【東京都渋谷区の会計事務所】中川 尚税理士事務所 税理士 中川 尚 (東京税理士会 渋谷支部所属) |
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租 税 判 例 研 究 17「区分所有者たる請求人の建物管理組合に対する管理費の支払は、当該管理組合の構成員たる地位に基づいて負担するものであるから、資産の譲渡等の対価には該当しないとした事例」 −国税不服審判所 平成24年11月29日裁決− 1.事案の概要 本件は、複合商業施設である建物の管理、運営及び賃貸借事業を営む審査請求人が、当該建物の区分所有者として支払った当該建物に係る共同管理費が、課税仕入れに該当するか否かが争点である。 2.経緯 請求人は、複合商業施設である区分所有建物(以下「本件建物」という。)の管理、運営及び賃貸借事業を営む法人であり、専有部分の一部を区分所有する。 請求人は、区分所有する専有部分の一部及び他の区分所有者からその専有部分を賃借した部分とを併せて本件建物に出店する者(以下「本件テナント」という。)に賃貸している。 なお、上記賃貸借契約に係る対価には、共同管理費相当額が含まれている。 請求人は、確定申告及び修正申告において本件テナントから収受した共同管理費相当額を課税標準額に算入しておらず、また、請求人が本件テナントに賃貸せずに、請求人の事務所等として使用していた部分について支払った共同管理費の額に係る消費税等相当額を、課税仕入れに係る消費税額に算入していた。 請求人は、管理組合の全体集会の承認により、本件建物の共用部分の一部について専用使用権を与えられ、請求人の事務所等として使用しており、共同管理費の対象とされていた。 3.判断 消費税は、事業者が事業として対価を得て行う資産の譲渡、資産の貸付及び役務の提供を課税の対象としている以上、組合等がその構成員から受け取った組合費等に消費税が課されるか否かは、組合等がその構成員に対して行う役務の提供と組合費等との間に明白な対価関係があるかどうかにより定まるところ、本件管理組合が行う管理業務は、本件管理組合の構成員である本件区分所有者の共同の利益のために行う業務であるといえ、区分所有者たる請求人の本件管理組合に対する本件各管理費の支払は、本件管理業務に要する費用を、本件管理組合の構成員(組合員)たる地位に基づき負担するにすぎないものであると認められる。そうすると、本件管理組合が本件管理業務を行う上において、区分所有者たる請求人は、何らかの資産の譲渡等の反対給付として対価を支払っているものではないから、本件管理組合にとって本件各管理費の収受は、資産の譲渡等に伴う対価には該当せず、消費税法上はいわゆる不課税取引となり、本件各管理費を負担した側の区分所有者たる請求人がこれを課税仕入れにすることもできない。 |
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