【東京都渋谷区の会計事務所】中川 尚税理士事務所 税理士 中川 尚 (東京税理士会 渋谷支部所属) |
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定款と登記の活用術13中小の株式会社の定款をみるポイント 前回まで、特例有限会社に変わる際の手続きなどをみてきましたが、今回は、中小の株式会社について、「みなし規定」に伴う定款の手続きや留意点をみていきます。 (なお、中小の株式会社とは、資本金1億円未満の非公開会社を想定しています。) 1. 中小の株式会社にとっての定款の重要チェック項目 チェック@ : 「株式の譲渡制限」の規定 会社法では、株式会社を「公開会社」と「非公開会社」に分類しています。両者を区別しているのは「株式の譲渡制限」の「ある」か「なし」かです。株式の譲渡制限がなければ「公開会社」、あれば「非公開会社」です。どちらが良いかは目的にもよりますが、「非公開会社」には定款等で認められている選択肢が、「公開会社」に比べて豊富です。また、企業防衛の意味でも、特別な理由がない限り「非公開会社」を選ぶことが望ましいでしょう。 そこで、「当社の株式を譲渡するには取締役会の承認が必要である。」などと、定款に記載しておくことで、「非公開会社」ということを表明できるので、必ず確認しましょう。 そもそも、この譲渡制限は昭和41年に規定が設けられているので、それ以前に設立された会社は、譲渡制限は決められていないことになりますので注意します。 チェックA : 「株券発行」に関する規定 会社法では、新規に設立された会社では株券を発行しないことが原則となりました。施行されるまでは、「株券発行」することが原則であったため、株券は不発行であることを定款に明記されてない場合は「株券発行会社」とみなされてしまいます。この点に注意が必要です。 既存の株式会社の場合は、自社の株式では株券を発行する意思がないのであれば、しない旨を定款に定めておく必要があります。 チェックB : 取締役や監査役の人数や任期に関する規定 会社法では、取締役や監査役など、役員に関する規制が緩和されました。 具体的には、取締役会は設置しなくてもよく、その場合、監査役も設置する必要がありません。また、取締役もそれまで3人必要とされてきましたが、最低1人でもよく、代表取締役を設置する必要もなくなりました。任期についても、最長10年間まで設定することが認められています。 事務負担や経費を削減する意味でも、必要ないのであれば、ぜひ見直すべき事項でしょう。 2. 「みなし規定」の確認 上記のチェック事項でも少し触れましたが、「みなし規定」に関する決まりも考慮します。 内容を確認したうえで、「みなし規定」によって変更や修正、抹消された事項がある場合は、特例有限会社と同様、開示書面に記載事項を明記して、定款と共に社内に保管しておかなければなりません。 もし上記のチェック事項を含め、定款の内容を変更するのであれば、株主総会を開いて定款を変更する特別決議を得る必要があります。 次回は、特例有限会社のときと同様に、中小の株式会社における「みなし規定」の中身と、「職権登記」される内容についてみていきます。 |
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