【東京都渋谷区の会計事務所】中川 尚税理士事務所 税理士 中川 尚 (東京税理士会 渋谷支部所属) |
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租 税 判 例 研 究 5事業を遂行するために必要な準備行為を行った日の属する課税期間が「課税資産の譲渡等に係る事業を開始した日」の属する課税期間に該当するとした事例 −国税不服審判所 平成24年6月21日判決− 1.事案の概要 本件は、歯科医院を営む個人事業者が、診療を開始した日を「課税資産の譲渡等に係る事業を開始した日」であるとして、同日の属する課税期間から消費税の課税事業者となる旨の選択届出書を提出し消費税の還付申告をしたが、原処分庁がその前年の医院の建築設計・監理業務委託契約の締結日が「課税資産の譲渡等に係る事業を開始した日」であるため、請求人は同課税期間は免税事業者であり還付申告をすることができないとして、更正処分を行ったため、請求人がその処分の全部の取消しを求めた事案です。 2.基礎事実 (1) 請求人は平成20年11月24日歯科医院の建物に係る建築設計・監理業務委託契約を締結した。 (2) 平成21年7月医院の建築が完成し、請求人へ引き渡された。 (3) 請求人は平成21年8月31日個人事業の開廃業届出書を原処分庁へ提出した。 (4) 請求人は平成21年12月28日に平成21年を適用開始課税期間とする課税事業者選択届出書を原処分庁へ提出した。 (5) 請求人は平成22年3月12日に消費税の還付申告書を原処分庁へ提出した。 3.争点 本件課税期間は「課税資産の譲渡等に係る事業を開始した日」の属する課税期間であり、請求人は当該課税期間において課税事業者であるか。 4.判断 (1)法令解釈 事業者が新たに事業を開始するには、事前に契約の締結や商品の仕入れ等の準備行為を行うのが通常であり、事業を遂行するために必要な準備行為を行った日の属する課税期間も、消費税法施行令第20条第1号の「課税資産の譲渡等に係る事業を開始した日」の属する課税期間に該当すると解するのが相当である。 (2)あてはめ 「課税資産の譲渡等に係る事業を開始した日」は、個人事業の開廃業届出書に記載された開業日の平成21年8月1日ではなく、建築設計等の契約日平成20年11月24日でもなく、歯科診療器具等の購入開始日である平成20年8月6日であるとするのが相当である。 (3)結論 課税事業者選択届出書の提出日平成21年12月28日の属する本件課税期間は、消費税法施行令第20条第1号の「課税資産の譲渡等に係る事業を開始した日」の属する課税期間に該当しないため、課税事業者選択の効力は原則どおり、本件課税期間の翌課税期間から生じることとなり、請求人は本件課税期間において免税事業者であると認められる。 |
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