◆はじめに
「問題とは何か」を理解し、その「問題」を解決するために、その構造やその特質を知り解決への筋道
とか、流れともいえる手順を知る必要があります。そして、そのものごとには、それぞれの順番に対応
した作業上の技法が存在します。ここでは、それら各手順に相応した作業に、必要な技法を紹介をいた
します。
問題解決討議法
問題解決討議法のねらいは、人間が所属集団の考え方に従って考え、行動しようとする心理(同調傾向)
により、互いに刺激や影響をしあい、集団としての考え方、能力を向上させよう、と、する点にあります。
実施方法には、@共通問題解決型、A実例研究法型、B特定員研修解決型の三種があり、それぞれが計画段
階、問題の選定把握、問題解明、実施計画について解決策を探求していく技法です。
問題解決=共通問題解決型
仕事の出来る人は、問題形成と問題解決の出来る人であるといわれています。仕事のプロは、マネジメント・サイクルは、"プラン(Plan)・ドゥ(Do)・チェック(Check)・アクション(Action)"=PDCAのサイクルをまわしますが、やわな人間は、計画も反省もない「ドゥ」だけのしごとの、「ドゥ・ドゥ」めぐりに終始します。
問題点解決の技法=実例研究法型
いまや絶対になくならないと思っていた仕事(作業)がなくなってしまう時代です。しかし、このままでは問題は解決 しない。既成概念は問題解決の敵と心得な ければならない。 既成概念というものが、如何にあ てにならないものでであるか、お分かりいただけたでしょうか。多くのメンバーが不可能と思ったはずです。
KJ法
毎日発生しているビジネス上の問題で、その本質が発見できない場合。それに関連する周辺情報を多量に
集め、その中から原因や解決法を探していく技法です。このKJ法には@グループ型、Aカード型、Bブ
リッジ型のスタイルがありますが、いずれもラベルに見出しを記入したカードを、真実に忠実な関連方法を
見出すように並べて、解決策を抽出する技法です。
ZK法
ZK法による思考のプロセスは、私達が無意識のうちに日常習慣的に問題解決を図っていく思考の道筋、
例えば、何か問題があり、それを解決するために思考し、その中で思い浮かぶことを書きとめておいて、後
でそれをまとめる方法とよく似ております。@起承転結の論理で運ぶ、Aシステム思考の手順を基底にす
る、B個人による創造思考を重視、C瞑想(集中思考)とノートへの書き込み(拡散的思考)によるリズム
で、アイデアを誘発させる、などの手順を明確にして問題解決や創造性開発をスムーズにします。
ブレイン・ストーミング
この技法は、集団によって参加者の問題解決能力開発や創造性開発の意欲を、ブレイン・ストーミングの
繰り返しによって、醸成しようとするものです。参加者が気楽な雰囲気に中で、固定観念を排し自由に思い
つきやアイデアを出し合って、そこに創造と連想を働かせ、多くのアイデアを生み出す方法です。この技法
には@良し悪しの批判禁止、A自由奔放なアイデアの歓迎、Bアイデアは量を沢山出す、C他人のアイデア
を大いに利用する、などの基本原則を、会議方式で行います。
ケース・スタディ
この技法の狙いは、職場で現実に起こる問題を事例として課題にし、それを研修対象者に研究させること
で、ビジネス組織に求められる分析力、判断力、問題解決能力、職務遂行能力を、体験的に養おうとする
シュミレーション的な技法です。この技法は、経営組織の幹部候補者から経営幹部に至るまで幅が広く、種
類もの多く開発されております。技法の一般的な進め方は、計画段階と実施段階に分かれ、それぞれ目的対
象の事例の選び方や、計画実施法など事例研究導入の仕方が技法化されております。
インシデント・プロセス
この技法は事例の登場人物になりきって考える研究法ですが、あくまでも情報を収集しながら問題を解決
していく人は、日常の業務プロセスに重点をおき、実行しなければならないことを、実現させることに主眼
が置かれます。本来の目的は、問題解決の共有化と解決のプロセス理解力の向上ですから、メンバーが持参
した実際ケースは相互に討議します。この討議法は、インシデント・プロセスの手順を生かして問題解決や
職場情報の交換に有効です。
イン・バスケット
決済書類箱(イン・バスケット)の中の書類をどのように処理するかを、研修の中に取り入れた方式。管
理者の登用診断などを目的にしたヒューマン・アセスメントでは、適正評価技法としてよく利用されます。
この技法は、研修員を現場に使い状況に置いて、時間の制限、間違い電話などでプレッシャーを加えるなど
して、切迫感を加え、現場で管理者に求められ類し決定能力、問題分析能力を養うことを狙いにしていま
す。
ビジネス・ゲーム
経営管理活動をシュミレーションによって体験するビジネス・ゲームは、典型的な経営管理能力の開発を
目標としています。経営の状況変化情報を受けることで、経営陣の判断と行動を決めた結果、業績にどの様
に反映させるかを計算させます。投資、資金調達、等も取れ入れ、経営活動を模擬実験しながら体験させま
す。情報の重要性、投資判断、マーケティング的の決定、管理者の自己教育を理解させる技法です。
ウォーク・ラリー
ウォーク・ラリーは、個人および集団の問題解決能力を野外でのグループ活動を通して向上させようとす
るものです。地図を基に、不案内で未知の地域を歩き、指定されたチェックポイント探す過程で、分析力や
判断力を育てます。また、グループによる協調性や積極性など問題の共有化を図りグループによる分析判断
能力を向上させることが出来ます。
OJT
OJTは、日常の仕事の中で、管理者が部下に仕事を割り当て、実行させながら、部下の能力を計画的、
意図的に指導訓練するときにもちいる技法です。一般的に管理者の行う「職場内研修」と、専門スタッフの
主催する「職場外研修=OffJT」の二つが企業教育の二本柱です。これら技法は、OJTの@原理・原
則を職場で利用、A原理原則と現実の食い違いを是正にたいするOffJTは、@原理原則を確認、知識と
一体化、A関連知識を習得と、両者連動した訓練が役立つよう配慮されています。
シミュレーション
講義中心技法の欠点をカバーするもので、現実的理解の促進、かつ、講義にたいする興味を高めることに
よって、抽象的な概念を実証してみせる技法です。実務を体験する方法から、コンピュータなどを用いて仮
想現実の体験をするものなど広い範囲に亘っています。講義のテーマ毎に、仮想実務体験内容を事前に計
画、評価項目も設定の上、技法を習得します。
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