「事業承継とは」

 

　事業承継とは文字通り、事業を引き継いでもらうこと、経営のバトンタッチをすることです。企業には有形、無形の財産があり、経営に関与する人たちの意思、思惑、親族との関係、従業員の雇用などいろいろな問題が潜んでいます。事業を継続させていくことを考えているならば、何も手を打たない、準備していないという状況は非常に危険です。まだ健康だから大丈夫とか、その時がきたらやろうという考えはやめましょう。事業承継の問題は、周りの人間はどうするのだろうとは思っても、社長以外の者から社長に対して言い出しにくいというか、言い出せない話題であり、社長自らが動き出さないと何も始まりません。多くの中小企業の事業承継には相続の問題も絡んできますが、相続同様ことが起きてからでは打つ手が限られており、事前に準備・対策を施しておけば有効な手立てを講じることができ、お家騒動を未然に防ぐことも可能です。

 

　事業承継をすることにより、多くの人に影響を与えます。人が絡んでいる以上体制を整えるには時間がかかり、また後継者を育成するには時間を要します。準備をするのに早いに越したことはありません。

　まずスタートは頭の中、気持ちを整理し、今後自分はどのような生活を送りたいのか、どの財産を誰に相続させたいのか、財産の分配をどのようにするのか等、全てが思ったとおりになるとは限りませんが基本方針を考えます。

　そして、資産の棚卸を行い、資産の使用状況を確認し、資産の相続税評価額や時価を把握します。相続税評価額がわかれば現時点での相続税額が計算できますので、相続対策や納税資金の確保などの準備をすることができます。