【東京都渋谷区の会計事務所】中川 尚税理士事務所 税理士 中川 尚 (東京税理士会 渋谷支部所属) |
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スピーチ集(中小企業経営のヒント)10宅配サービスと飲食業界の将来を考える 昭和時代、ソバ屋や寿司屋、ラーメン屋など、出前を行う飲食店は沢山ありました。現代はほとんど見る機会がありません。必要ないサービスなのでしょうか。飲食業における経営にとって、宅配サービスの可能性を探ります。 ■株式会社 レストランエクスプレス 1.事業内容 「銀のさら」で今ではおなじみとなった、宅配サービス大手のレストランエクスプレス。創業は1992年と、実はかなり新しい企業です。現在では、主力の「銀のさら」の寿司を筆頭に、釜飯、中華料理、カレー、健康志向のお弁当など、宅配サービスを軸とした、さまざまな事業を展開しています。さらに、今回取り上げたい新サービスとして、有名な飲食店の料理を居ながらにして宅配してもらえる、「ファインダイン」という新ブランドです。 2.特徴 なぜ、20年という短い期間で、宅配サービス業界としては後発だったレストランエクスプレスはここまでの成長を遂げることができたのか。その特徴を分析します。 まず第一に、コンセプトとして「銀のさら」では高級寿司を目玉にした点です。それまで、同業他社でも寿司の配達は行われていましたが、安さを売りにしたものが多い中、あえて質を重視した戦略が功を奏しました。 高級なイメージを与えるには、なんといっても店を認知してもらうための、チラシが生命線となります。そのため、チラシのデザインはもちろん、チラシの配布場所や枚数など、計画的に効果が上がるよう研究が要因といえます。 二点目に、急激な出店ラッシュをかけた点です。一般的に、宅配サービス企業にとって最も大事なのは広告宣伝の効果であり、立地条件や店内の内装のコストはあまり重要ではありません。そのため、地代家賃のような固定費や設備投資は比較的に低価格に抑えられるため、新規出店がしやすい特徴があると言われています。 また、出店数が多いという点は、「規模のメリット」を活かすことができます。飲食業ではつきものである、お客の入りが悪い日に、暇な店舗から忙しい店舗へ人を派遣することで、効果的に人件費を抑えることが可能になります。 レストランエクスプレスは、わずか1年半で200店舗も増やしたとも言われ、宅配サービス業では不可欠な「認知度」という宣伝効果と、同時に「人件費削減」も可能にしたことで、「規模のメリット」を存分に発揮した点が特徴といえるでしょう。 寿司に限らず、さまざまなスタイルの食事を新ブランドで立ち上げることで、複合的に需要をつかむこともでき、現段階では理想的に店舗の拡大が進んでいます。 3.新事業「ファインダイン」 現在、その「規模のメリット」と「宅配サービス網」を活かした「ファンダイン」という事業があります。 この事業は、都内の有名飲食店の料理を配達するサービスで、価格の40%を「ファンダイン」側がマージンを得ます。 一見、高いマージンにも思えますが、人気のある飲食店にとっては、満席の状態でも売上を伸ばすことができ、逆に売上の少ない日でも宅配サービスの注文によって売り上げを伸ばすことができ、加入する飲食店も増えていると言われています。 消費者にしても、価格はやや割高ですが、居ながらにして人気店の料理を味わえることから、オフィスやホームパーティを中心に需要は広がっているようです。 4.まとめ 宅配サービスというと、今では大手のピザや寿司などを中心に寡占化が進んでいるように思われますが、レストランエクスプレスに限っていえば、20年前の90年代前半の時点では個人店からスタートした小さい規模でした。 今では個人で出前を受注するお店はあまり見かけなくなりましたが、宅配サービスといった店外でのサービスを改めて見直してみてはどうでしょうか。宅配は無理でも、テイクアウトに力を入れてみたり、店内での売上だけにこだわらない経営も、飲食店にとっては重要な思考といえるはずです。 |
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