【東京都渋谷区の会計事務所】中川 尚税理士事務所 税理士 中川 尚 (東京税理士会 渋谷支部所属) |
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スピーチ集(中小企業経営のヒント)3時間を売るサービス業、納期サービスの商品化 冬物のスーツを買いに出かけた時、思ったようなスーツに巡り合ったのはよかったがパンツのサイズが売り切れていた。スタッフが「他店からのお取り寄せができますよ」とのことでお願いすることにした。こういうときは、通常、「3〜4日以内に」とか「一週間みてください、届いたらご連絡しますので」とかそれくらいの時間がかかるが、そのお店の対応は「明後日届きますので、届いたらすぐ丈詰めをしておきますね」だった。特段急いではいなかったものの、そのスピード感、明確な対応にお店への評価が高まった。 このようなとき、他のお店より早いといってもそれは無料のサービスであり別途料金が発生することはない。通常、商品を仕入れるときも、短納期であったとしてもそれは無料のサービスと考えられる。しかし、その時間価値に着目し超短納期というサービスを有料化してリピート客を増やしている企業がある。 潟Nロスエフェクトというプラスチック製品の試作・製造会社で、光造形という技術を駆使しエンジンの模型や臓器シュミレーターなどを製造し、世界最速の開発支援企業を目指している会社だ。2001年8月に設立、資本金1,000万円、年商2億3,000万円規模の会社である。 Web上では「どこよりも早くイメージをかたちに」とあり、医療メーカー・家電メーカー・自動車部品メーカー・大学・研究機関などに対し、他社に比べて圧倒的に納期が短いサービスを用意することで年間70社程度取引先を増やしているという。 2008年から納期というサービスを商品化し「世界最速サービス」を開始、150×150×75o程度までの製品であれば、「受注後24時間以内に試作品を作成、万が一発送できない場合は代金を頂きません」というものをWeb上で公開したところ、話題となり多くの受注に結び付いた。見積もりも24時間以内というが、この会社の特徴は、納期が早いことを無料のサービスとしているのではなく「高いが早い」「遅いが安い」というように、納期の緊急度や予算に応じ多様化されていることである。これは短納期サービスの有料化に抵抗を感じる顧客の説得にもなっているという。また、価格競争から距離を置ける、短納期のニーズにより利益率を高められる、納期の異なる製品を幅広く受注することにより生産設備の空き時間に詰め込み稼働率も高められる、などのメリットがある。 そして、「試作品」ではなく「時間」を売るサービス業である、「時短」という価値をお客様から買って頂くという意識のもと、素早い経営判断のため、スマートフォンを使用した徹底した案件ごとの時間管理やリアルタイム原価管理システムを構築し改善を重ねてきたという。 価格競争下の製造業のサービス化が進んでいるといわれているが、顧客は価値のわからないものに対してお金は払わない、付加価値はその価値を感じとれるものでないといけないが、その取引先の考え方や状況によって短納期であることの時間価値がとても高い場合がある。「時間はお金」といわれたりもするが、時短の意識が高い取引先に対する短納期サービスの有料化や、有料化とまではいかなくとも時間価値を考慮したサービスも付加価値として高いものではないか。 |
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