ポリプロピレン製の箱の中に入っているABS製収納板が50℃の雰囲気においての、ガスの発生有無。
収納版は透明MS系樹脂の一種TPポリマーを使用しております。従いましてガスは 極めて微量ですが発生しております。 ABS系やMS系の樹脂一般に言えることですが、50度以下の状態でのガスの発生は 残存モノマーが製品中からでていると考えられます。 この残存モノマーは樹脂との親和性がとてもよく全量がでてくることはないとされて いておよそ100分の1程度がでてくるとが知られております。 こうした、てくるガスをアウトガスとも呼んでおります。
このアウトガスの総量を予測しお答えとさせていただきます。
製品安全シートにはTPポリマーはメチルメタクリレート、スチレン・ブタジエン共 重合体約100%にて構成されていますとの記載があります。 約とはこの場合樹脂になりきれなかった“もの”が存在していることを意味している と考えられます。 この“もの”の大部分を残存モノマーと致しますと
TPポリマーの残存モノマー量はスチレン、500ppm メチルメタクリレート800 ppm 合計1300ppmとされています(具体的な値は電気化学工業様提供の値です)
成形された製品の残存モノマーは約半分となることが知られていますので成型品から の 発生量は1300ppm*1/2 つまり650ppmとなります。この100分の1がアウトガスに なるとして、仮に製品の総重量を30gといたしますと
X=アウトガスの量 : A=重量 :B=単位当たりの残存モノマー
C=アウトガスの発生度合い
とすれば
X=A*B*C となりますので
X=30*650*0.0000001*0.01
=0.000195
およそ(10,000分の2)gの残存モノマーがでてくると考えられます。 つまりアウトガスの総量は(10,000分の2)gであることになります。
とても長い時間を要して発生するであろうアウトガスの総量が(10,000分の2)gで あると予測できることになります。極めて小さな値であると思えます。
箱の中に入っているために紫外線等その他の条件は考慮しないことにしました。電気化学工業様のMSDS(製品安全シート)を添付してございますので参考にしていただけますようお願い致します。
敬具