空の王者も・・・ 2006/7/8

今日、中部国際空港、セントレアに行った。そのまま飛行機に乗りたいところであるが、残念ながら空港までである。ここにちょっとした資料館(とても小さいが)あるので、それを目当てに行ったのである。とはいえ、折角行った空港。あちこち見て回った。朝だったので店は一部しか開いていなかったが、面白そうな店もある。見学者が多い、というのもわかる気がした。また、帰りの名鉄の特急。指定だったので検札があるのだけど、座席の前にチケットフォルダがあり、そこに切符を挟めるようになっていた。そんなの使う人がいるのかな? と思ったが多くの人がそこに挟んでいた。ちょっと驚いた。私はいつもの通り、車掌さんがきたときにさっと、切符を取り出したのだが・・・。

さて、空港では展望デッキもあるので、そこに行ってみた。ここは国際空港なので、当然、海外からの機がいる。JやAも当然いるが、海外の航空会社の飛行機を見るのもまた、面白い。
ところで飛行機というと、何を思い浮かべるか? 私の場合、ボーイング社の747(B747)である。東京と小松を往復するときなどに多く利用したし、一時は国際線などを中心に多く飛んでいたこともある。また、先頭のこぶみたいな盛り上がりもまた、大きな特徴になっていることもあるだろう。
だけど、B747、売れていないのだそうだ。その理由のひとつに、大型の双発機が出てきたことがあるそうだ。エンジン4つのB747の国内線向けは座席数で約570だけど、B777はエンジン2基で座席数が約500になる。1割少々違うとはいえ、エンジンが2つか4つかは経済性で大きな差になるそうだ。であれば、B747の存在価値は薄くなる。エンジン4つを生かして洋上飛行などでは必要性はあるにしても、B747でなければ、ということは少なくなってきている。
今日、セントレアでみてみてもB747、少なかった。国際線では、東南アジアの航空会社などが目立ったこともあるかもしれないが、ほとんどいなかった。海外の機で1機はいたけど、それ以外はわからなかった。飛行機といえばB747。かっての王者も衰退してしまったようだ。盛者必衰とは言うが、ちょっと寂しい気もした。エアバス社の機は超大型から小型まで、バランスよく売れているのに、ボーイングは737と777しか売れていないとか。B社自体が傾くことはないのだろうか?

小型機の不時着  2005/10/29

先日、金沢で建設途中の道路に小型飛行機が不時着する事故があった。そして、昨日も東京で校庭に小型飛行機が不時着したそうだ。金沢では地上の物損のみであり、東京の場合は生徒に怪我があったそうだけど、飛行機への接触ではなく、避難時の転倒によるものとのこと。どちらも飛行機に乗っている人も軽い怪我だけですんでいるのは幸いなことである。

金沢で不時着の事故があったとき、不時着した場所の近くの地図を見て、ここが無理なら学校の校庭かな? と思ったのだけど、東京で本当に不時着があり、驚いている。
金沢の場合、不時着したのは年度末に開通予定の4車線道路。幹線なので直線部分もある程度の長さがあり、幅も十分ある。場所は金沢の山沿いの住宅地。町の中心部ではないが、住宅などは多い。この付近で不時着、となると、山ではパイロットの命が危ないし、たとえば田んぼなどの空き地は数キロと以上離れないとなさそうな場所なので、ここが唯一、安全に不時着できる場所。とても冷静な判断だったと思う。
さて、校庭、長さは100m以上あるけれど、周囲に木や建物などがあるので、不時着は難しい。速度を遅く遅くして、落ちるように着陸する必要がある。決して楽ではなかったことだろう。よく降りられたもの、と感心した。

不意の出来事にどこまで冷静に対応できるか・・・。特に飛行機の故障などでは、時間も限られるし、命にかかわる。そんな中の冷静な判断は難しいと思う。

それにしても、地上の人への巻き込みがなくて良かったと思う・・・。


雪の中の着陸 2005/3/16

3月も半ばなのに先週末は結構な雪になった。その日、飛行機で戻ったのだが、小松は積雪があり、雪の中の着陸となった。雪の影響、これはもちろんある。雪の中の着陸では、ブレーキの効きが悪くなることはあるし、地上が真っ白になっていると目で見て高度がわからない、ということもあるそうだ。
乗客としては、やはり厚い雲や視界の不良が気になるところである。以前、富山空港に降りたとき、上空で視界の回復を待っての着陸だったが、厚い雪雲を抜けた、と思った瞬間にすぐ近くに地面が見え、前方を写すカメラには滑走路が大きく映っていたことがあった。

今回は実は視界はそれほど悪くはなかった。上空からも町の明かりが見えていた。だから、あまり心配はしていなかったのだが、さすがに雪雲である。高度を下げると時々変な揺れがした。急に横に流れるような感じなのだが、後ろが大きく流れるからか、ほんの少し体が回転するような気がした。回転椅子をほんの少し、だけど早く回したような感じである。そして、時折雲があり、地上の灯りが隠れてしまう。しかし、降下は順調・・・と、思いながら外を見る。このあたりは見慣れた風景だから、夜でも位置はわかる。
高度も下がり、空港の敷地内へ、そして滑走路へ。が、滑走路は真っ白で舗装面が見えない。見えないまま降下し、いつもより着地の瞬間を強く感じることなく接地。そしていつものように逆噴射。ジェット機の逆噴射、これは噴出す方向を後ろから斜め前方に変えるので、豪快に滑走路の雪を弾き飛ばす。

飛行機地上にいるときは車輪で支えられているけど、上空では空気で支えられている。また、進む力も空気にによって行っている。まあ、当たり前のことだけど、こういうときには改めて感じ取ってしまう。
そういえば、雪道で車がスリップしたり、派手に回転したりする。車がタイヤで支え照れていることを実感する・・・。

雲上の夕焼け 2005/3/14

久しぶりに飛行機に乗った。
もう春なのにたまに雪がちらつく中のこと。離陸してしばらくすると雲のうえの飛行となった。時刻は夕刻。離陸時は夕刻と言うよりは夜に近く、離陸後は夜景も楽しめた。飛行機の楽しみはなんといっても空からの景色。昼も良いし、夜景もまた良い。が、雲で遮られることも多くなってきた。
そして・・・雲を抜けてふと目に飛び込んできたのは夕焼け。波立つ雲の水平線に接するように茜色が張り付き、そのすぐ上はほのかに黄色っぽい白、続いて水色に青。そして、空を覆う深い深い群青色。見事な色だった。この深い群青色、上空で、空気が澄んでいるのだろうか? また、空気の薄さもあるかもしれない。それは見事な色だった。

以前、”群青色は、日没の数分後に空に広がる色のこと”と聞いたことがある。空にいるから日没後の時間はわからないし、空気の薄さもあるから、定義通りの群青とは違うかもしれない。だけど、このすきとおった感じのある深い色。宇宙につながる色なのかな・・・などと感じてしまった。

雲上に出て夕焼けが見えた直後、旋回が始まってしまい、翼の陰に隠れてしまったのが残念である。
一瞬の美しさ・・・。見とれてしまった。もう少し、あと数秒でも見ていたかった・・・。あまりにも見事な夕焼けだった。

羽田での雪景色 2001/1/21

1/15〜16は北陸で大雪だった。金沢でも90cm近くまで積もり、交通機関などに相当の影響が出た。特に15日は夜中に積もったこともあり、朝は相当な混雑だった。雪の降りやすい状態がその後も続いたため、18日朝の出張を急遽前日からの移動に切り替えたりした。でも、戻るときにも雪の影響があるなんて、思っても見なかった。

1/20は、所用で埼玉県の飯能まで出ていた。その帰り、5時近くなった頃に電車の中で外を見ていると雪らしいものがちらりと見えた。初めは軽く見ていたのだが、そのうちだんだん強くなり始めた。とはいっても積もる様子はなく、電車も快調だった。しかし、モノレールに乗る頃には強めになってきた。道路に残る様子はないものの、モノレールの車両の屋根に少し積もり始めていた位だった。これなら飛行機の遅れ大丈夫だろう、と思いつつもちょっと心配になり始めた。
羽田に着いてチェックインを済ませる。幸い、いつもと全然変わりはしない。遅れの連絡もないし、天候調査の話もない。でも、ちょっと様子を見に行ったJALとJASでは、チェックインが止まっている便があった。気になりはしたもののそのまま搭乗待合室へ。きょうもバスで搭乗機まで行くことになる。外は雪が溜まり始めている。といっても白くはなく、溶けきれないぐちゃぐちゃの状態で残っているだけ。車ならブレーキの利きが悪い、なんてことはあるが飛行機なら心配ないだろうな、などと思う。ただ、バスはとても慎重に運転しているのがわかる。途中、高速道路を越える橋があるが、ここで雪が溜まり始めていた。橋だから冷えやすいのだろう。
多少時間がかかったのかもしれないがなんの問題もなく搭乗機に到着。そのまま乗り込む。機内も特に変わった様子は全然ない。そのまま本を読みながら待つ。”乗り継ぎ客を待つ”という案内があったがこれもたまにあること、などと思って外を見ていると相当雪が増えてきた。機体は金属だからか、地面よりも雪が溜まりやすい。翼などにも残っているのが見える。こうなると、機体に残る雪を暖かい不凍液みたいなものでよかさなくてはならない。
”除雪の作業車が順に作業しているが、あと40分は待つ予定・・・”という放送が入る。なんでも、6時台に出発予定の便の作業中とのことだ。小松ならあっという間に作業車が来るのだが、羽田だと飛行機が多いから、作業待ちになってしまうのだろう。JASやJALの搭乗手続き中止もこの作業車が手配しきれないからかもしれないな、と思う。ANAは7台用意しているという。他社はそれほど多くないのかもしれない。しかし、そのくらいの遅れなら仕方ないと思う。羽田でこれだけの雪が降ることはそう多くはないだろう。そういうときのために沢山の作業車を用意するのも難しかろう。
出発まで間がある、ということでスーパーシートでは軽食が先に出された。ビールを頼んでいる人も少なくない。どうせ時間はあるのだからとゆっくり食べる。でも、間が持たない。本を読むのも良いのだが、ふと思いついて”出発までの間にパソコンを使っても良いか?”と聞くとそれはだめ、とのこと。飛べないにしても出発準備中なのだから仕方がない。となると読書だけとなる。周りではビールをおかわりしている人も結構いる。これもちょっとした雪見酒?
そうしているうちにも雪が増えているのが見える。でも、視界は大丈夫そうだし、遅れだけかな?と思っているうちに除雪作業車が到着とのこと。しかし、会社指示(?)で運休・・・。小松空港の運用時間のこともあるとのことだ。まあ、この状態では仕方ないかな、と思う。ここでまたバスを待つことになるのだが、他にも欠航便があるので待って欲しい、とのこと。これも仕方がない。客室乗務員の方がしきりにお詫びを行っているのがかえって気になる。私のせいじゃない、とまでは言わなくてもいいけど、別に乗務員のせいではないのだからここまで言わなくても・・・なんて思ってしまう。
さて、欠航の手続き。これが結構手間がかかる。満員ではないが100人以上の乗客、一人一人の処理になる。係員が5人くらいいるがなかなかスムーズには行かない。私の場合、航空券に戻すことを依頼した。というのは、回数券なので払い戻しにするとそのままでは他社便に乗れないからだ。結果として、これに相当時間がかかってしまった。時間にして1時間半? なんでこんなに? と思うのだが、考えてみれば電子化でチェックインはどこでも出来るようになっている。そうなると、もとの航空券がどこにあるのかわからない、なんてことにもなるのだろう。同じような人があと2人、合計3人で1時間半・・・。延々と待たされてしまった。払い戻しや自社便への振り替えだったら早かったのだが・・・。
待っている間にまずはホテルを予約。こういうとき、携帯電話はほんとに便利だと思う。次いで他社の予約をしようとしたがいつの間にか電話予約の時間は終了。電話予約の時間はおおよそ午後10時まで。これで十分、なんて思ってはいたけど、以外と不便なもの、と思う。
しかし、さすがに1時間半の待ちはつらい・・・。携帯電話でインターネットを、と思っても電池が切れそうになってる。たまに外を見ると雪が雨に変わっている。これなら明日は飛ぶだろうな・・・。

結局、ホテルに入ったのはほとんど日付の替わるころ。明日の早い便に乗ろうと思っていたのだが、航空券を受け取るのに時間がかかりすぎたのでもう少し遅い便にしたい。となると、結局元の航空会社の便? まあ、航空券受け取りに1時間半もかかるなんて思っても見なかったから・・・。これも電子化でどこでもチェックイン出来るようになったことの弊害かな? こういうことがない限り、以前より便利なのだから仕方ないのかな・・・。

さて、翌21日。空は快晴。とはいえ、残雪が目立つ。今日もバスで搭乗機まで移動になる。以外とお客は少な目。払い戻した人も少なくなかったから、昨日の欠航の影響はないのかな?などと考えてしまう。ひょっとしたら、北陸の大雪のために移動する人が減っているのかもしれない。 ふと、通路を歩いていたお客が、”こんな後ろの席、失礼やわ・・・”なんて言っているのが聞こえてきた。丁度客室乗務員に聞こえる場所で言っている。何でこんなこと言うのかな?などと思う。確かに前の方の席を好む人が多い。だから、前の方は定価の航空券を持つ人や早くから予約する人、搭乗手続きの早い人などに割り振られる。これは当然のことと思う。これらの人を優先するのは当然だろう。逆に、遅く予約した割引客に良い席を回すとしたら、それこそおかしい。後ろの席がいやなら早くから予約などを済ませるべきだろうし、割引航空券なら仕方ないと割り切るべきだろう。それに、こんな風に言ったら乗務員も気持ちよくないだろうから、最低限のサービスしか受けられないと思う。いずれにしても、つまらん ことを言うものだ、と思う。

ちょっと話がそれたが今日は無事離陸。都心や千葉はまだ雪が少なかったが、横浜より東は真っ白。屋根に雪が積もっているのだが、影が出来て妙に立体的に見える。北側から見ているから余計影が目立つのだろう。鳥肌?鮫の肌?それとも鰐皮?なんだかそんな風にも見える。また、ところどころ低いところにもやがかかったようにも見える。多分、地上が冷えているからだろう。と思っているうちに富士山が見えていた。純白の雪。今日の富士山は格別だと思う。手前の湖には氷の張っているのが見える。これもまた風情がある。
と思っているうちに雲が増える。この時期、北陸が近づくと雲が一気に増える。大抵はそのまま雲が厚くなるのだが、今日はまた晴れてきた。一度海に出て旋回。こちらも一面の雪景色。丁度飛行機の影が見える。空港そばの高速道路の上を影が走るのが見える。こちらは着陸直前だから時速250km位かな?それでも自動車の倍以上。どんどん影が車を追い越してゆく。こういうのを見ると、丁度このとき高速を走っていたら面白いだろうな・・・などと思う。影がどんどん大きくなり、程なく滑走路へ着陸。無事着いた、という思いが特別強い出張だった。

修行 2000/12/28
修行、といっても宗教的なものでは決してない。修行、という言葉のイメージからは全く話が飛んでしまうが、航空会社のサービスに”マイレージ”というものがある。これは、飛行機を利用する度にその飛行機距離を加算し、その合計により無料航空券などのサービスがうけられる、というものだ。普通はここまでなのだが、マイレージには更に常連客向けのサービスがあり、常連客向けの特別なカードが発行されている。この目安としては、国内線のみなら数十回。国際線の利用でも数回〜十数回の利用が必要である。そのサービスは? というと、ファーストクラス用/スーパーシート用のチェックインカウンタの利用や、ラウンジの利用、優先予約などである。

さて、”修行”に話を戻そう。ごく一部の人は、この常連客の資格獲得のため、意味もないのに飛行機に乗る。たとえば、東京から沖縄に飛び、そこから離島へ数往復する。あるいは、たいした意味もなく海外にゆく。といった具合である。普通の人から見ればあきれ果ててしまうような無駄であるし、乗っている本人にしても1日に10回近く飛ぶ、という苦行を強いられる。そんなところから、”修行”などと言うのだろう。 私は? といえば”常連客”としての扱いには魅力を感じはするものの、投資に見合う行為とはとても思えなかった。だから、飛行機好きの私から見ても理解を超えた行為、となる。

さて、私は出張は普通の人から見れば多い方である。しかし、月にして2〜3回程度。一時期多いときがあっても、それが長続きするわけではないので、年間回数でいえば20〜30回くらいだと思う。それも、東京−小松は3社が運行しているので、1社あたりの利用回数が分割されてしまう。その結果、1社あたりでみれば、”常連客”のレベルには到底及ばず、無縁の世界だった。
しかし、今年の場合、打ち合わせ時間の関係でJ航空に利用が集中し始めた。となると、ひょっとして?などと思って数えてみた。J航空の場合、50回/年の利用が必要である。秋頃に出張見込みを数えると46回程度の利用になりそう? となった。とすればあと4回、である。となるとつい欲が出てしまう。常連客向けのサービスの中には、スーパーシート用チェックインカウンタの利用もある。これは、ときにはとてもありがたい。私の場合、出張ではA航空の回数券が会社から渡される。もちろん、これでJ航空も利用できるのだが、他社の航空券なので自動チェックインは出来ず、窓口での手続きが必要になる。羽田は時間帯によっては大混雑になるし、小松もときには長い列が出来る。こんなとき、スーパーシート用カウンタが使えるのはとてもありがたい。また、予約も優先予約になる場合もある。これも、急な出張には助かる。
さて、あと4回、となると、小松−羽田間なら割引運賃で5万円少々になる。結構な投資であるが、常連客になるとそれだけでマイレージで1万マイルが付き、スーパーシート利用券が受け取れる。これをお金に換算すると3万円弱に相当する。なんのことはない。1往復分はすぐに帰ってくるのだ。更に、マイレージの割り増しもある。それに、1度資格を取ってしまえば上級のクレジットカードに切り替えることで特典を維持できる・・・。となると大いに心が動く。極めつけは、今まで貯めたマイルで2往復分の利用券がもらえそうなこと。ということで、とうとう”修行”を始めてしまった。その気になれば4回の搭乗なんて1日で達成できる。小松から羽田に飛び、そこからどこかに往復して戻ればよいだけのことだ。でも、これはあまりにむなしい。飛行機好きの私でもこれはいやだ。結局、羽田までの往復を2回することにした。東京での滞在時間は7.5時間ある。せっかくだから博物館まわりなど、有意義に時間を使った。普通に行われている(?)”修行”とは違うのだが、必要に迫られての東京行きではない。やはり、これも修行というのが適当なのだろうか?

 

機外風景から 2000/12/5

今日は東京への日帰り出張だった。私はどちらかというと出張は多い方で、日帰りも少なくない。移動は大抵は小松から飛行機で、となる。たまには電車に乗り、帰りに駅弁とビール、などとゆったりしたいものだが、会社から飛行機の回数券が渡されるので勝手に電車には乗れない。まあ、機外風景が堂々と楽しめるのだからよしとしよう。さて、今朝は快晴。でも、寒冷前線が近づいているとのこと。天気予報でも、丁度帰ってくる頃に強めの雨の印が出ている。まあ、一番大切な、打ち合わせには支障なさそうなのでこの点は安心できる。もし帰ってこれなかったらホテルでゆっくりすればいいのだから。

起きたときは快晴だったのに、空港に着く頃にはもう天候が怪しくなってきた。風も強いし雲も出てきた。天気が急に悪くなるときの風に似ているな、などと思う。そして、離陸直後には機内から虹が見えた。”朝の虹は雨”という言葉をつい思い浮かべた。でも、機内から本式の虹を見るのは初めて。まずはこの貴重な虹を楽しむ。空から見る虹はちょっと違う。虹の色などは変わらないのだが、地上で見る半円を下まで伸ばしたような感じになる。最後にはぐるりと一周して円になるそうだが、窓は狭く、そこまでは見えなかった。薄い霧のような中、地上の景色を背景にする虹。とても幻想的な感じだ。
虹が消えた頃には雲の上。でも、名古屋あたりからは好天。木曽三川もよく見える。冬はいつもこんな感じだ。早速機外風景を楽しむ。最近は第二東名も目に付く。もちろん工事中の様子だ。空から見ると道路が出来つつあるのがよくわかる。東名高速とのジャンクションも形が出来てきた。こんなところまで見えるのも飛行機ならではである。
と思っていると、他機とのすれ違い。今日はいろいろと目にする日だ。機は御前崎を過ぎて伊豆半島の先端を掠める。ここでふと見下ろすと三宅島が噴煙を揚げているのが見えた。噴火以来、何度もここを飛んではいるが、雲が多いこともあり、噴煙を見るのは初めてである。白い煙が山頂から横に伸びている。多少、上昇するが真横に伸びる、といった表現の方が近い。やはり、普通の煙とは違うのだろうか? 煙はかなりの距離まで伸び、だんだん霧のような感じでぼやけ、雲に飲み込まれていた。消える、といった感じはない。やはり火山性の微粒子などが含まれているのだろう。
ここから先は千葉の風景。今日はいつもとは逆の、北側から降りる。ディズニーランドや建設中のディズニーシー、それにお台場などのベイエリアがよく見える。景色としてはとても面白い。最後にはキリンのようなコンテナクレーンがすぐ近くに見え、引っかかりそうに感じてしまう。
無事着陸して駐機場へ。と思ったところで止まってしまった。なぜ?と思っているとUターン。滑走路に引き返して手前の誘導路を走る。急に駐機場の変更でもあったのかな? 飛行機でUターンなんてこれまた初めてのことだ。

さて、打ち合わせも順調に終わった帰り道、空港の掲示で見ると小松は雨。機内放送でも着陸前は揺れるとのこと。まあ、前線を横切るのなら当然だろう。とはいえ、途中までは快晴。東京から高崎あたりまで夜景が見える。いつもながら東京の夜景は広さに圧倒されてしまう。小松行きの場合、多摩川に沿うように飛ぶ。実は私は一時期府中や多摩市にすんでいた。だから、川や道路の形で、夜の便であってもどこを飛んでいるのかだいたいわかる。あのあたりに住んでいたのだな、などといつも思う。機内サービスのコーヒーを飲みながらの夜景。仕事が終わっていることもあり、ゆったり出来る。
夜景の美しさも山梨あたりまで。家が減ることもあるが、どうやら雲の上になってしまったようだ。ここで離陸前に座席に置いたままになっている本を取り出す。もう外は真っ暗になっている。
小松が近づき、高度を下げ始めた頃から揺れ始めた。大きな揺れはなく、左右に振られることもあまりないまま体が重くなったり軽くなったり。ジェットコースターみたいな感じだ。体が浮く、ほどではないが、ジェットコースター状態は結構長い。この程度ならば危険はない、と理性ではわかっているのだが、体は正直である。気が付いたら手に汗が出ていた。

揺れもとまり、ちょっと安心しながら外を見ると小松の明かりが見える。視界不良で引き返す心配はないな、とほっとすると同時にがっかりもする。引き返してくれれば明日はゆっくり出来る・・・などと不謹慎なことをつい考えてしまう。などと思っている間に飛行機は海上へ。この時期、漁り火が見られるのだが、今日は真っ暗。雲があるのかもしれないが、多分、海が荒れて出漁できないのだろう。そして北側から空港に向かう。金沢と小松の間、東京ほどではないが、夜景が美しい。昼だと農地が目立つが、外灯のためだろうか、夜だと町のように見える。空港がすぐそこなのに着陸灯がつかないな? と思いはしたものの小松ICが見え、ゴルフ練習場、と見慣れた建物がみえる。ここまでくるともう着陸・・・。と思うと町の光が遮られ始めた。雲かな? と、ここで高度が落ちてないのに気づいた。あれ? と思っていると駐車場が。なんでここに? 身を乗り出すと空港のターミナルが・・・。着陸のやり直しだ。周りでも何人か気づいたようで、空港を振り返って見ている。今までに数え切れないほど飛行機に乗っているが着陸のやり直しは初めてのこと。多分、気象の問題だろう。でも、町の光が見えていたし、変な揺れもなかったのでやり直すとは思ってもいなかった。小松だから着陸待ちはないが、それでも10分はかかった。短距離の国内線で離着陸に要する時間が大きいことを実感してしまった。
たった1回の往復だったのに、ずいぶんと変化の多いフライトだったと思う。虹や火山などの景色、着陸復航、初めてのことがいくつもあったのだから。

風に吹かれて  飛行機の話