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LOST WORLDS:システムの変化

このページでは?

LWは、長い期間にわたって発売され続けているゲームです。 そしてその歴史の間には、少しずつ、ルールが追加・変更されてきました。 その結果、『Lost Worldsを知っているよ』というプレイヤーであっても、最近のルール・本で遊ぼうとすると『あれ?』となることがありえます。
特に日本においては、最初の邦訳・日本ソフトバンク版の発売以降クイーンズブレイドが発売されるまでの約20年間、新しいルールの翻訳がなかったため、確実に変化している部分がいくつもあります。

このページでは、上記を鑑みて、そういった『変わってきた』項目について、情報を集めます。

ある意味で、無駄知識です:最近のルールだけで満足な方は、スキップしてくださってかまいません。

NOVA 時代の拡張類

アイテムカード

NOVA時代のボードゲームセットによって提供。後に、ファンタジーカードに吸収合併されていきます。

アイテムカード自体は、#1008の魔術師の本に同梱されている魔剣カードが最初ですが、このセットでは魔剣の他に『特定ページでのみ使える薬品』や、『持っているだけで効果のあるお守り』などが提供されています。

ダンジョンパーティ戦闘

Rune Swordシリーズにおいて『パートナー戦闘』という名前で追加された要素。 複数のキャラクターを用いて戦闘を行うためのルールです。
LWシステムにはNOVA時代から『1vs多数が同時に戦闘を行う、マルチプレイ』という多人数戦闘のルールがありますが、パートナー戦闘はそれとはまた異なるものです。

おおざっぱにいうと『プロレスのタッグマッチ』のようなシステムです。
1つの陣営には複数のキャラクターが参加できますが、一度に戦闘を行えるのはそのうちの『前衛にでた1人』だけ、という処理。そして、特定の条件を満たしているときにのみ『後衛の1人が前衛と交代する』ことができます。

Tactics カード

Rune Swordシリーズにおいて、追加された要素。後に、ファンタジーカードに吸収合併されていきます。
キャラシート・本そのものに書かれている内容を超越する、特殊な行動を再現するためのシステムです。

NOVA時代において、魔術師はRedMagic、忍者はGimmikという『カード』を使用して、キャラシート・本そのものの記述を超越する行動を行う事が可能でした。
魔術師が魔法を使えるように、忍者が小道具を使えるように。『戦士が独特な戦闘技術を発揮できないのは何故だ?』
Tacticsカードは、そういう疑問に答えるもの。魔法やGimmickと異なり専用の『Tactics使用行動』はありません。が、Tacticsカード自体に『xxxの行動を宣言して、yyyという結果になった場合』というような使用条件が付けられています。そういう行動・条件を満たした場合にのみ、カードを使用して追加and/or代替の効果を得られる、というようなものです。

例えば、
「コスト:Tactics 3ポイント。『身をかがめる』行動を行い、ダメージを受けなかったときに使用できる。21ページ(相手の背後をとる)を開く」
・・・という「サイドステップ」というTacticsカードがあります。

黄色魔法/ Yellow Magic

Rune Swordシリーズにおいて、追加された要素。後に、ファンタジーカードに吸収合併されていきます。

NOVA時代にも魔法は存在していました:魔術師用の赤魔法です。
対して黄魔法は、いわゆるドルイディックな魔法の系統に対応するものです。 Rune Sword では、登場人物にエルフおよびエルフに育てられた女性がおり、そのキャラたちの魔法として提供されています。

ファンタジーカード

総括

Chessex/GRAYSEA/FBI の3社による『LW再展開』時期に導入された、大きな要素。
NOVA版においてだんだんと拡張されてきた『魔法』『Tactics』『アイテム』といった要素を整理し、すべてを同じフォーマットのカードとして、システマチックに展開しようとしたものです。LWの本自体にも影響があった、大きな改変といえます。
以下、追加・変更されている要素。

アイテム

アイテムについては、所持ルールの明確化が図られました。

NOVA時代においても、一応はルールがありました:『自分の所持している武器・防具を、カードで置き換えることができる』というようなものです。しかしそれでは『薬品を持っていてもよい?』というような疑問が生まれてしまいます。

ファンタジーカード対応以降では、すべてのキャラクターについて『所持品』欄が新設。どんなものをどれだけ持っているかが、明確に定義されるようになりました。
参考:すべてのアイテムのカードには、Goldという『金額』が書かれています。具体的にどう使う、という定義はありませんが、FAQにおいて『トレードやバランス調整のときの基準にしろ』的なコメントがあります。

魔法

NOVA時代からあった魔法システムは、細々と変更されました。

巻物/Scroll

巻物は、魔法とアイテムとの相の子のようなカード・システムです。

巻物を使用できるキャラクターは、魔法使いと同じように『巻物を使う』行動を持っています。
そして、装備欄に『巻物1本』というように、普通のアイテムのように所有指示がなされています。

運/Luck と 戦術/Tactics

Rune Swordにおいて作成された Tacticsもまた、ファンタジーカードとして再録されました。
使い方などは Rune Sword時代から変化していません。
また、Tacticsとほとんど同じように使用できる 運/Luckカードが新設されました。

似たような使い方の2カテゴリが増えたこと自体は、あまり不思議ではありません。キャラクターの性格差だと思えばいいでしょう:『戦士は、技術==Tacticsで戦う』『盗賊は、幸運・悪運==Luckを友とする』というようなものです。

勲章/Campaign

ファンタジーカードで新設された、新しいカテゴリ。
言うなれば、『成長ルールの、新しい選択肢』です:経験値を支払うことで『購入』でき、そのカードに書かれている効果を得ることができます。

例えば『経験点100点を支払って購入。初期体力が6増える』というようなカード。
詳細は後述しますが、ファンタジーカードが適用された時期において、成長ルールも変更されました。その新しいルールの都合上、このカードが必要になってきました。

成長ルール

成長自体はNOVA時代からあるルールですが、時代ごとにだんだんと変化してきた経緯があります。

Rune Swordでは、Tacticsポイントが増加したことに絡んで、その成長ルールが追加されました。
ただ、基本的には初期NOVAシリーズと同じ成長ルールでした。

Chessex/GRAYSEA/FBI 時代において、成長ルールには大きな改変がなされました。
もっとも大きな要素は、修正値の上限が発生したことでしょう:キャラクターシートに書かれている修正値の『2倍』までが、成長限界となったのです。この結果修正値がゼロ以下の項目は『成長できない』ことになったり、『すべての項目が2倍縛りに到達』という成長限界が生まれました。
ちなみに、ファンタジーカードの『勲章/Campaign』については明確な取得制限は定義されていません。つまり上述の成長ルールによる限界には関係なく、購入・強化が行えるわけです。

身長

CHESSEX/GRAYSEA/FBI時代の変更。単純に、身長格差の表現が、緩和されています。

NOVA時代の身長ルールは、
「身長が高いと、低い相手に対して、その差1つにつきオレンジ・赤の修整値+1」
「身長が低いと、高い相手に対して、その差1つにつき赤の修整値−1」
・・・と、攻防の双方に影響し、範囲も広く、かつ身長差があればあるだけ差が付くものでした。
しかし上記シリーズ〜現在では、
「身長が高いと、低い相手に対して、差の量に関係なく、オレンジの修整値+1」
・・・と、かなり狭い影響になっています。

クリティカルヒット

GRAYSEA/FBI時代の変更。文字通り『致命的命中』を表現するシステムです。
昨今のRPGなどではクリティカルヒットというと『急所に当ったから普通以上に効く』というものですが。LWシステムにおけるクリティカルヒットとは、単純に『でかい威力の攻撃は、普通以上に効く』というものです。

一般的なボーダーラインは「最終的な修整値が+4以上の攻撃によるダメージ」。 こういうダメージが入ると、恒久的な性能低下が発生します。
例えば、「13ページ(足に負傷)」に「SCORE:3」で、(+4した)7ダメージ以上が入った場合。通常のダメージに加えて、「以後のゲームの間、青の行動が選択できません」というような損害が追加されます。

このページは友瀬 遙 によるものです。
URL:http://www2s.biglobe.ne.jp/~tomose/system.htm (tomose@mua.biglobe.ne.jp)