【東京都渋谷区の会計事務所】中川 尚税理士事務所 税理士 中川 尚 (東京税理士会 渋谷支部所属) |
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会計参与の活用 6「税法基準」の問題点 従来の決算書の基準と、会計参与制度で適当とされる決算書の基準のちがいは、税法基準なのか「中小指針」の基準であることをみてきました。では、もう少し掘り下げて、税法基準の問題点を探っていきます。 ■なぜ税法基準ではいけないのか どうして従来の決算書の基準を変えようとするのでしょうか。 従来の決算書の基準となっている税法基準とは、主に法人税法の規定に則した決算書を作成する基準のことを指します。 法人税法では、会計上の「費用と収益」と区別して、税法上の「損金と益金」という言葉を用いて、「費用と収益」に調整をかけます。これは、会計上では各企業ごとに経理のしくみが違っていても、公平に課税できるようにするために区別しています。たとえば、「費用」のうち「損金」にできるものに限度を設けたりして、どの企業が思い思いの経理を行っていても、課税される時点では公平に税金がかかるようにしているのです。 したがって本来、税法の規定は企業会計の利益を基準にして、調整が行われるのが理想です。確定した決算について調整を行うのが筋です。これを「確定決算主義」といいます。しかし現実では、税法の規定を前提にして決算が組まれるため、必ずしも「確定決算主義」に基づいているとはいえません。 ■「逆基準性」とは どうして「確定決算主義」が行われないのでしょうか。 考えてみれば当然ですが、経費として計上しても税法で否認されるのがわかっていたら、経費として計上するのが正しくても、税法基準を意識してしまいます。そのため、あらかじめ税法の調整を前提にして決算書は作成されていて、順番が逆になってしまいます。つまり、法人税法の規定に、会計の基準の方が逆に縛られてしまっているのです。この状態を「逆基準性」といいます。税法基準の方が、会計の基準になってしまっている状態のことを指します。 会計基準と税務基準が乖離していることが「逆基準性」の原因となっていますが、この動きを解消するための指針として「中小指針」が導入されたのです。 次回は、「逆基準性」の抱えるジレンマと、税法の規定に縛られないための「中小指針」のしくみについてみていきます。 |
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