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LOST WORLDS:公式作品一覧

一覧のはじめに。

Lost Worlds は、20年以上に渡って新作が発表され続けているシリーズです。
その歴史の間に、以下のような複数の出版元から発売されています。

このページでは、上記のような歴史・発売ベンダーの切り口で、今までに発売されたLW作品の一覧を提供します。
ついでに、システム的な差についても簡単に触れていきます。細かいシステム差については別ページにて。
というわけで、以下、時代を追いつつ。

NOVA games 版

一番に最初に発表された LOST WORLDS シリーズです。
1984年に最初の作品である Man in chain が発売され、以後数年間に全部で20キャラが発表されてました。
当時のカタログには、これ以外にも数作が発売予定としてリストアップされていましたが、最終的に発売されたキャラクターはこの20作だけです。

このNOVA初期シリーズは、RPGが普通そうであるように『戦士』『魔法使い』といった、『名もなき、一般的装備を持つ、ある種族・職業の人物』をデータ化しています。これが出発点には違いないのですが、後世の作品はほぼすべてが『固有の名前を持つ、ある特定個人』を再現しているため、却って貴重な特徴となっています。

上記以外に、#1008 の魔術師用の『魔法カード拡張セット』2作品、#1042の忍者用の『Gimmicセット』1つが発売されていました。
基本的に、このリストに含まれる作品は絶版です。が、Man in chain などいくつかのキャラは、Flying Bufferoによって復刻再販されています

フィギュアとボードゲーム

上述のNOVAの初期シリーズは、メタルフィギュアメーカーの Ral Partha とも提携していました:各本のキャラクターイラストにマッチしたメタルフィギュアがリリースされていました。
さらに、そのフィギュアとLW本とを併用してボードゲーム的に遊ぶシステムも存在していました。これはLost本2冊とメタルフィギュア4体、ジオラマ的立体マップ、アイテムカード、シナリオ数本を同梱したボックス型のセットです。
『Man in chainとSkeltonとのセット』と『Dwarf と Giant Goblinとのセット』の2つが、NOVAから発売されていました。

フィギュアは絶版状態。RalParthaも倒産しているため、入手は困難でしょう。
ボードゲームも物理的には絶版。しかし同梱されていたルールは、 FBI のWebサイトで無償公開されています。

日本ソフトバンク版

上記NOVA版の本は、1985年ころに日本ソフトバンクによって翻訳・ライセンス販売がなされました。古いゲーマーの方は、ご存知だと思います。

翻訳されていたのは、NOVA版のうち、以下に示すキャラクター15種+魔法カードセット1つです。

興味深いのは、発売されたのが NOVA版のシリーズ順とはかなり異なる点でしょう。

1985年ころは、日本でも「火吹き山の魔法使い」に始まる文庫サイズのゲームブックがブームになっていた時期です。日本ソフトバンクがそれに乗るためにライセンスを取った、という感じだったと思われます。
ちなみに1985年当時の販売価格は1冊700円くらい。本屋に大量に置かれていましたが、普通の文庫ゲームブックが400円前後だった中、32ページ中綴じ・ゲームするのに最低2冊必要というこの本は、やっぱり書店向けではなかったようではあります。海外でも1冊7$以上なのですから、決して暴利ではないのですが・・・アメコミと日本のコミックスの差がここにも、といった感じでしょうか。

残念ながら絶版であり、入手は困難です。稀にWebオークションなどで出回ることがありますが、例外の域でしょう。
2000年ころから 復刻.com にてこれらの復刻を求める活動が進められ、規定数に達したものの、話は進んでいないようです。クイーンズブレイドという『別の日本版ライセンシー』もある現状、難しいところかもしれません。

Emithill版

NOVA版は、Emithill社によって欧州でも展開されていたようです。詳細は不明。

わかってることは、ゲームテキスト部分が文字ではなく、アイコンのようなもので表現されていたらしい、ということ。
国ごとに主となる言語が異なる欧州らしい、変わった翻訳方法と言えるかもしれません。

RUNE SWORDS シリーズ

Rune Sword シリーズは、NOVA GAMES が発売した、LWシステムを使った別シリーズです。1989年頃の作品。 これは、Clayton Emeryという方の小説 "Rune Sword" との提携作品です:この小説の主人公達4人が、本として作成されています。

システム的には、Tacticsカードとパートナー戦闘が導入されているのが目新しいところ。
また『小説のキャラの再現』というスタイルは、NOVA版の初期の本が『名も無き誰か』を再現するものだったことと対比すると、特徴的と言えるでしょう。これは、今日のクイーンズブレイドの売り方・在り方と重なる部分があるのが、興味深いです。LWシステムの新しい売り方の模索のようにも見えます。
ともあれ、これ以降作られる各本には全て特定個人名がつけられるようになっています。

このセットで採用された Tacticsカードの仕組みを受け、NOVA版の Man in chain に専用のカードシートを同梱した『Tactics対応の Man in chain』なども発売されていました。これについては Junkyard側に情報を置いてあります。

このシリーズは現在、Flying Bufferoによって復刻再販されています。

Chessex 版

1995 年に発表されたシリーズ。販売メーカで知られる CHESSEX から発行されました。
システム的には、現在も使われているファンタジーカードの採用が大きな点。Rune SwordシリーズでのTACTICSカードをベースに、きれいに装丁を作り直したものです。それぞれの本に4枚ずつ、そのキャラが使用できるカードがある程度ランダムに選べれて封入されるかたちになっています:この体裁は、現在FBIで扱われている各シリーズにも引き継がれるものとなりました。
その他には、成長ルールの変更が行われています。

上記の『本本体』の他に、ファンタジーカード数枚をランダムアソートした『ファンタジーカードのトレーディングカードパック』も販売されていました。
当時流行し始めていたトレーディングカード的要素を加えて発展させた・・・のですが、残念ながら流行はしなかったようです。

このシリーズは、本についてはFlying Bufferoによって復刻再販されています。
ファンタジーカードについては・・・『トレーディングカードのパック』については復刻無し。どのようなカードがあったのかという情報も、散逸して公式には残されていない様子です。ただしカードそのものについては若干の在庫がFBIに残っているようで、FBIから本を購入した場合、Chessex版のカードが同梱されていることがあります。

GREYSEA 版

CHESSEX 版に遅れ、1996 年に発表されたシリーズです。GREYSEA というメーカーから発表されました:この会社、オリジナルデザイナーの Alfred 氏の直轄だった様子です
目新しいシステムとしては、クリティカルヒットの対応が挙げられます。これはAlfred氏がデザインしていた類似システムのゲームブック・BATTLETECK シリーズからの流用です。
ファンタジーカードも対応。このカードは Chessex版と同じものが採用されているようです。
他にも、成長ルールに関しては細かいアレンジが続けられています。

このシリーズで用いられているLWシステム・ルールの各要素は、2009年現在も作られている作品群とほぼ合致しています。
その意味で、このシリーズにおいて LWシステムは『完成・安定』したと言えるでしょう。

このシリーズは現在、Flying Bufferoによって復刻再販されています。

SHADES Magazine版

1996年 のSHADES 28号に、2作の Lost Worldsキャラクターが付録として付いています。

ただし「付録」といっても、体裁は普通のLW本とは大きく異なっています。
SHADES は海外のいくつかのゲーム雑誌同様、ほぼB5サイズの雑誌。 そしてこれも他の雑誌同様、各ページの外側2インチ程度が本文用のコラム枠になっています。
で、SHADES#28でのLWは、このコラム枠に書き込まれています。 絵にするとこんな感じ。
page image.
時期的にはChessex版・GRAYSEA版よりも後の作品なのですが、システム的にはパートナールールやクリティカルヒットには対応しておらず、NOVA版の初期シリーズとそれほど変わらない内容です。上述のように雑誌掲載の『狭いスペース』の都合上、簡略なルールを採用したというところでしょうか。

Flying Buffalo 版

FBI(Flying Buffalo Inc.)は、2004.Jul 現在、LostWorlds の版権を持っているメーカーです。
ここまでの紹介にも書いたように、FBIは過去に発売されているLW本の多くを、復刻再販しています。また、FBI自身も、自社開発したいくつかのシリーズを展開、多少の絶版モノを除けば、ほぼ全ての作品を継続的に販売し続けています。
ここでは、FBI自身が展開している作品について、記述していきます。

Tonnel and Trolls シリーズ

1995年ころ、Flying Buffalo が最初に発表したシリーズ。FBI自身が持っている RPG ブランド Tonnel and Trolls、通称「T&T」とのタイアップを行ったものです。今のところ、全6作。
システム的には GRAYSEA版とほぼ同じ。
コンポーネントがやや特徴的です:表紙がHLT 1ページ分長い紙で作成されており、その長い部分にキャラクターシートが印刷され、折込まれています。当然、購入者がキャラシートを本体から切断して使うことになります。

Chessex/GRAYSEA同様、ファンタジーカードを同梱しています・・・が。それについては後述します。

Knights of the Dinner Table シリーズ

2002年、アメコミ「Knights of the Dinner Table」と組んだ作品群。 元のKoDT自体のジョーク色を引き継いで、このLW本群も非常にジョーク色の強い作品になっています。
簡単に説明すると。KoDTというのは『ありがちな、アレなRPGプレイをする人たち』を扱ったジョーク作品です。そしてLW化されたのは『KoDTでのプレイヤーが使っている、RPGのキャラクター』というもので、イラストも『プレイヤーが、そのキャラの行動の姿を想像している』絵になっています。
例えば #8611 Brian(Teflon Billy)という本は、『BrianというプレイヤーがRPGで使っている、Teflon Billyという魔法使い』の本。Billy は魔法使いなので、LW本の作りも基本的には魔法使いなのですが、その他に『Brianがゲームマスターに文句を言うことで、以前の結果を巻き戻す』というような行動があったりします。

Photo シリーズ

2003年から展開されている、現在進行形のシリーズ。 イラストではなくデジタルカメラによる実写画像を使っているのが特徴。表紙はもちろん、中のページも写真。
関連して、同じ本の「モノクロ版」と「カラー版」の2種類がそれぞれ発売されています。モノクロ版のほうは、カラー画像をモノクロ印刷していて画質はいまいちですが(^^;

余談ながら:このシリーズの『写真』は、知る人ぞ知る非電源系ゲームの関係者がモデルになっている本が多いのが、面白いです。
Meresin のモデルは、バトルテックの小説を書いているMichael Stackpole。
Mischaは、Newclear War のデザイナーの娘さん。
Zocchi は、100面ダイスの開発者・・・だそうです。

Flying Buffaloのファンタジーカード

Chessex/GRAYSEAと同時期に発売された、FBIのT&Tシリーズと同時に、FBIもファンタジーカードに対応・発売しています。
ただし、FBIが発売したのは Chessex/GRAYSEA版とは少し異なるカード・セットになっています。 印刷体裁としては、カードの裏面(すべてのカードで同じように見える面)はChessex/GRAYSEA版と同等です。しかし、表面==カードの機能面は、FBI独自で作成されています。

FBIのファンタジーカードもまた、LW本それぞれへの同梱+トレーディングカード的パックの2系統で販売されています。
パックの特徴としては、それぞれのパックは「アイテム」や「紫魔法/Purple Magic」というような種別ごとに編成されており、その内容は『固定のカード数枚+ランダムアソートのレア的カード1枚』となっています。
さらにFBIは、ファンタジーカードのアイテムとして提供される『Gold カード』や、大会の副賞として『Gold』を提供し、それによってファンタジーカードを『FBIから購入』できるような仕組みの運営もしています。

なお余談ですが、FBIの提供するファンタジーカードには、裏面が白紙になっているものがいくつかあります。
前述の『賞品』やイベントで配付した特別カードに多いようです。

One Percent Inspiration Games版

2004年ころに作られた、新しいベンダーのもの。
内部データが Alfred氏とは直接関係のない人物が内部データをデザインしたらしい、貴重なシリーズ。 ストーリー用ページ、ファンタジーカード用ページをも中綴じ追加しているのが、装丁上の特徴と言えます。

まったくもって友瀬個人的な感想ですが、どことなく『同人誌』的な香りを感じる作品だと思います。

ホビージャパン版

2005年、日本のホビージャパンから邦訳シリーズが発売されました。それが『クイーンズブレイド』シリーズです。
当初「Beetle Battle」なる別シリーズが作られるといううわさがありましたが、こちらは没になったようです。
クイーンズブレイドはかなり好評だった様子で、クイーンズゲイト/リベリオン/グリムワールという別シリーズの展開も行われました。
そして2016年の『雪の女王』をもってゲームブックとしての展開は終了。全シリーズ通算で60作を超える作品が発売されています。

ホビージャパン版の各シリーズにおける共通の特徴として、これまでの英語版シリーズとは根本的に異なる装丁が挙げられます。
B5サイズ、ハードカバー、イラストも日本のアニメ・イラスト業界で名の知れた人物によるものになっています: 絵・つくりともどちらかというとチープな部類に入っていた従来のLW本とは、かなり雰囲気が異なります。 どうやら「画集」としての需要まで見込んだ装丁と考えられます。
また、日本国内での流通の都合を考慮してか、ファンタジーカードについてはルールや実体が同梱されていません:対応パラメータの類はあるものの、『英語版のカードがあるよ』的な言及に留められています。

初期の作品では『データ部分は英語版既存作品の翻訳+多少の修整、イラスト部分を日本向けに差し替え』というようなものが多かったのですが、新しい作品では『英語版のない完全新作』も作られるようになりました。そういう意味で、もはや単純な「翻訳作品」とは異なる作品群と言えます。
HJ版の詳細については、別ページにまとめました。そちらを参照してください。

クイーンズブレイド シリーズ

2005年末から発売開始されたシリーズ。
『その国家の全てを統べる女王の座を目指して競う闘技大会・クイーンズブレイド』という世界設定を背景にした、作品群です。2008年に完結、全19作品が発売されています。

クイーンズゲイト シリーズ

2007年末ころから発売開始されたシリーズ。『異世界へ続く門から、異邦の闘士が現れる』という世界背景を持っています。 主人公として設定されたアリスは『ゲイトシリーズのため』の新規デザインであるものの、それ以外のキャラはいずれも、他のゲームや出版物で知られる有名なキャラたちです。しかもそれはHJ作品に限定されていません:HJと他の有名創作者とのコラボレーション作品群とも言える側面があるわけです。
特にVIDEOゲーム出身のキャラが多く、例えばサムライスピリッツのキャラvsギルティギアのキャラというような、『世界を越えた対決』ができるようになっています。
2018年末時点で下記の 19作品が存在しています。 上記のような特質上、他のHJ版作品のような『ラスボス』が存在しないためシリーズとしての明示的な完結はありませんが、他のHJ版の展開状況から見てこれで実質的な完結でしょう。

クイーンズブレイドリベリオン シリーズ

2008年末ころから発売開始されたシリーズ。ストーリー的に『クイーンズブレイドの数年後』の新しい世界を描いています。
『女王の座を競う、闘技場での戦い』という縛りが外れた分、そういう設定では出しづらいタイプのキャラが多いのが特徴と言えるでしょうか。例えばアンネロッテは『馬に乗った騎士』であり、ヴァンテやターニャンは『2人一組』です。
また、以前にLW本として発表されたキャラクターが改めて本として作られているのも特色でしょう。サブキャラの位置づけであるものの『エイリン&ユーミル』のユーミルが。そしてQB時代の『呪い』が解けたアルドラが該当しています。
2014年3月発売の沼地の魔女ウェルベリアで完結、全13作。

クイーンズブレイドグリムワール シリーズ

2013年1月ころから発売開始されたシリーズ。『クイーンズブレイド〜リベリオン』の時系列・世界観から離れた、新しい世界の作品です。
永遠の夏の世界を終わらせようとする冬の魔王、それを倒すことができる剣『クイーンズブレイド』にふさわしい闘士を選ぶための闘技会・・・というような背景。展開の仕方も含めて、無印クイーンズブレイドを踏襲した感じといえるでしょうか。
これまでのQB/QBRと異なり、おとぎ話を背景に、おとぎ話の登場人物をモチーフにしたキャラクターたちが提供されているのが特徴的。例えばアリシア本の正式なタイトルは『不思議の国の闇使いアリシア』で、有名な『不思議な国のアリス』をモチーフにしています。いわゆるフリルなミニスカート、などですね。
2016年9月、グリムワール10作目のラスボス『冬の魔王 シンデレラ』がリリース。HJ版としても最終作品となっています。

THE LIVE

2009年に発売開始されたシリーズ。いわゆるグラビアアイドルの写真を使ったLW本であり、FBIのPhotoシリーズの日本的アレンジ版と言えるかもしれません。
写真にするすなわち衣装が必要なことから『コスプレ』的に衣装を準備しやすい既存キャラベースになっています。
従来のLW作品と比べた大きな特徴として、ゲームにはまったく使わない『グラビア写真』『フォトストーリー』というようなページも数ページ含まれているという特徴があります。
QBらしいフルカラー・大サイズという点も合わせて、『写真でできたLW対応本』というだけでなく『写真集に、おまけのLW本が付いた』という感じでしょうか。

2009年の1作目・アイリ以降長い間続編がなく、一発屋かと思われていましたが、2013年になって新作が2作発表されました。

LOST WORLDS:類似システムの別作品群について

Lost Worldsで使用されている『2人の行動から1つの結果を導き出す』というシステム、当時の NOVA社のお家芸的なもので、多くの製品に採用されていました。有名なのは邦訳もあった Ace of Aces・・・複葉機同士の空中戦をテーマにしたものでしょう。

ともあれ、そういった類似システムの作品についての情報をまとめました。
LWシステムとは似て別物の、余談的情報です。 興味があるかたはこちらからどうぞ。
[関連・類似システム]

このページは友瀬 遙 によるものです。
URL:http://www2s.biglobe.ne.jp/~tomose/lw_official.htm (tomose@mua.biglobe.ne.jp)