラ通信『中国303人による08憲章と憲章全文』一党独裁終結要求

    思いつくまま『08憲章−中華連邦共和国憲法要綱』一党独裁終結要求

 

 日本共産党・赤旗のアリバイ弁明詭弁には2つがある。()言論の対応をしない根源である一党独裁終結要求への支持表明をしていない。一党独裁テーマにたいし沈黙・隠蔽をしている。()劉暁波氏の釈放提起もしないで、内政干渉問題扱いにし逃げている。釈放要求もできない日本共産党とは何なのか。内政干渉という恫喝は、中国共産党がチベット問題でも連発した。有権者・読者は、このようなレベルの詭弁的弁明には騙されない

 

 中国共産党べったり・一党独裁体制に無批判の不破哲三路線のままである。この問題について、中国共産党の誤りと一党独裁体制批判大展開しない限り、統一地方選に向け、有権者・赤旗読者は日本共産党を見限る

 

    『不破哲三と中国共産党との関係経緯』ファイル多数−中国共産党べったり路線

    『残存する一党独裁・党治国家−中国共産党問題』ファイル多数

    google『不破哲三と中国共産党』

 

 

 6、中国共産党と同質・同類政党の次回統一地方選予想

 

 〔小目次〕

   1、国家における一党独裁と非権力政党における3人独裁との同質・同類性

   2、同質・同類共産党なので、中国の一党独裁批判不可能=実質的容認政党

   3、一党独裁無批判・容認共産党と11年4月統一地方選予想

 

 1、国家における一党独裁と非権力政党における3人独裁との同質・同類性

 

 1989年の天安門事件、北朝鮮・金正日による日本人大量拉致犯罪の発覚は、日本共産党の国政選挙連続惨敗をもたらした国際的要因になった。中国共産党・朝鮮労働党による党独裁・党治国家犯罪の赤い嵐は、日本共産党票のかなりを吹き飛ばし、共産党嫌いの有権者を増やした。日本共産党がどう言い繕おうとも、有権者は「日本共産党とは、中国共産党・朝鮮労働党と同質・同類政党」と見抜いた

 

 中国共産党は、中国国家において、国家の上に君臨する一党独裁政党である。法治国家でなく、党治国家になっている。朝鮮労働党も同じである。日本共産党は、党内の全中央機関・全中間機関の上に、志位・市田・不破らが君臨し、最終政策決定権を占有する3人独裁政党である。国家と非権力政党という違いはあるが、一党独裁と3人独裁とは、同質・同類である。

 

 日本共産党がレーニン型前衛党5原則を訳語変更・隠蔽しつつも、全面堅持しているからには、有権者が、3つの前衛党とも同質・同類見るのは当然だった。プロレタリア独裁理論、民主主義的中央集権制、マルクス・レーニン主義、前衛党理論、共産党(朝鮮労働党)名などである。そして、チベット事件、2010年の尖閣諸島・ノーベル平和賞問題とそれへの無批判対応は、有権者に、日本共産党と中国共産党との共産主義友党関係の復活・存在劇的に認識させ、共産党嫌いを増大させてきた。

 

(表1) 日本共産党の欺瞞的な4項目隠蔽・堅持方式

4つの原理

欺瞞的な隠蔽・堅持方式

他国共産党との比較

 

プロレタリア独裁理論

綱領において、訳語変更の連続による隠蔽・堅持。()プロレタリア独裁→()プロレタリアのディクタトゥーラ→()プロレタリアートの執権→()労働者階級の権力→()放棄宣言をしないままで、綱領から権力用語を抹殺し、隠蔽・堅持している

ヨーロッパでは、1970年代、ポルトガル共産党を筆頭として、100%の共産党が、これは犯罪的な大量殺人をもたらし、誤った理論と認定した。そして、明白に放棄宣言をした。資本主義世界で、放棄宣言をしていないのは、日本共産党だけである

 

民主主義的中央集権制

規約において、訳語変更による隠蔽・堅持。()民主主義的中央集権制(Democratic Centralism)()「民主集中制」という略語に変更()「民主と集中の統一」と解釈変更で堅持→() 「民主と集中の統一」は、あらゆる政党が採用している普遍的な組織原則と強弁している

ヨーロッパの共産党は、「Democratic Centralism」の「民主主義的・Democratic」は形式・形容詞にすぎず、「官僚主義的・絶対的な中央集権制・Centralism」に陥ると断定した。それは、「党の統一を守るのには役立ったが、一方で党内民主主義を抑圧した」組織原則だと認定した。この反民主主義的組織原則を堅持しているのは、残存する犯罪的な一党独裁国前衛党4党とポルトガル共産党・日本共産党だけである

 

前衛党概念

規約において、()前衛党→()規約前文から綱領部分削除に伴い、その中の「前衛党」用語も事務的に削除()不破哲三の前文削除説明で、「前衛党」概念を支持・擁護

イタリア共産党は、「前衛党」思想を、「政党思想の中で、もっともうぬぼれた、傲慢で、排他的な政党思想だった」と総括し、全面否定した。日本のマスコミは、左()を「前衛党」概念の放棄と錯覚し、誤った解説をした

 

マルクス・レーニン主義

()マルクス・レーニン主義→()個人名は駄目として、「科学的社会主義」に名称変更し、堅持。不破哲三の『レーニンと資本論』全7巻を見れば、マルクス・レーニン主義そのものの堅持ぶりが分かる。ただ、彼は、さすがにレーニンの暴力革命理論だけを否定した

「マルクス・レーニン主義」の命名者はスターリンである。ポルトガル共産党を除くヨーロッパの共産党すべてが、マルクス・レーニン主義と断絶した。フランス共産党も、ソ連崩壊数年後、「ソ連の失敗は、マルクス主義の失敗だった」とし、マルクス主義の立場を取らないと宣言した。

 

 日本共産党は、4項目に関し、訳語・名称変更しただけで、ヨーロッパの共産党がしたような明白な放棄宣言を一つもしていない。その実態も、隠蔽・堅持方式を採っている。世界的にも、こういう欺瞞的スタイルを採る共産党は皆無であり、いかにも不可思議な政党ではある。

 

 その点で、加藤哲郎一橋大学教授は、日本共産党を「現段階のコミンテルン研究の貴重な、生きた博物館的素材」と指摘した(『コミンテルンの世界像』青木書店、1991年、P.)。その視点から観れば、日本共産党を21世紀における「貴重な絶滅危惧種」として、このまま生態保存しておく必要があるのかもしれない。ただし、選挙政策面では、天皇制・君が代日の丸・自衛隊テーマなどで、無党派層への支持拡大を狙って、どんどん現実化している。それは、不破・志位・市田らが、()レーニン型前衛党の5基準・原理の隠蔽堅持路線と、()選挙政策の現実化路線という矛盾した2面作戦を採用していると規定できる。

 

 2、同質・同類共産党なので、中国の一党独裁批判不可能=実質的容認政党

 

 不破路線・体質・人事体制の日本共産党は、なせ中国の一党独裁体制批判をできないのか。劉暁波の釈放要求もできないのか。その理由は2つある。

 

 〔理由1〕、日本共産党と中国共産党とは、基本的な共通体質を持っている。それは、国家権力政党としての一党独裁と、非権力政党における不破・志位・市田ら3人独裁という共通性である。2党とも、国家内・党内民主主義を抑圧する独裁政党なので、その犯罪体質を相互に批判することが不可能になる。同質・同類体質なので、相互に実質的容認政党とならざるをえない。

 

 〔理由2〕、不破哲三にとって、宮本顕治引退強要後に中国共産党との関係回復をしたとき、内政不干渉のタガをはめられた。中国共産党は、国内で発生した大量殺人犯罪や人権侵害事件について、それを批判する各国政府やマスコミにたいし、その批判言動内政干渉だと反論し、恫喝を繰り返してきた。各国政府は、経済的な依存関係が強いので、その恫喝に及び腰になった。中国政府は、直ちに、経済面での報復もするからである。中国共産党による少数民族への大量殺人犯罪や無数の人権侵害事件は、内政問題でなく、国際的な重要テーマである。

 

 ところが、不破哲三は、内政干渉の恫喝に怯えて、それらに沈黙している。中国共産党の犯罪の根源にある一党独裁体制批判も意図的に避け、実質的な容認姿勢に転落している。

 

 3、一党独裁無批判・容認共産党と11年4月統一地方選予想

 

 11年4月統一地方選の共産党議席の簡潔な予想()3つ載せる。()根拠の詳しくは、別ファイルで分析する予定である。

 

 道府県議選は、統一地方選前半戦、後半戦の中で各党派の全国的な党勢力を一番はっきりと示す指標である。したがって、2007年度結果を含め、その3回分のデータを載せ、検討する。ただ、共産党は2003年、2007年と立候補選挙区を削減し始めた。44道府県議選挙は、03年・07年と、議席・得票数・得票率とも2連続の全面惨敗だった。11年3指標すべてが全面的に減ると予想される。

 

(表2) 44道府県議の共産党議席・得票数・得票率

定数

議席

得票数

得票率

増減

増減

増減

1999

2669

152

4263691

10.50

2003

2634

107

45

3207067

1056624

8.63

1.87

07

2544

100

7

2857027

350040

7.49

1.14

11

(減る)

(減る)

(減る)

(減る)

(減る)

(減る)

増減数は前回比 2011年( )は予想

 

 地方議員数の増減はどうだったのか。10年間で地方議員数が増えた年は一度もなかった。ただ、最近は、市町村合併による議員定数削減の影響もある。しかし、そのマイナス影響度の統計はない。01年・02年・04年・05年は総務省データである。他は、すべて共産党HP・赤旗公表データに基づく。

 

(表3) 10年間地方議員数連続激減−1473議席・−33.0%

00

01

02

03

04

05

06

07

08

09

10

11

累計

議員

4462

4409

4375

4203

3992

3593

3403

3338

3073

3039

2989

(減る)

増減

53

34

72

211

399

190

65

265

34

50

1473

備考

総務

総務

総務

総務

都道府県会議員・中間選挙当選数も含む。03年・07年は統一地方選年度

備考の総務とは、その年度12月末における総務省データ

不破規約2000年満場一致決定・不破綱領2004年満場一致決定

 

    共産党『地方議員数』地方議員07年3338人→08年3073→10年9月2989に減少

 

 この()は、10年間を貫通する「不破規約・不破綱領路線の地方議員数激減力」を証明している。地方議員−1473議席・−33.0%をさせた不破規約・綱領路線10年間結果責任にいし、「不破綱領の生命力」とすり替え、賛美する志位和夫の詭弁力をどう考えたらいいのか。不破路線・体質・人事システムを全面破棄しない限り、11年4月統一地方選結果においても、地方議員数が激減し続ける

 

 ()東京都議選結果と、()統一地方選前半戦の道府県議選結果とを含めた2000年以降の日本共産党10年間における選挙結果を検証すると何が見えてくるか。それは、日本共産党が選挙13連敗政党になった事実を示している。不破規約・綱領という不破路線・体質・人事体制確立は、2000年だった。それ以降の10年間、議席・得票数・得票率すべてで、惨敗を続けている。それは、党内民主主義抑圧し続ける反民主主義・3人独裁政党にたいする当然の有権者審判結果である。

 

 都議選・道府県議選の選挙結果は、国政選挙に連動し、国政選挙並みの位置づけをする必要が生まれている。都議選・道府県議選を合わせた日本共産党の選挙13連続惨敗データは何を示すのか。4つの選挙種類が異なるが、ここでは時系列データにした。種類ごとのデータは、それぞれの別ファイルにある。()増減同種選挙の比較である。

 

(表4) 衆院選・参院選・都議選・道府県議選13連続惨敗

種類

議席

得票数・万

得票率・%

備考

増減

増減

増減

得票数の真相

00

衆院選

2620

6

663

47

11.23

1.32

01

都議選

2615

11

74.8

5.5

15.63

5.7

01

参院選

155

10

432.9

386.6

7.91

6.69

03

県議選

152107

45

320.7

105.6

8.63

1.87

03

衆院選

209

11

459

204

7.76

3.47

04

参院選

54

1

436.3

3.4

7.80

0.11

実質数万票減

05

都議選

1513

2

68.0

6.7

15.57

0.06

05

衆院選

99

±0

492

33

7.25

0.51

実質30.1万票減

07

県議選

107100

7

285.7

35.0

7.49

1.14

07

参院選

53

2

440.8

4.5

7.48

0.32

実質17.7万票減

09

都議選

138

5

70.7

2.7

12.56

3.01

実質13.2万票減

09

衆院選

99

±0

494.4

2.4

7.03

0.22

実質15.5万票減

10

参院選

43

1

356.3

84.4

6.10

1.38

11

県議選

(減る)

(減る)

(減る)

得票数・投票率は比例代表。参院選半数改選議席→当選議席

県議選データは道府県議選結果、次回は11年4月10日

 

 このデータを見ると、2000年不破規約路線・体質・人事体制確立以降の10年間、衆院選、参院選だけでなく、東京都議選・道府県議選においても、日本共産党は、衆院選2回の±0議席を除いて、議席と、得票率をすべて減らしている。総選挙・参院選・都議選の得票数増加5回は、投票率アップによるもので、実質的には、()備考欄のように5回とも実質的に得票数を減らしている。実質的得票数減少5回データを合わせれば、得票数も13回連続惨敗政党になった。

 

 不破規約・綱領路線・体質・人事体制という党内民主主義抑圧の党内犯罪システム10年間は、()赤旗減紙力だけでなく、()あらゆる選挙における共産党議席激減力においても、明白な自然死・衰弱死テンポアップの結果をもたらした。()不破規約・不破綱領・中国べったり路線を全面廃棄しない限り、11年4月統一地方選において、志位・市田・不破ら3人独裁政党は、議席・得票数・得票率とも14回連続惨敗政党に転落する。

 

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 〔関連ファイル〕

     『不破哲三と中国共産党との関係』ファイル多数

     『不破哲三と中国共産党との関係経緯』3回訪問・1回交流による中国共産党賛美

     『日本共産党と中国共産党との和解劇』新型の共産党関係へ

     wikipedia『日中共産党の関係』隷従→決裂→関係修復=内政干渉自粛関係

     共産党『不破哲三議長の中国訪問』2002年8月、6記事・論文

     山椒魚『不破哲三の資本論「研究」と中国「賛美」の老害ぶり』

     日中関係朝日 日中関係

     google『尖閣諸島・中国漁船衝突映像』youtube多数

 

     『中国共産党のインターネット摘発・管理』

     google『中国人権民主化運動情報センター』 『中国 言論統制 ネット規制』

          『中国共産党』 『文化大革命』 『中国共産党と天安門事件』