ホテルのハンバーガー
ハンバーガーの値段は?
ファーストフードの専門店なら100円程度からある。手軽で安い食事には悪くはないと思う。
さて、ハンバーガー、これはパンにハンバーグを挟んだものである。専門店でなくても、たとえばホテルのレストランなどにもある。しかし、さすがに200円300円、というわけにはいかず、1000円を軽くこえてしまう。他の料理、たとえばハンバーグの値段を考えれば妥当な値段であるが、どうしても普通に言うハンバーガーの値段、200円などと比べて高いと思ってしまう。それゆえ、関心がありながらもつい注文をためらってしまう。同じような値段のサンドイッチなら高いとは思わないのだが・・・。
とはいえ、やはり一度食べてみないと、と思って注文してみた。地方のリゾートホテルの軽食、値段は1500円ほど。ホテルのレストランとしてはむしろ安い方だと思う。
その内容、パンに薄めのハンバーグ、トマトにレタス。特に変ったところはないのだが、やはりハンバーグは手作りであり、味も良い。レストランとしてのサービスなどもあるので、値段としては妥当だと思う。
味はよいとして、問題はどうやって食べるか?
普通なら防水の紙に包んで有るので、そのまま手で持って食べればよい。だけどここでは? 厚さが相当あるので、普通のサンドイッチみたいには食べられない。ソースなどがたっぷりかかっているので、手で持つと手がべとべとになってしまう。服も汚しそうな気がする。結局、ナイフとフォークが用意してあったので、それで切って食べた。
普通に食べるハンバーガーみたいに気楽ではないが、味は良い。かなり高級なハンバーガー、また別の機会に注文してたいと思う。
ウィスキーの話
ウィスキー、25年ぶりに販売が上向きに転じたそうだ。この背景には、サントリーが進めたハイボールの復活がある。ハイボール、これはウィスキーの炭酸水割りで、以前広く飲まれていたのだそうだ。飲んだことのある人には懐かしさが、そしてそうでない若い人などには新鮮さがあって、増えてきたのだそうだ。また、その背景にはチューハイが飽きられ、新しい飲み物を模索していた、ということもあるようだ。ウイスキーの消費増、ウィスキー好きの私にはうれしいことである。この機会にウィスキーの魅力などを書いてみようと思う。
ウィスキー、ご存知の方の多いとおもうが、蒸溜酒である。だからアルコールが 43%程度で非常に高い。中には50%以上のものも売られている。以前、限定的な販売ではあったが、ほとんど原酒そのままの、約65%のものもある。ウィスキーの造り方、まず麦芽を発酵させ、これを蒸溜して作る。これがモルトであるが、荒っぽく言えばビールを蒸溜したようなものである。そして、とうもろこしなどの雑穀を発酵、蒸溜して作ったグレーン。この2つをブレンドしてつくることが多い。グレーンは連続蒸溜で作られ、アルコール度数が非常に高い。これをブレンドすることでまろやかな飲みやすいウィスキーになる。有名なウィスキー、ジョニー・ウォーカーやオールド・パーなどはこの、ブレンデッドウィスキーである。そして、ウィスキーの中にはモルトだけで作られたものもある。
モルトとグレーン、どちらも樽で熟成する。蒸溜直後のウィスキー、無色透明でとても荒々しく、飲めるようなものではないそうだ。これを樽で数年間熟成させることで琥珀色になり、荒々しさが消え、そして味が出てくる。ウィスキーの味は、熟成によって生まれる、といえる。
ウィスキー、売られているものの中には、たとえば 12年などと書かれて売られているものがある。これは、12年以上熟成させたモルトとグレーンから作られた、ということになる。熟成が長いとそれだけ保管に費用が掛かるし自然に中身が減ってゆくのでどうしても高価になる。たとえば10年と
12年ではわずかに 2年の差ではあるが、値段は倍になったりする。中には○十年というものもあり、これは驚くほど高い。
樽による熟成、ここで大きな違いが出る。まずは樽。木の種類や大きさ、そして以前に別の酒の保存に使った場合はその酒の種類の違いなど、さまざまである。その結果、樽から出した原酒、おなじウィスキーと思えないほど個性的である。サントリーの山崎蒸溜所には、さまざまな原酒が保存してあるが、ビンに入っているのを見ると薄い色から真っ黒に近いものまである。そして、同じような樽であっても、貯蔵する場所によっても味が違うそうだ。同じ貯蔵所であっても上か下かによって温度や湿度の変化が違ってくるため、などといわれている。そして、もちろん熟成期間によっても味が変わってくる。一般に長い方がまろやかになる。
また、蒸溜の釜の違いもある。釜の大小、そして形。これによって、蒸発して戻る成分も微妙に違ってくる。だから、蒸溜所の蒸溜釜、わざと違うものを作ったりするそうだ。
そして、材料の違いもある。たとえば麦芽。これは大麦を発芽させ、適度なところで止める。そのとき、スコットランドなどでは泥炭を燃やして燻製にしたそうだが、このために燻製風の味が残る。これもウィスキーの味であるが、逆にこれをなくしたものもある。
ウィスキー、いろいろなものを作り出すため、形の異なる蒸溜釜で、いろんな樽で熟成させ、数多くの原酒をつくり、これを最適な比率で混ぜてウィスキーを造っている。日本のウィスキー、そんなに個性的なものはないが、海外のものには同じウィスキーとは思えないほど違いがあったりする。
さて、ウイスキーの魅力を語る上で欠かせないのがシングルモルトである。ウイスキー、はモルトとグレーンをブレンドすることが多いが、中にはモルトだけ、それも同じ蒸溜所で作ったモルトだけでつくられたウィスキーがある。これがシングルモルトである。同じ蒸溜所のモルトだけで作るので、個性が出やすいウィスキーである。ブレンデッドウィスキーにももちろん個性はあるが、シングルモルトとなるとその比ではない。日本酒でも個性的な地酒があるが、シングルモルトはそれ以上に違いがある。ブレンデッドウィスキー同様に飲みやすいものもあれば、スコットランドのアイラ島のもののように燻製が強いものもある。ここは海に近いので潮の香りがする、とまで言う人もいる。中ではラフロイグは個性が強く、クレゾールみたい、なんていう人さえいる。
次は、ウィスキーの飲み方である。ウィスキー、アルコールの度数で言うと、 43%前後である。原酒に近い50%以上のものもある。これをストレートで、となると慣れた人ならともかく、非常にきついだろう。口から火が出るような感覚になる。となると水割りなどで、となるのだが、ここでスコットランドなどで飲まれる方法を紹介しておく。それは、室温の水、1対
1の水割りである。氷は入れない。氷を入れると一部の香りが出にくくなるから、というのが理由だそうだ。そして、水で割ることにより、強い味の陰に隠れやすいかすかな味もでてくる。これもあり、蒸溜所でブレンドなどの際に味を確かめるのはこの1対1の水割りなのだそうだ。ウィスキーの特徴を一番感ることができるのみ方だとは思うが、アルコールは20%以上になる。これでもなれないときついかもしれない。
飲み方として、 1対 1の水割りを書いたが、これは一例である。好きなように飲めばよいと思う。ハイボール、私は缶入りを飲んだだけであるが、これも好みだと思う。このほか、カクテル風にするも良し、これは自由である。
でも、シングルモルトでウイスキーの個性を楽しむには、この水割りが一番だと思う。是非一度試してみてほしい。い。
柿の葉寿司と海老の寿司
柿の葉寿司、奈良のものが知られているけれど金沢にもある。だから、私は柿の葉寿司は金沢の寿司、と思っていた。偶然、東京かどこかで柿の葉寿司を見て、てっきり金沢から、と思っていたのに違ったことに驚き、奈良にもあることを知った。
だけど、金沢以外の柿の葉寿司を食べる機会はずーっとないままであった。最近、実家が貰った奈良の柿の葉寿司のおすそ分けがあり、初めて食べた。桐の箱に入っていたそうで、かなりの高級品なのだろう。それもあってか、味は非常に良かった。何種類かあったようで、食べたのは海老やサーモン、さばに穴子だが、中では海老がおいしかった。しかし、女房は穴子がおいしく、海老は・・・? と言っていた。もちろん好みの違いもあるが、ここで思いついたのは海老が茹でてあること、である。
北陸では、甘エビなど、生で食べる海老がある。甘エビは手軽な食材で、よく食べられている。寿司にも当然、生で使われている。しかし、海老の寿司というと茹でた海老の方が多いように思う。だから、人によっては海老の寿司は茹でた海老でないと・・・ということになるそうだ。これは、凧のイベントで、前夜祭にでた寿司で、生の海老が残っていたりする。ちょっと不思議に思って聞いたところ、”(甘エビは知っているけど)海老は茹海老”、と返ってきたのである。
で、女房の場合はその逆で、海老の寿司は生でないと、となるのだろう。では私は? 学生のときなど北陸以外で住んでいたので、茹で海老の寿司も 知っていて何度も食べていたこともあって抵抗が無いからかな、とも思う。これはこれでおいしいと思う。(でもやっぱり生の方が好き?)
蕎麦の太さ
坂本にある有名な蕎麦屋さんに2度、行った。ここは宮内庁にお納めしていたそうで、書籍などでも紹介されている店である。食べてみると味は良い。そして私の好みに合っている。ピークを少しはずして行ったのだが、それでもお客は少なくなかった。
さて・・・この店の蕎麦、非常に残念なことがある。そばの太さがばらばらなのである。蕎麦、茹でるものなので太さにばらつきがあれば均一に茹でるのは難しい。これでは最良のそばにはできない。実は、最初に行ったとき、メールでクレームを入れてみた。1週間何の反応もなく、返事も無いのでこの程度の店か? と思いながらも再送すると今度は短い返事があった。改善する、と。しかし・・・2度目はやはり不ぞろいであった。今度はお金を支払った直後に直接言って見た。すると、”手打ちですから・・・”と。
蕎麦の太さ、機械で伸ばして切れば均一にできるだろう。手作業ならばらつきも出てしまう・・・。一見もっともなようだが、これは”うちの職人の技術は低いです”と言っているのと同じだと思う。均一に切れない職人しかいないなら、機械に任せればより良くなるのではないか、と反論されたら言い訳できないだろう。
手打ちだからばらつきがある、についてであるが、蕎麦に限らす職人の技、その程度なのだろうか? 決してそうではない。寿司職人は計りもしないで均一の重さの寿司を作る。同じく重さで言えば袋詰めのピーマンなど、出荷作業を行う人たちは瞬時に必要な重さの組み合わせを見分け、計りで確認、詰めている。刺身だってきれいに同じ厚さに切られている。更に建築、金属加工・・・熟練した職人は機械ではできないような高精度のものを作る。手作業だからばらつきが大きい、なんて言ったら笑われてしまうと思う。
機械、ある意味では正確でばらつきは少ない。だけど、それは均一の素材に対してである。金属加工などは素材の規格が決まっているので正確に繰り返し同じような加工ができる。だけど、必ずしも均一でない天然素材に対してはその特性を見ながら調整することも必要になる。これは機械ではできない。職人とは、そのようなことができる人たちである、と私は思っている。
ここで、この店の蕎麦のばらつきについてふと思った。技術が未熟だからではなく、わざと2種類混ぜているようにも思えるのである。実は、メールではそれを確認するような書き方もしていた。が、メールでも店頭でもそのようにしている、との回答は無かった。もう少し詳しく書くと、太い蕎麦と細い蕎麦が混じっているのである。たとえば2.00mmが標準として作って、ばらつきがあるのなら、2.00mmが一番多くて2.01,2,02と太くなるにつれて、また1.99,1.98と細くなるにつれてその割合が減ってゆくはずだけどそうではなく、2.00と1.60の2種類が混じっているような感じなのである。(注、具体的な太さは説明のためのもので、実際の太さを測ったわけではない) そういえば、太さが違う割には茹で具合に大きな差が無いような気もする。
ならば意図的に2種類を混ぜている? とすれば考えられる理由、手打ちの蕎麦なら太さにばらつきがあるはず、なんてクレームを付ける人がいるからではないだろうか? そんなクレームにいちいち対応するのも面倒なので太さを変えたのを混ぜるのかも? と思って調べるとわざとやっている店もあるらしい。もしそうなら、迷惑な話である。が、それにあわせてしまうのも悲しいのだが・・・。
Webでみても、”太さのばらつきは手打ちの味”なんて称賛するような記事がものすごく多い。とんでもない話だと思うのだが・・・。
カニ、なぜ人気?
日本海のカニが解禁になっている。金沢では、比較的小さなものなどが家庭向けに魚屋などの店頭に並ぶ。スーパーでも売っている。そして、近江町市場では、家庭用に加えて贈答用や観光客向けに高価なカニを売っている。この時期、駅や空港では、保冷材入りの発泡スチロール箱を持った観光客を良く見かける。JRの特急電車など、この発泡スチロールの箱が乗せやすいように荷物棚を大きくしたそうだ。
さて、先日夕食にカニが出た。女房の実家が貰ったもののおすそ分けだという。その日、仕事で遅く帰ったこともあり、足が数本、残してあった。普通なら大喜びで”カニでお酒!”となるのだけど、私の場合はちょっと違う。”そんなもん、いらん”と。 実は・・・私はカニは嫌いである。少なくとも、好きではない。単なる好き嫌いなのでカニクリームコロッケなどは食べるし、茹でたカニは苦手だけど少量なら食べる。全く食べられないわけではない。この時期、外で遠来の人と飲む、となれば当然カニを注文することもある。その場合、私も少量は食べるが、遠来の人に多く食べてもらうことにしている。幸い、もてなしの心、と受け取ってくれることが多いが、実は単なる好き嫌いの問題なのである。
ところで、カニを好む人は多い。この時期、カニを楽しむために各地から旅行に来る人もすくなくない。石川県でもカニを取り入れたイベントも開催されるし、北陸以外で見るツアーのパンフレットに”カニ食べ放題”の文字が大きく出ていたりする。また、そんな食べ放題に上質のカニが出るはずない、と個人で好みの店を探して泊りがけで行く人もまた少なくない。以前、越前ガニミュージアムに行ったとき、狭い道に大型バスが何台も乗り入れていたし、お店では道路にまで出した大なべでカニを茹でているし、民宿のおばちゃん(らしい人)は一輪車に大きなカニを山盛りにして運んでいる光景を目にする。鉄道紀行で有名な宮脇氏の本にも、何人かで東京から寝台特急に乗り山陰の民宿で早朝からカニを食べる話が載っていた。カニ、それだけ魅力がある、ということなのだろう。
で、カニ嫌いの私からすればひとつ疑問がでてくる。カニ好きの人が多いのは、カニが高いから、ではないだろうか? と。高価な食材は沢山ある。マグロもそうだし、ウニやアワビなども高価である。山のものではマツタケもある。洋食ではキャビアなどもある。これらの食材、おいしいから高価、というよりは貴重だから高価、と感じる。カニ、これだけもてはやされるのはカニが高価だからではないのだろうか? 大きな上質のものは一匹1万円を軽く越える。これだけ高いから普段は食べられないし、余計おいしく感じる、と思えるのだがいかがだろうか?
もし・・・カニが増え、安くなったらでおうだろう? ”なんだカニか・・・”なんてことにならないだろうか? もっとも、カニが増えて極端に安くなるなんて、まずありえないが・・・
二日酔い
名古屋地区にいたとき、出社時間はやや早くなった。(以前はフレックスなどで出社時間を遅らせていた) その分土日は遅く? でもよいのだが、寝坊が過ぎて生活パターンを変えすぎては月曜日の仕事にも支障が出る。ということで、やはり金沢にいたときより早めに起きていた。当然、その分早く寝ることになる、といいたいところだが、土曜日はついいつもできないことをしてしまうのでやや夜更かしになる。その分、寝不足になるので日曜はやや遅くなりがちであった。
で、土曜日である。博物館訪問、青春18切符の活用などで早起きのパターンが多かった。ちょっと遠くに行くときは5時に起きて電車に乗る、ということも少なくなかった。この時間、夏は明るくなっているが、晩秋などは日の出前であり、真っ暗である。夜中に出かけるような気分だけど、東の空がだんだん明るくなってゆくのを見るのは格別である。しかし・・・この時間、電車は意外と人が多い。がら空き、ではなくて窓側はほぼ塞がっているような感じである。青春18切符のシーズンなどは座れないことも心配しなくてはならない。都会の皆さんは早起きだな、と感心する。
しかし、早起きの成果もまた大きい。この時間に出れば、新幹線に乗れば広島に9時に着ける。車なら、大阪、静岡あたりまで楽に行ける。この時間に行動を開始できるのは、博物館訪問にはありがたい。
しかし・・・早起きで一度すごいこともあった。刈谷勤務の終わりごろ、名古屋からなら無料航空券を使いやすい、ということで朝の飛行機で出かける前の日、なぜか金曜日に勤務先の人と飲むことになった。そのとき、酒豪が多かったのでついつられて飲みすぎてしまった。しかも飲み終わったのは22時を過ぎた頃。翌朝は5時起きである。この時間では当然、酒が朝まで残ってしまう。これは予想していたのだが、朝食はとても食べられず、空港で飲み物だけ、がやっとだった。機内で景色を楽しみ、お茶を飲んでゆっくりし、ようやくなにか食べる気になったのは九州について空港からバスに1時間少々揺られてからであった。早朝、日の出前に出かけると2日酔いもスケールが大きくなる?
かき氷
かき氷、私の子供の頃は結構食べていた。冷蔵庫の氷で作るのだが、丸い、専用の氷がいるので、一度食べてしまうと再度凍るまで待たなくてはならない。今と違って冷蔵庫の力も弱く、なかなか凍ってくれなかった。もっとも、そのおかげで自然と食べ過ぎることがなかったのだが。
さて、かき氷である。
外で注文すると、時々砕いた氷のものがある。昔ながらのかき氷、これは氷を薄く削ったもの。イメージとしては、かんなで削るような感じである。だけど、砕いたもの、これは臼で挽いたような感じになる。砕いたとはいえ、氷自体は小さいので、見た目には大差ない。だけど、口に入れたときの滑らかさや溶けやすさは違う。やはり、削った方がはるかに良い。絹と麻、ほどは違わないにしても、絹と綿ぐらいの違いはあると思う。
砕いたものが増えた理由、調整がいらないから、らしい。刃の手入れや間隔の細かな調整が不要。これは魅力あると思う。でも、仕上がりを考えたら、昔ながらのものがやはり、と思ってしまう。
ところで、シロップはやはりイチゴかな?
時間を掛けた熟成、それとも?
先日、久しぶりに国産のウィスキーを買った。ウィスキー、ここしばらく、イギリス、スコットランドのものを買うことがが多かったので、久しぶりであった。
ウイスキー、普通は麦芽から作ったモルトと、雑穀(主にとうもろこし)から作ったグレーンをブレンドしてつくる。グレーンは比較的おとなしいため、グレーンを加えることでマイルドな飲みやすいウイスキーとなる。しかし、中にはこのグレーンを加えていないものもある。モルトだけのウイスキー、その多くはひとつの蒸溜所で作ったモルトだけで作られることが多い。これは、シングルモルトと呼ばれるもので、非常に個性が強い。ものによって、味と香り、大きく違う。ウイスキーの地酒、というべきものなのだが、これは日本酒の地酒以上に違いがある。それだけに、飲みなれていない人には、個性の強いものはきつく感じる、あるいは飲みにくく感じるものもあると思う。グレーンをブレンドするのは、このあたりの個性を抑え、飲みやすくする目的もある。そして、日本にはもうひとつ、ピュアモルト、と言っているウィスキーもある。これは、モルトだけで作られているウィスキーだが、複数の蒸留所のモルトから作られたものである。これは、シングルモルトほど個性はない。
さて、日本のウィスキーというと、サントリーとニッカだろう。どちらも長い歴史があり、そして日本のウィスキーは、世界的にも知られている。スコットランドのものほど強い個性はなく、比較的飲みやすいと思う。だけど、個性が強いスコットランドのシングルモルトを飲んでみると、その個性に引かれてしまい、そちらをいろいろと飲んでみたくなり、結果として国産が減ってしまったのである。
さて、久しぶりに買った国産のもの、ピュアモルトであった。日本のウィスキーの蒸溜所というと、余市や山崎が知られているが、それ以外にもある。今回のは、”それ以外”を核にブレンドしたもの、とのことである。
国産のシングルモルト、宣伝で”なにも足さない、何も引かない”といったものがあったそうだ。残念ながら私自身はその広告の記憶はない。だけど、こう宣伝するからには、それ以外のウィスキーは、何か足したり引いたりしているのでは? となってしまう?
何も足さない・・・。これは、モルト以外に何も足さない、つまり普通は加えるグレーンを足していない、ということかと思う。では、引く、というのは?
実は、久しぶりに買った国産のウイスキーのラベルに書いてあったのが、”炭濾過”である。
炭濾過、一種の活性炭であり、これで濾過することより、よりまろやかな味になるという。
ウイスキー、蒸溜した直後は荒々しいものだそうだ。それが、樽で何年も熟成されることで荒々しさが取れてゆく。炭濾過も、ある意味目的は同じかもしれない。実際、樽の中は軽く焼くので、一部炭みたいになる。昔から少量ながらやっていたことを、もうちょっと進めたようなものかもしれない。
だけど、今回買ったウイスキー、12年熟成のものである。比較的安い、○年、と明記しないものとは違う。それだけに、ちょっと寂しい気がした。もちろん、炭濾過が悪い、とは単純に思ってはいない。でも、どこか安いウイスキー向け、見たいに思っていた。それは、炭濾過は、やはり時をかけた熟成とは違う、と思うから、である。
ちょっと寂しい思いがした・・・。
プテラノ丼
福井県の勝山にある、福井県立恐竜博物館。ここは、日本でも最大級の恐竜の博物館である。卵形のユニークな建物も面白いし、もちろん展示も充実している。見学時間、ゆっくり見ていると3時間以上はかかる。それだけの規模の博物館である。
ここへ久しぶりに行った。恐竜から鳥類への進化の特別展を見たかったから、である。特別展、展示品は少ないものの、貴重なものが多い。恐竜と鳥の骨の共通点に気がつくなど、
さて、ここには、レストランもある。味の方はまあまあなのだが、値段も高くはなく、気軽に利用できる。公立の博物館のレストランにありがちな不満も少なく、安心して利用できる。
久しぶりに行って目に付いたのが、プテラノ丼にザウルス丼、恐竜カレー、恐竜の卵・・・。プテラノ丼、名前の通り空を飛ぶイメージで、焼き鳥を使っている。
中身はそんなに特徴あるとは思えないけど、遊び心があってよいかもしれない・・・。
ありえないメニュー? 2007/4/27
先日宴会に行ったとき、飲み屋のメニューの隅っこに面白いものがあった。
”インスタントラーメン(各種) ・・・ 500円”
以前、テレビでインスタントラーメンを作って出すラーメン屋を紹介していたが、そんな感じだろうか? ラーメン屋の方は結構おいしいそうだが、飲み屋ではそこまで期待できないだろうな、なんて思う。
そういえば、以前、別の飲み屋で”お茶漬けはないの?”(メニューにはない)といった人がいて、”市販の袋入りのでよければ・・・”と言って出してくれた所があった。これは市販のそのまま、とはいえご飯はお店で作ったもの。値段も200円だったし、メニューにはないものを用意してくれたので、妥当な値段かと思う。
だから、インスタントラーメンで500円では? と、つい思ってしまった。残念ながら(当然?)誰も注文しなかったのでどんなものを出してくれるのかわからなかった。しかし・・・ひょっとしてカップラーメン? もしそうなら、お湯を注いで砂時計と一緒に出すだけ? さすがにこれで500円はありえないか・・・。
墨汁を飲む? 2006/8/22
先日、古酒を買った。この古酒とは、長期間貯蔵した日本酒である。
日本酒、通常はすぐに出荷し、すぐに飲む。作りたてがおいしい酒である。古くなると、味が落ちるものが多い。しかし、古酒はちゃんとした環境で5年10年と寝かせたものである。ただ古くなったものではない。古酒、黄色や琥珀色、中には黒いものもあるそうだ。高いものは1万円以上するらしい。
私が買ったもの、1997年製である。10年には少し足りない。そして、少量で売っていたのでそれほど高くはなかった。色は黄色。ウィスキーの水割りとちょっと違う。味であるが、普通の日本酒とはもちろん違う。同じように10年寝かせたウィスキーともまた違う。安い古酒だからだろうか? それほど年代を重ねたような感じはなかった。少し埃っぽいような味。ウィスキーのような深みはあまりないようにおもえた。
しかし、これはまだ酒の味を深めていないからかもしれない。最近読んだ本に、俵 万智さんの随筆、百人一酒があり、これにも古酒が書かれていた。俵さんは、”墨汁を薄めたような味”と書かれていた。これは、酒を飲み始めて数年だったから、とも書かれている。確かにそういうようにも感じる。すこし埃っぽいような味は、墨汁のような感じにぴったりする。もちろん、私も墨汁など飲んだことはないのだけど。
私は酒を飲み始めて数年ではない。しかし・・・ビールなどを漫然と飲んでいるような時期もあるし、なにより高い酒を飲んでいない。まあ、私の酒への感覚、たいしたことないのはわかっている。数年の経験と大差ないとしても不思議ではない・・・。
京都の酒も 2006/7/22
私はお酒が好きである。日本酒も良く飲む。ではどんな日本酒が好きか? やはり辛口である。私の地元では、酒といえば立山。これは辛口の酒である。その影響があるからだろう。では、辛口でない酒は? これもまた良いと思う。というより、おいしいと思う。
さて、京都の酒である。今日、奈良の帰りに京都駅のデパートに寄った。ここのお酒の売り場、醸造元の人が来て売っている。こういうのもなかなか面白いと思う。他でも時々やっているが、熱心な売り込みについ買ってしまうことも少なくない。京都のデパートでは、地元のお酒を中心にやっている。
で、京都のお酒であるが、実はそれほど多くは飲んだことはない。醸造元の中には資料館を持っているところもあり、そこで知って買った、というのが中心である。それは、甘口であった。好みの辛口とは違うが、これはこれでおいしいと思い、何度か買って帰っている。
今回も”おいしいお酒は?”と思って寄ってみた。丁度何回か買った醸造元が来ていた。ここの古来の製法を生かしたお酒は非常においしかった思い出がある。今回は電車での旅。試飲には支障はない。ひとつお願いした。最初に飲んだお酒・・・ ”辛い?” その意外さに驚いて聞いてみると、最近は辛口のも作っているのだという。その方が売れるからだろうか? そのあと、京都らしいお酒、といって出してもらったものの中には以前買っておいしかったものも入っていた。今回も、試飲してみるとやはりおいしい。でも・・・最初に感じた残念な思いが消えず、買わずに帰ってしまった。辛口なら、別に京都のお酒でなくても良い。売れるから作る、とすれば残念である。
以前、この醸造元の資料館に行ったとき、そこの人は、”京都のお酒は女酒”と言っていた。この言葉には、京都の造り酒屋としての誇りと自信を感じた。でも、今は辛口の酒も・・・。とても残念である。
飲みたくても飲めないお酒? 2006/5/26
お酒の多くは出来立てに近い状態で飲むのがおいしい。ビールは半年程度の賞味期限が書いてあるが、4ヶ月以上になると保管状態によってはかなり味が落ちてしまうように思う。その一方で、しばらく熟成させて飲む酒もある。身近なものではワインだろう。ラベルには年号が書かれている。ただ、飲み頃はそのワインによって違うそうで、これは私の知識の到底及ばない話になる。
さて、熟成、というのが一番似合うお酒はやはりウイスキーだろう。
蒸留したてのウィスキーは無色透明だそうで、その味は荒々しく、とても飲めないそうだ。しかし、これを樽に詰めて熟成させると琥珀色となり、まろやかさがでてくる。香りもよくなる。熟成が長いほどまろやかになり、味に深みが出てくる。その目安、12年以上といわれている。しかし、ウイスキーには、ワインのようにたとえば19xxといった表示はない。これは、ウィスキーは複数の樽の原酒をブレンドして作るからである。
ウイスキーの原酒、これは樽の種類や保管場所などによって、その味は大きく変わる。色もさまざまで、たとえば同じ10年熟成させても色が薄いものもあれば真っ黒になっているものもある。これらを混ぜ合わせ、ウイスキーの味を作る。樽によって味が変わり、同じものはないはずなのに、たとえばジョニーウォーカーといえば、同じような味になっているのは、熟練した人が味を作っているから、である。
ウイスキー、一般に熟成させた期間の長い方が美味しいので、たとえば”12年”とラベルに書かれていたりする。これは、12年以上熟成させた原酒をブレンドして作られている、ということになる。だから、19xx年、といったウイスキーはないのである。
しかし、例外もある。それはシングルカスクと呼ばれるウイスキーである。シングルカスク、これは一つの樽の原酒だけから作ったものである。一つの樽だけだから、当然、19xxといった年号が入る。だけど、ほとんど出回らない。それは、一つの樽で、それが十分美味しく、しかもウイスキーメーカのブランドをつけられるものが限られるからだろう。だから、限定品であり、高価なものが多い。
だけど、スーパーで、比較的安いものが売っていた。値段が安いのは、熟成期間が11年で、それほど長くないからだろう。(11年の割には高いけど) さてその年、何か見覚えが? 息子の誕生年と同じだった。それなら、と思わず買ってしまったのだが、意味ある年号。ちょっと飲むのが惜しい・・・。
飲みたくても飲めない? とはいっても、飲むのだろうけど・・・
お肉の駅弁 2006/1/7
今、名古屋への行きかえりが続いている。食事は外食が多いのだが、電車の時間ぎりぎりのときは駅弁も時々利用している。
駅弁、売られていいる物では、いわゆる幕の内弁当が数の上では多い。北陸線では寿司に近いものも少なくないし、釜めしなどもある。今ならかに寿司、かにめしなども売れている。これらは海産物が中心で、、幕の内もどちらかといえば魚やえびなどが多く入っている。海産物、嫌いではないが、同じようなものが続くと別のものも食べたくなる。海産物以外、という意味ではいろいろある。鶏肉を使ったものは結構あり、安くておいしい。そして、数はそう多くないが、気になるのは牛肉のお弁当である。金沢にもあるし、途中の米原にもある。そして名古屋駅でも売っているのを見た。
これらの近く、牛肉で有名なところがあることも理由の一つだろう。能登牛、近江牛、そして飛騨牛である。金沢駅のは以前にも買って食べたことがあり、これは非常においしいお弁当だった。以前は能登牛と明記していたと思うが、最近は明記されていない。それでも値段が1000円でそう高くないのに味は良い。で、ほかにも牛肉の弁当があるとなるとちょっと気になって食べてみた。
値段、意外と高くはない。1000円程度で、今ならほかの弁当と同じようなものである。だけど、中にはいまひとつ、と思うものもある。だけど、海産物中心の中で、こういうものも良い、と思う。あとは名古屋駅で見たものだが、これはその後、見ていない。今度買ってみようと思っている。
ところで名古屋駅には味噌カツのお弁当もある。こちらは安くておいしい、と思う。電車に乗る機会が少なくなってきていたところへ単身赴任。列車などでの行き来も増える。これからは駅弁も楽しみの一つになりそうである。
駅弁のまつたけ 2005/10/2
駅弁、以前は市販の弁当といえば駅弁、という感じであったが、最近はコンビニなどの弁当を思い浮かべる人の方が多いかもしれない。私も以前はよく利用していたが、最近は減ってきている。
駅弁は800円〜1000円程度。コンビニ弁当が500円前後なのに比べると高い。それに、暖めてくれるわけでもない。だから余計割高に感じるかもしれない。だけど、おかずの数が多いし、その土地の名物が入っていたりする。内容を考えると決して悪くない。
さて、先日、金沢駅で駅弁を買って帰った。食事の用意の時間のこともあり、たまには、という気持ちもあってのことである。
金沢駅で買える駅弁、本来の金沢駅のもののほか、富山のますのすしなど、北陸線の沿線の駅弁も売っている。糸魚川から敦賀まで、いろいろと売っている。北陸線の駅弁、”すし”が多いことだろう。富山のますのすし、金沢のお贄(おにえ)寿司、のほか、カニ寿司などもある。また、海産物を使ったものが多いのも特徴である。能登や加賀などの温泉に行く人が多いからだろうか? 地域の特徴有るものが少なくない。そして、味は良い。
今日買った中には、今の季節の商品、マツタケの弁当があった。敦賀駅のものである。マツタケご飯におかずが、2段になって入っている。マツタケご飯は薄いマツタケが3枚入っただけであるが、ご飯の味は良い。そして、もう1段のおかず。これも種類が多い。ひとつひとつは少ないのだが、いろいろと食べられるのがうれしい。エビフライや焼き魚などのほか、牛肉を煮たものなども入っていて、おかずでも十分楽しめる。で、値段は1000円だった。秋だけの商品だと思うが、また買いたくなるようなお弁当である。
さて、金沢駅の駅弁、これは料亭が作っている。とはいっても、駅弁の制約の中でのお弁当なので、特徴は出しにくい。だけど、中には予約が必要な1万円の弁当もある。これはまさに料亭ならではものもだそうだ。多分、日本で一番高い駅弁だろう。これだけの駅弁になると、グリーン車でも弁当に負けてしまいそうだ。寝台特急、トワイライトの個室が似合うかも? もっとも、トワイライトなら食堂車も個性的で非常に魅力が有るのだが。
話がそれたが、1万円の弁当は別格として、普通に買える駅弁にも魅力有るものが多い。利家弁当や加賀彩時記など、ちょっと華やかさのあるものがあり、味も良い。だけど、北陸線には個性豊かでおいしい弁当が多数あるので、目移りしてしまいそうだ。
ところで、金沢駅のもので私の好きなお弁当は? 海産物中心の中でちょっと変っているが、”特製牛肉弁当”である。能登には能登牛が有るから、その関係かもしれないが、ご飯の上に少し赤みの残った牛肉が並んでいて、とてもおいしい。これも1000円である。あまり知られていないし、数も多く作らないようで、品切れのことが多いのが残念である。
駅弁・・・。旅の楽しみの一つだと思う。おいしい地酒などと一緒に駅弁を。これからの紅葉の季節、楽しんでみたいものである。
が、現実には車の利用が多く、車窓を楽しみながらのお酒と駅弁は無理である・・・。
鮒寿司 2005/5/25
”食文化”とよく言われる。なぜ文化か? それは、普遍性がないから、である。逆に言えば、その土地独特のものがあり、作法がある。日本食をそのまま外国に持っていっても口に合わないものが沢山あるだろう。
そして、日本の中であっても、独特のものは少なくない。鮒寿司はその一つだろう。
先日参加した八日市の大凧祭り。凧揚げ自体は雨で順延になったが、前夜祭は開かれた。そこで用意されているのが、鮒寿司である。
鮒寿司、実は前回も少し食べた。
郷土料理、中には材料を聞いてためらってしまうものも少なくないのだが、その土地のものでもあり、勧められたら食べてみるのが礼儀だろう。勧められて最初に食べた鮒寿司、発酵させたものであり、その独特の味とにおいがしたが、ナチュラルチーズと似たところもあり、そんなに苦もなく食べられた。恐れていたほどのことはない、というのがそのときの感想だった。
で、今回ももちろん勧められた。前回のこともあり、ためらわずに食べたのだが・・・ これは強烈だった。前に食べたのはちょっとおとなしいものだったのだろう。口いっぱいに発酵の独特の味が広がったのだが、すんなりと食べられた。だが、今回の鮒寿司、体中に発酵の味が広がったように感じた。2度目でもあり、一度に口にした量が多かったからかもしれない。強烈ではあったが何とか食べられた。もし最初の鮒寿司がこれだったらあまりにも個性的な味で食べられなかったかもしれない。
一緒にいた人は、日本酒と一緒なら食べられる、と言っていた。あいにく私の手元にはビールしかなかったので比較はできなかったが、料理によって酒の味が引き立つのは何度も経験しているから、逆もあるだろう。でも、2切れめには手が出せなかった。
このとき食べたのは一口だったが、次の日もなんとなく鮒寿司のにおいがついて回ったような気がした。服ににおいがついていたのだろうか? やはり、鮒寿司は侮れない。
さて・・・3回目は食べられるだろうか?
最初ににおいや味でショックを受けながらも好きになった食材は多い。3度目もやはり地元の人に勧められれば食べるだろう。ただ、初心に帰って? 最初は少量にして、できれば日本酒を用意した上で食べたい。
50年熟成のウイスキー 2005/5/13
サントリーが50年以上熟成させた原酒から作ったウイスキーを売り出した。もちろん限定品であるが、あっという間に完売となったそうだ。ボトル1本で100万円。とすると、盃1杯分でも○万円? ものすごい値段である。
原酒を50年以上熟成させる。これはやはり大変なことだろうと思う。樽の傷みもあるし、そうでなくても樽を通して量が減ってゆく。50年でどのくらい減るのか・・・。それに、その間の保管の費用もかかるし、金利もかかる・・・。そして、そういう原酒をブレンドしてウイスキーを造るのだから、50年に見合う味にしなくてはならない。これも大変なことだと思う。
ボトル1本、でなくても飲んで見たいものだと思う。
50年前と言えば、戦後ではあるが、まだ回復していない時期だろう。このウイスキー、大きな変動のあった昭和を見ている酒である。”人生五十年、下天の内をくらぶれば・・・” という言葉をつい思い浮かべてしまう。
ところで、山崎蒸溜所には、最初に蒸留した原酒がまだ眠っている。これはもう、もったいなくて開けられないかもしれない。中身はちゃんと入っているそうだけど・・・。
豆腐屋さん 2005/4/9
今日、金沢の東茶屋街に行った。
4/7に開館したばかりの徳田秋聲記念館を見るのが目的だった。ここは、東茶屋街の近くにある。茶屋街の入り口近くにある駐車場に車を止め、茶屋街の裏手を通って記念館に向かった。このあたりの雰囲気、とても良いと思う。このあたりを歩いていると、大抵、三味線の音が聞こえてきたりする。
その途中、小型のリヤカーのようなものを引いている人とすれ違った。リヤカーには細長い木の箱を載せている。幅数十cm、長さは2m程度だろうか。ベルのようなものを鳴らしながら歩いている。
最初は気にしていなかったのだが、帰りにも茶屋街の裏通りで出会った。2度も出会うと気になるのだが、箱の中身、すぐにわかった。豆腐屋さんだった。豆腐のほかに油揚げなども用意していた。当然、観光客の多い表通りは避け、裏通りを歩いていた。私もここの裏通りが好きなので2度も出会ったのだろう。
この近くではおなじみの豆腐屋さんのようで、歩いていると声がかかったりするし、町の人との挨拶も多い。裏通り、といってもお店もあるので、ガラス越しに手を振っていたりする。街中で豆腐を売っている人、ほとんど見かけなくなってしまったのだが、この裏通りにはとても似合うような気がした。
茶屋街での豆腐。多分、おいしいのだろうな・・・。買って帰りたくなったが、入れ物などは用意していない。ちょっと残念だった。
日本酒は何で飲む? 2005/2/23
日本酒は何で飲むか?
飲む量が多い人は”コップで”という人も少なくないと思う。冷酒なら枡が、という人もいるだろう。でも、私個人としては、やはり盃やぐい飲みが似合うと思っている。コップよりも小さくて手ごろな大きさだし、器としても楽しめるところがある。
実は今、福井県あわら市で、”酒と器展”が開催されている。(東京でも開催の予定) これは、酒を楽しむための器、ということで、酒器とぐい飲みの作品展である。今回は第3回目。2年おきに開催されてきた。
酒の器、ということで特に日本酒、といってはいないが、実際に出展されているのは、日本酒特に冷酒を意識した作品である。だから、冷酒入れとぐい飲み、といった方がよさそうだ。
作品の素材は、ガラスや陶磁器はもちろん、漆に金属、木や竹と、あらゆる素材がある。
作品を見てみると、酒器、こちらはいろんな形がある。徳利にちかいものももちろんあるが、背の低い急須に似た感じのもあれば、水差しにちかいもの、むしろ花瓶にちかいもの・・・。さまざまな形がある。
しかし、ぐい飲みの方は? これはある意味、奇抜な形はない。 もちろん形は様々だが、杯、あるいはぐい飲みのイメージから大きくは離れていない。というか、みんなぐい飲みみたいから、ひとまとめにして”ぐい飲み”と書いてしまったのである。
たとえば、少し考えを広めてワイングラス的なもの、こういうものがあってもよいと思った。以前の作品では足があるものもあったと思うが、それでもワイングラス的に高さのあるものではない。ちょっと高めのぐい飲みと言った方がよさそうな感じの器である。作品として、あるいはぐい飲みの実用面で見た場合、これで良いのだと思う一方、多少の物足りなさも感じていた。
お酒の場合、アルコール度数などに見合った、酒の量、と言うのはあると思う。ビールを盃で、というのはこれは美味しくない。せめてコップで、となる。もちろん、大きめのジョッキもよい。しかし、ウイスキーをストレートで飲むのにコップでは大きすぎるし、ジョッキではそれこそ命にかかわる。ここはやはり、小さなものでないといけない。また、形でいえば、ワイングラスには、白ワイン用と赤ワイン用では形が違うが、それも意味があってのことである。しかし、日本酒に絞るなら・・・。もっと冒険があってもいいのでは? と思ってしまった。たとえば、ワイングラス的に足があってもいいのに、と思ったりした。
実は、手元にはそういうものがある。酒に関する資料館でもらったガラスのものである。酒の入る量は普通のぐい飲みと同じくらいだが、ワイングラスのように長めの足がある。といっても酒の量に合わせた小さなものだから、ワイングラスのような長さはない。形が似ているだけである。見た目のバランスもよく、それでいて持ちやすく、飲みやすい大きさである。実際に飲んでも非常に使いやすい。こういうものがもっとあってもいいのでは? と思っていた。
実は、外国のデザイナーが日本酒を意識して作ったものが売られていたのだそうだ。最初のものは、ワイングラス的に長めの足のあるものだったらしい。しかし、最近の作品では足のないものに変わってしまったそうだ。その理由・・・。
それは、日本料理には、足のない低い器の方がよい、とのことらしい。日本料理の皿や椀、畳の上に座っての卓や膳。椅子とテーブルとはやはり違うようだ。そして、いくつもの料理が同時に並ぶことが多い日本料理では、背の高いグラスでは邪魔になるのかな、とも思う。食事などと共に楽しむなら背の低いもの、と言うことなのかもしれない。とすると、展示の作品、そのあたりのことまで考えてのことなのかな・・・。
酒の器展では、一部は作品を購入することが出来る。安いとはいえないが、買おうと思えば買える値段である。工芸品なので、満足感は高い。今回もひとつ、面白い作品があったので注文した。ただ、限定1組なので、希望者が多いと抽選になる。是非当たってほしい作品なのだが・・・。
大吟醸と純米 2005/2/22
最近、純米と言っている日本酒が増えてきた。
純米というのは、醸造用アルコールや糖類を使わず、米と米麹と水だけで造られる清酒のことで、古来の製法によるものである。そうでない日本酒は、醸造用アルコールを加えている。売られている日本酒の多くは、純米酒ではなく、アルコールを加えてる。
普通の、比較的安い日本酒にアルコールが加えられている、といわれても気にする人は少ないかもしれない。しかし、吟醸や大吟醸では? 実は、これも”純米大吟醸”など、純米と言っていない限り、アルコールが加えられている。
というと、なんだか不思議に思われるかもしれない。もともと吟醸、大吟醸の定義、これは精米の度合いを上げて米の中心のみを使うなどして作られたもの、となっている。良い材料を使っておいしいお酒にしています、という意味であり、アルコールの添加はかまわない。でも、高価な大吟醸にアルコールを添加、というと何か混ぜ物をしている、と思えてしまうだろう。
では、なぜアルコールを添加するのか?
これは、味を整えるためである。純米だと味が強すぎる傾向があるので、アルコールを混ぜることでまろやかにする、とのことである。お酒を、たとえば何か食べながら飲むのなら純米でいいのだが、純米酒を酒だけで飲むと強くなるのだそうだ。それを抑えるため、アルコールを加えて飲みやすくする。つまり、酒をより美味しく飲むために加えている、ということである。
そういえば、ウイスキーにはモルトとグレーンがブレンドされている。モルトは比較的個性が強いのだが、モルトだけのちょっと荒々しいウイスキーにグレーンをブレンドすることでまろやかになり、飲みやすくなって広く飲まれるようになったという。アルコールを混ぜるわけではないが、目的は同じことである。
日本酒にアルコールを添加するようになったきっかけ、これは戦後の品不足の時に水増しが目的だった、とも言われている。しかし、味を調えるのであれば、純米にこだわることもない。美味しければよい、ともいえる。
しかし・・・私は酒だけを飲むことは全くない。ということで、純米を楽しみたいと思っている・・・。
(書いていることと違うではないか、といわれそうだが・・・どうせ普段は安いお酒。アルコールを混ぜたものを飲んでいる)
先日、新しいコカ・コーラのことを書いたが、ペプシからも新しく”ペプシブルー”が出ていた。
名前のとおり、青い色。味は? ペプシらしく甘く、マイルドな感じで、普通のペプシより軽い感じだった。コーラとはちょっと違うが、飲みやすく、夏向きの味のようにも思えた。
ただ、ちょっと違和感を感じるのは色。鮮やかな青である。コーラというと、茶色を思い浮かべるので、違和感を感じてしまう。こういう青い飲み物があまりないからかもしれない。だけど、味はこの色にあっているようにも思う。
個人的には悪くはないと思うが、ペプシブルーを見て、ロミュラン・エールを連想するのは私だけではないと思う・・・。
コカ・コーラの新しいのが出た、と聞いてつい買ってみた。
コーラ、私はそんなに飲む方ではない。外でのどが渇いたとき、自販機などでたまに買う程度である。せいぜい月に1本程度だろうか? それでも、新しいのが、と聞いてつい買ってしまった。コンビニでの買い物のついでに思い出して買ってみたのだが、見た目はほとんどかわらない。”C2”の文字を見なかったら区別がつかないと思う。
味は? なんだか味が薄いような気がする。が、やはり以前と似たような味のように思う。同時に飲み比べたわけではないので、断言は出来ないけど。
コカ・コーラ、既に味が確定しているようなものだから、やはり変えにくいのだろう。
そういえば、アメリカで一度味を変えたことがあったと思う。が、受け入れられずに古いのも併売・・・。結局、新しい味は消えてしまった。コーラの味なんて少し変わったところでどうでも良い、なんて私は思ってしまうのだが、やはり愛飲者にはそうでもないのだろう。味覚テストでは、新しいコカ・コーラが優れている、との結果が出ているのだが、結局は受け入れられなかったのだから。
ところで、コーラといえばもうひとつ、ペプシがある。相当売れているのだが、なぜか日本ではコカ・コーラの陰に隠れてしまっている。私個人としては、ペプシの方が好きで、選べるならペプシにする。
この2つのコーラ、味はもちろん違う。ペプシの方がまろやかで甘みがやや強い。だが、以前に飲み比べようとしたとき、交互に飲むと区別がつかなくなってしまったことがある。一度水で口をゆすぐなどすれば明確に区別できるのだが、たとえばペプシを飲んですぐにコカ・コーラを飲むと味の区別が出来なかった。
でも、”だからコーラの味なんて、本当はどうでもよいのかもしれない”なんていったらコーラ好きに怒られるだろうな・・・。
先日の凧揚げ大会で福岡市に行ったとき、前日は近くの博物館を回ってたのだが、昼ごはんになにげなく、うどん屋に入った。特に深い意味はなく、手ごろな入りやすそうな店が目に付いたから、という程度の軽い気持ちでことである。とはいっても、旅行中、結構歩くので麺類では物足りないので丼物を選んだのだが、丼に(味噌汁ではなく)小うどんをつけることも出来たのでそれを選んだ。量を、というよりは麺類が好きだから、ということも理由のひとつである。
さて、出てきたうどん、汁にほとんど色がなかった。透明ではもちろんないが、多少白っぽい色がある程度であった。あれ? と思うと同時に、以前の記憶がよみがえってきた。
福岡でうどんを食べるのはこれが初めてであるが、実はこのうどん、以前から知っていた。東京駅の地下に、”博多うどん”という店があり、そこに何度も行っていたから、である。初めて入ったのも偶然で、比較的高い地下商店街の中では安い店だったことも入った理由のひとつだった。(学生の頃のこと。価格は重要だった・・・) ここのうどん、初めて見たとき、ほとんど色がないのに驚き、ひょっとしたら自分で醤油を入れて食べるのか? なんて思った位である。もちろんそんな必要はなく、ちゃんと味付けされている。
その味は、どちらかといえば関西風の味付けに近い。だから、北陸に住んでいた私には好みの味付けだった。その後、東京に住んだときも、うどんが食べたいと思ったときにはここによく行ったのである。
とはいえ、北陸に戻ってしまうと、何かの折に東京に出たとしても、旅行者感覚でうどんよりは(地元の)そばを、という感じで自然と遠のいてしまい、ほとんど忘れていたのである。
初めて食べる、博多でのうどん。特に名店、という感じの店ではなく、どこにでもある普通の店、という感じではあったが、それでもとてもおいしかった。東京で食べたのと似た味だった。東京の店と同様、いなりずしも置いてあった。もうちょっと早く、博多のうどんのことを思い出していればうどんといなりずしにしたのに、とちょっと残念にも思った。
博多といえばラーメンの印象が強いのだが、うどんもおいしい・・・。街角のなにげない店でもこれだけおいしいのだから、もっとおいしい店もあることと思う。次も是非、食べてみたいものだ。
意外な組み合わせ?
2003/8/17
先日、あるうどんを注文した。その店で、以前から気になっていたうどんである。
”カツカレーうどん”
名前のとおり、カレーうどんにとんかつをのっけたものである。カレーライスのとんかつをのせたカツカレーがあるのだから、カレーうどんにとんかつをのせても別に不思議はない。考えてみれば今まで見なかったのが不思議なくらいだ(といっても、私が知らないだけであるのかもしれないが)。
カツカレーうどん、注文したのは夏のやや暑い日。どろっとしたカレー、これがなかなか冷めず、いつまでたっても熱いのにはちょっと弱ったが、味としては何の違和感もない。カレーのかかったとんかつは美味しいし、うどんも美味しい。味としてはよい。まあまあである。暑い日でなかったら、もっとおいしく感じたと思う。
カレーととんかつ、これはよくあう。
カレーとうどん、これもまたよくあう。
ではうどんととんかつは?
これもよくあう、と私は思っている。ちょっと意外な組み合わせなのだが、実は別の店でカツカレーうどん以前にとんかつがのったうどんを食べたことがある。お店の壁にかけてあるメニューに書いてあるのを見て注文したのだが、これが意外なほど美味しかった。とんかつとうどん、味の上では何の違和感もない。油っぽいとんかつとうどん、不思議な気もするが、考えてみればやはり油で揚げたてんぷらとうどん、これは違和感はない。肉ののったうどん(といっても牛肉だけど)、これもある。意外な取り合わせではあるが、あっても不思議ではない?
このとんかつうどん、お店の人も”いがいな美味しさでしょ?”と、気に入っていたようなのだが、残念ながらメニューからは消えてしまった。やはり、意外すぎたか・・・。
もっとも、これもカツカレーうどん同様、冬向きのような気もするからまた復活するかも。これをひそかに期待している。
意外な組み合わせ・・・。他にもあるだろうな・・・。
別の店で見かけたなら・・・勇気を持って(?)挑戦してみませんか?
玉子焼きは甘い? 2003/6/26
玉子焼きに砂糖を入れるか・・・。
私は子供の頃から玉子焼きは砂糖が入っていて甘いもの、と思っていた。それ以外にない、と思っていた、というのが正しいかもしれない。だが、これも地方性があるようだ。比較的少ないようだけど、甘くないところもある
ようだ。
甘い/甘くない、まあどちらもおいしいならば問題はない、と思われそうだが、玉子焼きに関してはそうでもないようだ。甘い(あるいは甘くない)と思い込んで食べ、甘くない(あるいは甘い)と、ものすごく違和感を感じる。甘いか甘くないか、これは見た目では判断できないのだから余計にそう感じるのかもしれない。
北陸近辺では一般に玉子焼きは甘いようだが、その甘さにも結構差があるようだ。富山県出身の私にとって、玉子焼きはかなり甘い食べ物だった。だが、女房の作る玉子焼き、それほど甘くな
かった。だから最初はものすごく違和感があった。もっとも、最近は私の好み(というより実家の味?)に近づけてくれているようで、だいぶ甘くなってきたようにも思うが。
ただ、これがたとえば”富山では”、”金沢では”というほど一般的なものではないと思う。それでも、私にとっては玉子焼きは甘いものである。旅行中などで、それほど甘くない玉子焼きを食べるとものすごく違和感を感じ、異郷の地であることを痛感する。逆に、食べなれないものを食べていても玉子焼きが甘いとなぜかほっとする。子供のときの味だからだろうか?
たかが玉子焼き・・・多分、味の違いでそう思う人は少ないと思う。なじみのある食べ物だけに特別、違いが感じられ、特別な思いも感じるのだと思う。
ところで、私の実家では、”たまご巻き”と呼んでいた。これは溶き卵を焼くときにぐるぐる巻くようにして焼くからだと思う。こういう呼び方をしているところ、他にもあるのかな?
そばの食べ方 2002/ 12/22
うどんとそば、どちらが好きですか?
一般に関東はそば好き、関西はうどん好きの人が多いといわれている。
私の場合、位置的には関東と関西の中間だから? ”どっちも好き”なんてことになる。ただ、関西方面に行けばうどんを、関東方面に行けばそばを食べることが多いように思う。その方が、より風土に合っているのかもしれない。金沢にいるときは? これは、”両方食べている”となる。その時の気分によって、欲しいものを・・・となる。あるいは、新蕎麦の時期だからそばを、といった具合である。
さて、蕎麦の食べ方。これには一つ、思い出がある。これは、東京のあるそば屋のことである。ここはある老舗のそば屋である。初めて入ったとき、出来てくるのを待つ間、周りを見て気づいたのは、”みんなお酒を飲んでる・・・”ということだった。もちろん、みんな、というのは大げさな表現で、お客さん全てが飲んでいるわけではない。ではない。が、それまでうどん屋蕎麦でお酒を、という感覚がなかったのでちょっと驚いた。この日、平日の昼、ということで、ネクタイを締めた人も多かったのだが、それでもビールを飲んでいる人が多かった。どうやら、まずお酒(またはビール)と肴を注文し、一杯飲んでから最後にそば、という食べ方が多いようだ。そして、ほとんどの人がまず卵焼きを頼んでいる。これ、とてもおいしそうだ。そば屋でお酒、というのは、私にはなじみがなかったのだが、ここではごく普通のことのようだ。
さて、出されたそば、これはとてもおいしかった。が、量が少ない。てんぷらを付けていたのでまだ大目だったのだが、普通のもりやざるだったら、3枚でも4枚でも食べられそうだ。とすると、今からお酒なども追加して・・・と思いはしたが、結局注文はしなかった。
しかし、やはりこの飲み方、気になって別の日に改めて注文してみた。まずは卵焼きに熱燗。すぐに出てきた卵焼き、これはとてもおいしかった。出汁がたっぷり入っていて柔らかい。家庭のとはまた違った味だった。それに、この味はお酒にも合う。みんな注文するわけだと納得する。気持ちよくお酒を飲んだところで、そばを注文する。
この店はもりとざるとで、そばが違う。だから、両方、注文する。こういうとき、量が少ないのはありがたい。お酒とそば2枚。これで丁度かな? と思ったが、まだ少なかった。どうやら、お酒は2本ぐらいが手頃なのかもしれない。
ふと、隣の初老の夫婦の話しているのが聞こえた。
”昼間から酒なんて・・・”
”江戸はこうなのよ”
江戸、という言い方が妙に似合うような気がした。
昼間に飲む酒・・・。
量は少ないのに、妙に酔いがまわるのが早い。店を出て、日本橋を渡ったのだが、程よい風がとても気持ちが良かった。
だたし、酔いは醒めるのも早かった。
蕎麦屋にて 2003/4/ 14
先日、福井県の博物館を見学に行った際、昼ごはんにそばを食べたくなった。
福井県といえば”越前そば”である。だから蕎麦屋は比較的多いのだが、目的地付近には不思議と見つからなかった。全くないわけではない。が、駐車場がなかったりして入れない店もある。また、途中で見つけた店などは看板に、なぜかそばと並んで”中華料理”と書いてあり、この不思議な取り合わせに入るをためらってしまったりした。
で、ようやく普通の蕎麦屋(?)を1軒見つけて入ったのだが、駐車場に車を入れたとたん、”失敗したかな?”と思ってしまった。駐車場の手入れが十分ではないのである。枯れた草の山が残っていたり、建物の脇から流れ出した土がアスファルトの上に溜まっていたりする。それでも、ようやく見つけた店でもある。戸を開けて中に入った。お客さんは適度に入っているのだが、なぜか店員さんの姿が見えなかった。正確に言うと、調理場には見えたのだが、席のほうには誰もいなかった。駐車場のこともあるので、つい、変な店に入ったかな・・・などと思ってしまう。この店、店内の席がやや見通しの悪いので、そのまま席に着くと店員さんが気が付かない可能性があるのかな、と思ってちょっと待っていると奥の 方から”どうぞお席に”なんて声が聞こえてきた。声の主、かなりの年に見える男性だった。そのあたりにトイレがあるので、お客さんかな? と思っていたのだが、店の人だったようだ。
メニューを見ると、看板どおり蕎麦中心で、うどんや丼ものもある。ごく普通の蕎麦屋のメニュー、といった感じである。店の人、若い女性もいるのだが、注文を聞きに着てくれたのがさっきの男性だった。店の人であるのは間違いないのだが、注文を受ける感じ、全然店員らしくない。なんだか会話をしているような感じさえある。ますます不思議な店と感じてしまった。
飲食店では、注文をしてしまうと出てくるまでちょっと間をもてあましてしまったりする。で、何気なく店員の様子を見ていると、注文を受けたり配ったりする人、女性が2人しかいないようだ。そんなに広い店でなはないが、狭い店でもない。注文が続くとちょっと手が足りないようだ。普通なら
少なくとも3人はいるかな、などと思う。
待つ時間が長くなったのでついつい観察してしまう。店員の1人、なんとなく留学生みたいに見える。だけど、なんとなく家族中心にやっている、そんなふうに感じてしまう。
蕎麦屋では、注文してすぐに出てくるところも少なくないのだが、ここは遅い。見渡すと回りにもまだ待っている客がいる。そういえば、壁には”そばは注文を受けてから茹でるので時間がかかります”と書いてある。が、それだけではないようだ。手際は決してよくはないが、さりとて悪いわけでもない。おそらく、調理場も人手が足りないのだろう。この店、テーブルなどを見ていると必要以上に手を掛けていないのがよくわかる。もちろん、掃除は行き届いている。だから、不快では決してない。だが、たとえばマニュアルどおりにやるようなチェーン店の方が雰囲気は良い、とさえ思える。
この店、どう感じるだろうか? ここまで書いた感じからいえば、”あまりよくない店”となってしまうのではないだろうか? でも、不思議と不快に感じないのだ。たとえばメニュー、一見普通の内容だが、よく見るといろんな注文にも応じられるように感じる。たとえばざる 蕎麦、この店のはざる2枚で一人前になっている。だけど、1枚でも注文できる。だから、2枚でも3枚でも、あるいはうどんと蕎麦を組み合わせても注文できる。天ぷらそばなど、てんぷらを使った料理も結構あるが、えびは大きいので少々高い。だけど、安い野菜だけのもある。更にえびのてんぷら、単品もある。お客は、量も内容も好きなように注文できるのだ。そう思ってみてみると、ざる1枚、これは子供には丁度良いし、3枚頼むと大盛りとしても手頃である。ざる 以外に熱いうどんにも小さいのがあるので、丼と一緒に注文するのも丁度良い。どことなく心配りを感じる、そんな雰囲気がある。
サービスが悪くて待たされる・・・。表面的にはそんな店のようにも見えたのだが、とても良心的に見えてきた。店員のマニュアル離れした様子、それもどことなく家庭的な暖かさを感じる。少し待たされた
蕎麦とうどん、味は良かった。すくなくとも、また来たい、と思う程度である。福井は蕎麦どころだからここよりも美味しい店は沢山あるだろうが、それでも魅力的に感じた。
これは想像なのだが、この店、景気の良い頃は店員を多く使って回転も速かったのだと思う。それが、人件費もかさむようになり、家族中心に切り替えた・・・。そんな風にみえてしまう。テーブルなど、チェーン店にはない、素朴さ(悪く言えば安っぽさ)がある。いろんな意味で、マニュアル化されたチェーン店とは正反対の店である。
こういう店、だんだん減ってきていると思う。マニュアル化された店、ある程度のサービスは行き届いてる。が、どこか冷たい感じがすることもある。家庭的な店のよさ、あらためて認識することが出来た。こういう店、長く残って欲しいものだ・・・。
カレーの先生
2002/7/4
カレーの先生、といってもカレー作りを教える先生の話ではない。ある喫茶店のお客で、お昼にカレーライスばかり注文する人がいて、その人が学校の先生らしいので、"カレーの先生”と呼ばれているのだそうだ。
飲食店でいつも同じものを注文するお客、飲食店の話を書いた本を読んでいると、決して少なくないらしい。もちろん注文の品はカレーだけではなく、お客によっていろいろである。
これはある寿司屋での話。昼の時間にいつも鉄火丼ばかり注文するお客がいて、店に入ると黙っていても鉄火丼を出すようになってしまったそうだ。よっぽどマグロが好きなのだろう、と寿司屋の職人が思っていて、ふとしたきっかけでお客と話をしてみると、まぐろが特に好きなわけではなく、最初にこの寿司屋に入ったとき注文したのが鉄火丼で、2回目に何にしようか? と迷ってしまったときについ、前と同じ鉄火丼を注文して以来、鉄火丼ばかりになってしまった、ということなのだそうだ。
昼に何を食べるか? 食べることが大好きな人にとってはこれはとても大切なことであり、いろいろと考えて決めることだと思う。だけど、それほど食にこだわらない人にとっての普段の昼ご飯、特に忙しい仕事の合間に、となると”なんでもいいや”なんてことになってしまうかもしれない。あるいは、考えるのが面倒、ということもあるかもしれない。まあこういう人、多分ほとんどが男性だろう。夕食などは、奥さんがちゃんとおいしいものを作ってくれるから、自分で考える必要がない・・・。
そういえば、自分でもおもいあたることはある。”夕食、何が食べたい?”と聞かれて”おいしいもの・・・”なんて答えてしまう。こういう旦那は結構いるだろう。そういう人を相手に献立を考える奥さんは大変だろうな、とつくづく思う。もっとも、そういう人は食べ物に文句は言わないだろうけど。
そういう意味で、昼ごはんくらいは自分で考えるのもいいとおもう。
ところでカレーの先生、最近はいろいろな品を注文するそうだ。
オムライス、楽しみもあれど 2002/ 7/ 23
私はオムライスが好きである。オムライスの場合、食事としては量が少なめのことが多いので、それほど多く食べているわけではない。どちらかというと、軽い食事で済ませたいときなどに注文している程度である。だけど、黄色い
中にオレンジ色のチキンライス、そして赤いトマトケチャップ。色が鮮やかだからか、見た楽しいし、味も私には好きな食べ物ので、 機会があればつい注文してしまう。
さてオムライス、これは作る上では手間がかかるものだと思う。チキンライスを作り、これを卵でくるむ。結構大きなものだから、形良く作るには技術もいることだろう。だからだろうか? 業務用などに冷凍のものも結構出回っている。冷凍のオムライス、これはたぶん機械を使って作るのだろう。見た目には色鮮やかできれいである。だが、中身はとても満足できるものではない。中のチキンライスに味に変化がまったくなかったりするし、卵もただ黄色いだけで香ばしさも何もない。これでは満足できるものではない。それよりも町の食堂で作る、形のやや悪いものの方がよっぽどおいしい。でも、残念なことにこの冷凍物、結構利用している店がある。だから注文して冷凍物が出てきたりするとがっかりする。
では、オムライスをホテルなどで食べるとどうなるだろう? 値段も当然高くなるのだが、味などはやはりさすが、と思うことが多い。卵が厚く、オムレツのように半熟になっている。卵そのものもオムレツのようにバターの味も混じっていて卵だけでもおいしい。更に中のチキンライスも鶏肉などの具の味がしっかりしていて味に変化があってとてもおいしい。場所によって味が違ってくるので飽きることがない。値段は、時には冷凍になる喫茶店の倍程度だろうか? それにしては相当の差があるな・・・などと感じる。だけどその一方で
、街の食堂の素朴なものの味も捨てがたい、なんて思うからわがままなものである。
ところでオムライスにかかっているケチャップ。これはどうやって食べるか? 食べやすさなどから言えば、食べ初めに全体に薄く延ばしてしまうのが一番である。こうするとケチャップの濃い味も適度に薄まる。だが・・・私はなんとなく抵抗がある。卵の鮮やかな黄色い色、そしてケチャップの濃い赤。これをなるべく残したいように思えてくる。そのほうが美しいと思う。
この食べ方、半分までは簡単である。真ん中のケチャップをスプーンですくいながらその都度、食べる部分の卵に付ければよい。そうすれば初めとあまり変わらぬ姿で半分近くまで食べることができる。だけど、その先は? ケチャップのかかった部分をそのまま食べると濃すぎるし、のこりの部分のケチャップがなくなってしまう。せめて卵の黄色さを残すために、真ん中の余分のケチャップを一度皿に落として残しておきながら食べることになる。
でも、どうもスマートではない。だからといって反対側から食べるのはもっと見た目が悪い・・・。オムライスのスマートな食べ方、ないものだろうか?
パンをソースで 2002/ 7/ 11
私はパンにソースをつけて食べるのが好きである。ソース、といってもとんかつソースやウスターソースではない。コース料理を提供するような店で、料理に使われているようなソースである。例えば肉料理にかかっているソース、これをパンに付けて食べるのである。だから家ではまずできない。これは外で、それもある程度の店で食事をするときの楽しみである。
ソースをつけたパン。これがとてもおいしい。もちろん料理によっても違うが、濃い目のソースがパンで適度に薄まり、また塩気のあるパンの味とも混じって非常に良い味になる。料理の味に似ているがそれとはまた違ったおいしさになる。肉料理などだったら、染みで出た肉のうまみも加わるように思う。このあたり、たとえばご飯でいえば 汁のかかった丼もののおいしさにも通じるところがあると思う。パンをソースで食べると、おいしい料理だったら皿は真っ白になってしまい、ほんとに何も残らないような感じになってしまう。まるでお皿を舐めたようにも見えるが、そんなことは気にしない。
これ、とてもおいしい食べ方だと思うのだが、やっている人はあまり見ない。やはりパンにはバター?と思ってしまうのだろうか? それとも・・・。多分、この食べ方を知らないだけだと思う。料理のソースというのは、コックさんがいろんな材料を煮込み、うまみを最大に引き出し、そこへ調味料を適度に使って丹精こめて作られたものである。そして、料理の味を決める大切なものなのである。これがまずいはずはない。そのソースの味を最後まで楽しむのがこの食べ方だと思う。
パンとバターなら、おいしいパンとバターさえあればどこでも食べられる。家でだって食べることができる。だけどソースをつけて、というのは家庭では難しい。外で食べるときならではの楽しみである。
だけど、その割にはやっている人は少ないのはちょっと残念である。この食べ方がまだだったら・・・是非一度やってみてほしい。ただし、おいしい店で。
ビールにスープ?
2002/ 5/9
連休明けに東京で研修になった。研修は朝から始まるので金沢に住む私は当然、前の日のうちに移動しなくてはならない。
特に急ぐ必要はなく、夜までについていればいいのだからあわてることはない。だが、連休最終日に上京、ということで、飛行機は午後の便は予約の時点ですでに満席になってしまっている。朝のうちに移動することになった。まあ、それならそれで博物館巡りでもしようと思う。
ということで、午前中には羽田に着いた。モノレールに乗り換えて浜松町で降りるとそろそろ昼ごはんの時間である。さて食事はどこで? 一人だから、気楽な安い店で十分である。とはいえ、
1人だと初めての店にはなかなか入りにくいものである。結局、出張の際に何回か行った中華料理の店に入った。ここはランチもあるが、いわゆる”日替わり定食”ではなく、数種類のメニューがランチとして定食になっているものである。そして、どれも注文受けて
から作ってくれる。だから、ほかの店の日替わり定食ほど内容は充実していないが、出来立てのあつあつの料理が出てくる。普通の日替わりみたいに一部が冷えてる、なんてことがないのがうれしい。
さて、何を注文するか? 今日は休み、しかも車を運転することはない、となれば当然? ビールでも飲みたい。ならば定食よりも一品料理? となるのだが、結局、春巻きとチャーハンを頼んだ。”ご飯でビール?”と思う人もいるだろうけど、私は全然気にならない。家では、普通のご飯を食べながらお酒やビールなどを飲んだりもするくらいなのだから。
さて、注文すると真っ先にチャーハンが出てきた。まあこれも当然だろう。昼間から春巻きを注文する人はそういないだろうし、チャーハンならご飯をいためるだけ。すぐに出来る。それはいいのだが、チャーハンの横には小さなスープが・・・。これは弱った。私は、ご飯でお酒を飲むことはあるにしても、さすがに味噌汁や吸い物と一緒に酒やビールは飲まない・・・。多分、そういう人がほとんどだろう。以前、チャーハンとワンタンを注文してスープがついてくる、なんてことを書いたが、これも同じようなケースではないか・・・。チャーハンでビール、なんて人はそう多くはないかもしれないが、焼きそばでビールという人は結構いるだろう。こういう店では焼きそばにもスープがついてくることが多い。
チャーハンにスープ、確かに食事としてはありがたい。が、この組み合わせではどう考えても無駄である。結局、半分以上残してしまった。ちょっともったいない気もする。これを書いてて、別の店でも同じようにスープをもてあましたことを思い出した。組み合わせによって無用になるもの、結構あるかもしれない。
それにしても、店の方も、”チャーハンにはスープがつきますが、どうしますか?”と一言聞いてくれればいいのに・・・。”いらないから安くして”なんていわないから。
ソースカツ丼 2002/ 3/27
先日、福井市近くで食事をしようとして、カツ丼をメニューに見つけて注文しようとしたとき、隣に”卵カツ丼”と書いてあるのを見つけた。この卵カツ丼が普通に言うカツ丼のことで、ただ”カツ丼”と書いてあるのはソースカツ丼のことだった。そういえば、以前福井市でカツ丼とそばのセットを注文したとき、”これはソースカツ丼になるがよいか?”と確認されたのを覚えている。どうやら福井市近くで普通にカツ丼というとソースカツ丼を指す店が少なくないようだ。
普通のカツ丼は、カツを卵とじにしたものだが、ソースカツ丼は卵でとじていない。ご飯の上にカツをのせ、ソースをかけてある、というものだ。店によっては千切りキャベツが載っていたりする。細かなところは店によって違うようだ。ソースも普通のソースとはちょっと違うような気もするが、ウスターソースそのものに思える店もある。味に関しては好みもあるからどちらが、とは一概に言えないが、まあ食べてみる価値はあると思う。私個人としては、普通のカツ丼の柔らかな味の方が好きだが、ソースカツ丼にもそれなりの味わいがあるので、福井市近辺に行ったときは結構食べている。
ソースカツ丼、これはもともとウスターソースの味に惹かれたコックさんが手軽にウスターソースの味を楽しめる料理、ということで始めたという。とんかつ店にゆくとどろりとして味のやわらかめなソースが多いが、ソースカツ丼にはウスターソースが似合う。このソースでないと、ご飯の上ではあわないとも思う。ソースは少なめで、普通の丼のようにつゆがご飯にたっぷりかかっているような感じではない。もっとも、ウスターソースをご飯にたっぷりかけたら辛くて食べられないと思う。
まあ、食べ物の話を文字で表現するのはどう考えても無理がある。福井ではソースカツ丼は一般的な食べ物なので、お近くに寄られたとき、興味があったら食べてみてはどうでしょう?
ワンタン 2002/ 3/14
私はワンタンが好きである。食べるのは大抵小さなラーメン屋だったり中華料理の店だったりする。高級な店ではないから、ワンタンメンだったり、あるいはチャーハンと一緒に頼んだりする。そんなに味が良いもの、という意識はないのだが、メニューに載っているとつい頼みたくなる。
これはつい最近食べた店であるが、店の前の看板にもワンタンが書いてあったし、メニューにも大きくワンタンメンが載っていたので、早速注文した。出てきたワンタンメン、汁がなみなみと入っていて、こぼれるんじゃないかと心配するほどだった。麺やチャーシューなどは水面下に沈んでしまっている。始めはちょっと変に思ったが、軽めのワンタンは
、麺などの上に浮いているような感じに見えた。ワンタン、漢字で書くと”雲呑”となる。これはまさにスープに浮かんでいる雲である。そういえば、ワンタンののどごしの滑らかさは、まさに雲を呑む、といた感じである。雲呑とはまた、すばらしい名前だと思う。
さて、私の場合、ワンタンメンも好きではあるが、どちらかというとチャーハンなどと一緒にワンタンを食べる方がより好きである。チャーハンと一緒だと、ワンタンの滑らかさがより一層感じられ、これがチャーハンのおいしさを更に高めてくれるような気がする。で、この取り合わせで注文すると時々おかしなことが起きる。
店によってはスープも付いてくるのである。私が行くような気軽な店でチャーハンを単品で頼むと小さなスープが付いてくる。これがそのまま出てきたりするのである。で、このスープ、大抵の場合、ワンタンと同じ味なのである。ついでに言うとラーメンの味と同じだったりする。チャーハンに小ぶりのスープとワンタン・・・。さすがにスープは余計である。やはりスープは抜いて欲しい。こういう注文をしたらスープは抜く店が多いのだが、律儀な店だとちゃんと出てくる。事前にわかっていれば要らない
、というのだが・・・。
昆布巻きかまぼこ 2002/ 3/2
先日、旅行のお土産にかまぼこを貰った。かまぼこ、というと全国にあるものだが、意外と個性のあるものもある。その代表は、やはり富山の鯛の形をしたかまぼこだろう。 富山にはそれ以外にも特徴あるものもある。そのひとつが昆布巻きのかまぼこである。これは、かまぼこに昆布を巻き込んだものである。形は断面が平べったい楕円形で、切り口を見ると”の”の字みたいにかまぼこが入れてある。富山や金沢などでは 、たとえばスーパーなどでも売っているものである。
味は? というとちょっと個性がある。昆布の味がかまぼこにほのかに混じり、いい味になっている。刺身と昆布締めの違い、と思えばよい。しかし、それゆえ好き嫌いもでやすいかまぼこである。昆布がちょっと糸を引く感じになっていて粘り気もある。だから、これがいやだという人もあると思う。が、逆にだから好きだ、という人もいるだろう。私は、というと子供の頃は苦手だった。
だから今回もちょっとためらってみた。でも、せっかくのお土産だからと食べてみるとおいしかった。考えてみればだいぶ年月が経ち、味覚も変わっている。また、酒の肴に、なんて食べ方もしている。でも、子供の頃の苦手意識もあり、買っていなかったのだ。
子供の頃苦手な食べ物、これは誰もがなにかはあるだろう。それはそれで仕方ない面もある。でも、もう一度食べてみるのもいいのかもしれないな、と改めて思った。"こんなにおいしいものだったのか”なんてものもあるかもしれない。
定規で測ったような? 2002/1/15
今日は久しぶりの出張だった。日帰りで、帰りは夕方の移動だったが、空港で空腹を感じたので軽い食事を、と思っても見たのだが、ほとんど時間もなかったのでスーパーシートを利用することにした。(もちろん自費) これなら、機内で軽い食事ができる。 その食事、今は1月だからか、数の子なども入っているなど、なんとなく正月っぽい内容で得したような気分だった。でも、かまぼこを見ると一番端っこのものだった。かまぼこに限らず、細長いものには当然端っこがある。別に端っこがいやだ、というわけではない。というよりも、私の場合、ものによっては端っこが好きなものもある。たとえば玉子焼きなどは、端っこのよく焼けた感じが好きだったりする し、とんかつも端っこの方が好きである。でも、一般に端っこは好まれないかもしれないし、少なくとも、ちょっと違和感を感じるかもしれないな、と思った。
これで思い出したのが、宮内庁で料理をしていた人の書かれた本である。宮内庁の関係では、調理の際、サイズなどを定規で測ったようにそろえるのが基本なのだそうだ。量もきちんと同じ。だから、何百皿があったとしても、全て同じになる。確かに、公式の場の食事で、隣の人と見た目が違っている、というのはやはり不都合があるだろう。特に複数の国の人が集まっているときなどは問題だろう。こういうところでは、たとえばかまぼこを使ったとしたら、当然端っこは使わない
と思う。ある意味では無駄なのかもしれないが、こういう場では、 そういった細かな配慮が重要になることと思う。
おなじ 料理を作り・・・。調理で加減できるものならば、手間さえかければなんとでもなるが、大変なのが魚だそうだ。魚を丸ごと1匹使うような場合、当然、同じサイズの魚をそろえる必要がある。野菜や果物ならば栽培しているのだから、多くの中から選べば同じものをそろえるのはなんとかなるだろう。でも、魚となると大変なことと思う。特に国賓クラスを招いての食事となると数を用意する必要もある。それでも、漁師さん
に 事前に手配をして、何とか揃えるそうだ。無駄といえば無駄なのだが、それが必要なのが外交での食事なのだろう。
それにしても、機内食、いったい何食位作るのだろう? これも見た目はほとんど同じものがたくさん作られる。外交問題にはならないが、それでも隣と違っていればクレームもつくだろう な・・・。これも大変だと思う。
かにの魅力? 2002/ 11/30
冬の北陸の味覚といえば、やはり海産物だろう。中でもかには一番の人気のように思う。
先日、福井県の越前町に行った。ここの漁港は越前がにで有名である。冬のこの時期、かに漁の真っ最中であった。港町の狭い道路には全国各地からの車やバスが多く、すれ違うのに苦労した。
この町には”越前がにミュージアム”があり、適度に人が入っていた。駐車場の半分は団体バス用で、幸いにもこのときは1台も入っていなかったからこの程度だったのだと思う。もし数台、バスが入っていたらかなりの混み具合だったと思う。
実際、自家用車用は一杯であった。
この博物館には海産物の店も併設されていて、結構な賑わいだった。並みのスーパー以上の混み具合である。しつこいようだが、団体バスが入っていると身動きが取れなかったと思う。もちろん越前がにも売っていて、
(というより、越前がにが中心)小さいもので1匹千円程度。大きなものだと1万円を軽く越す。結構な値段であるが、買っている人も少なくなかった。
街の様子は? といえば、民宿や海産物の店に前には大きな鍋でカニを茹でているのが見えるし、民宿のおばさんらしい人が大きなかにをかごに入れて運んでいるのも見えた。おそらく、かに目当ての宿泊客で一杯なのだろう。
さて、かにであるが、実は私はあまりかにが好きな方ではない。といっても食べないわけではなく、料理についていたら食べる。だけど、わざわざかにを食べに出かけたりはしないし、かに料理に高いお金を払うつもりもない。この程度のかに嫌いの人、少しはいるようで、そういう人はこの時期の宴会には人気がでる。もちろん、かにを回してもらうのが目当てでのことである。
だから、”かにの魅力はなんなのだろう?”なんてつい考えてしまう。もちろん、味がいいからなのだろうけど、鮮やかな色や形などもあるとは思う。でも、それだけ? かにがあまり好きではないものからすると、”高いから”というのも理由の一つでは? なんてつい邪推してしまう。越前がに以外にもたらばがになどは人気があるが、これも結構高い。かに以外でも、マグロの大トロ、うに。結構な値段である。これらが大衆魚並みに安かったら・・・。これだけ人気があるだろうか? もちろん、”高いだけ”なんていうつもりは全くない。味が良いからこそ人気があるのだと思う。
だけど、高いから余計に人気がある、と考えるのは天邪鬼だろうか?
プリン 2001/7/1 4
プリン、というのは今でも大好きなお菓子である。デザートに混じっているとついうれしくなるし、時々買って食べたりもする。いい年をして、と言われそうだが、好きなものは仕方がない。
さて、私の年代の、子供の頃のプリン、というと粉をお湯で溶き、冷やして固める式のものである。時には牛乳を入れたりもする。一箱で5〜6個分、ちゃんとプリンの型も家にあった。冷蔵庫で固まるのが待ち遠しく、何度も
扉を開けて怒られたものである。今から思えばそんなに高級なものではないと思うが、たまに母が作ってくれるこのプリン。とてもおいしいものだった。
この冷やして固める式のプリン、最近までは市販のものでも主流だったようだが、今はちゃんと焼いて作るものが増えてきた。でも、味は? というと冷やして固めるものとそう変わらないような気がする。量産の関係だからか、子供向きに作っているのか・・・。また、ケーキなどを作っている店のものでも、少し味は違うものの、子供向きの甘さのように思う。プリンの味、もっと複雑なうまみのあるものだと思うのだが・・・。
これは、子供の頃の思い出である。
旅行中だと思うが、喫茶店みたいなところへ入り、何かおやつ代わりに食べようとしたことがあった。それがどこだったか覚えていないが、東京、だったかもしれない。で、私が選んだのがプリン。それも3つ載っているものだった。もちろん、プリン以外にも、クリームなどが多少載っているものだ。前回書いたフラッペ同様、沢山食べたい気持ちが強かったのだろう。で、その味は?
実は食べ切れなかったのである。これはちゃんと焼いて作ったものだったのだろう。甘みが少なく、味のしっかりしたものだった。多分、これが冷やして固めるのではないプリンを口にした最初かもしれない。食べられたのは1つ少々がやっと・・・。あとは残してしまった。これ以来、外でプリンを注文機会はほとんどないのだが、今は逆にその時のものをもう一度食べてみたいと思うようになった。で、外で時々買っては見るのだが、それほど強烈な味に思えるほどのものはない。もっとも、子供の時と今とでは味覚が違うからかもしれないが・・・。
インスタントと本物は違う、これを痛感した子供の頃の出来事である。そういえば、ラーメンをインスタントで食べ始めた私は、お店で初めて本物を食べたとき、あんまり食べなかったそうな。”まずい”と言って・・・。
かき氷とフラッペ
2001/7/1 2
かきごおり、といえば夏の食べ物として思い出深い。かき氷は、外で食べる、というよりは家で氷を削って作った事の方が多かった。うちにある機械は、丸い、円筒形の入れ物に氷を作り、それを削るものだ。普通の氷があってもそれは使えない。だから、一度作ると入れた水が凍るまで待たなければならない。古い冷蔵庫だから簡単には凍らない。それがとても待ち遠しかったように覚えている。
かき氷といえば、シロップはやはり赤いイチゴ。そして緑のメロン、だろうか。なかでも赤が見た目にも美しく、先になくなったように思う。量としてはちょっとした小鉢に山盛り。これが一人分だった。見た目には多いが、雪みたいに隙間だらけの氷。あっという間になくなってしまう。もっと沢山欲しいな、などと思いながら水みたいになった入れ物をみていたものである。
さて、氷がいっぱいあるとどうなるか? 実は子供の頃にその経験がある。東京に遊びに出たときのこと、ちょっと一休みするのに入った店にあったのがフラッペである。元々の意味は違うようだが、その店のは西洋かき氷、だった。かき氷にシロップがかかっている他、いろいろとのっていた。果物も少し載っていたように思う。そして、氷の量が多かった。いつもの数倍? 店頭のサンプルと出てくるものが違う、なんてことはよくある話だが、これは本当に多かった。子供にとってはお菓子の家を見るのと同じようなもの。喜び勇んで食べ始めた。
だが、その量は相当なもの。おまけに、店内は冷房が効いている。すぐに体が冷え、食べられなくなってしまった。さすがに氷以外にのってたものは食べたと思う。だから、もったいない、と思うよりもう結構、という気持ちの方が強かった。これでかき氷が嫌になった、ということはないだが、しばらくは食べなかったような気もする。
やはり程々がよい・・・子供心にそう感じた出来事だった。
冷奴 2001/6/ 24
これから夏の暑い時期、冷奴というのは、冷たくてのど越しも良く、好まれる食べ物の一つだろう。私の場合、薬味を何も使わず、しょうゆだけかけて食べるのが好きである。おいしい豆腐なら、しょうゆもなくても良い、と思うことさえある。が、そう思う人は必ずしも多くはないようで、飲食店で出てくる冷奴には、生姜やネギなどの薬味がのっていることが少なくない。そんなとき、まず豆腐の味を見て、まあまあだったら薬味はよけてしまう。もったいない気もするが、好みだから仕方ない。もっとも、豆腐の味が不満だったら薬味を使うこともあるが・・・。
さて、豆腐というと、実家の近所の豆腐屋を思い浮かべる。
これは子供の頃の話であるが、夏にはやはり冷奴が多かった。当然、近所の店で買うことが多いのだが、ここの豆腐、豆の味がやや強いような、そんな味がする。これが子供の頃は少しきつく感じ、食べられないわけではないが、いやだな、などと思ったこともある。たまに別の店のになると柔らかい味がして、食べやすかったように思ったりした。
さて、豆腐、というと、一時期スーパーなどでは充填式のが中心だった。これは、豆腐として作ったものをパックするのではなく、固まる前のを流し込んでパックの中で固めるものである。豆腐としての味が弱く、”味がない”と思えるものもある。最近は同じパックのものでも、ちゃんと固めてからパックするものもでてきて、こちらはややまし、と思える。大抵の豆腐屋のものには及ばないが・・・。
さて、豆腐の味に戻る。最近は、子供の頃に味わったような、豆の味が強い豆腐にはほとんど出会えなくなってしまった。そんなとき、ふと、子供の頃の豆腐の味を思い出してしまうことがある。では、実家の近所の豆腐屋は? これが、今でも相変わらず豆の味が強いのだ。もっとも、昔ほどきつくないように思えるのは、代が変わったからか、それとも私の味覚のほうが大人になって好みが変わったからかはわからないが・・・。
さて、この店の豆腐をおいしいと感じるかどうか・・・。
これは好みがあるだろう。私が子供の頃に感じたのと同じ理由で嫌だと思う人もいるだろう。でも、私にとっては懐かしい味である。昼の手軽な1品ではなく、夜のお酒に合うかな・・・、などと思っている。
いずれにしても、最近は感じないしっかりした味の豆腐である。この味、守り続けてほしいな、と思う。
食べ方は自由だけど・・・ 2001/6/21
今回も食べ物の話題・・・。
先日、ラジオでそうめんの話をしていた。うどん、ひやむぎ、そうめん。いずれも小麦粉から作る麺類だが、そうめん、というと夏向きの食べ物である。やはり、細さからくる清涼感、これが大きいのでは?といった、なかなか興味深い話もあったのだが、通勤途中のこと。全部聞く前に会社に着いてしまった。
さて、番組中、専門家がそうめんを用意していて、それをアナウンサー(?)が試食した。ラジオのこと、食べる音だけで表現していたのだが、なかなかいい音で、美味しそうな食べっぷりだった。
そうめんに限らず、”薬味”がつきものだが、アナウンサー氏、そのとき一緒にあった薬味を全部まとめて入れたらしい。薬味、としてはネギ、ショウガなどのほかにも何種類か用意してあったようだが、専門家の方は、どうやら薬味をひとつひとつ入れて食べる、そういう方法を考えていたようで、それをアナウンサーがまとめて全部入れてしまったのをみてちょっとあわててしまったようだ。
”まとめて入れるのも一つの食べ方だけど、一つ一つ薬味を入れて、違う味を楽しむ食べ方もある”と紹介したのだが、何回か、しきりに”食べ方は自由・・・”と繰り返していて、恐縮そうな感じだった。
確かにひとつひとつ薬味を入れるといろんな味が楽しめる。実は、私もたとえばそばなどでは、こういう食べ方をしたりする。薬味のわさびやねぎを出汁にいれず、そばに乗せるようにして食べる。だから、なにも薬味がないもの、わさびだけが利いたもの・・・といった感じで味を楽しんでいる。わさびに出汁がかからないから、わさびの味が強く出て、とても美味しいと思う。
だけど、おそらく、そばにしろそうめんにしろ、このアナウンサーのような食べ方が一般的だと感じる。実際、そば屋でみてても私のような食べ方をしている人は殆ど見ない。薬味を変える食べ方を知らない、というか、条件反射的に薬味を全部入れてしまっているように感じる。
これと同じようなのがラーメンだろうか? ラーメンには胡椒、と多くの人が出されたとたんに胡椒をかけている。私も時には胡椒をかける。でも、最初にかけることはない。大抵、食べている途中でかける。そうすると、ちょっと味が変化してまた違った感じで楽しめる。うどんなどに唐辛子をかけるときも同様である。ネギが別添えになっている店もあるが、そんなときもネギは少しずつ使ったりする。薬味ではないが、月見うどんなどの生卵。これも、途中で黄身を崩すと味の変化が楽しめる。薬味を変えるのも似たようなところがあると思う。
薬味などで複数の味を楽しむ・・・。確かに食べ方は自由なのだが、ちょっと試みてはどうだろうか?
カツ丼 2001/6/19
カツ丼、というのは割と便利な食べ物である。
比較的手軽に注文できるし、ご飯物だから腹持ちもいい。丼だから食べるのも早い・・・。そして、極端なはずれ、というのがあまりない。そういう点でも比較的安心して頼める物のひとつだった。
しかし、最近、とてもひどいのが増えてきた。といっても普通の店ではなく、高速道路のサービスエリアなどでの話である。
サービスエリア、というと以前は独占営業的だったので必ずしも評判は良くなかったのだが、最近はいろいろと工夫してきているところが増え、徐々に良くなってきていると感じてはいた
。しかし、カツ丼に関しては迂闊に頼めないところが増えてきた。一例としては、かつの上に、おそらくはレトルトで用意している卵入りの汁をかけただけ、と思われるもの。これはひどい味だった。おそらく、親子丼などもこれに鶏肉を入れて出すのだろうが、カツ
がないので余計ひどいのでは?
と思った。また、別のところではカツに錦糸卵をのせただけ、というもの。これなどは味の前にこれをカツ丼というのか?と言いたくなる。
カツ丼というのは、ちゃんと作ってもそんなに手間のかかる物ではない。カツを刻んだタマネギなどと一緒に出汁で煮て、溶き卵で仕上げるだけである。出汁さえあれば数分で出来る。煮込むのだから、カツは別に揚げたてでなくてもおいしい。出汁さえ良ければ。だから、そば屋などは良い出汁が作れるので、どこでも比較的おいしい。で、安心して食べられるもののひとつだった。
ひどいカツ丼が増えた背景には、やはりまともな調理師がいない店、あるいは少ない店が増えたからだろう。カツ丼の調理は前述のとおり簡単なのだが、こういうところでは、おそらく、冷凍やレトルトばかりなのだと思う。それなら、極端な話、調理師ではない人だけでも十分だ。
カツ丼さえまともに作れない店・・・。やはり、2度目は避けたくなる。
ノンアルコールのお酒? 2003/4/ 26
最近、ノンアルコールのお酒(?)が出ているそうだ。昨年の飲酒運転の罰則強化が切っ掛けなのだろうか? ノンアルコールのビールは以前から細々と売られていたようだが、最近新製品がでて、少し増え始めたらしい。それに加え、ビール以外にも日本酒や酎ハイなども出てきているそうだ。ノンアルコールの日本酒などはなかなか手に入らなイくらい売れたそうだ。(もともと生産量は少なかったようだが)
ノンアルコールのビール、実は近所の酒屋さんでサンプルを貰って飲んだことがある。2種類飲んだのだが、1本は輸入ビールに似た味で、ちょっと好みとずれてるかな?と思ったが、もう1本は飲みなれた味に近く、あまり違和感なく飲むことが出来た。これならビールとして通用するかも、とも思う味だった。
ノンアルコールのお酒、世の中にはアルコールをほとんど摂取できない体質の人、結構いるはずだから、こういうのもあっても良いと思う。だけど、何か引っかかる。それは、運転するときにお酒の代わり、なんとなくそういう目的に見えてしまうからだ。これはちょっと違うのでは? と思う。
飲酒による運転への影響、これは広く知られている。だから、車の運転が前提なら酒は飲まない。これが鉄則である。それが、こういう製品が出てくるとその原則が崩れてしまう、そんな気がするのだ。
ノンアルコールのお酒、宴会気分を壊さないために、などという宣伝も見たことがある。それはまったく別の問題だと思う。私の会社での宴会、車で帰る人が結構いる。自宅が遠くてバスもないなど、車でしか通勤が困難な場所に住む人である。タクシーで、と思っても往復となれば相当な金額になる。だから、酒が飲めない、という不利を承知で車で来るのである。そういう事情だから、車できたことを明言すれば、周りの人は決して酒は勧めないし、本人も飲もうとしない。やはり、これがより望ましいことだと思う。
”しつこく酒を勧められる” これはよく聞くのだが、ふしぎと(?)私の出る宴会などではそういうことは全くない。実際、私も何度か酒の出る席に車で行っている。酒を勧められたときははっきりと車で来ていることを明言する。その結果として強引に勧められたことはない。せいぜい、"次は是非飲みましょう!”と言われる程度である。それで宴会気分が損なわれるか? 決してそうではないと思う。飲めない人も飲めないのを前提にして楽しんでいるし、それを尊重する。
だけど・・・強引に飲ませようとする人もいるらしい。ノンアルコールのお酒、”車なら飲まない”、この鉄則を壊してしまうのではないか? とつい思ってしまう。これは余計な心配かもしれないが、ノンアルコールと普通の酒、ごっちゃにならないだろうか? などとも思ってしまう。だいたい酒を勧めるほうは大抵は酔っ払いである。そこまでちゃんと見てるか(理解しているか?)疑問である。混ざって飲んでしまったら・・・。代行運転でも頼むか、一泊するか・・・。いずれにしても高くつくだろうな。
最後に、これらの飲料、ノンアルコールとは言いながら、わずかにアルコールが入っているものが多いようだ。全てがそうかは確認できていないのだが、少なくとも、私が飲んだノンアルコールビール、これには0.5%のアルコールが含まれいていた。一つ調べたノンアルコール日本酒も同じく0.5%のアルコールが含まれていた。0.5%、誤差みたいな割合ではあるが、お酒に元々入っているアルコールは、蒸留酒を除けばアルコールの度数はそれほど高くない。ウイスキーなどをストレートで飲みなれている人でもなければ20%を大きく越える酒なんて、水割りにでもしなければ飲めるものではない。0.5%は結構高い比率だと思う。たとえばビールと比べてみる。ビールには、4〜4.5%のアルコールが含まれている。だから0.5%といえば、ビールの約1/8である。ノンアルコールビールを8本飲めば普通のビールを1本飲んだのと同じことになる。アルコールの比率、決して高くはないが、無視できる量とは思えない。8本はなかなか飲めないと思うが、その半分、350mlの缶で4本ならば宴会の中で時間を掛ければ飲んでしまう量だと思う。アルコール量として缶ビール(350ml)の半分。これは運転に十分影響ある、といわれている。ノンアルコールだから飲んでも平気、というものでは決してないのだ。
やはり、運転を前提にするなら飲むべきものではないと思う。もちろん、子供のも飲ませてはいけない。
念のため書き加えておくが、ノンアルコールのお酒、決して否定するのではない。アルコールの摂取を抑えなくてはいけない人、摂取できない人がお酒に近いものを飲みたい、ということもあると思う。そういうときには良い飲み物だと思う。ただ、車の運転をしなくてはならないからこれで、というのはおかしいのでは? そして、危険性もある、ということである。
酒の器 2003/4/19
先日、福井県金津町にある美術館に行った。丁度開催されいていたのが、”酒の器展”である。展示内容は、その名の通り、ぐい飲みや冷酒入れなど、酒の器に関するコンテストである。今回は第二回、全国から応募の約750点の中から選ばれた204点が展示されていた。ぐい飲みなどと冷酒入れ、これが組になっているものが多い。素材はガラスを始めとして、漆器、磁器、金属、木など・・・さまざまであった。
この展示、面白いことに展示作品を購入することが出来るのである。ただし、作品全てではなく、一部は非売品となっている。では、値段は? 芸術家や工芸家の作品、さぞかし高いのでは? と思うかもしれないが、意外と安かった。安い、とはいっても数千円程度以上にはなる。もちろん、中には数万円、あるいはそれ以上の高価なものも少なくない。しかし、1万円程度で買えるものがかなりある。これらの作品、工芸家などが手作りに近い作業で作ったものである。値段で言えば普通に市販されているグラスでも、クリスタルのものだと1万円以上は決して珍しくない。市販品とはいえ、こういう品は職人さんが手作業で作っていたりする。それでも市販品には違いない。広く売られている品物である。その点、ここでの品は普通には売られていない。絵画のようにこれ1点のみ、というものではないが、数は限られるだろう。そういう品が数千円程度で買えるのである。もちろん、応募した中には無名に近い作家もいるとは思うが、価格としては安い、と感じた。
展示を見てると酒好きの私のこと、やはり一つ、欲しくなった。とはいえ、さすがに数万円のものはなかなか勇気が出ない。高価なものの中に魅力的なものもあったが、それは見送って比較的安いものの中から1点を選んだ。ガラスの作品で、きれいな青色をしていた。形は、そこが丸くなっていてゆらゆらとゆれる、そんな作品である。この品、ラベルに”抽選”とあった。だから、展示されている応募作品が手に入るのだと思っていた。つまり、世界中でこれ1点のみ、を期待したのだ。だが、”抽選”となっているものの中には、量は限られるが追加注文も可能、との品もある。これもそうだった。世界に一つ、を期待したのでちょっと失望したが、それでも数は少ないはず、と購入の手続きを取った。
待つこと約3ヶ月。ようやく届いた。展示会で見たのとちょっと色が違うが、これはこれでよい。形はまさにそのとおり・・・。展示会では気が付かなかったが、底に作家のサインが彫り込んである。こういうのは美術品をイメージする。やはりうれしい・・・。
早速使ってみる。もともとは冷酒などで使うことを考えているのだろうが、手元に日本酒はない。そこで、秘蔵のウイスキーを開けることにした。秘蔵というほど高くはない品だが、スコッチウイスキーでは有名なアイラ島産のシングルモルトである。
ぐい飲みはこれでよい・・・。が、冷酒入れにウイスキーを入れるとこれはさすがに多すぎる。ここは水にしよう。お酒を入れる器に水はちょっともったいない気もするが・・・。まずはウイスキーを注ぐ。ガラスに色が付いているので、ウイスキーの琥珀色は見えない。ちょっと器を揺らしてみる。ゆったりとした揺れが心地よい。しばし揺れを楽しんだ後、ストレートのまま口に軽く含んでみる。ぐい飲みの口当たりが滑らかである。
味は? さすがにシングルモルトである。 普通のブレンドウイスキーに比べると非常に個性的である。が、その個性的なモルトこそ、この器にふさわしいと感じる。ストレートを楽しんだ後、水を
すこし足す。冷酒いれ、デザイン優先の品だろうが、とても注ぎやすい。
ウイスキー、普段は水割りにしないのだが、水で倍に薄めるとストレートでは隠れてしまう香りなどを楽しめるという。だから、今回はシングルモルトに敬意を表して水割りにしたのである。さすがにアルコールの強さが薄らいだ。味が和らいだ分、香りが強く出る。さっきは余り気にならなかったが、燻製のような、そんな香りがとても強い。これは、麦芽を泥炭でいぶしたときのものだそうだ。
このモルト、人は”潮の香りがする”という。残念ながら私にはそこまでは嗅ぎきれない。
今一度器を揺らす。
なんとなく、船の揺れを思い浮かべる。
個性的な器に個性的なモルト。まさに至福のときである。
”酒の器展”、今回は2回目。3回目があるだろうか? もしあれば是非もう1品、買いたいものだ
。
お酒の飲み方 2002/ 8/8
お酒の飲み方、という題をつけたが、燗の付け方、といった話ではない。お酒の選び方、といったほうが良いのかもしれない。最近、飲み屋に行くと地酒なども含め、いろんな日本酒が置いてあり、いろいろと選べることが多くなってきた。高いのから安いのまでいろいろある中で、どういう順番で飲めばよいかということについて書いてみたい。
注文の順番? そんなの自由じゃないか? という人もいるだろう。そのとおりである。だけどもし、同じだけの種類のお酒を飲むとして、よりおいしい飲み方があるのなら、それを知っておいても損はしないだろう。ということで、余計なおせっかいかもしれないが、ある冊子の中で紹介されていた飲み方を紹介しよう。
その飲み方であるが、
”比較的安い酒からはじめ、だんだんと高級なものにしてゆく”
ということだそうだ。つまり、一番高い、おいしい酒は最後に、ということである。これにはちゃんと理由がある。お酒などで、1種類だけ飲んでその良し悪しを判断するの難しいが、2つ飲み比べると差がはっきりする。だから、良い酒の後でちょっと落ちるものを飲むと差が目立って、まずく感じる、ということだそうだ。だから、少しずつよりおいしいものに上げてゆけば、同じ種類を飲むにしても、満足度も高い、ということなのだ。実際に飲むとすれば、
銘柄によって、味の性格も違うから、そんなに単純ではないだろう。でも、理にかなってはいる。
この飲み方、さっそく知人に紹介したところ、即座に否定されてしまった。
曰く、
”酔いが回ってくれば味の違いなどわからなくなる。だから、最初においしい酒を飲んでおいたほうが良い”
うーむ、こちらの方がもっと説得力がある。納得してしまった。いうまでもなく、彼は大酒飲みである。
この飲み方、日本酒で実践はしていない。でも、お酒よりも手軽なビールと発泡酒、では、やはりビールを後にするほうが良かった。
おいしい酒の飲み方・・・。机上の空論かもしれないが、(最後まで味の分かる、)普通の飲み方をする人は、試してみるのもいいと思う。
飲酒運転の厳罰 2002/ 7/ 29
今年の6月から飲酒運転に対して罰則などが強化された。また、飲酒運転の定義も厳しくなった。今まで見逃されていた少量の飲酒であっても酒気帯び運転となる。これによって今まで以上の人が違反とされたという。また、罰金も20万円、30万円などという金額になっている。この法律の改正から約2ヶ月。その成果などが新聞などでも報道されている。
それによると、かなりの人が検挙されたそうだ。増えた分のほとんどは従来の基準では見逃されていた人たちらしい。つまり、法律の改正によって飲酒運転をやめたなんて人はほとんどいなくて、基準が下がった分、検挙者が増えたような感じだそうだ。そして、つかまった人の中には、罰金が20万円、などと聞いて”高い”と怒る人がいるそうだ。中には、いきなり高くしないで2度目、3度目、から高くすれば良い、なんて提案(?)をする人もいるらしい。これはどう考えても責任意識がない、と感じる。
飲酒運転、というのは意識的に行う行為である。飲酒は、宴会などでは多少の無理強いはあるかもしれないが、あくまでのその人の意思で行うことである。そして、飲んだ後で運転する、というのも運転者の意思で行うことである。スピード違反なら、(多くは故意であろうが)うっかり、ということもあるだろう
。しかし、飲酒運転は意図して行わない限りありえないのだ。そして、飲酒により状況の認知や判断、操作のレベルが落ちることは実験などで確かめられていることである。これは、多くの人が知ってると思う。そして、飲酒運転により、多くの事故がおきている。であるから、危険性を知り、故意に行う人がいる以上、厳罰であるのは当然であると考える。段階的に罰金の増額を、というのは一見合理的に思えるかもしれないが、事故を起こす危険性は1回目であれ2回目であれ変わるものではない。やはり重い罰金を課すのが適当だろう。飲酒運転は決して強制されたりうっかりして起こす違反ではないのだから。
ついでにもう一つ。駐車/停車禁止での違反。これも厳罰にして欲しいものである。広い道路なのに駐車している車のために渋滞が長く伸びる、なんてことは珍しくない。多くの車が影響を受け、遅れによる経済的損出や環境汚染も引き起こす。この違反も 飲酒同様、故意に行うものである。駐車禁止違反も罰金を大幅に引き上げて欲しいものだ。
茶碗でのむ 2002/ 4/3
ウイスキーを飲むとき、何で飲むか? やはりグラスというのが普通だろう。でも、この前近くにあった湯飲み茶碗をつい使ってみた。意外なことにこれがなかなか飲みやすい。ウイスキーを楽しむとき、もちろん味も重要であるが、色や香りも大切である。それと同じ位重要なのが口に器があたった感じだと気づいた。茶碗の場合、釉薬がかかっているから表面はガラスと同じである 。でも、淵が厚くて丸い。このために飲んだ感じがちょっと違う。なんだかいつもより柔らかになったような感じがする。私の場合、ウイスキーは室温で飲むのだが、ちょっと暖かく感じもした。もちろん暖めてなどいないから、口にあたった感じによるものだろう。
もっとも、私の場合は室温のストレートだからこれがいいのかもしれない。氷を入れるならまた感じが違ってくると思うし、水割りならなおのこと違ってくるだろう。ウイスキーを ストレートで室温で飲む。多分、こんな飲み方をする人はごく少数だろうから、茶碗で、なんて勧めても、他の飲み方では感じが違いすぎておかしな感じになってしまうだろう。でも、器によってずいぶん感じが違うもの、と感心した。グラスでないからウイスキーの色そのものは楽しめない。が、その代わりに器の模様が楽しめる。現代九谷などが斬新でいいな、などとも思う。そんな茶碗を眺めながらウィスキーを少しまた少しと飲む。これまた楽しいと思う。
ただし欠点がひとつ。私の場合、ウイスキーはごく少量しか一度に入れない。上からしか見えないものだから、量がちょっとわかりにくい・・・。下手すると飲みすぎてしまうかもしれない。
余談であるが、私は焼酎なども室温でストレートである。ウイスキーやブランデーをストレートで飲む癖がついていると少々アルコール度数が高くても平気になってしまう。とはいえ、ストレート好きは少ない。この前知人宅で焼酎をストレートで飲んでたら驚かれた。
”それ、焼酎だぞ”
”うん、知ってる”
”アルコール、高いだろう?”
(びんを確かめて)”うん、25度だ”
”口が焼けないか?”
”大げさな・・・たった25度だろう?”
補足: ちゃんと胃の中には食べ物やほかの飲み物を入れた上で少量を飲んでます・・・。
風に吹かれて お酒と食べ物の話
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