村上電業株式会社【プラスチックの加工屋です】

ジュラコンの話

ジュラコン板の加工・販売

★ジュラコンとは

 ジュラコンとはポリアセタールコポリマー(polyacetal,polyoxymethylene)(記号はPOM)で作成された樹脂(プラスチック)である。(よく似たもの、類似したもの)競合商品としてユピタールがある。デルリン(Delrin)はポリアセタールホモポリマーで作成された樹脂である。デルリンとジュラコンの違いはこちらを参照してください。

★ジュラコンの潤滑性

 自己潤滑性があり、軸受けなどに使用されているので、エンジニアプラスチックに分類されています。機械部品などには、欠かせない素材です。ジュラコンに固体にした状態の鉱物油を混入させたグレードもあります。更なる潤滑性が向上が図られています。

★ジュラコンの摩擦

 摩擦係数が低い部類に属します。繊維機械など油を嫌う部品に採用されています。

★ジュラコンの色

 ジュラコンPOMは高い結晶性のプラスチックに起因して原色が乳白色です。顔料にて、着色を行います。
ジュラコン材料に顔料を入れますと、着色ができます。黒色の丸棒や板材はこうした顔料にて、着色をさせたものです。ジュラコンの原色は白く見えますが、着色をしたものではありません。

★ジュラコンの燃えやすさ

 酸素指数が15であり、燃えやすいプラスチックであり、難燃性のグレードはないとされています。分子構造に酸素原子が多く含まれているため酸素指数は15であり、最も燃えやすいポリマーのひとつである。

★ジュラコンとデルリン

 POMホモポリマーは175度の融点を持つ、コポリマーは162度の融点を持つ物質である。

★ジュラコンのバネ性

 ジュラコンはバネ性にとんだ材料である。これを利用して、ボールペンをポケットにかけるバネに使われています。

★ジュラコンの割れ方

 ジュラコンに傷(ナイフなどでつける)をつけますと、その部分から、パキット折れます。(ノッチをつけると割れるとも言います。)

★ジュラコンの加工品

 ジュラコンはハイスなどの鋼材で容易に切削ができ、鋼材を磨耗させることがありません。ハイス鋼でできたドリルで何万個の穴をあけようとドリルは磨耗しません。従って、量産の加工品にはとても向いた材料といえます。

★ジュラコンの収縮

 ジュラコンは収縮率の高い材料です。成型をするときには、金型の構造や製品設計に、配慮する必要があります。

★ジュラコンの寸法安定性

 ジュラコンはプラスチックの中でも線膨張係数が大きい部類に属します。その値は線膨張係数 12×10?5/℃です。鉄の1.17x10-5/℃に比べておよそ(10倍)の値です。従って、寸法が変化しても、使用可能なように設計をする必要があります。