過払い金返還請求

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過払い金返還請求(目次) 

•過払い金とは
•グレーゾーン金利と旧貸金業規制法
•引き直し計算の例
•過払い金返還請求のメリット・デメリット


はじめに

私個人的に、前から問題視していたことが、最近になってようやく顕著化してきました。

テレビCMなどを使って大量の過払い案件を処理している事務所などでは、貸金業者と事前協議し、すべての過払い案件を一律の低価格(おおむね元金の4割~6割での和解)で和解すると取り決めがあり、ご本人の知らない間に大幅な過払い額のカットが行われているようです。

また、テレビやYouTubeにあるように、カードを作っている方すべてに過払い金がある訳ではありません。私見からすると、今のCMは誇大広告のような気がしてなりません。CMにお金をかけすぎて横領したまま倒産した事務所もあります。
  

依頼者の利益を守らなければならない立場の法律家が、個々の依頼者に説明もせず、事務所の利益を重視し、大量に安易に事件処理をすることは、私はあってはならないことだと思っています。

当事務所では、ご本人にすべての資料を開示し、個々の事件につきご本人と話し合い、少しでもご本人の利益を確保できるよう、努めております。

本来なら支払う必要のなかった(騙されて支払った)過払金を、法律家だけの判断で安易に減額してしまう理由が私にはわかりません。

過払い金とは

「過払い金」とは、貸金業者に払い過ぎた利息(お金)のことです。

払い過ぎた金員がある以上、返還請求をする事ができます。

なぜ、過払い金が発生するのでしょうか。

それは、サラ金などの消費者金融は、本来払わなくてもいい高い利息を債務者に支払わせ続けていたからです。

法律の中には「利息制限法」というものがあり、

その1条に、貸金の額が
10万円未満の場合は年20%
元本が10万円以上 100万円未満の場合は8%
元本100万円以上の場合は15%

これを上限金利とし、この制限を超えた利息の支払いは「無効」とすると規定しています。

利息制限法は民法よりも優先して適用される法律ですので、当事者(あなたと債権者)がお互いに納得して契約をしたからと言って、利息制限法超過利息が有効となるものではありません。

「無効」である以上、多く支払い過ぎてしまった利息金は、その超過した金額を元本に充当させていきます。

順次元本に充当させていった結果、元本が0円になり、それでもさらに支払った金銭は過払い金(不当利得金)となり、相手方に返還請求することができます。

最近になって、利息制限法の上限利率を超えない利息で貸付をするサラ金などの消費者金融が増えてきましたが、平成20年頃までは、ほとんどすべての消費者金融で利息制限法の上限金利を超える高い利息での貸付が行われてきました。

現在、いくら低い利息で貸し付けられていても、利息の引き直し計算は、取引の頭からおこないますので、高い利息での貸付期間がおおむね6年~8年以上あると、過払い金が発生している可能性があります。

グレーゾーン金利と旧貸金業規制法

では、何故、何を根拠にサラ金などの消費者金融業者は高い利息をとってきたのでしょうか。   

その理由はグレーゾーン金利と(旧)貸金業規制法にあります。

利息制限法の定める上限金利を超えた利息の支払いは無効です。

しかし、利息制限法に違反したからと言って、罰則規定はありません。

利息の制限について、罰則規定のある法律としては「出資法」というのがあります。

出資法5条2項には約定利息(合意により契約した利息)が上限年29.2%(平成12年6月までは年40.004%)を超過した場合に刑事罰を科しています。

利息制限法の制限利率を超えた貸付をしても、この出資法の上限利率年29.2%までであれば(この範囲をグレーゾーン金利と言っています)刑事罰が科されないため、貸金業者の多くは29.2%かそれに近い高い金利で貸付を行っているのです。

旧貸金業規制法43条1項には、「みなし弁済」と呼ばれる規定がありました。

この「みなし弁済」規定を満たした場合には、債務者が利息として任意に支払った場合、それが利息制限法の制限超過利息でも有効な利息の弁済とみなすと定められています。

この「みなし弁済」の要件を満たした場合には、利息制限法超過利息の支払いも有効なものとなってしまうので、過払い金は生じません。

平成18年最高裁判決が出るまでは、多くの貸金業者は「うちは、みなし弁済規定を満たしています。」と主張して来ましたが、

「みなし弁済規定の要件は厳格に解釈しなければならない」との最高裁判所の判断を受け、実際にみなし弁済規定を満たしていたと判断される貸金業者はほとんどいません。

消費者金融業者は「みなし弁済」規定を根拠に高い利息を収受してきた訳ですが、これはほとんど否定されてしまいますので、「過払い金」が生じる場合があるのですね。

 

引き直し計算の例

例をあげてみましょう。

例えば、最初に利率29.2%で50万円を借入れ、毎月25日に2万円づつ返済していった場合、39回で完済です。(最後の返済金額は18855円)

これを利息制限法上限金利の18%に引き直し計算すると、どれくらいの過払い金がでているのでしょうか。

少しわかりにくいかも知れませんが、表にしてみました。 

29.2%の場合
の残元金
(利息金)
回数 18%の場合
の残元金
(利息金)
491,200
(11,200)
486,904
(6,904)
483,381
(12,181)
474,347
(7,443)
474,982
(11,601)
461,364
(7,017)
466,761
(11,779)
448,417
(7,053)
457,963
(11,202)
435,051
(6,634)
449,320
(11,357)
421,701
(6,650)
440,463
(11,143)
408,147
(6,446)
431,034
(10,571)
394,185
(6,038)
421,723
(10,689)
380,211
(6,026)
411,844
(10,121)
10 365,836
(5,625)
402,057
(10,213)
11 351,428
(5,592)
392,028
(9,971)
12 336,800
(5,372)
381,123
(9,095)
13 321,616
(4,816)
370,574
(9,451)
14 306,532
(4,916)
359,467
(8,893)
15 291,066
(4,534)
348,381
(8,914)
16 275,515
(4,449)
336,742
(8,361)
17 259,591
(4,076)
325,093
(8,351)
18 243,559
(3,968)
313,155
(8,062)
19 227,282
(3,723)
300,670
(7,515)
20 210,644
(3,362)
288,126
(7,456)
21 193,864
(3,220)
275,041
(6,915)
22 176,732
(2,868)
261,862
(6,821)
23 159,433
(2,701)
248,356
(6,494)
24 141,870
(2,437)
233,919
(5,563)
25 123,828
(1,958)
219,720
(5,801)
26 105,721
(1,893)
204,993
(5,273)
27 87,285
(1,564)
190,076
(5,083)
28 68,619
(1,334)
174,637
(4,561)
29 49,634
(1,015)
158,967
(4,330)
30 30,392
(758)
142,909
(3,942)
31 10,856
(464)
126,338
(3,429)
32 -8,984
(160)
109,471
(3,133)
33 -28,084
(0)
92,098
(2,627)
34 -48,984
(0)
74,382
(2,284)
35 -68,984
(0)
56,226
(1,844)
36 -88,984
(0)
37,485
(1,259)
37 -108,984
(0)
18,414
(929)
38 -128,984
(0)

(441)
39 -147,839
(0)


上記を見てみるとわずか3年半で約14万7千円の過払い金が発生していますね。

実際には、消費者金融との取引は、借入限度額の範囲内で、借りたり、返したりを繰り返しているケースがほとんどです。

そのような場合の過払い金発生時期は、取引開始からおおむね6年~8年以降になるでしょう。

しかし、10年以上取引を続けていても過払い金が発生しないケースもありますのでご注意下さい。


過払い金返還請求のメリット・デメリット

過払い金返還請求のメリット

・払い過ぎていた利息分が返ってくる

・他の債権に充当できる

・完済したものでも請求できる

・過去の契約書や取引明細書がなくても取り戻せる場合が多い

過払い金返還請求のデメリット

・一旦は事故情報(ブラックリスト)に載る可能性がある

・貸金業者の倒産・行方不明・資産状況の悪化などにより、お金が返ってこない場合がある

・完済してから10年以上経過していると時効にかかり、 お金が返ってこない場合がある

ご不明な点はお気軽にお問い合わせください。
司法書士 古川 美奈子
TEL 079-222-6672

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