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愛車プリウス(30型)、50,000キロ   (2013.05.08)

我が家のトヨタ・プリウス(30型)の走行距離が50,000Kmを超えました。買ってから、2年8ヶ月です。
1969年から、スバル1000サニーブルーバード(マキシマ)グロリアローレル(クラブS) と、主に日産車を乗り継いできました。1970年頃から、「販売のトヨタ、技術の日産、エンジンのホンダ」と言われていて、 「人とクルマの明日をめざす 技術の日産」、「Feel the Beat もっと楽しく感じるままに 技術の日産」といった『技術の日産』というキャッチコピーが好きだったのと、 近くに日産追浜工場があり、日産車に愛着があったからです。
けれども、2004年にプリウス(20型)に乗り換えました。 初めてのトヨタ車です。 プリウスは、ACモーターと1,800CCのガソリンエンジンを上手に組み合わせて、お互いのいいとこ取りをするハイブリッドカー。 「ドライブが気持ちよくて、しかも、世界一地球に優しい」・・・。プリウスはそんなクルマを目指して作られたそうです。 「エンジンの余剰動力で発電し、蓄電した電気を走行に使う」という斬新な発想の車に興味を持ちました。 また、「トヨタのカイゼン(現場の作業者が中心となって知恵を出し合いボトムアップで問題解決をはかっていく)」という品質管理の考え方や、 当時の「Drive Your Dreams (人、社会、地球の新しい未来へ)」 というキャッチコピーで、トヨタというメーカーに好感を持っていたこともあり、従来の日産車より少し割高に感じたけれど、思い切ってプリウスを買ったのです。 ところが、ほんの少し走っただけで、リッターあたりの走行距離が20キロと、従来の車の3倍近くだったのには感激でした。 その後、6年間で、この20型に 83,000キロ乗って、2010年10月に現在の30型に換えたのです。
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プリウス(30型)は、従来の20型に比べ車内が広くなったのに燃費が良くなったし、レーザー・クルコンのような最新の設備も付いて便利になった反面、 危険を感じるほど暗いヘッドライトや、使い辛いコンソールボックスなど、期待はずれだった点も多々ありました。でも、それに手を加えて、いろいろ楽しませてくれた車でもありました。 以下に、50,000キロ走って、気づいたこと、手を加えたことなどについて記します。
1.私のプリウス(30型)は、こんなクルマ
(1)2年8ヶ月間の走行距離、50,000キロ
2年8ヶ月間で走った距離は、約50,000キロでした。月間にすると1,560キロですから、月に一度、東京・広島間を往復した計算です。 年間で18,720キロ。保険会社の話では、個人使用の乗用車の走行距離は、年間10,000キロ以内の人が大部分だそうですから、普通の人の2倍弱走ったことになります。
(2)燃費、夏季 25km/L・冬季 23km/L
30型プリウスの10・15モード燃費は1リッター当り35.5km。 これは街中を走っての燃料消費量ではなく、10の市街地に近い走行パターンを想定したテストを3回行った後、15の条件の良い道路を想定したパターンのテストを1回加えたテスト結果による燃費の表示方法。 私のプリウスの実際に走っての燃料消費量は、冬季 約23km/L、夏季 約25km/Lというところです。 冬季に燃費が悪いのは、暖房はエンジンの熱を使うので、冬はエンジンの回転が増加するからでしょう。 夏季に消費量が少ないのは、一般の車がエンジンで直接エアコン(クーラー)を回しているのに対し、 プリウスはハイブリッドバッテリーの電力でエアコンを回しているので、冷房の為にエンジンを回すことが少ないからでしょう。 なお、高速走行時は速度で燃費が大きく変わりますが、時速85kmくらいが最も燃費が良いようで、90kmhを超えると燃費は下がってきます。 100Kmでは20Km/Lにも達しません。エンジンへの負担が大きいからでしょう。
(3)マイルドな乗り心地
最初に感じたのは乗り心地がとても柔らかだったことです。 直前に乗っていたプリウス(20型TS)を含めて、今まで乗ったどの車よりも、最もマイルドに感じました。 かと言ってフワフワした感じではなく、程よい柔らかさです。 自動車雑誌では、プリウス30型はゴツゴツした突き上げ感が多いとの評でしたが、そんな感じはしませんでした。 これには、私のプリウスがソーラーパネル付ムーンルーフ装着車であることに起因しているようです。 20キロを超えるソーラーの重量増を支えるため、フロント・ショックアブソーバーが「アッパーマウント分離型」になっているとか。 一般的な同時入力型アブソーバーは、ダンパーの入力を一点で受け止める為に、ゴムの強度が強くゴツゴツした乗り心地になりがちですが、 アッパーマウント分離型は、2つの入力でボディに伝える力を分散し路面からの微振動をカットするのでマイルドな乗り心地になるそうです。
そのせいか首都高速横羽線の急カーブで、車体上部が外側へ大きく傾き恐怖を感じたことがありましたが、 ディーラーに薦められて、COXボディダンパーという車体制振ダンパーを装着した結果、 カーブがきつく上下のうねりが多い道路でも軽快に走り抜けられるようになりました。 この車体制振ダンパーは、走行中のボディの小さなたわみや微振動を吸収し、乗り心地の向上と静粛性もアップを図ろうというもので、 「パフォーマンスダンパー」という名で レクサスCT200hにも搭載されているそうです。これで「100万円も高いレクサスCT200hの走りに、 多少とも近づくいたかな?」と、自己満足に浸っています。
2.「期待していた通り、または、それ以上」・・・満足している点
(1)タイヤと補機バッテリーの持ちがよい
FFに加えて、モーターも積んでいて前部が重い車だから、前輪のタイヤの減りが多いだろうと思っていましたが、以外やプリウス(30型)はタイヤの減り方が著しく少ないのです。 以前の車の時は、4本すべてのタイヤを、ほぼ3万キロで交換していましたが、このプリウス(30型)は5万キロを超えても目視でもほとんど減っていなしクラックや傷も無いようです。ディーラーでの2年半目の点検でも、溝の深さか5mmで、まだ交換する必要がないとのこと。 私の場合、高速道路走行が多く、急ブレーキや急加速が少ないからではないか、ということでした。ちなみに、タイヤは標準装備のブリジストン ECOPIA EP25です。 また、補機バッテリーは、以前の車は2年毎に交換していましたが、これも点検で交換の必要がないということだっとので、まだ交換していません。
(2)高速道路走行に欠かせないレーダー・クルーズコントロール
よく通る首都高速道路湾岸線は制限速度80Km/hですが多くの車は85〜90Km/hで走っています。 私は通常85Km/hあたりにレーダー・クルーズコントロール (レーザークルコン)をセットして走ります。 こうするとアクセルにもブレーキにも足を触れなくても、車はほとんど先行車両のスピードに追従して走るので自然に最適の車間距離を保てます。 隣の車線から急な割り込みがあっても自動的にブレーキがかかるので、追突防止にも役立ちます。この状態での瞬間燃費計の表示は常時30〜35Km/Lなので、 燃費アップにも貢献しているようです。 レーダー・クルーズコントロールは、プリクラッシュセーフティシステムとセットで約15万円増しのオプションでしたが、運転が楽になる上に安全性も高まり、 価格以上の価値のある優れた装備だと思います。
(3)プリウスは割高ではなかった
ハイブリッド車の購入時の価格は、同クラスのガソリン車より、50万円ほど高価です。 でも、50,000Km走った場合のプリウスの燃料費は、燃費を24Km/L、ガソリン代を150円/Lとして、312,000円です。 一方、以前乗っていたニッサンローレルの燃費は約8Km/Lでしたから同じ距離を走ったとすると、936,000円です。 差額は624,000円で、50万円を超えています。既に元をとることができた計算になります。プリウスは決して割高ではないのです。 つくづく、プリウスにして良かったと思います。
3.「こんなはずではなかった」・・・想定外の弱点
(1)耳障りな低速時の車内騒音
高速道路で90キロを超える速度では、車内は従来の20型に比べるて明らかに静かです。エンジンが1500CCから1800CCになり、高速運転時の回転数が少なくなったからでしょう。 これに反して、一般道を低速で走っている時は、むしろ旧20型プリウスよりも騒々しく感じました。床からロードノイズが伝わってくるし、車外の音も良く聞こえました。 窓を閉めておいても外にカーオーディオの音が漏れてきました。30型は、コストダウンの為か、20型に比べ遮音対策に手を抜いているように思います。
そこで、車内やトランクの床にフェルトやウレタンフォームを敷きつめ、ドアやリアハッチの隙間にドアプロテクター風切音防止テープなどの モールを貼って、遮音対策を行いました。 この結果、対策前に比べ車内は驚くほど静かになりました。クラシック音楽のピアニッシモも、ボリュームを上げなくても聞こえるようになりました。 JBLスピーカーを使ったD-TECピュアサウンドシステムでチューニングしたカーオーディオがこんなに美しい音だったかと、改めて驚いた次第です。 ただ、車外の音が入ってこなくなったのは良いのですが、踏切の警報機や救急車のサイレンのような音も、よく聞き取れなくなってしまったので、 これらの音には一層注意する必要がありそうです。それでも、雨の強い日は屋根に当たる雨の音が五月蝿い。天井裏にフェルト等を貼れば、雨音を小さくすることができるのでしょうが、 この車にはソーラーパネル付ムーンルーフが付いていて天井の加工は難しそうなので諦めました。
ドアプロテクターや風切音防止テープを装着
(2)恐怖を感じるほどの暗さのヘッドライト
プリウス(30型)の最大の弱点は「ヘッドライトの暗さ」です。30型ではツーリング系はLEDヘッドランプですが、その他のグレードはハロゲンヘッドランプでした。 私の車はGグレードなのでハロゲンヘッドランプでした。 いまどきHID(ディスチャージ/キセノン)でなくハロゲンなのは購入前から気にはなっていましたが、実際に使ってその暗さは衝撃的でした。 街燈の少ない暗い夜道での走行は、通行人を確認し難く、怖くて最悪でした。今まで何台か乗り換えた車のうちで最も暗いのです。 プリウスの購買層の年齢は比較的高いのに事故率も高いということですが、ヘッドライトの暗さに一因があるかもしれません。 視力の衰えた高齢者には、ライトが暗いのは辛いものがあります。
とても我慢できなくて、早々にディーラーに相談し、ロービームのヘッドランプをディーラー推奨のD-TEC製HIDに交換しました。 10万円ほどの出費でしたが、この結果とても明るくなり、夜道の走行も楽になりました。 ちなみにD-TECのHIDはアサヒライズ(株)FET-CATZブランド製品のOEMで、明るさ3300ルーメン、色温度5700ケルビン(白色)のものです。
2011年11月のプリウスのマイナーチェンジ(MC)で、G/SグレードのヘッドライトがハロゲンからHIDに変更になっているところをみると、 ヘッドライトが暗く感じたユーザーは私だけではなかったのでしょう。
(3)デザイン優先でユーザー泣かせのコンソールボックス
センターコンソールボックス内にカップホルダーがありますが、コンソールボックスの蓋を後ろへスライドしないと使えません。 スライドすると、後部座席に蓋が飛び出てしまい、足元が狭くなって後席の人に迷惑です。 コンソールボックスの蓋は、スライドしなくて良いように、カップホルダーを避けて、その後方に付けるべきです。 見栄えを優先し使い勝手を犠牲にしたこの蓋のデザイン、明らかに設計ミスです。
2011年11月のマイナーチェンジでは、カップホルダーを外に出し、 蓋をスライドせずにカップホルダーを使えるようにコンソールボックスが改善されています。  (マイナーチェンジ後のコンソールボックスは、→ プリウスのカタログ)。
コンソールボックス内のカップホルダーは
蓋をずらさないと使えない
蓋をずらすと、後席に蓋が飛び出し、
後席の人の足元が窮屈になる
▼ヘッドライトの暗さも、コンソールボックスの使い辛さも、マイナーチェンジで改善されたということは、 おそらく、ユーザーからのクレームがあったのでしょう。 最初から、使い勝手をよく考えた製品を出して欲しいものです。
(4)ボンネットダンパーがなく、ボンネットの開閉が面倒
アルミで軽いボンネットにはダンパーは不要ということなのか、プリウスにはボンネットダンパーが装備されていません。 ボンネットを開くには手で持ち上げる必要があるし、開けたままにするには片手でボンネットを持って、 別の手で付属のつっかえ棒をしなければなりません。 日常の点検やエンジンルームの掃除の時だけとは言え、この操作は面倒なので、 LX-MODE製のボンネットダンパー を付けました。 この結果、ボンネットオープナーを引いてボンネットの先端に軽く手を添えるだけでボンネットが開き、 ボンネットは左右のダンパーに保持されるので、付属のつっかえ棒を立てる手間から解放されました。 閉めるときは、以前のように押し込むようなことをせず、ボンネットから手を離してを軽く落とすだけでも閉まります。 ボンネットを開けることは多くないけれど、開閉は楽な方が良いし、 何より、ハイブリッドの先駆車としてのプリウスには、大衆車とは一味違うプレミアム感も欲しいので、 こんな装備は最初から付けて欲しいものです。
(5)内装は大衆車以下の貧弱さ
軽量化のためか、プコストダウンのためか、リウスの内装は昔乗っていた大衆車の日産サニーよりも貧弱なのです。 サニーですらドアトリムはビニールレザーの内張りでしたがプリウスは樹脂むき出しのまま。 センターコンソールやグローブボックスも、いかにもプラスティックという感じの安っぽさ。 そのためか、アフターパーツメーカーからプリウス向けに、たくさんの内装や外装の装飾パーツが売られています。 私も、オートパーツの販売店や通販で、いくつかのパーツを購入して装着しました。 樹脂むき出しの部分には茶木目や漆黒やメッキのパーツで加飾して、グローブボックスやコンソールボックスにはPVCレザーを貼りました。 自己満足とはいえ、多少ともチープ加減が補われたように思います。

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