【東京都渋谷区の会計事務所】中川 尚税理士事務所 税理士 中川 尚 (東京税理士会 渋谷支部所属) |
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租 税 判 例 研 究 18弁護士が事務所の立退きの際に受領した金員は事業所得 2013.01.25 東京地裁判決 事案の概要 この事件は、弁護士が事務所として賃借していた建物部分の明渡しに伴い、賃貸人から立退料名目の金員を取得したのが発端。そこで弁護士側は一時所得として確定申告をしたところ、原処分庁が事業所得に該当すると認定して更正処分の上、過少申告加算税の賦課決定処分をしてきたため、その取消しを求めて提訴されたという事案である。 原告の主張 弁護士の事業所得となる報酬は法律相談や鑑定料、着手金、手数料、顧問料、日当等であるが、立退料はこのいずれにも該当せず、そもそも弁護士の職務とは関係のない収入であるから、事業所得と評価することは到底できないと主張。 判決 弁護士が受領した立退料は利子・配当・不動産・給与・退職・山林・譲渡所得のいずれにも該当しないのは明らかと指摘した上で、事業所得・一時所得のいずれに区分されるかを検討する際は事業所得該当性を判断する必要があるとも指摘。加えて、事業に係る行為等はその事業の本体を成すもののほか多様な業務を含むことから、その事業に係る事務所等の維持や管理の業務は事業所得を生ずべき業務に含まれ、それについて生じた費用は事業所得に係る必要経費に該当すると解釈した。 結局、弁護士が受領した立退料名目の金員は事務所移転に関する明渡合意に基づくものであり、事務所の維持及び管理の業務は事業所得を生ずべき業務に含まれると解するのが相当であり、旧事務所から新事務所への移転によって増加する事業所得に係る必要経費を補填する趣旨のものとして授受されていることから、事業所得に該当すると判示。 参考 (借家人が受ける立退料) 33−6 借家人が賃貸借の目的とされている家屋の立退きに際し受けるいわゆる立退料のうち、借家権の消滅の対価の額に相当する部分の金額は、令第95条《譲渡所得の収入金額とされる補償金等》に規定する譲渡所得に係る収入金額に該当する。 (注) 上記に該当しない立退料については、34−1の(7)参照 (一時所得の例示) 34−1 次に掲げるようなものに係る所得は、一時所得に該当する。 (1)〜(6) 省略 (7) 借家人が賃貸借の目的とされている家屋の立退きに際し受けるいわゆる立退料(その立退きに伴う業務の休止等により減少することとなる借家人の収入金額又は業務の休止期間中に使用人に支払う給与等借家人の各種所得の金額の計算上必要経費に算入される金額をするための金額及び令第95条《譲渡所得の収入金額とされる補償金等》に規定する譲渡所得に係る収入金額に該当する部分の金額を除く。) (注) 1 収入金額又は必要経費に算入される金額をするための金額は、その業務に係る各種所得の金額の計算上総収入金額に算入される。 2 令第95条に規定する譲渡所得に係る収入金額に該当する立退料については、33−6参照 (8)〜(12) 省略 1 資産の消滅の対価補償としての性格のもの 家屋の明渡しによって消滅する権利の対価の額に相当する金額 → 譲渡所得 2 移転費用の補償金としての性格のもの 立ち退きに当たって必要となる移転費用の補償としての金額 → 一時所得 3 収益補償的な性格のもの 立ち退きに伴って、その家屋で行っていた事業の休業又は廃業による営業上の収益の補償のための金額 → 事業所得 |
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