渋谷区の税理士 中川尚税理士事務所
       
【東京都渋谷区の会計事務所】中川 尚税理士事務所 税理士 中川 尚 (東京税理士会 渋谷支部所属)              



                                                                                                                                                                                                   
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租 税 判 例 研 究 19



僭称相続人との相続回復請求訴訟における相続回復請求権に係る裁判上の和解が国税通則法23条2項1号にいう「和解」に当たらないとされた事例

平成19年11月20日判決/神戸地方裁判所

 

1. 事件の概要

1)  平成12年4月、Dを養親、Eを養子とする養子縁組届出がなされた。

2)  Dは,平成12年9月死亡した。

3)  Eは、Y税務署長に対し、平成13年7月5日、本件相続につき,唯一の相続人として本件相続に係る相続税の申告を相続税を納付した。

4)  Dの弟であるA(原告)等は、Eを相手方として、家庭裁判所に対し、前記養子縁組の無効確認を求める調停の申立てをしたが不成立、地方裁判所に対し、前記養子縁組の無効確認訴訟を提起し原告らの請求を棄却する旨の判決を言い渡したが、控訴審の高等裁判所は、原判決を取消し、養子縁組は無効であることを確認する旨の原告ら勝訴の判決を言い渡した。

 これを不服としてEが上告及び上告受理の申立てをしたが、最高裁判所は、平成151219日、上告を棄却し、申立てを受理しない旨の決定をした。

5)  原告らは、平成16年6月4日、Eを被告として、Eは原告らに対してDの遺産のうち原告らに返還していない財産の価格相当額の返還義務があると主張して、支払を求める訴えを提起した(本件相続回復請求訴訟)。

7)  原告らは、Y税務署長に対し、平成161018日、本件相続につき、Aが取得した遺産の額は1億88783376円(うち53268615円は相続回復請求権)、Bが取得した遺産の額は98584414円(うち53268614円は相続回復請求権)、Cが取得した遺産の額は98584414円(うち53268615円は相続回復請求権)である旨を記載した相続税の申告書を提出し、相続税を納付した。

8)  原告ら及びEは、本件相続回復請求訴訟において、平成161122日、和解に至る経緯として、「従前の審理の過程で被告(注・E)の支払限度額が3100万円であることが判明し、この状況下で当事者双方は受訴裁判所の和解勧告に従って和解するに至った。」旨を確認した上、「被告(注・E)は、原告ら(注・本訴原告ら)に対し、同日、和解金として3100万円を支払い、原告らはこれを受領した。原告らはその余の請求を放棄する。当事者双方は,他に債権債務のないことを確認する。」旨の裁判上の和解をし(本件和解)、原告らは、Eから、同日、和解金3100万円を受領した。

9)  原告らは、Y税務署長に対し、平成161213日、相続税申告書に記載した相続回復請求権1億59805844円が裁判上の和解により3100万円に減額されたことを理由に、国税通則法(通則法)23条2項1号に基づき、相続税の更正の請求(本件更正の請求)をするとともに、これを前提とする還付請求をした。

10)  Y税務署長は、原告ら各自に対し、平成17年3月9日付けで本件更正の請求には理由がない旨の通知処分をした(本件各通知処分)。

11)  原告らは、適法な不服申立手続を経て、本件各通知処分(異議決定及び裁決による一部取消し後のもの)の取消し及び納付した相続税の還付を求めて、本訴を提起した。

 

2. 本件判決の要旨

 (1) 更正の請求が申告の過誤を事後的に修正する制度であること及び通則法23条1項1号、2項1号の文言に照らすと、相続税に関して言えば、同条1項1号の「課税標準等若しくは税額等の計算が国税に関する法律の規定に従っていなかったこと又は当該計算に誤りがあったことにより、当該申告書の提出により納付すべき税額(かっこ内略)が過大であるとき」に当たる同条2項1号の「和解」とは、遺産の範囲又は価額等の申告に係る税額の計算の基礎となった事実を争点とする訴訟等において、当該事実につき申告における税額計算の基礎とは異なる事実を確認し又は異なる事実を前提とした裁判上の和解をいうものと解すべきである。

 そして、前記の事実の異同は、遺産の範囲及びその価額について言えば、相続人の相続税納税義務が成立する遺産取得時期であり、前記税額計算においても取得する遺産の範囲を決定する基準時となり、かつ、その財産の価額評価の基準時でもある相続開始時における遺産の範囲及び価額と、申告書に記載されたそれとが異なることが確認等されたか否かによって判断することになる。

 したがって、例えば、相続開始後に遺産が滅失し又はその価額が減少したことを確認し又はこれを前提とする裁判上の和解がなされても、この和解は同号の「和解」に当たらない。

 



       

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