【東京都渋谷区の会計事務所】中川 尚税理士事務所 税理士 中川 尚 (東京税理士会 渋谷支部所属) |
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会計参与の活用 8「中小指針」での「棚卸資産」の評価方法 今回からは、科目ごとに「税務基準」と「中小指針」の評価方法や規定など具体的にみていきます。 まずは「棚卸資産」に関する評価についてです。 「棚卸資産」は、自社が販売目的で保有する商品、製品、半製品、仕掛品、原材料などをいい、法人税法上の法定評価方法が最終仕入原価法となっているため、中小企業で広くこの方法で経理処理されているのが一般的ですが、「中小指針」では最終仕入原価法での評価については条件付きです。また、評価損の取り扱いも「税務基準」とは異なりますので、評価が変わってくる場合があります。 ■「棚卸資産」の評価方法のちがい ○中小指針 : 個別法、先入先出法、後入先出法、総平均法、移動平均法、売価還元法等、一般に認められる方法によること、とされています。 ただし、期末の実地棚卸での時価変動分が大きければ未実現の損益を計上することになってしまうため、「期間損益の計算上著しい弊害がない場合」に限っては、最終仕入原価法で評価しても良いことを認めています。 ○税務基準 : 最終仕入原価法(法人税法上の法定評価方法)(法人税法施行令第29条第1項) なお、棚卸資産の評価方法の届出を出していれば他の原価法を選定することはできますが、届出を出さなかった場合や、届け出た方法で評価しなかった場合、最終仕入原価法で評価したものとみなされます(法人税法施行令第31条第1項)。 ■「棚卸資産」評価損の計上のちがい ○中小指針 : 「原価法を採用した場合において、棚卸資産の時価が取得価額より著しく低いと きは、将来回復の見込みがある場合を除き、時価で評価しなければならない。」としています。 また、以下の要件をいずれか満たした場合も、「評価損を計上しなければならない」としています。 @ → 災害により棚卸資産が著しく損傷した場合 A → 著しく陳腐化した場合 B → @・Aに準ずる特別の事実が生じた場合 ○税務基準 : 原則として税法では、評価損は税法上損金算入できないこととなっています。 また、上記@〜Bと同様の内容が法人税法施行令第68条で評価損を計上できることとなってはいますが、時価の変動原因が単に物価変動や過剰生産、建値の変更などの事情で低下しただけでは評価損として計上できないことになっています。 このようなちがいから、「税務基準」で棚卸資産の評価損を計上できなくても、「中小指針」では計上しなければならないケースなどが想定されます。 次回は「減価償却費」のちがいについてみていきます。 |
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