『泉鏡花を読む』サイト内検索

 
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特集 泉鏡花 ( 81-7.html )
・三田英彬 『草迷宮

特集 泉鏡花−怪奇と幻想 ( 89-11.html )
・荒川法勝 『草迷宮』海魔の陰画

泉鏡花幻想文学誌 ( 91-8.html )
泉鏡花作品論事典 (秋山稔・越野格・須田千里・田中励儀・弦巻克二・松村友視)〔改行〕〔改行〕冠弥左衛門 義血侠血 夜行巡査 外科室 鐘声夜半録 貧民倶楽部 照葉狂言 龍潭譚 化鳥 鶯花径 三尺角 湯島詣 高野聖 註文帳 薬草取 風流線 春昼・春昼後刻 婦系図 草迷宮 白鷺 歌行燈 夜叉ヶ池 天守物語 由縁の女 眉かくしの霊 山海評判記〔改行〕

文庫本収録作品 ( bunko.html )
〔改行〕草迷宮  岩波文庫 1985.8.16  〔改行〕草迷宮 解説(種村季弘)

雑記帖 ( cahier2001.html )
・「草迷宮」における鏡花の怪異の方法とは、不要なグロテスクさや珍奇な造形のお化けを避け、手毬唄によって幻想をつむいでゆくという鏡花独自の美意識にもとづいたものだったと考えられる。最後にお化けの首領が出てきて終わるのではなく、明の母の知己だという「美人」を登場させ、手毬をつかせるというのは、典拠としての『稲生物怪録』の世界から完全に離脱している。美しい怪異をめざすという鏡花のまなざしは、ここでも貫かれているといってよいだろう。(246p.より引用)

『泉鏡花・妖かし文学館』 1995年4月21日−5月18日 於池袋西武12階ロフト 【企画構成】(株)スーパー・スタッフ・カンパニー 【協力】河出書房新社 【スタッフ】 会場音楽:J・A・シーザー/丸山涼子  造形:能津美津子/横前東慈/千葉広二/千葉千富美/水根あずさ/吉田良一  絵:山田勇男  衣装:時広真吾/米井明子  写真:土田ヒロミ  宣伝美術:森崎偏陸  照明:丸山邦彦  会場デザイン:長川一夫  解説:桑原茂夫  企画構成:大澤由喜 【くり広げられる泉鏡花の作品世界】……鏡花の小説による八つの造形作品 (1)手まり唄の母恋迷宮譚――『草迷宮』 (2)魔界・天守閣に結ぶ恋――『天守物語』 (3)竜神と、いけにえの花嫁の海底御殿での純愛物語――『海神別荘』 (4)旅の宿に現れる哀しい女の亡霊――『眉かくしの霊』 (5)山深き峠の道と一軒家、そこでくり広げられる怪と妖――『高野聖』 (6)美しく、哀しく、恐ろしい”沼伝説”――『夜叉ヶ池』 (7)おだやかな春の昼、海辺の里でのシュールな幻想譚――『春昼』『春昼後刻』 (8)逢う魔が時(たそがれ時)に少年が迷い込んだところは?――『龍潭譚』 この頃、企画に協力している河出書房から鏡花幻想譚(全五巻)が出版されている。その後この鏡花展は福岡市の三菱地所アルティアムで開催された(1995.6.15-7.16)。福岡県の南の方に棲息する私は当然これを見ていなければならない筈だが、行かなかった。その前年にあったはずの澁澤龍彦展も見てない。実はあまり観たいと思わなかったのだ。観て失望するのを恐れたということもあるが、要するに怠惰だったわけである。なお澁澤の前は寺山修司展があったらしい。これはまったく知らなかった。

『泉鏡花集成』 ( chikuma.html )
・ 5〔改行〕 春昼 春昼後刻 草迷宮 沼夫人 星女郎 [解説]種村季弘「迷宮の怪」

鏡花作品紹介 ( cont.html )
外科室〔改行〕〔改行〕 明治28年 6月「文芸倶楽部」初出、明治31年 9月『明治小説文庫』第10編(博文館)所収〔改行〕〔改行〕 語り手の画師は兄弟のように親しい医学士高峰に頼み、その執刀になる貴船伯爵夫人の手術に立ち会う。夫人は夢うつつに心の秘密を呟くことを恐れ、頑なに麻酔薬を拒む。これほどまで思うのだからきっとうわ言をいうに違いない、と。高峰が自若として麻酔なしでその胸にメスを入れると、夫人は「あなたは私を知りますまい」と言って片手をメスに添え、乳の下深くかき切る。医師の「忘れません」の一言に夫人は嬉しげな笑みを残して息絶えるが、同じ日のうちに高峰もまた命を絶つ。実にその9年前、高峰が画師とともに小石川植物園を散策のおり、彼女との間にほんの一瞬の遭遇があったにすぎないのであるが……。〔改行〕〔改行〕草迷宮」の悪左衛門は人の瞬きする間を住む世界とするが、そこに通底するような恋愛空間。愛の妖怪。

草迷宮 明治41年 1月『草迷宮』(春陽堂)初出 魔所と呼ばれる三浦半島の「大崩れ」には丸い子産石が出る。二つ重ねると子が授かるというこの石を土産物にする茶店の老婆に、しかし子はいない。かつて土地の若者が明神様の侍女という女から緑色の珠をもらったが、酔って抱きついたために正体を見てしまい、それ以来気が狂っている。女が去って行った方向にある秋谷邸では去年の夏に死人が五つ立て続けに出ていた(二組の母子の産褥死と若主人の自殺)。諸国行脚の小次郎法師はそんな話を茶店の老婆から聞かされ、邸に回向に赴く。そこには葉越明という青年が逗留していた。明は亡き母の歌った手毬唄を探し求める旅の途中、川に浮かぶ手毬を拾ったことから緑色の珠の女の逸話を聞かされ、この邸にたどり着いたのであった。だが毎夜、畳が動きランプが廻る怪異に逢い、その顔にはやつれが見えている。明が眠る夜、それを見守る小次郎の前に悪左衛門(人のまばたきする間を世界とする魔物)が登場、続いて明の幼なじみで独り丑待ちの儀式をしたまま姿を消していた菖蒲(明神様の侍女)が現われ、明には内密の仔細を物語る。手毬は身内の幼い者が粗相で川に流したものだった。女は手毬唄を知っているが、いま会えば道ならぬ恋となって明までも魔物となる恐れがある。いずれ明がある夫人によって恋を知り、あの世の母への思慕から心がふたつに引き裂かれる時、唄は自ずと聞こえるであろう。女はそう言って手毬をつき、眠る明のもとを去る。 最後に現れる女を菖蒲と限定せずに複数的な女にして母性の原形とする澁澤龍彦の説あり。

鏡花作品紹介 ( content.html )
外科室〔改行〕〔改行〕 明治28年 6月「文芸倶楽部」初出、明治31年 9月『明治小説文庫』第10編(博文館)所収〔改行〕〔改行〕 語り手の画師は兄弟のように親しい医学士高峰に頼み、その執刀になる貴船伯爵夫人の手術に立ち会う。夫人は夢うつつに心の秘密を呟くことを恐れ、頑なに麻酔薬を拒む。これほどまで思うのだからきっとうわ言をいうに違いない、と。高峰が自若として麻酔なしでその胸にメスを入れると、夫人は「あなたは私を知りますまい」と言って片手をメスに添え、乳の下深くかき切る。医師の「忘れません」の一言に夫人は嬉しげな笑みを残して息絶えるが、同じ日のうちに高峰もまた命を絶つ。実にその9年前、高峰が画師とともに小石川植物園を散策のおり、彼女との間にほんの一瞬の遭遇があったにすぎないのであるが……。〔改行〕〔改行〕草迷宮」の悪左衛門は人の瞬きする間を住む世界とするが、そこに通底するような恋愛空間。愛の妖怪。

草迷宮 明治41年 1月『草迷宮』(春陽堂)初出 魔所と呼ばれる三浦半島の「大崩れ」には丸い子産石が出る。二つ重ねると子が授かるというこの石を土産物にする茶店の老婆に、しかし子はいない。かつて土地の若者が明神様の侍女という女から緑色の珠をもらったが、酔って抱きついたために正体を見てしまい、それ以来気が狂っている。女が去って行った方向にある秋谷邸では去年の夏に死人が五つ立て続けに出ていた(二組の母子の産褥死と若主人の自殺)。諸国行脚の小次郎法師はそんな話を茶店の老婆から聞かされ、邸に回向に赴く。そこには葉越明という青年が逗留していた。明は亡き母の歌った手毬唄を探し求める旅の途中、川に浮かぶ手毬を拾ったことから緑色の珠の女の逸話を聞かされ、この邸にたどり着いたのであった。だが毎夜、畳が動きランプが廻る怪異に逢い、その顔にはやつれが見えている。明が眠る夜、それを見守る小次郎の前に悪左衛門(人のまばたきする間を世界とする魔物)が登場、続いて明の幼なじみで独り丑待ちの儀式をしたまま姿を消していた菖蒲(明神様の侍女)が現われ、明には内密の仔細を物語る。手毬は身内の幼い者が粗相で川に流したものだった。女は手毬唄を知っているが、いま会えば道ならぬ恋となって明までも魔物となる恐れがある。いずれ明がある夫人によって恋を知り、あの世の母への思慕から心がふたつに引き裂かれる時、唄は自ずと聞こえるであろう。女はそう言って手毬をつき、眠る明のもとを去る。 最後に現れる女を菖蒲と限定せずに複数的な女にして母性の原形とする澁澤龍彦の説あり。

泉鏡花『日本橋』- 姉の身代わり人形 ( doll.html )
・ 泉鏡花は『草迷宮』や『高野聖』のような異界小説の他に、芸者の世界を舞台にした『婦系図』のような小説も書いていて、むしろ鏡花といえば一般に後者を思い浮かべるひとも多いかもしれません。はたしてこちらの傾向の小説は現在どれくらい読まれているのでしょうか。鏡花にいくら根強い人気があるといっても、いわゆる花柳界小説までが読まれているのかどうかよく分りません。まあどちらかというと異界小説の方が好まれているのではないかと思いますが、あまりそれらを区別する必要はないし、同じ泉鏡花が書いた作品なのだから、同じ読み方で読めばよいと思っています。『日本橋』は大正3年、鏡花40歳の時の作品で、その花柳界を舞台にしています。

泉鏡花を読む ( index.html )
Googleブックス 単行本PDF(草迷宮 高野聖 etc)8冊にリンク

草迷宮

・ 青空文庫  外科室、国貞えがく、義血侠血、夜行巡査、雛がたり 二三羽――十二三羽、龍潭譚、高野聖、醜婦を呵す 婦系図、眉かくしの霊、愛と婚姻、人魚の祠、草あやめ いろ扱ひ、蛇くひ、絵本の春、木の子説法、半島一奇抄 貝の穴に河童の居る事、縁結び、湯島の境内、薬草取 歌行燈、玉川の草、古狢、夜叉ヶ池、若菜のうち、化鳥 紫陽花、星あかり、妖僧記、凱旋祭、海城発電、草迷宮 女客、錦染滝白糸、紅玉、小春の狐、伯爵の釵、鷭狩 みさごの鮨、怨霊借用、売色鴨南蛮、縷紅新草、遺稿 三尺角、三尺角拾遺(木精) 等200編

 鈴木朱花 『春昼・春昼後刻』論 草迷宮』の結末

 跡上史郎 草迷宮』と『吉野葛』をあわせて論ず

『新編 泉鏡花集』(岩波書店) ( iwanamisen.html )
第5巻 相州 伊豆 〔改行〕星あかり 千歳之鉢 二世の契 逗子より 春昼 春昼後刻 草迷宮 海の使者 紅葛 山吹 甲乙

鏡花リンク ( klinks.html )
日本橋・高野聖・草迷宮・歌行燈、他(阿笠湖南)

「稲生物怪録」――鏡花「草迷宮」のネタ本

パントマイム「草迷宮

ズニ・アイコサヒドロンとパパ・タラフマラの共同作品『草迷宮

草迷宮」(1974)(映画)

泉鏡花自筆年譜 ( nenpu.html )
・ 明治四十一年、新作「草迷宮」春陽堂にて単行出版。二月、帰京して麹町土手三番町に居を卜(ぼく)す。敷金の出資、店うけ人は、ともに彌次郎兵衛、臨風氏なりとす。激暑に悩む。秋たちてより土手の松に木菟の声聞えたり。〔改行〕

おしらせ ( news.html )
 2003.10.03〔改行〕〔改行〕 「シリーズ『鏡花を語る』」という、番外編を含め8回にわたる対談がaozora blog に掲載されています。先ごろ青空文庫にて怒涛のテキスト公開を果たされたばかりの門田裕志さん(鏡花テキスト入力担当)と高柳典子さん(『草迷宮』校正担当)による対談です。

 2003.09.09 青空文庫に草迷宮妖僧記凱旋祭海城発電女客錦染滝白糸紅玉など7編のテキストが新規登録されました。

 2001.11.2 ●ずいぶんな放置プレイを続行中でありますが、おまたせしました、サイト内検索のリクエストによる鏡花作品ランキング、7月から10月までの集計の発表です。間が開いたので、今回は20位までカウントすることにしました。相変わらずお芝居系が強いですね。まあ、よくも悪くもこれがネットでの鏡花受容の現状ということなのでしょう。  1 海神別荘(63)  2 婦系図(41)  3 高野聖(40)  4 義血侠血(24)  5 天守物語(23)  6 夜叉ヶ池(22)  7 歌行燈(18)  8 龍潭譚(16)  8 外科室(16) 10 星あかり(11) 11 眉かくしの霊(10) 11 夜行巡査(10) 13 春昼( 9) 13 草迷宮( 9) 13 日本橋( 9) 16 照葉狂言( 8) 17 化鳥( 7) 17 山海評判記( 7) 19 三尺角( 5) 20 処方秘箋( 4) 20 註文帳( 4) 20 風流線( 4)

 2001.7.1 サイト内検索のリクエストによる鏡花作品ベストテンの第3弾、5月と6月分の集計です。同じデータが連続するものはひとつにカウントしています。今回はついに「高野聖」がトップに来ました。芝居公演が話題の2位3位4位をおさえて見事です。 ところで検索のさいには正確な言葉をインプットするようにしましょう。「三味線」とか「三角尺」とか言われても……困るとですよ(汗)。自信のないタイトルの場合は「三味」とか「尺」とかのように、短くても間違いではない言葉で検索した方が好結果が得られます。よろしく。  1 高野聖 (31)   2 婦系図 (24)   3 海神別荘 (22)   4 天守物語 (17)   4 外科室 (17)   6 龍潭譚 (15)   6 歌行燈 (15)   8 化鳥 (14)   9 春昼 (11)  10 義血侠血 (9) 10 夜行巡査 (9) -------------- 夜叉ヶ池 星あかり 日本橋 草迷宮 (8)

・ ついでに2001年前期分として2月から6月までの集計も載せておきます。  1 婦系図 (52)   2 高野聖 (47)   3 海神別荘 (39)   4 天守物語 (32)   5 化鳥 (27)   6 外科室 (25)   7 龍潭譚 (22)   8 歌行燈 (19)   9 義血侠血 (19)  10 夜叉ヶ池 (17)  10 春昼 (17)  10 草迷宮 (17)  13 日本橋 (15)  14 夜行巡査 (12)  15 星あかり (11)  16 眉かくしの霊 (8) 16 註文帳 (8) 18 山海評判記 (7) 19 桜心中 (6) 19 蛇くひ 両頭蛇 (6)

・ サイト内検索のリクエストによる鏡花作品ベストテンの第2弾です。今回は3月10日から4月末までの集計となります。前回(3月10日)同様、あきらかに重複していると思われるデータは適宜整理しました。今後は切りの良いところで2ヶ月に一回の発表とするつもりですので、当検索システムを本来の目的だけでなく人気投票としてもご利用いただければ幸いです。 1 婦系図 (15)  2 高野聖 (13)  3 海神別荘 (12)  4 化鳥 (10)  5 天守物語 (8) 6 龍潭譚 (6) 6 桜心中 (6) 6 義血侠血(滝白糸) (6) 9 草迷宮 (5) 9 外科室 (5) 9 夜叉ヶ池 (5) ------------ 春昼 日本橋 (4) 新派や花組の『婦系図』公演の話題もあって、お芝居派の優勢傾向は続いていますが、「高野聖」や「化鳥」の躍進が目を惹きます。季節柄といえる「桜心中」はどこかのグループで話題にでもなったのでしょうか。

・ 「鏡花とアンティークと古書の小径」サイトに、鏡花二十歳頃の作品「活人形」が公開されています。テキストは初出に基づくもので、外字は今昔文字鏡のフォントで補完されています。すでに当サイトの語彙検索用テキストデータとして『草迷宮』をお借りしていますが、今回も使用に同意を得ましたので、近日中にこの「活人形」を追加登録させていただく予定です。快諾をいただいたテキスト作者の heideggerさんに感謝いたします。

・ 皆さんがサイト内検索を使って鏡花のどんな作品を検索しているのか、ちょっと調べてみました。リクエスト・ベストテンみたいなものですね。  1 婦系図 (13)  2 天守物語 (7)   3 海神別荘 (5)   4 夜叉ヶ池 (4)   4 義血侠血 (4)   4 草迷宮 (4)   7 日本橋 (3)   7 高野聖 (3)   7 外科室 (3)   7 化鳥 (3)  (次点) 星あかり 春昼 歌行燈 (2)  2月のはじめから今日までの集計によると、こんな結果となりました。作品名の後の数字は検索回数です。ダブりのあるデータはノイズとみなして整理し、できるだけ有意な数字を取り出すよう努めたつもりです。結果はまあ、一目瞭然、お芝居派の圧勝ですな。テキスト派としては愕然としておりますです(笑)。

・ もう一つ報告漏れがありました。「鏡花とアンティークと古書の小径」サイトに『草迷宮』の種本とされる「稲生家物怪録」(平田篤胤)のテキストがアップされています。以上3つサイトを鏡花リンクに追加させていただきました。

泉鏡花『日本橋』- 姉の身代わり人形 ( nihonbas.html )
・ 泉鏡花は『草迷宮』や『高野聖』のような異界小説の他に、芸者の世界を舞台にした『婦系図』のような小説も書いていて、むしろ鏡花といえば一般に後者を思い浮かべるひとも多いかもしれません。はたしてこちらの傾向の小説は現在どれくらい読まれているのでしょうか。鏡花にいくら根強い人気があるといっても、いわゆる花柳界小説までが読まれているのかどうかよく分りません。まあどちらかというと異界小説の方が好まれているのではないかと思いますが、あまりそれらを区別する必要はないし、同じ泉鏡花が書いた作品なのだから、同じ読み方で読めばよいと思っています。『日本橋』は大正3年、鏡花40歳の時の作品で、その花柳界を舞台にしています。

過去のおしらせ ( old3.html )
・ 作品紹介に「草迷宮」を追加しました。

・ 先週はとうとう作品紹介を休んでしまいました。今週は「日本橋」と「眉かくしの霊」を続けてアップしました。今後は「龍潭譚」や「草迷宮」「天守物語」などを予定しています。できるだけ私の勝手な解釈が紛れ込まないよう気をつけているつもりですが、またそのために芸のない作品梗概となっていたりするわけですが、ご不満な点や間違いなどありましたら、遠慮なくお伝えくださいますようお願いします。

過去のおしらせ ( old4.html )
・ 「通夜物語」、「白羽箭」、「胡蝶之曲」、「風流蝶花形」、「草迷宮」のテキスト化が京都の Noah さんによりなされています。すでに私はメールでこの五作品をいただいています。ご本人はまだ校正が残っているとおっしゃっていますが、いずれ何らかのかたちで公開していただけるものと信じています。

過去のおしらせ ( old5.html )
生田耕作「鏡花本今昔」〔改行〕〔改行〕 鏡花の(花柳もの)がいかに馬鹿にされ、それに代って(怪奇幻想もの)が若者のあいだでいかにもてはやされ、映画化され劇化されて人気を博そうとも、われわれにとっての鏡花は、どこにそんなに惚れ込んでいるのかと尋かれれば、いまも依然としてお蔦ちからの新派的世界であり、(幻想坊や)(怪奇坊や)たちの間でいちばん人気が高いとか聞く「春昼」や「草迷宮」など、怪奇幻想ものの一部は、鏡花先生にとってはなはだ無礼な発言ながら(先生、なにとぞご容赦下さい!)、まったくもって荒唐無稽、何度再読を試みても、いつも中途で白けてしまい、最後まで読みおおせたためしがないのである。〔改行〕

・ 鏡花リンクにいくつか新しいページを追加しました。とくに阿笠湖南さんのページでは「日本橋」や「草迷宮」などの作品紹介をまとめて見ることができます。

過去のおしらせ ( old7.html )
・ いまいちばん活きのいい鏡花サイトである鏡の花では鏡花の電子テキストが続々公開中です。『きぬ/\川(女仙後記)』『酸漿(ほゝづき)』『凱旋祭』『二世の契』『紫陽花』と『蓑谷』が全編登録され、『草迷宮』が一日一章のペースで進行しています。〔改行〕

・ 鈴木朱花さんが主宰する虚飾の庭というページに 「『春昼・春昼後刻』論〜「△□○」は何を意味するのか〜」 「『草迷宮』の結末をめぐって」という二論文が公開されています( Noah さんの情報です)。これからも研究者諸氏の論文がこうした形で公開されることを切望します。

・ 表紙ページに金色の手毬をあしらってみました。表示するには、ネスケもIEもバージョン4が少なくとも必要です。この球体は鏡花の『草迷宮』に出てくる手毬をイメージしています。寂しいかもしれませんが、毬の数は一箇だけです。百箇でも千箇でも出そうと思えば出せるのですが、母様の思い出にまつわる手毬は一箇でなければなりません。あしからず。 ネットスケープの場合、http://www2s.biglobe.ne.jp/~ant/ssi.cgiを私の表紙ページとして使っていただければ、うまく手毬が表示されるようです。 JavaScriptはここのおせわになりました。

過去のおしらせ ( old8.html )
・ 語彙検索の検索データに『草迷宮』と『婦系図』を追加しました。検索用テキストは『草迷宮』が鏡花とアンティークと古書の小径、『婦系図』が青空文庫のものです。データをこころよく提供してくださったテキスト作者のみなさんに感謝いたします。

・ 小埜裕二氏の近代小説千夜一夜というページにすばらしい鏡花作品紹介をみつけました。現在のところ絵本の春 売色鴨南蛮 国貞ゑがく 夜行巡査 外科室 星あかり 女客 眉かくしの霊 蓑谷 高野聖の10編があがっています。「草迷宮」や「春昼」なども今後とりあげられるようです。もちろん鏡花だけでなく明治以後の作家の小説が1000作品紹介されることになっていて、だからこそ千夜一夜と銘打たれる所以なのですが、すでに442作品の紹介が登録されています。大学の先生が実際にネットで作品を語るようになったのでしょうか。よい状況ですね。

・ heidegger 氏の「鏡花とアンティークと古書の小径」というサイトに草迷宮と、初出にもとづく「外科室」のテキストをみつけました。外字に今昔文字鏡のフォントを使用しているのが特徴です。

・ 遅ればせの新刊情報です。佐伯順子氏の『泉鏡花』(ちくま新書 \660)が 8月に出ました。『日本橋』『夜叉ヶ池』『草迷宮』といった作品を中心に、とくに舞台や映画を通して鏡花が今もひとびとを惹きつけてやまないその魅力と特質を解き明かします。「花組芝居」のネオ歌舞伎や波津彬子のマンガにも目配りがきいているのが特徴で、とりわけ現代の女性ファンには絶好の贈り物となるでしょう。

・ 大量の鏡花直筆原稿が慶応大学の稀覯書サイトで公開されています(発見者はNoahさん)。けっこう重たいサイトなので、1枚が300KB 以上ある標準画像を見るのもそう簡単ではありませんが、大変ありがたい資料が公開されたことに感動と驚きを覚えます(他に小さなサムネイル画像と大きな高精彩画像あり)。 このサイトに入る時にIDが要求される場合は、小文字で guestと入力します。パスワードは不要です。以下に公開された作品名を挙げておきますが、各ファイルの実際はほとんど未確認です。 お弁当三人前、きぬぎぬ川、きん稲、ねむり看手、わか紫、一之巻、二之巻、三之巻、四之巻、五之巻、六之巻、誓之巻、愛火、伊達羽子板、雨ばけ、唄立山心中、怨霊借用、炎さばき、縁結び、縁日商品、艶書、鴛鴦帳、化鳥、仮宅話、歌仙彫、河伯令嬢、怪語、海の使者、海異記、海城発電、海神別荘、絵日傘、絵本の春、開扉、貝の穴に河童の居る事、革鞄の怪、葛飾砂子、貴婦人、起誓文、戯曲日本橋、祇園物語、義血侠血、菊あはせ、吉原新話、吉祥果、笈摺草紙、錦染滝白糸、錦帯記、櫛巻、継三味線、欠番、堅パン、懸香、幻の絵馬、湖のほとり、胡蝶の曲、五大力、紅雲録、紅葛、紅玉、黒壁、彩色人情本、桜心中、傘、山吹、山中哲学、紫手綱、紫障子、雌蝶、時雨の姿、蒔絵もの、式部小路、取舵、手習、朱日記、十三娘、春昼、春昼後刻、女仙前記、勝手口、小春、少年行、沼夫人、鐘声夜半録、色暦、信仰、新通夜物語、森の中、神鷺の巻、神鑿、人魚の祠、星の歌舞伎、清心庵、雪柳、雪霊続記、浅茅生、草迷宮、続銀鼎、続紅雲録、続風流線、袖屏風、多神教、鯛、第二蓖蒻、茸の舞姫、辰巳巷談、池の声、註文帳、町双六、沈鐘、通ひ路、爪の涙、爪びき、定九郎、天守物語、杜若、嶋田髷の人形、湯女の魂、湯女の魂、湯島詣、湯嶋の境内、燈明之巻、萩薄内証話、伯爵の釵、白花の朝顔、白金の絵図、薄紅梅、半島一奇抄、秘妾伝、飛剣幻なり、毘首羯摩、貧民倶楽部、舞の袖、風流蝶花形、峰茶屋心中、頬白鳥、魔法罎、木の子説法、木曽の紅蝶、夜叉ヶ池、夜釣、薬草取、友禅火鉢、由縁の女、遊行車、夕顔、妖剣紀聞後篇、妖剣紀聞前篇、妖術、妖僧記、妖魔の辻占、楊柳歌、陽炎座、卵塔場の天女、留守見舞、龍潭譚、旅僧、両頭蛇、霊象、聾の一心、梟物語、瓔珞品、絲遊、縷紅新草、袙奇譚、ピストルの使ひ方、髯題目、鶚の鮨

『鏡花小説・戯曲選』 ( sensyu.html )
〔改行〕 6 怪異篇二 草迷宮 沼夫人 朱日記 陽炎座 第二菎弱本 眉かくしの霊 [解説]寺田透

『鏡花全集』(春陽堂) ( shunyou.html )
巻七 〔改行〕婦系図前編 婦系図後篇 頬白鳥 草迷宮 沼夫人 星女郎 七草 尼ヶ紅 紫手綱 貸家一覧 海の使者 吉祥果 神鑿

泉鏡花作品年表 ( workhist.html )
〔改行〕1908年 明治41年 〔改行〕雌蝶 草迷宮 頬白鳥 ロマンチックと自然主義 沼夫人 予の態度 沈鐘 星女郎 むかうまかせ

[検索専用データファイル]
・「泉鏡花 草迷宮」 小森陽一 「国文学 解釈と教材の研究」 臨時号 昭和63年3月

・「ランプの廻転」 澁澤龍彦 「文芸」 昭和50年10月 (「草迷宮」文献)

『鏡花全集』(岩波書店) ( zensyu.html )
巻十一 霊象 縁結び 雌蝶 草迷宮 頬白鳥 沼夫人 星女郎 七草

・[月報12] 先生の好悪感=里見 いてふの残暑忘れめや=阿木翁助 「妖僧記」草稿(投稿)=三辺清一郎 鏡花小説校異考(十二)縁結び・草迷宮・白鷺=村松定孝 〔同時代の批評・紹介〕『湯島詣』=指玉

・[月報15] 泉鏡花と折口信夫=池田弥三郎 鏡花と住まい=泉名月 日本橋について=佐藤春夫 『参宮日記』と『日本橋』のこと=小村雪岱 泉名月蔵新資料(尾崎紅葉の鏡花宛書簡) 鏡花小説校異考(十五)日本橋=村松定孝 〔同時代の批評・紹介〕鏡花氏の『草迷宮』=御風生


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