カスタマイズ版について
Lost Worlds は『1ある1人のキャラクターを1冊の本で表現』するシリーズです。
キャラクターの様々な性能は本に組み込まれており、素早いキャラクターは素早いなりのデータを、頑丈なキャラクターは頑丈ななりのデータを持っています。
ですがその仕組み上、個々のキャラクター性は本ごとに固定であり、
プレイヤーは『自分の思い通りのキャラクター』を自由に作ることはできません。
これは RPG的な要素をもったゲームとしては、それなりに大きな弱点と言えるでしょう。
で。いくつかのLWメーカーでは、これに対する回答となる商品を発表しています。
このページでは、そういう『カスタマイズ版』について、記述していきます。
Graysea 版
1996〜2001年ごろに活動していた GRAYSEA では、"Customize Your Own Character" と呼ばれる『カスタマイズ本』を発表していたようです。
GRAYSEAのサイトは消滅しているため、これについての公式な情報を示すWebページは存在していません。
海外のメールグループにおいて、その概要についてのレポートがあります:こちらhttp://games.groups.yahoo.com/group/lostworlds/message/101
以下、抄訳:
- これは$20くらい。
- これで手にすることのできるものは以下のようなもの:
HLTよりもちょっと小さい厚紙を、同サイズの段ボールと一緒にシュリンクラップしたもの。 - この紙は二つ折りにしたうえで GRAYSEAに送付するようにデザインされている。
『あなたは、一ヶ月以内のあなたが指定した日に、あなたの独自設計の本を受け取ることができる。』 - 裏面には次のようなことが書いてある: 『種族、名前、体力値、攻撃数、スキル・敏捷性、一般的な行動リストを選べ。』
- これは既存のGRAYSEA キャラクターをベースにしているようだ。
画像には、Angel, Ghoul, Wood Elf, Mage, Knight, Sprite, Goblin がある。 - あなたはそのうえで、体力・Luck・Tactics・Magic に対して合計3点を追加できる。
- さらに、以下のようにキャラクターカードを修整できる。
- 6行動まで、修整値変更できる。
ただし、どこかを+1したら、他の場所を-1しなくてはならない。 - 1つの行動は1段階しか修整できない。
- JumpとRetrieve の修正値を変更することもできない。
- 修正値が S になっているものも、変更できない。
- 6行動まで、修整値変更できる。
- 最後に、武器、呪文、防具、アイテムの中から5つを選択する。
おそらく選んだファンタジーカードが本に内包される。 - わたし(訳注:このメール記事の投稿者)が思うに、これは:
既存の本に、あなたの『専用キャラクターシート』と5枚のカードを、$20で入手するためのモノだと思う。
今でもこれ、受付ているのかな?
参考までに:メールグループに上記レポートがなされたのは、2002年9月。
この製品の宛先となっている GRAYSEA は、2001年には営業を完全停止していました。
つまりこの製品は、現在では入手困難ですし、もし入手できたとしてもこれを使って『カスタム本を作る』ことは不可能です。
上記記事の最後の行の『今でもこれ、受付ているのかな/I wonder if he is still checking mail at that PO Box?』ってのは アメリカンジョークでしょうね。
Flying Buffalo 版
FBI(Flying Buffalo Inc.)では、現在もカスタマイズ本の提供サービスを運営しています。
BE YOUR OWN LOST WORLDS CHARACTER
以下、抄訳:
- FBIが(訳注:LW本を作るために)『写真を撮り、本の体裁にレイアウトし、20冊を印刷する』代わりに、
『あなたが写真を撮ってくれれば、FBIがそれをレイアウトし、PDFにしてあなたに送付する』。
あなたは望むだけの数、それを印刷してよい。 - まず、あなたが写真に使いたい武器を選び、そしてそれを$49.95と共に、FBIに連絡する。
FBIはそれをうけて、必要な写真のリストをあなたに送付する。
あなたは友人と一緒に、必要な32枚の写真を撮影する。そして撮影した写真を、jpgフォーマットでCDに焼いて、FBIに送付する。
FBIはそれを受け取ったらば、それを本の体裁にレイアウトしてあなたに返送する。
あなたはそれをあなた専用に、白黒・カラーを問わず、あなた自身もしくはKinkosなどで印刷してよい。 - Originで質問された『写真じゃないといけないの?』という質問に対して: もしあなたが絵を描けるのであれば、絵で提供してもかまわない。
- 選択可能な装備・キャラクターは、以下のリストから選ぶこと。
- Sword and shield (剣と盾)
- Sword and dagger (剣と短剣)
- Magic and dagger (短剣、魔術師)
- Quarterstaff (杖)
- Quarterstaff and magic (杖、魔術師)
- Axe (斧)
- Axe and shield (斧と盾)
- Club (こん棒)
- Spear (槍)
- Mace (メイス)
- Two-handed sword (両手剣)
- 注意:例えば、あなたが『剣と盾』を選んだならば、写真撮影のためにあなた自身が剣と盾を準備しなければならない。
さらに、森・街並み・山など、いい感じの背景を選ぶことが期待される。 - 上述したリストに存在しない武器を使いたい場合、またはなんらかの『特徴的な行動』を実施したいと考えているのならば、そう指示してくれればFBIは相談に乗る。
それに応じた独特なマトリクスを作るようにするし、またそれを上記のリストに加えるようにする。
『好きなだけ印刷してよい』とありますが、同時に『あなた自身のために』と指示されているので、あくまで身内ローカル用ですね。
余談ながら:上記ページの先頭にも書いてあるのですが、この方式の以前にも、FBIはカスタマイズ本の提供をしていました。
『$195でまず10冊、追加$10につき1冊増加』と、かなり割高でした。
URL:http://www2s.biglobe.ne.jp/~tomose/lw_customize.htm (tomose@mua.biglobe.ne.jp)