『検証・大須事件の全貌』出版に当たって
日本共産党史の偽造、検察の謀略、裁判の経過
御茶の水書房 (宮地作成)
〔目次〕
〔関連ファイル〕 健一MENUに戻る
『逆説の戦後日本共産党史』ファイル多数1〜10
1、朝鮮戦争と武装闘争路線 2、白鳥事件 3、メーデー事件 4、吹田・枚方事件
5、大須事件 6、山村工作隊 7、50年問題 8、49年問題
9、スターリン批判・ハンガリー事件 10、他テーマ・逆説の戦後日本共産党史
中里喜昭 KM生 清水良典 清水信 脇田憲一 由井格
(謎とき・大須事件と裁判の表裏、1952年7月7日)
第1部『共産党による火炎ビン武装デモの計画と準備』 『第1部・資料編』
第2部『警察・検察による騒乱罪でっち上げの計画と準備』 『第2部・資料編』
第3部『大須・岩井通りにおける騒擾状況の認否』 『第3部・資料編』
第4部『騒擾罪成立の原因(1)=法廷内闘争の評価』 『第4部・資料編』
第5部『騒擾罪成立の原因(2)=法廷内外体制の欠陥』 『第5部・資料編』
被告人永田末男『大須事件にたいする最終意見陳述八・九』宮本顕治批判
元被告酒井博『講演 大須事件をいまに語り継ぐ集い』
元被告酒井博『証言 名古屋大須事件』歴史の墓場から蘇る
2009年5月15日発売で、『検証・大須事件の全貌』(217頁)を、御茶の水書房から出版しました。著書の内容については、下記で3つのみ抜粋・転載をすることで紹介します。出版に当たって、多くの方の支援や助言、丁寧な校閲をしていただきました。水田洋学士院会員からの推薦文も、カバーの帯に載せました。私は、名古屋大学経済学部において、1958年から2年間、水田洋教授の社会思想史ゼミに所属していました。
私のHPは、『謎解き・大須事件と裁判の表裏・第1〜5部』、その『資料編・第1〜5部』を公表しています。今回の出版に際し、基本的な構成は、HPと同じですが、細部にわたり、かなりの加筆・訂正をし、また、大幅な削除もしました。『資料編』は、膨大になり過ぎるので、すべてカットしました。
表紙カバー・帯の装丁は、グラフィックデザイナーの宮地徹・長男が作成しました。
1952年7月7日、七夕の夜10時すぎ、日本共産党の火炎ビン武装デモ
宮地徹HP『Grafic World』
2、著書の内容紹介−3つのみ抜粋・転載
〔小目次〕
1、はじめに−大須事件とは? 2、著書目次 第一部〜第五部 3、著者略歴
1、はじめに−大須事件とは?
今日、大須事件の真相・実態について、知っている人はほとんどいないと思われる。連想をしても、メーデー事件、吹田事件と並ぶ三大騒擾事件の一つとしての歴史的出来事の記憶である。半世紀以上も前に起きた日本共産党による武装闘争事件と裁判経過を検証する意義があるのか。
大須事件は、一九五二年七月七日、名古屋市中区大須・岩井通りで発生した。それは、日本共産党の火炎ビン武装デモ行進中の約一五〇〇人と、それにたいし、武装警官隊約八九〇人が三方から襲撃した事件である。メーデー事件、吹田事件が無罪だったのにたいし、大須事件のみに騒擾罪が成立した。
大須事件と裁判の全貌は、さまざまな今日的な問題を含んでいる。
第一、一九五二年度の日本共産党の武装闘争と北朝鮮・ソ連・中国側が仕掛けた朝鮮戦争との関係がある。私は、武装闘争とは、ソ中朝三党が、朝鮮戦争の後方兵站補給基地日本における武力撹乱戦争を起こせと、日本共産党中央軍事委員会に命令し、それに隷従した結果としての諸事件と位置づけている。これを立証することは、一九五〇年代日本史の書き換え問題にも通じる意義を持つ。
第二、それに対応した警察・検察の日本共産党名古屋市委員会・軍事委員会にたいする騒擾罪でっち上げの謀略というテーマがある。他二事件との大きな違いは、名古屋市軍事委員会による火炎ビン武装デモの計画と準備内容・経過が、警察・検察に事前に掴まれてしまったことだった。それをキャッチした警察・検察が、他二事件と比べ、第三の騒擾事件でっち上げの周到な計画と事前準備をした。それは、裁判経過でも貫かれた。検察の謀略事実を発掘・公表することは、今日的問題でもある。
第三、さらには、大須事件裁判の経緯や、被告・弁護団の裏側で、宮本顕治の日本共産党が、名古屋市委員長ら被告二人除名を含め、誤った公判路線・方針を押し付けた事実がある。彼は、それらの誤りとの関係で、日本共産党史の根本的な偽造歪曲までも犯した。これは、宮本顕治が、被告百五十人を切り捨て、見殺しにした敵前逃亡だったと規定できる。党史の偽造歪曲は重大な党内犯罪である。党史の真実を解明することは、いつになっても重要である。
ところが、大須事件に関する研究文献・評論は今まで出版されていない。日本共産党側を中心とした被告・弁護団のパンフ、写真集、文集や、共産党側ルポルタージュ書籍『被告』はある。また、除名された被告人酒井博のパンフ一冊があるだけである。
それらの記録・資料多数を含め、共産党側=被告・弁護団側、警察・検察側、除名された名古屋市委員長他一人の証言、名古屋地裁・高裁・最高裁の判決文、ソ中両党側から総合的に検証する必要があると考えた。
一九五二年、日本共産党は、白鳥事件を合わせ、四大武装闘争事件を実行した。本書では、四事件の比較を、警察・検察側と共産党側のデータやエピソードを含め、様々な視点から検証する。
私は、同人誌『象』(水田洋責任編集)同人である。その第五五号・二〇〇六年夏から六二号・二〇〇八年秋まで、上記題名の評論を八回連載で載せた。なお、『象』同人の三人に、出版にあたり、説明不足箇所や立証根拠の挿入、不適切な語彙・規定に関する訂正などしていただいた。ここで改めてお礼申し上げる。
2、著書目次 第一部〜第五部
第一部 共産党による火炎ビン武装デモの計画と準備
一、大須事件・裁判において解明すべき特殊性と謎
二、被告・弁護団側と検察側による大須事件の概要
三、被告一五〇人の分類と検事調書データ
四、火炎ビン武装デモの計画と準備
五、火炎ビン製造目標と製造講習会、製造本数
六、私の名古屋市民青専従・共産党専従体験一五年間による検証
七、『検察研究特別資料』の信憑性検証の結論
第二部 警察・検察による騒擾罪でっち上げの計画と準備
はじめに−大須事件と騒擾罪裁判発生前の内外情勢
一、共産党にたいする警察・検察のでっち上げ謀略事件例
二、大須事件の二面的性質とそれぞれの位置づけ
三、大須事件における警察・検察の騒乱罪でっち上げの計画と準備
第三部 大須・岩井通りにおける騒擾状況の認否
はじめに
一、大須事件当日における二勢力の指揮・連絡体制
二、中署・アメリカ村火炎ビン攻撃作戦の中止→東進へのデモコース変更
三、警察・検察による謀略作戦の無変更堅持
四、平和デモ東進の二五〇m・五分間の状況
五、デモ隊二五〇m地点到達からの一分間の状況
六、崩壊デモ隊員による投石・罵声などの散発的抵抗
七、大須・岩井通りにおける騒擾状況の認否
第四部 騒擾罪成立の原因(一)=法廷内闘争の評価
一、刑事事件裁判史上最長の二六年間公判
二、公判における検察側と共産党側との力点の違い
三、事実認定問題をめぐる六大争点と双方の攻防
四、騒擾罪成立の原因(一)=法廷内闘争の評価
第五部 騒擾罪成立の原因(二)=法廷内外体制の欠陥
宮本顕治によるソ中両党命令隷従と党史偽造
はじめに―第五部の目的と性格
一、一九五五年六全協の表裏=ソ中両党命令への隷従と大須事件公判との関係
二、一九六四年の三問題と大須事件公判支援体制の破壊
三、一九六五年六月八日、永田末男・酒井博除名
四、宮本顕治による一九六七年からの党史偽造と敵前逃亡
五、前衛党最高権力者=最終政策決定権唯一者の人間性
六、一九六六年以降の大須事件公判への直接干渉と党史からの抹殺
3、著者略歴 宮地健一
一九三七年名古屋市生まれ。一九五九年名古屋大学経済学部卒業。三年間民間会社で勤務。職場の共産党細胞長→民青地区委員長・専従→名古屋の共産党専従(現在では五つの地区委員長)→愛知県選対部員。民青・共産党専従経歴一五年間。
共産党専従時期に、愛知県常任委員会・党中央の極端で一面的な赤旗拡大の誤りを正規の会議で批判したことにより、それへの報復として、専従解任をされた。そのような党内犯罪に怒って、党内で報復批判の闘争を一年八カ月間続け、一九七七年第一四回大会に、警告処分・報復的専従解任を撤回せよとの党大会上訴。それは無審査・無採決・三〇秒で却下された。
そこで、一九七七年、名古屋地裁に専従解任不当の民事裁判を提訴した。憲法の裁判請求権を行使したことを唯一の直接理由として除名。
(日本共産党との裁判 第1部〜第8部)
第1部『私の21日間の“監禁”「査問」体験』「5月問題」〜第8部
『私が受けた「監禁査問」21日間の壮絶』24時間私語厳禁、トイレも通院も監視つき
以後、二一年間、学習塾をしていたが、東欧革命・ソ連崩壊の刺激を受け、一九九七年・六〇歳から、夫婦サイトを立ち上げた。妻・幸子が『注文メニューの多い料理店』、健一は『共産党問題・社会主義問題を考える』タイトルにした。
宮地幸子HP『注文メニューの多い料理店』電子出版エッセイ集
宮地健一HP『共産党問題・社会主義問題を考える』
住所 〒482−0006 愛知県岩倉市稲荷町羽根一二−一七
メール mel-ken@mxw.mesh.ne.jp
HP検索→漢字で「宮地健一」
推薦します――水田洋
公権力と党利党略、それに個人個人の良心
せめぎあった中に真実を掘り起こそうとした著者は
ぼくのゼミ出身で、もと共産党員
wikipedia『水田洋』
4、購読のお願いと注文方法、宣伝方法への協力お願い
拙著の購読をしていただくよう、心からお願い致します。定価は、2940円(本体2800円+税)です。注文は、『amazon』か、または、直接『御茶の水書房』のどちらでも結構です。ただ、『amazon』に注文すれば、1500円以上ですので、送料が無料になります。一般書店にも注文できますが、この著書が置かれるかどうかは、まだ分かりません。
『amazon』→サインイン→注文
HP『御茶の水書房』
本の宣伝方法について、友人から次の提案がありました。各自治体・大学図書館に、この著書取り寄せ・貸し出しのリクエストをする。図書館が購入し、そこに置かれれば、かなりの人の目に触れる、というのです。友人は、京都・関東の知人たちに、その依頼を始めたとの連絡がありました。もし、ご協力をしていただけるなら、この方法でのリクエストをしていただければ幸いです。よろしくお願いします。
以上 健一MENUに戻る
〔関連ファイル〕
『逆説の戦後日本共産党史』ファイル多数1〜10
1、朝鮮戦争と武装闘争路線 2、白鳥事件 3、メーデー事件 4、吹田・枚方事件
5、大須事件 6、山村工作隊 7、50年問題 8、49年問題
9、スターリン批判・ハンガリー事件 10、他テーマ・逆説の戦後日本共産党史
中里喜昭 KM生 清水良典 清水信 脇田憲一 由井格
(謎とき・大須事件と裁判の表裏、1952年7月7日)
第1部『共産党による火炎ビン武装デモの計画と準備』 『第1部・資料編』
第2部『警察・検察による騒乱罪でっち上げの計画と準備』 『第2部・資料編』
第3部『大須・岩井通りにおける騒擾状況の認否』 『第3部・資料編』
第4部『騒擾罪成立の原因(1)=法廷内闘争の評価』 『第4部・資料編』
第5部『騒擾罪成立の原因(2)=法廷内外体制の欠陥』 『第5部・資料編』
被告人永田末男『大須事件にたいする最終意見陳述八・九』宮本顕治批判
元被告酒井博『講演 大須事件をいまに語り継ぐ集い』
元被告酒井博『証言 名古屋大須事件』歴史の墓場から蘇る