個人再生

個人再生 目次

・個人再生とは 

・個人再生の申立が可能な方

・個人再生のメリット・デメリット

個人再生とは

平成13年4月、個人向けの民事再生手続きがスタートしました。

これを個人再生と呼んでいます。

個人再生とは、経済的に困窮して、支払不能に陥るおそれのある債務者が、裁判所に申立て、法律で定められた一定の条件を満たした再生計画案(返済計画)を立て、それが裁判所に認可され実行されることによって、残った債務の額をカットできる手続きです。

この個人再生を申立てできるのは、将来において継続的に収入を得る見込みのある債務者です。

個人再生における再生(返済)計画は法律で定められた最低弁済基準(※)を超え、なおかつ清算価値(預金や車、不動産、生命保険の解約返戻金、退職金(見込額)などの財産)を超えた金額を原則3年間で、3ヶ月に1回以上返済するように立案しなくてはなりません。

(※)最低弁済基準の内訳表

総債務額 最低弁済基準額
100万円未満 全額
100万円以上500万円未満 100万円
500万円以上1500万円未満 債務総額の5分の1
1500万円以上3000万円未満 300万円
3000万円以上5000万円未満 債務総額の10分の1

ご不明な点はご相談ください。

古川美奈子司法書士事務所

電話 079-222-6672


個人再生の申立が可能な方

個人再生の申し立てができるのは、以下の条件に合った方になります。

①再生手続きを利用できる債務者

個人の方の個人再生の申立原因として「債務者に破産の破産の原因たる事実の生ずるおそれがあるとき」と言うのがあります。
事業者でない個人については、「支払不能とまではなっていないけれど、将来支払不能となるおそれのある事が客観的にわかる方」と言うことです。

事業者の方の個人再生の申立原因としては「事業の継続に著しい支障を来すことなく弁済期にある債務を弁済することができないとき」と言うのがあります。

この意味は「債務者が資金を調達して弁済期にある債務を弁済しようとすると、債務者の事業の継続に重大な支障を生ずることが必然的であること」と言われています。

簡単に言うと、経済的に困窮していているけど、債務をある程度圧縮できれば支払うことができるよ。と言う個人の方や事業主の方なら利用できると考えます。

② 収入を得る見込みのあること

小規模個人再生を利用する方は「将来において継続的に又は反復して収入を得る見込み」があることが必要です。

また、給与所得者等再生を利用する方は「給与又はこれに類する定期的な収入を得る見込み」があることが必要です。

③ 再生債権の総額が5000万円を超えないこと

小規模個人再生、給与所得者等再生のいづれにおいても再生債権の総額が5000万円を超えないことが要件となります。

なお、ここでいう「再生債権の総額」の中には、以下にあげるものは含まれません。

・ 住宅資金貸付債権の額
・ 別除権(担保権など)の行使によって弁済することができると見込まれる再生債権の額
・ 再生手続き開始前の罰金、科料、刑事訴訟費用、追徴金または過料(共益債権または一般優先債権であるものは除かれます。)

④ 給与所得者等再生を利用する場合には、以下の要件も満たさなければなりません。

◇ 収入の変動の幅が小さいこと

年収で見て20%を超えるような大きな変動がないことが要件となります。

◇ 以前に給与所得者等再生手続きを利用して再生計画が認可され、その再生計画を完遂した結果、免責を受けた場合、又はハードシップ免責(再生計画の遂行が困難となった場合の免責)が確定した場合はその再生計画認可決定の確定日から7年が経過していること

◇ 破産手続きによる免責決定の確定日から7年が経過していること

ご不明な点はご相談ください。
古川美奈子司法書士事務所
電話 079-222-6672

個人再生のメリット・デメリット

個人再生のメリット

◆債務元本のカットができる

個人再生では、利息・損害金はもちろんのこと、元本のカットも制度上認められていますので、大幅な債務圧縮が期待できます。

◆住宅ローンの付いたマイホームを手放さなくても良い

住宅ローン特則が利用可能な場合は、住宅ローンをそのまま支払う事ができますので、マイホームはそのまま保持することができます。

ただし、すべての方が住宅ローン特則を利用できる訳ではありませんのでご注意ください。

 

◆原則3年で借金を完済できる。

再生計画では、原則3年(長くて5年)で完済できるような計画を立てます。

◆免責不許可事由がない

自己破産のような免責不許可事由がありません。
ギャンブルにより借金した場合などでも手続き可能です。

◆資格制限がない
破産手続きと異なり、職業制限や資格制限はありません。

◆差押え等の中止・取消し
個人再生では、給与の差押えなどの強制執行が行われた場合でも、それを排除して手続きを進めることができます。

◆取立行為・返済のストップ

司法書士(簡易裁判所代理権の認定を受けた者に限る)、弁護士に依頼をすると、その時点で貸金業者の取立行為は規制され、債務総額を確定するため、支払いは停止します。

個人再生のデメリット

◆信用情報機関への事故情報登録

いわゆるブラックリストに登録されます。

ブラックリストに登録されると、今後約7年間はキャッシングやクレジットができなくなります。

しかし、今後は計画を立て「お金を借りる必要」のない生活をすればよいのですから、あまり大きなデメリットとは言えないでしょう。

なお、銀行預金口座を新たに作ることは可能です。

◆連帯保証人に迷惑がかかる

主債務者が再生申立をし、債権額の一部の免除をを受け、借金を整理できても、その効果は連帯保証人には及びません。

むしろ、主債務者の支払いが停止することによって、債権者は連帯保証人に全額の履行を請求するでしょう。

連帯保証人をつけていた場合、迷惑をかける事は避けられません。

◆申立てができる方が限られている

一定の要件を満たした方でないと利用できません。個人再生を申し立てできる方の項目をご参照ください。

◆官報に掲載される。

官報とは国が発行する新聞のようなものです。
再生手続きが開始すると、この官報に氏名・住所と手続開始決定等が記載されます。

官報を、一般の方が目にする機会はほとんどないでしょう。

普通の喫茶店や本屋などではお目にかかれません。

しかし、一つだけ気を付けて頂きたいことがあります。

ヤミ金業者などは、官報で破産者の情報を集め、甘い勧誘文句が書かれたダイレクトメールなどを送付してきます。

このようなダイレクトメールはすぐさま処分するようにして下さい。

◆住宅ローンは減額されない
住宅を手放す事を避けるため、住宅ローン特則付きの個人再生を利用する場合、住宅ローンについての減額はできません。

◆認可されない場合もある。

再生手続開始決定は出たものの、手続き半ばでのリストラや収入減少などにより、再生計画通りに履行することが難しいと裁判所に判断されれば、再生計画は不認可となってしまいます。

また、小規模個人再生では、再生計画案について債権者の消極的同意による決議が必要です。債権者の頭数で半数以上または金額で2分の1を超える債権者が反対すれば、再生計画は不認可となってしまいます。

なお、この債権者の決議は給与所得者等再生ではありません。

ご不明な点はご相談ください。
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