東 京 の 鳥
月刊「東京」1994.8/9〜1995.9
道路公害反対運動でお世話になっている方から,月刊「東京」(どのような性格の雑誌かいまだによく知らない)に東京の鳥というシリーズで何か書いてくれとたのまれた.生物系の研究者ではあるが鳥はあくまで素人だし,学生時代に熱中していたときのような意気込みで観察をしている訳ではなく,最近では鳥がいる環境を楽しんでいるだけで,見た鳥の記録するいい加減になっていることが多いから無理であると一旦は断った.その気持ちが変わったのは,ふと,鳥にかこつけてふだん思っていることを書くチャンスではないかと思ったからである.
引き受けてからが大変である.とりあえず書きたいテーマと鳥の思い出が結びつく15種ほどの候補をあげ,季節にあわせながらなんとか話がまとまりそうなものを選んでいく.ようやく文章ができても図が必要である.鳥を見るのは好きだが,素人がよい写真をとるのは至難な業だから手元にいくつも写真はない.毎年の年賀状はシルクスクリーン印刷にしているから,その中のいくつかは使える.最後は三宅島で締めくくりたいと思っていたから,その年の年賀状はアカコッコにした.それでも残りは手書きである.恥ずかしい限りであるが,せっかくの作品だから,ここに一挙に公開することとする.