鏡花作品の語彙検索(KWIC)

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『絵本の春』 青空文庫

               小僧は太い白蛇に、頭から舐《な》められた。       :52/84
たのは、一条《ひとすじ》の真赤《まっか》な蛇。手箱ほど部の重《かさな》った、表紙に彩 :79/84
べい》には、おおよそ何百年来、いかばかりの蛇が巣くっていたろう。蝮《まむし》が多くて :80/84
るばかり、幾百条とも知れない、おなじような蛇が、おなじような状《さま》して、おなじよ :83/84


『古狢』 青空文庫

ど》す気で言ったんじゃあない。――はじめは蛇かと思って、ぞっとしたっけ。」      :82/310
た。その上下《うえした》に巻いて廻るのを、蛇が伝う、と見るとともに、車麩がくるくると :83/310
                 同時に、蛇のように、再び舌が畝《うね》って舐め廻す :272/310


『義血侠血』 青空文庫

気手品、盲人相撲《めくらずもう》、評判の大蛇、天狗の骸骨、手なし娘、子供の玉乗りなど :155/706
渠らとともに行きぬ。続きて一団また一団、大蛇を籠に入れて荷う者と、馬に跨りて行く曲馬 :498/706


『五大力』 従吾所好

                     蛇目を一本、腕相撲と云ふ袖で包〈かゝ〉へて :160/1139


『半島一奇抄』 青空文庫

    そのまま、沼津に向って、車は白鱗青蛇《はくりんせいだ》の背を馳《は》せた。  :129/129


『蛇くひ』 青空文庫

を深《さ》ぐれば畝々《うね/\》と這出づる蛇《くちなは》を掴みて、引断《ひきちぎ》り :9/35
《あくぎ》を演ぜざらむことを謝するを以て、蛇食《へびくひ》の芸は暫時休憩を呟きぬ。  :10/35
て珍重するは、長虫の茹初《ゆでたて》なり。蛇《くちなは》の料理塩梅を潜《ひそ》かに見 :13/35
ちに走りて、一本榎の洞《うろ》より数十條の蛇《くちなは》を捕へ来り、投込《なげこ》む :13/35
ち見えず。彼《かの》堆《うづたか》く積める蛇《くちなは》の屍も、彼等将に去らむとする :16/35
応が影をも止《とゞ》めざる時だに、厭ふべき蛇喰《へびくひ》を思ひ出《いだ》さしめて、 :18/35


『活人形』 鏡花とアンティークと古書の小径

の気味の悪さ。惨《むご》たらしう殺したる、蛇《くちなは》の鎌首ばかり、飛失せたらむ心 :77/219
来て、仁者の懐《ふところ》に潜みながら、毒蛇の尾にて巻かれたる、下枝が不運憐むべし。 :107/219
》とも思はねえ。「己《おれ》もさ、狒々や巨蛇《うはばみ》なら、片腕で退治て見せらあ。 :141/219


『海神別荘』 華・成田屋

                 公子  蛇身になった、美しい蛇になったんだ。    :314/369
       公子  蛇身になった、美しい蛇になったんだ。              :314/369
と立ちつつ)いいえ、いいえ、いいえ。どこも蛇(じゃ)にはなりません。一(い)、一枚も :317/369
    公子  一枚も鱗はない、無論どこも蛇にはならない。貴女は美しい女です。けれど :318/369
貴女の全国の、貴女を見る目は、誰も残らず大蛇と見る。ものを云う声はただ、炎の下が閃く :318/369
より長い黒髪の、三筋、五筋、筋を透して、大蛇の背に黒く引くのを見る、それがなごりと思 :318/369
って、人を詛(のろ)って、貴方こそ、その毒蛇です。親のために沈んだ身が蛇体になろう筈 :319/369
方こそ、その毒蛇です。親のために沈んだ身が蛇体になろう筈(はず)がない。遣って下さい :319/369
の父の少(わか)い妾は、貴女のその恐ろしい蛇の姿を見て気絶した。貴女の父は、下男とと :327/369
貴女の父は、下男とともに、鉄砲をもってその蛇を狙ったではありませんか。渠等(かれら) :327/369
せんか。渠等(かれら)は第一、私を見てさえ蛇体だと思う。人間の目はそういうものだ。そ :327/369
公子  どこまで疑う。(忿怒の形相)お前を蛇体だと思うのは、人間の目だと云うのに。俺 :334/369


『貝の穴に河童の居る事』 青空文庫

し、石段が辷《すべ》るだの、お前さんたち、蛇が可恐《こわ》いのといって、失礼した。― :215/257
君。踊って喧嘩はなりませぬ。うう、うふふ、蛇も踊るや。――藪《やぶ》の穴から狐も覗《 :227/257


『化鳥』 青空文庫

で刷いたやう、堤防《どて》だの、石垣だの、蛇籠《じやかご》だの、中洲に草の生へた処だ :93/
の処に棒杭にちやんと結《ゆわ》へてあツた。蛇籠《ぢやかご》の上の、石垣の中ほどで、上 :97/
から堤防《どて》の岸や、柳の下《もと》や、蛇籠《じやかご》の上に居るのが見える、其身 :102/
にげて行くと、しばらくして雨が晴れた。橋も蛇籠《じやかご》も皆雨にぬれて、黒くなつて :193/


『木の子説法』 青空文庫

に、打振《うちふる》うその数珠は、空に赤棟蛇《やまかがし》の飛ぶがごとく閃《ひらめ》 :203/231
教会らしい尖塔《せんとう》の雲端に、稲妻が蛇のように縦にはしる。           :210/231


『高野聖』 泉鏡花を読む

、宛然人が通ひさうでない上に、恐しいのは、蛇で。両方の叢に尾と頭とを突込んで、のたり :108/622
身の毛、毛穴が不残鱗に変つて、顔の色も其の蛇のやうになつたらうと目を塞いだ位。    :113/622
。あゝ先刻のお百姓がものの間違でも故道には蛇が恁うといつてくれたら、地獄へ落ちても来 :116/622
              又二里ばかり大蛇の蜿るやうな坂を、山懐に突当つて岩角を曲 :123/622
                難儀さも、蛇も、毛虫も、鳥の卵も、草いきれも、記して :125/622
               心持余程の大蛇と思つた、三尺、四尺、五尺四方、一丈余、 :129/622
         何しろ山霊感応あつたか、蛇は見えなくなり暑さも凌ぎよくなつたので、 :131/622
                  今度は蛇のかはりに蟹が歩きさうで草鞋が冷えた。暫 :134/622
    はてさて迷惑な、こりや目の前で黄色蛇の旨煮か、腹篭の猿の蒸焼か、災難が軽うて :462/622
すと此処へ来る途中でも其の事ばかり考へる、蛇の橋も幸いになし、蛭の林もなかつたが、道 :553/622
う、蟇を見たらう、蝙蝠を見たであらう、兎も蛇も皆嬢様に谷川の水を浴びせられて畜生にさ :593/622


『国貞えがく』 青空文庫

の中へ、見世ものの小屋が掛った。猿芝居、大蛇、熊、盲目の墨塗――(この土俵は星の下に :27/317


『草迷宮』 鏡花とアンティークと古書の小径

               向うの小沢に蛇《じゃ》が立って、            :3/1510
                   「長蛇を逸すか、」               :591/1510
          「忽《たちまち》見る大蛇の路に当って横《よこた》わるを、剣を抜い :593/1510
えば、欅の枝に這いかかって、こう、月の上へ蛇のように垂《たれ》かかったのが、蔦の葉か :808/1510
               ところでその蛇のような光る影も、向かわって、また私の足 :880/1510
に踏跨って咽喉《のど》を緊め、五体に七筋の蛇を絡《まと》わし、牙ある蜥蜴に噛ませてま :1341/1510
大紅蓮。跪居《ついい》る畳は針の筵。袖には蛇《くちなわ》、膝には蜥蜴、目《ま》の前《 :1451/1510
              (向うの小沢に蛇《じゃ》が立って、            :1472/1510


『眉かくしの霊』 泉鏡花を読む

時代に、峠路で売つて居た、猿の腹ごもり、大蛇の肝、獣の皮と言ふのは此れだ、と滑稽た殿 :21/330
した。森の奥から火を消すばかり冷い風で、大蛇が颯と追つたやうで、遁げた私は、野兎の飛 :254/330
 「雪がちら/\雨まじりで降る中を、破れた蛇目傘で、見すぼらしい半纏で、意気にやつれ :306/330


『日本橋』 青空文庫

、江戸の名物の一つであるが、この露地ばかり蛇目傘の下の柳腰は、と行逢うものは身の毛を :358/2195
銀の刺繍で、これが伊達の、渦巻と見せた白い蛇の半襟で、幽に宿す影が蒼い。       :425/2195
片手の指を顋に隠した。その指には、白金の小蛇の目に、小さな黒金剛石を象嵌したのが、影 :1202/2195
 後で知れた、――衣類の紋も、同じ白色の小蛇の巻いた渦巻であった。          :1203/2195
、ひらめく稲妻、輝く白金、きらりと指環の小蛇を射る。                 :1502/2195
けるわ、サの字だから。鬼にでも、魔にでも、蛇体にでも、何にでもなって見せてよ、芸人で :1509/2195
あわれさよ。鶴を折る手と、中指に、白金の白蛇輝く手と、合せた膝に、三筋五筋|観世捻、 :1731/2195
    「国手、お前んはまた毎晩のように、蛇が蟠を巻いておる上で、お孝といちゃついて :1822/2195
          豊艶と覗いた乳首が白い蛇の首に見えて、むらむらと鱗も透く、あの指 :1840/2195
い霞に、虚空|遥に揺上げられて、天の果に、蛇の目玉の黒金剛石のような真黒な星が見えた :1840/2195
ト片手ついたが、欄干に、雪の輝く美しい白い蛇の絡んだ俤。               :1971/2195
らくたに交ったか、二尺ばかりの蝋鞘が一口。蛇のごとく空に躍って、ちょうどそこへ来た、 :2061/2195
の彼を抉った手は、ここにただ天地一つ、白き蛇のごとく美しく、葛木の腕に絡って、潸々と :2151/2195


『婦系図』 青空文庫

となり、解けば美しき霞となり、結べば恐しき蛇となる。                 :2727/3954
襖が、より多く開いた。見る見る朱《あか》き蛇《くちなわ》は、その燃ゆる色に黄金の鱗の :2729/3954
             お蔦と二人が、毒蛇になって、可愛いお妙さんを守護する覚悟よ :3936/3954


『春昼』 泉鏡花を読む

づけて行かうと思つてさ。何ね、此処等ぢや、蛇なんか何でもないのかも知れないけれど、」 :38/628
ようも知れぬ。此の路を後へ取つて返して、今蛇に逢つたといふ、其二階家の角を曲ると、左 :47/628
                   赤棟蛇が、菜種の中を輝いて通つたのである。   :60/628
 曲角の青大将と、此傍なる菜の花の中の赤棟蛇と、向うの馬の面とへ線を引くと、細長い三 :65/628
   しかし、若悪獣囲繞、利牙爪可怖も、〓蛇及蝮蝎、気毒煙火燃も、薩陀彼処にまします :67/628
草が分れて、一筋明らさまになつたから、もう蛇も出まい、)其時分は大破して、丁ど繕ひに :77/628
   聞くものは一驚を喫した。菜の花に見た蛇のそれより。               :216/628
                   「大蛇が顋を開いたやうな、真赤な土の空洞の中に :299/628
                     蛇が、つかはしめぢやと申すのを聞いて、弁財 :413/628
                    「蛇が居ませう、」              :445/628
          降らうも知れぬ。日向へ蛇が出て居る時は、雨を持つといふ、来がけに :516/628
来て、点燈頃、(私、今、来がけに、彼処さ、蛇の矢倉で見かけたよ、)          :623/628
                     蛇の矢倉と言ふのは、此の裏山の二ツ目の裾に :627/628


『春昼後刻』 泉鏡花を読む

   出家は、さて日が出口から、裏山の其の蛇の矢倉を案内しよう、と老実やかに勧めたけ :6/444
空想の前途を遮られて、驚いて心付くと、赤棟蛇のあとを過ぎて、機を織る婦人の小家も通り :21/444
張お好きではねえでがすな。奥に居た女中は、蛇がと聞いただけでアレソレ打騒いで戸障子へ :37/444
   「それは、何、あの畑打ちの爺さんが、蛇をつかまへに云つた時に、貴女はお二階に、 :187/444


『歌行燈』 従吾所好

ほど咽喉が太い。耳の傍から眉間へ掛けて、小蛇のやうに筋が畝くる。眉が薄く、鼻がひしや :468/744


『夜行巡査』 青空文庫

堀端の芝生の一面に白くほの見ゆるに、幾条の蛇《くちなわ》の這えるがごとき人の踏みしだ :29/164


『薬草取』 青空文庫

                    千蛇《せんじゃ》が池《いけ》と申しまして、頂 :58/283
さがた》な親仁《おやじ》で、脈を取るにも、蛇《じゃ》の目《め》の傘《かさ》を差すにも :117/283


『夜叉ヶ池』 青空文庫

  劇中名をいうもの。――(白山剣ヶ峰、千蛇ヶ池の公達)               :28/564
            学円 綺麗な石が毒蛇の鱗? や、がぶがぶと、豪《えら》いこと :105/564
晃 これか、谷底に棲《す》めばといって、大蛇《うわばみ》に呑まれた次第《わけ》ではな :155/564
い》にござった時分は、背中に八枚鱗が生えた蛇体だと云っけえな。……そんではい、夜さり :271/564
が、寝床を覗《のぞ》くと、いつでもへい、白蛇《しろへび》の長《なげ》いのが、嬢様のめ :271/564
《われ》がを、(と鯉をじろじろ)ばけものか蛇体と想うて、手を出さずば、うまい酒にもあ :272/564
、それ、御縁者、白山《はくさん》の剣ヶ峰千蛇ヶ池の若旦那にあこがれて、恋し、恋しと、 :290/564
…これは、北陸道無双の霊山、白山、剣ヶ峰千蛇ヶ池の御公達《ごきんだち》より、当国、三 :312/564
しゅう》の前ながら、館《やかた》、剣ヶ峰千蛇ヶ池へ――熊に乗って、黒髪を洗いに来た山 :329/564
    白雪 聞かずと大事ないものを――千蛇ヶ池とは知れた事――このおふみの許《とこ :367/564
命《いのち》を絶たねばなりませぬ。剣ヶ峰千蛇ヶ池の、あの御方様とても同じ事、ここへお :370/564
ましめの縄よ。……鬼、畜生、夜叉、悪鬼、毒蛇と言わるる私が身に、袖とて、褄《つま》と :402/564


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 佐藤和雄(蟻) 2000.9.29