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韓国映画の最高傑作、「八月のクリスマス」。
小さな写真館を営むジョンウォン(ハン・ソッキュ)と交通違反を取り締まる婦人警官タリム(シム・ウナ)の、切なくも暖かいラブストーリーだ。
仕事の写真の現像を依頼するのを機に、タリムはジョンウォンの写真館を訪れるようになる。そしてタリムは次第に魅かれるようになり、ジョンウォンも彼女に応えるかのように優しく受け止めようとする。
だが、彼の命はもう間もなく終わろうとしていた。
やがてジョンウォンは入院し、タリムは彼のいない写真館を訪れるという、すれ違いの日々が続く。二人の恋の行方はいかに・・・。
静かで、無駄がなく、限りなく優しいストーリーにたくさんの人が涙したことだろう。
もちろん私などもその1人で、ゴージャスな展開のハリウッド映画とは違って大きなクライマックスなどないが、最後まで惹きつけられる素晴らしい映画だ。
しかも無駄なシーンなど一つもなく、何気ないものでも後につながっている辺りも非常に洗練されている。
さらに、ハン・ソッキュはいうまでもなく、それまでテレビでは人気のあったにも関わらず、映画では今ひとつヒットに恵まれなかったシム・ウナの魅力を最大限に引き出したホ・ジノ監督の手腕も見逃せない。
これがデビュー作というからこれからも期待大である。
次作「春の日は過ぎ行く」も今年(2002年)の夏公開で、紫雨林のキム・ユナが歌い、松任谷由実作曲の主題歌も話題。
「八月のクリスマス」とはまた違った作品なのでお試しあれ。
さて、このOSTは、そんな静かな作風と同じく、ゆったりと落ち着いた雰囲気で聴ける作品。
映画を見てなくても音楽だけでも十分楽しめるものになっていると思う。
では、その内容を見てみよう。
トラック1の主題歌は主人公を演じたハン・ソッキュ自ら歌うバラードだ。
歌詞の内容はラストシーンまで言えなかった想いを告白するかのように映画の最後に流れる。
ハン・ソッキュという人は彼自身の声も非常に定評がある俳優であるが、歌のほうも素晴らしいものがある。
アレンジも目を見張るものがあり、ストリングスをウラメロとして使い、サビの部分を効果的に盛り上げる役目を果たしている。
といっても派手過ぎない、そのバランス具合も絶妙だ。
尚、ラストトラックでは数多くの韓国のアルバムでギタリストとして名前をよく見かける、サム・リーのアコースティックギターのインストバージョンが聴ける。
もう一つのボーカルものの、トラック2「チョンムン オリョムプシ イェ センガキ ナゲッチヨ」は映画では2ビートのドッタンバッタンしたものだが、こちらのOSTではなぜかサンバ調の賑やかなトラックになっている。
トラック4の「アイチョロン」、トラック7「Happy Crystmas」はともに同じ曲。
実際には映画では使われてないが、トラック4のほうはクレジットにあるようにタリムのテーマとして収録されている。
こうして聴くと胸にじっくり染みこんで来る綺麗な歌とメロディの好トラック。
実際の映画ではどのような場面で使われる予定だったのだろうか。
ボーカルものばかり先に取り上げてしまったが、トラック5の「Love theme」も素晴らしく、最後のマイナー調になるくだりが哀愁感があっていい。
続くトラック6の「タリメ ワルツ(タリムのワルツ)は彼女の明るく、可愛いいキャラクターが表現されている曲。
トラック10の「チョドュンハッキョ ウンドンジャン(中学校の運動場)」は韓国映画のOSTではよく聴かれるのだが、ハン・ソッキュの台詞が収録されているが、映画より深めにリバーブ(エコーの一種)が掛けられていている。
二人の初めてにして最後のデートとなる、遊園地で遊ぶシーンで流れるトラック14の「ローラーコースター」はボサノバの爽やかなリズムが心地よい。
そしてトラック18「ジョウォンサジングヮン(ジョウォン写真館)」は涙を流さずに入られないラストに流れる曲。
美しいオーボエの旋律に最後のジョンウォンの台詞が重なる。その胸を締め付けられるような台詞は是非みなさんが実際にビデオなりで見た時に、それが半減しないためにもここでは黙っておきましょう。
同じ感動を味わえたら、この映画のファンとしてこんなに嬉しいことはないですから。
※もしこのコーナーで取り上げて欲しいCDがありましたらどうぞ私宛にメールで!
リクエストお待ちしております!! from usk
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