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韓国の「国民的スター」キム・ゴンモの7集。
「このアルバムが100万枚行かなければ引退する!」なんて、ある意味ファンにとってみると脅しとも取れそうな(笑)、宣言をしてしまったが、終わってみればなんのことはない(って終わってないんだけど)、139万枚の売り上げだ。
このような背景には6集が彼にしてみれば思うようにセールスに結びつかなかったことが挙げられる。
とはいえ、50万枚売れたのだから他の歌手にしてみれば大ヒットと言ってもよい数字だ。
しかも韓国では珍しくフュージョンサウンドを打ち出した、アダルトコンテンポラリーにシフトチェンジした、僕個人でいえば最高の一枚となっているんだけど。
まあ、いつになく数字の話をしてしまったが、要するに彼にしてみれば復活を懸けた一枚だったのである。
実はこのキム・ゴンモという人は僕にとって非常に思い入れのあるアーティストであるが、国民的スターの作品には違いないが、いわゆる典型的なコリアンポップというのともちょっと違うような気がするのだが、大衆的というより本格的なソウルを歌っている印象がある。
もちろん、彼最大のヒット「チャルモッテンマンナム(間違った出会い)」なんてバリバリのテクノ系のハウスとなのだが、どちらかというとアルバム全体を占めるのは良質ポップとというものだと思う。
そして彼のずば抜けた表現力も手伝ってどれも最高のアルバムと思っていた・・・・。
本音を言うと、この7集を聴いた時、あまりに大衆的な内容に愕然としてしまった。
今をときめくHIPHOP戦士、CB MASSをフューチャーしたトラック2「Y」、大ヒットした泣きのバラードのトラック3「ミアネヨ(ごめんね)」、先ほど挙げた「チャルモッテン・・・」を連想させるようなトラック6「Double」、トラック9「Good bye yesterday」・・・・。
なんか彼が必死になっているのが伝わってくる、それがショックだった。
僕にしてみれば、それまでの6枚がリスナーをリードしてくれるような作りをするアーティストというイメージがあったのだ。
この7集はそれに対して大衆に合わせるかのような、そんな作りのような感じを受けてしまった(断っておくがもちろん、それが悪いということは決してない。誰にでも愛される作品を作ろうとしているわけだから)
だが、それも聴いていくうちにつれ素直に彼の歌に耳を傾けていくと、面白い試みをしているのに気が付く。
例えばいきなりトラック1の「パボ(ばか)」はボサノバの優しく語り掛けるような、おしゃれなサウンドだ。
3集にも「アルンダウンイビョル(美しい別れ)」のようにバラードから始まるのもあったが、ミディアムテンポのものをオープングにするのはけっこう冒険というか、意表を突かれるものがある。
韓国ではとにかくミディアムテンポの曲はあんまり受け入れられることは少ないそうだ。
そしてこちらもヒットしたトラック4「チャンガ」はアコーディオンをフューチャーしたフォークダンスみたいな(笑)楽しい曲。
そしてトラック8ではキム・ヒョンシクの名曲「ヨルムパメ クム(夏の夜の夢)」。
キム・ヒョンソクのトリビュートアルバムではチョ・ソンモも歌っており、どちらも原曲とは違う魅力を引き出しており、このキム・ゴンモによる名唱はいつもの張りを最小限に抑え、ピアノだけをバックに静かに噛み締めるように歌っているのが印象的で、新たなイメージを与えてくれた。
ただ単にコリアンポップの名曲をカバーしたと片付けられない、素晴らしいボーカルパフォーマンスである。
そういう意味でもちゃんと聴きやすさの中にチャレンジすることを忘れていない、彼の意欲を感じられる(う〜ん、ちょっと勝手な推測かな^^;;)。
そういえば、このアルバムがリリースされた当時のテレビのインタビューで「ほとんどの曲を経費節減のために私1人で作りました」なんて真面目な顔して話をしているのに思わず笑ってしまった。
この7集は、そんな彼の1曲入魂のアルバムといえるだろう。
※もしこのコーナーで取り上げて欲しいCDがありましたらどうぞ私宛にメールで!
リクエストお待ちしております!! from usk
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