博物館訪問の費用

私の趣味のひとつ、博物館(美術館、動物園などを含む)訪問である。訪問記録、2,100館を超えている。当面の目標は3000館であるが、近くの博物館はほぼ回っているので遠いところばかりになってきた。とはいえ、日帰りで行ける範囲にまだ500館はありそうなので、あと10年で行けたら・・・と思っているところである。

さて、博物館訪問の費用である。記録上、入館料は分かっている。2,100館の合計で20万円少々。無料のところが結構あるので入館料自体はたいしたことはない。しかし、博物館に行くにはそれ以上に、交通費がいる。また、遠地であれば宿泊も要る。それに、食費も必要になってくる。入館料より高くつくことはまちがいない。それらの合計はどのくらいなのだろうか?
過去の分はわからないが、目安はほしいな、と思った。そこで、8,9月に青春18切符を使って5回行った博物館訪問、これを参考として計算してみた。
その結果であるが、1310館位周り、6千円〜12千円位であった。1館あたり千円から2千円になる。これは、交通費の他に食費なども含めている。青春18切符は交通費は割安になるので、それを考慮すると3千円/館位だろうか? 遠地になると宿泊が必要になるし交通費も高くなる。凧のイベントに合わせていったりするのでその分をどう考えるか難しいが、5千円/館位になるだろうか?
近場はもっと安くなるだろうから、これも合わせて平均すれば2千円/館+入館料が目安になるのかな・・・と思う。
とすると、2,000館訪問の費用、420万円になる。結構な値段であるが、これは約20年での費用である。と考えるとそれほどでもない? だけど年間20万円、月1.75万円。やはり安くはないか・・・。
でも、そんなに使っていたかな?

博物館訪問、華はなくても・・・ 
私の博物館訪問少し遠くに行くときは効率よくまわるため、その地方の博物館をなるべく全て回るようにルートを計画する。中途半端に未訪問の博物館が残ってしまうと何度も行かなくてはならない。とはいえ、見学や移動に時間がかかってしまうので、計画通り行けるとは限らないので、どこで打ち切るか、これも考えてルートを決める。大抵は遠くに行けるだけ行って戻りながら見学することが比較的を多い。そうすると、途中で打ち切っても、残るのはまた行きやすいところ、となる。博物館、比較的朝が早いので、そのためには早起きしなくてはならない。理想は最初の博物館についたときに開館時間の9時くらいになっていることである。しかし、早朝の65時に出かける、というのは車ではさすがに厳しい。(電車なら途中で居眠りも出来るので平気) また、高速道路を多用するのも費用面で苦しい。そのあたりも考えながらルートを決める。
もうひとつ、なるべくなら”行きたい”と思う博物館を1つ2つ入れるようにしている。行きたい、と思う博物館。これは展示を見たい、と思うようなところや、比較的大きな所である。では、普段行きたくないところも行っているのか? 行きたくないわけではないが、そこに博物館(資料館)があると、料金が高いなど、気が進まなくても行くことになる。とはいえ、何かしら関心を持つ所もあるので、行ってよかった、と思うことが多い。

さて、今回のルートは浜松市北部であった。浜松市、といっても最近合併して浜松市となった場所である。少し前まで別の町や村だったので、浜松市街とは相当離れている。小規模な博物館(資料館)ばかりである。だから、今回は大きな博物館などはない。非常に地味なルートとなってしまった。しかも、その道路、車のすれ違いが困難で曲がりくねった道がかなりある。私の場合、山道は苦にならない方だが、細かなカーブやヘアピンカーブが続くであろう道は、時間がかかることも予想され、ちょっと苦しそうだ。やや気の重いルートでもあった。
しかし、実際に行ってみると意外と面白かった。今回の博物館、どこも無理をしていないような感じだった。地元の資料をうまく展示している。たとえば以前の主要産業であった林業に関する展示。道具類などが中心であるが、いろいろな道具があり、形もまた面白かった。このほかの博物館も、地元中心の資料を展示していて、無理のない展示となっていた。華となるような博物館はなかったけど、とても気持ちよくまわることができた。

それにしても、車1台がやっとの山道を数十Km走るのはさすがに気を使った・・・。カーブの先が直接見えないのでミラーを何度も確認しながら、の走行である。昼だけど対向車からわかりやすいようにライトをつけての走行。平均速度も30Km/h程度であった。そういう道を走って行った先が”閉鎖”だったらさすがにがっくりくるが、今回は一つもなかった。閉鎖でなくとも臨時休館、あるいは係員が不在、なんてことは小さな資料館ではめずらしくないのだが・・・。



博物館での記帳 
地方の小さな博物館(資料館)に行くと、記帳を求められることが時々ある。
記帳、単に市内/県内/県外だけ、ということもあるけど、多くは住所氏名を記入、ということになる。記帳自体は別に問題ないし、気になるときは細かな住所まで書かなければ良い。自主的に記帳することは少ないのだけど、求められれば断ることはない。

さて、私の場合、記帳する場合どちらの住所を書くか? と迷う。どちらの、というのは、石川か愛知か、ということである。大抵の場合、ちょっと迷って石川の住所を書くことが多い。”金沢”のイメージが良いこともあるけど、多くの場合、その方が遠いから、である。北陸で記帳するときは逆に愛知の住所を書いたりもしている。
石川の住所を記帳する場合である。愛知県内はもちろん、たとえば静岡県の場合、愛知は隣の県だけど、石川は遠く離れた県になる。それだけのことだけど、時にはとても驚かれることがある。
ある意味、そうかもしれない。東京などの大きな博物館では、全国や海外からも集まってくる。特に人気のある特別展ともなると、かなりの人が遠くから集まってくる。だけど、地方の博物館(資料館)などでは、地元の人でもあまり来ないことが多い。だからこそ、博物館の人も驚くのだろう。私の感覚からすれば地方であれどこであれ、博物館的施設が行くから、その場所がどんな所であっても機会があれば行くから、特別なことではないのだが・・・。
とはいえ、余りにも驚かれると、”実は単身赴任で愛知に・・・”などと補足することもある。だけど、隣の静岡県になると”それでも遠い”と驚かれる。最近はその反応を期待することもあった。
でも、あまり反応がないとちょっとがっかりすることもある。先月、九州に凧のイベントで行ったとき、福岡県の小さな美術館などに行った。ここは石炭の町で、福岡市などからもちょっと離れている。だから、ここまで来る人はそう多くはないと思う。まして県外などから来る人は非常に少ないと思う。だけど・・・。数箇所で記帳したのに、全く反応がなかった。ものすごく驚かれてもびっくりするけど、反応が全くないのも寂しい・・・。

ナイト ミュージアム 
ナイト ミュージアム、映画である。
テレビなどで宣伝しているので一部ご覧になった方も少なくないだろう。夜の博物館がこの映画の舞台である。博物館好きの私としてはすぐにでも見に行きたかったのだが、凧のイベントなどへの参加もあって、昨日ようやく見に行った。
どんな映画か? これはテレビの広告などで紹介されているとおりである。アメリカ自然史博物館で、夜になると展示品が動き始める、というものである。自然史博物館だから、展示品には恐竜の化石などもある。それが動き始める、というのは面白いと同時にちょっと怖くもある。あらすじなどをここで述べるのは止めておくが、思っていた以上に面白い映画だった。

映画の舞台となっている博物館、The American Museum of Natural Historyである。アメリカ自然史博物館、となる。日本で自然史博物館、と名乗っているところ、そう多くはないが、何箇所かある。たとえば”群馬県立自然史博物館”である。恐竜など絶滅した生物のほか、群馬の生物や自然などの展示がある。同様の展示は、上野の国立科学博物館などにもある。また、恐竜に限定した博物館もある。とはいえ、博物館/資料館の中では少ない方だろう。

ところで、映画の中での展示品、いろいろと出てきた。恐竜の化石のほか、アフリカの哺乳類などの剥製、そしてネアンデルタール人も出てきた。ここまでは私の自然史の認識内である。が・・・このほかにも、古代エジプトやマヤ、ローマ帝国、さらには西部の開拓などの展示品が出てきている。イースター島のモアイやルーズベルト大統領も出てくる。これは自然史、ではなくて歴史では? と思ってしまった。ずいぶんと範囲が広いようだ。
期待していた博物館の裏側的な場所はほとんど出てこなかったけど、展示だけでも面白そうな博物館だと思った。アメリカの博物館というと、以前からスミソニアン博物館は行きたいと思っていたが、アメリカ自然史博物館も是非行きたい、と感じてしまった。

さて、最近博物館や美術館などにゆくとこの映画の割引券が置いてあった。博物館が舞台の映画、ほとんどないのだからこの機会に博物館に興味を持って欲しい、ということもあるのだと思う。実際、この映画のおかげでアメリカ自然史博物館の入館者数が増えたそうだ。
まあ、そういう背景は別にして、単純に楽しめる映画である

風に吹かれて  博物館の話