「マーケットイン」と「プロダクトアウト」

 

商品開発や生産活動等の経営に関する言葉で「マーケットイン」と「プロダクトアウト」という言葉を耳にしたことがあると思う。

「マーケットイン」は、まず顧客（市場）のニーズを捉えて、それを商品やサービスにして、市場に出すという考え方なのに対し、「プロダクトアウト」は、作り手の理論を優先し、自分たちが良いと思うものを作って、それを必要としている顧客（市場）を探すという考え方だ。

たとえば「マーケットイン」とは繊維メーカーが抗菌や消臭効果の高い靴下があればいいのにという市場のニーズに答え、靴下の繊維素材に抗菌・消臭効果のある銅を混ぜて作るようなケースで、一方「プロダクトアウト」とは銅の高い抗菌・消臭効果に着目し、これを活用した商品が作れないものかと研究開発し、銅を使用した肌着を作ったとして、価格が高いため一般消費者向けには販売できず、販売先を模索したところ宇宙で使用するための肌着としてＮＡＳＡに販売するようなケースだ。

宇宙では水が貴重で洗濯も難しいし、そうそう着替えも難しい、抗菌・消臭効果が高ければ何日も着替えずにすむというわけだ。

まったく逆のアプローチのようにも見えるが、結局のところ、いずれの場合も自社の強みをいかに顧客（市場）のニーズにマッチングさせるかということになる。