05−2 内部統制マニュアル
内部統制マニュアル−−
日本版SOX法への対応
内部統制とは,企業の存続と継続的な発展を遂げ,健全な企業経営をしていくための仕組み・手法です。 各業務が違法行為や不正,ミスやエラーなどが行われることなく,健全かつ効率的に運営されるよう各部門で所定の基準や手続きを定め,それに基づいて管理・監視・保証を行うための一連の仕組みを内部統制システムです。
この内部統制システムの構築に,業務マニュアルとともに,当該業務における内部統制を記述した文書である「内部統制マニュアル」の整備・充実は欠かせません。
なお,内部統制システムのマニュアルの基本構成としては,次の3点があげられます。
1 機能情報関連図:業務間のデータや情報(指示・命令・要請・承認・依頼)のやりとりを図解化。
2 業務記述書(事務フローチャートを含む):業務別に,「使命と目的」,「達成基準」,「処理手順・方法」 ,「その他・特記事項」を記載。
3 職務分掌・業務別責任権限一覧表(リスク対応マトリックス):業務別に責任・権限を一覧する
2006年6月,日本版SOX法(J-SOX)−金融商品取引法の「内部統制報告制度」−が成立しました。この法律の対象は,日本の上場企業のすべてとされ,「企業経営者に対して,財務報告の不正(虚偽や誤り)を排除する取り組みと,その報告を義務付けています。
なお,上場企業ならずとも上場企業の連結子会社や重要取引先であれば,日本版SOX法(J-SOX)−金融商品取引法の影響を少なからず受けることになります。 財務報告の不正というリスクは,現場任せでは排除できるものではありません。全社的な経営の視点で取り組んでこそ実現可能です。連結決算対象の関連企業も含め,全社レベルで業務に含まれる財務リスクを洗い出し,その対応策を考えるという取り組みは,大きな意義を持ちます。
参考ブログ:事例 自動車契機メーカー 日本精機の内部統制
米国SOX法の文書化
「財務諸表のすべての重要な科目」と「開示に適合するすべての監査ポイント」に対する内部統制の整備状況 |
リスクコントロールマトリックス |
重要な取引の発生、承認、記録、処理(手続き)および報告に関する情報 |
業務記述書 |
メンバーによるミスや不正が発生する可能性のあるポイントを識別するための取引、業務フローに関する情報 |
業務フローチャート |
内部統制の実務担当者および関連する職務の分離を含めた不正の防止、早期発見するために整備された内部統制 |
リスクコントロールマトリックス&業務フローチャート |
期末財務報告プロセスに関連する内部統制 |
業務フローチャート |
資産保全に関する内部統制 |
業務フローチャート |
経営者による検証と評価の結果 |
評価報告書 |
出典:『日本版SOX法と内部統制』川上暁生著 日本能率協会マネジメントセンター |
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内部統制の意味や役割から,各業務プロセスの内部統制システム,内部統制に有効な内部監査,日本版SOX法のあらましまで,図表やイラストを交えて解説。経営者から担当者,従業員までの入門書。
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内部統制で,あなたの取引,受注,請求,入金,支払いはどうなる?
実施基準をふまえて,仕事の変化を具体的に解説している。 |
「財務報告に係る内部統制の評価及び監査に関する実施基準」で,示される具体的数値基準く準拠した実務指針を解説。
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企業のBCP・防災・危機管理マニュアルのつくり方,事例に学ぶ「安全の死角」,マニュアル成功事例,事前対策およびリスク事象別応急対応Q&Aなど。 |
◆◆−原稿後送−−
全社的な取り組み
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◎略歴−小林 隆一
1943年生まれ。産業能率大学講師,鹿児島国際大学教授を経て,現在経営コンサルタント。『マニュアル作成の実務』評言社刊,『マニュアルのつくり方・生かし方』PHP研究所,『「身の丈」を強みとする経営』日本経済新聞出版社刊,他著作多数。
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