【東京都渋谷区の会計事務所】中川 尚税理士事務所 税理士 中川 尚 (東京税理士会 渋谷支部所属) |
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租 税 判 例 研 究 1請負金額の一部が法人税法の寄付金の額に含まれる金額があるとしても、当事者間で取り 決めた実際の取引額であれば、消費税法上は課税資産の譲渡等の対価の額に含まれるとし た事例(棄却)平成22年9月21裁決 国税不服審判所 本件は、請求人が、関係法人から受注した賃貸用マンションの新築工事について、 その請負金額の全額を資産の譲渡等に該当するとして消費税等の確定申告をしたところ、 その後関係法人の税務調査があり、当該請負工事代金のうち通常の取引価額を超える部分の金額が、 法人税法上、請求人に対する寄付金に該当することとされたので、請求人が、 当該寄付金に相当する金額は請求人において資産の譲渡等の対価の額には該当しないことになるとして、 消費税等の更正の請求をしたところ、原処分庁が更正をすべき理由がない旨の通知処分を行ったことから、 その全部の取消しを求めた事案になります。 請求人は、本件寄付金に相当する金額は、消費税法上、本件請負契約に係る資産の譲渡 等の対価に該当せず、消費税の課税対象外となる、原処分庁は本件請負契約に係る請負代 金の一部が、法人税法上、E社から請求人に対する寄付金に該当するものであっても、消費 税法上は、当該請負代金の税額が消費税の課税対象となる、と主張しています。 ここで、消費税の課税対象となる取引の判定は、その取引が、国内において事業者が事 業として対価を得て行う資産の譲渡・貸付及び役務の提供か否かによってなされることと なります。資産の譲渡・貸付及び役務の提供が対価を得て行われているものであるか否か によればよく、その対価の額が通常の取引価額(時価)であることまでを要件とするもの ではないということです。 次に、消費税の課税標準である課税資産の譲渡等の対価の額は「対価として収受し、又 は収受すべき額」とされていますが、この場合の「収受すべき」とは、その課税資産の譲 渡等を行った場合の当該課税資産の譲渡等の価額(時価)をいうのではなく、その譲渡等 に係る当事者間で授受することとした対価の額とされています。 よって、本件取引の消費税の課税対象となる資産の譲渡等に係る対価については、請求 人とE社との間で有効に成立した本件請負契約に基づき、請求人が本件建物を完成させ引 渡をし、それに対してE社が対価を支払ったものであることから、本件建物の完成・引渡 しとそれに係る代金の支払との間には対価関係があると認めるのが相当となります。そう すると本件取引は課税資産の譲渡等に該当し、また、契約当事者である請求人とE社は、 もともと本件請負契約の全額を課税資産の譲渡等の対価としています。 すなわち、本件取引に係る対価の額のうち、本件寄付金に相当する金額は、法人税法上 は寄付金の額に含まれるとしても、消費税上は課税資産の譲渡等の対価の額に含まれると 認められることから、消費税の課税対象になるということになります。 |
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