背中が曲がってしまった女性シニア向けの洋服を提供

 

　先月、日本の人口減少や益々の高齢化の進展について、記者会見で発表がされたことは記憶に新しいところです。以前から高齢者（シニア）向けの市場を開拓しようと、様々な企業が知恵を絞っていますが、企業目線ではなかなか着眼しないところにスポットを当て、株式会社マダムトモコは成功を収めています。それは骨粗鬆症などのため背中が曲がってしまった女性シニア向けの洋服を提供したことです。

　ことの発端は、夫に頼まれ腰の曲がったお姑さんのスーツを試行錯誤の上作り上げ、スーツを作り上げた母親の知恵と祖母の喜ぶ姿を見た専業主婦の娘（現社長）が起業します。日常の中で高齢者と接する機会の多い主婦の方が、高齢者の真に欲するものに気付き易いのかもしれません。現デザイナーである母親のパターンで特許を取っていたため、後から大手企業が特許に触れない範囲内で類似商品を開発し、市場に参入してきているそうですが、固定客（ファン）を大切にし、女性の心をくすぐる商品開発を続けていけば大手に凌駕されないですむのではないでしょうか。生地など上質なものにこだわっている点がポイントだと思いました。

　それにしても女性はいくつになっても女性なんですね。株式会社マダムトモコの服に袖を通してから、しばらく見せなかった笑顔が増えたり、喜んで外出したりするようになるそうです。このように心も行動も変える素晴らしい商品を、今後増える一方の高齢者に提供し続けていただきたいと思います。